頭の大きいノドグロ

2014-10-31 00:00:39 | あじ
島根県ではない場所で島根料理店に行き、ノドグロを注文する。調理法は塩焼き。

ノドグロは一見普通の形をしているが、表面が鯛のように赤っぽく美しいのとは逆に、ノドの中が黒いという不思議な関係にある。水深100~200mの砂底に生息している。福島県以南の海(つまり暖流支配下)。つまり東京湾にもいる。日本の海は特に日本海側の海岸にそれぐらいの水深の場所が多く(もともと、日本海は湖だったこともある)、特に島根が名産。

全米オープンテニスで準優勝した島根県出身の錦織圭氏が、「日本に帰ったらノドグロを食べたい」と言ったので「地方区」から「全国区」になりそうで困るのだが、大きさの割に高級魚である。白身はあくまでも柔らかく繊細な繊維質の肉質で、スポーツ選手に好まれるとは知らなかった。

bodoguro


今回食したのは体長30センチ弱(焼く前は30センチ超だろう)だが、最大40センチまでになる。まとめて獲れる魚じゃないので高い。料理店で「本日のおすすめ」というようなメニューに登場していたら、金額と魚のサイズを確認してから注文するのが一般的なのだろう。つまり偶然。

島根では、美しく赤い個体よりも白っぽく鱗ボロボロの方が上物とされるようだ。ドロっぽい場所に生息している方が、脂がのっているそうだ。政治家みたいな話(竹下某?)。

小型の食用珍魚といえば、八角、目光、喉黒というところが有名だが、お金持ちでも庶民でも、食べようと思っても毎日食べることができない、というのが、またいいのだろうか。

ところで、この文章を書くために調べてみると、食べてしまったノドグロだが、魚類図鑑のイラストよりも頭が大きい。実は、皿に乗ってテーブルに登場した時にも若干感じたのだが、テニスラケット型のようにも見える。ニシゴリモデルかもしれない。

坂東蛍子、日常に飽き飽き(神西亜樹著)

2014-10-30 00:00:33 | 書評
hotaruko今年の100冊目は、 『坂東蛍子、日常に飽き飽き(神西亜樹著)』。奇しくも新潮文庫NEXの第一回配本。新潮NEX大賞受賞作。実は作者は1990年生まれということは発表されているのだが、男性なのか女性なのか、あるいはその他なのか、はっきりわからない。素顔も不明だ。まあ、知らなくてもいいことのような気もする。「バッテリー」の作者みたいなことかもしれない。

この方、主にネット上に作品を発表されていて、それがNEX大賞につながっていったわけだ。後で、ネット上の作品を読むと、短編と長編では文体が異なるというか、本小説もかなり文法構造的にしっかりした書き方になっている。本来、文章は文法上しっかり書くのが当然なのだが、日本語の場合は、かなり省略して自分なりの文法を使うことが許されていて、それが文体ということになるのだが、神西さんの場合は、あまり省略しないで書き進んでいく。

その結果、最初は読み進むのが難しく、時間がかかってしまう。1時間ほど読むと、ペースが速くなり、何人(猫や、人形や、ぬいぐるみや地球外の方もいるので、何「人」と、人の字を使っていいかどうかは疑問だが、それらを総称した「単語」を思いつかないので、「人」ということにしておく。)もの登場人物に感情移入できるようになる。というか、ストーリーより登場「人」物の魅力を感じる方がいいかもしれない。「アリス」と思えばいい。

全体が四章にわかれ、それぞれにサブタイトルが付いている。新刊なので、筋を書くのは憚られるので各章にあてがわれたタイトルを紹介するだけにする。

1章 千代田区タクシー誘拐事件
    坂東蛍子のブラック・サタデー

2章 ぬいぐるみは静かに眠る
    坂東蛍子、人形の足跡を辿る

3章 なぜ私が川内和馬のジャージを着るに至ったか 
    坂東蛍子、眼鏡越しに愛を見る

4章 ウロボロス大作戦
    坂東蛍子、決して尻尾を話さない

途中で思ったのだが、将来、「池澤夏樹」のようになるのではないだろうかと感じた。話の展開とか。


ところで、少し前に坂東さんという若い女流棋士が将棋界から引退したのだが、彼女と1度だけ数時間の仕事に同席したことがあったが、この小説の中の主人公と同じようなイメージなのだ。棋士の方が数年作者より年上という計算だが、同一人物?と頭をよぎるが、それでは作家が自分の名前と似ている主人公を描くにあたり、別の名前を選んで作家となる、というようなかなり手の込んだ話になってしまう、たぶん気のせいだろうと忘れることにする。

毎年、100冊目は12月になってしまうのだが、2ヶ月早い。たぶん本を読む速度が改善したのだろう。大著でも読もうかと思うが、根気が・・

武士の家計簿(映画)

2014-10-29 00:00:05 | 映画・演劇・Video
busi2堺雅人主演、仲間由紀恵助演の『武士の家計簿』。実在の武士の家計簿が発見され、その分析本を元に作られた映画。

加賀藩算用方だった猪山直行、成行親子が37年間綴った武家の家計簿は、幕末の武士社会の経済構造を知るには非常に歴史的価値が高い。ようするに交際費比率が高いわけだ。収入の何割もが親戚や勤務先の交際費に使われる。猪山家も年収の2倍の借金を抱え、非常事態宣言をして、家財道具の大バーゲンをしなければならなくなる。年収の数倍の住宅ローンを組んでいる多くのサラリーマン(ウーマン)は、売るものすらないのだが。

一方、猪山家の勤務先である加賀藩は前田百万石(支藩の能登を加えると百二十万石)もある日本最大の大藩だったのだが、実情は火の車。例の江戸屋敷に徳川家斉公の娘の一人を嫁取りするときに作った赤門(東大)も、塗装費用が捻出できず、道路に面した前面だけを赤く塗るという緊急手段に追い込まれていた。

猪山家は代々算用方として、「そろばん一筋」という家柄であり、直行は自家の窮地も藩の窮地も救い、長男の成行は薩摩藩を経由し海軍に入り、兵站計画を担当することになり日本海軍の基盤つくりに貢献する。

busi1問題は、主演の堺雅人。そろばんバカ、とあだ名が付いていた直行役だが、あまり算盤がうまくない。しかも、いつも「妙な含み笑い」の表情なので、真意がはかりかねる。本当のことをいうと、豪華出演者(松坂恵子・仲間由紀恵・中村雅俊・西村雅彦・草笛光子)がそれぞれ自分の役を淡々とこなしているため、本来、家族、親戚の関係にあるのにそういうファミリー感に欠けるような気がする。

しかし、セットは手が込んでいて全体に丁寧な作りと感じる。

終りの方で、「算盤ひとつで兵士千人、万人分の力がある」というようなセリフが出てくるのだが、本映画で使用される算盤は、上に2玉、下に5玉という現在中国で使われている形式である。会社経営に使えないかと、ネットショップをさがしてみたが、日本式の上1玉、下4玉以外は見当たらない。唯一、中国への輸出用として日本製黒檀材使用11ケタ型3万円というのがあったが、予算オーバーだ。

busi3さらに、ネットで調べると、「実用性のある日本最古の算盤」というのは、前田利家公所有のものだそうだ。つまり、偶然にも実話から始まったこの映画と重なるわけだ。当時の大名は自分で算盤をはじいたのだろうか。利家公は、軍事目的に使ったのか、藩の経済を分析するために使ったのか。是非知りたいものだ。


そして、映画は終わっても、私の話は終わらない。

本映画の舞台は天保年間から後の困窮した加賀藩であるが、その頃の加賀藩で行われていた事件がある。密貿易である。銭屋五兵衛(通称、銭五)が日本海を利用して密貿易を実施していた。それを黙認するような形で利益の一部を藩がリベートとして受け取っていた。銭五の資産は現在価額で一兆円とも言われるので、リベートも相当額だろう。

実際には幕府も気付いていて、見て見ぬふりをしていたが、幕府に知られたら大変と加賀藩は勘違いし、銭五一家郎党を処刑の上、財産没収してしまう。さらに家老も切腹。

となると清廉潔白を旨とした猪山一家が気が付かないことはないはず。その時、直行はどうしたか。真相を知りたいものだが、そういうものは歴史にも映画にも残らないものだろう。

小山城-うっすら感じる悲劇の記憶

2014-10-28 00:00:29 | The 城
小山城は地元では祇園城と呼ばれる。平安時代に藤原秀郷が東北平定のため、ベース基地をこのあたりに作り、戦勝祈願のため祇園神社を興したことによる。その時の場所は定かではないが、それほど現在の城山公園からは離れてはいないだろう。国道4号線の旧道沿いであったと考えるのが自然だからだ。

地元の豪族だった小山氏は鎌倉時代に繁栄したのだが、鎌倉時代末期に関東管領足利氏満の怒りを買い滅亡させられる。しかし、室町幕府により復活を許され、同族の結城氏から小山泰朝が現在の城山公園内に城を築き第二次小山氏となる。

現在の小山城が築城されたのは1460年から1465年の間と推定されている。しかし、その後、戦国トーナメント戦の間に(後)北条氏と戦い敗戦。滅亡の危機だったがなんとか北条臣下となることで生き残るも、豊臣-北条戦の敗戦で、その後どたばたしたものの、ついに小山家は滅亡する。

しかし、交通の要所である小山は、政治的に利用され、徳川による豊臣戦争の一場面である「小山評定」というイベントがあり、徳川は上杉征伐に参加した諸大名に、家康と三成とどちらが好きかを表明させる。そして、関ヶ原に向かって時代は動きだすわけだ。現在は道路によって城山公園と分離されてしまった小山市役所のあたりである。

一方、小山城はその後、手を入れられ維持されていたが、一国一城制になり廃城。

城跡には御殿ができ将軍家の日光詣りの時の宿泊施設となったが、江戸時代中期に財政難から使われることなく朽ち果てた。

小山城に関する歴史に○×を付ければ、○×○×○×○×ということになる。現在、何らかのプロジェクトが始まるような予感があるが、○なのか×なのか不明だ。

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そして、肝心の小山城址だが、背後が思川の絶壁である。もちろん海じゃないので、逃げることはできるが攻めるのは難しい。全面が幹線道(奥州街道か)であり大軍で攻められると防戦不能だ。道路から階段で20段位の高さしかない。幅10メートル未満の空濠はあるが、水がないので防御力は相当弱い。城は川沿いにかなりの縦長(わらじ型)であり、面積の割に防御軍を配備するのに人数が必要だし、中央を突破されると両サイドの防御陣はそれぞれ孤立して全滅することになるだろう。もともと、第二次小山氏も、北条氏の臣下となった小山氏も傀儡的であったため、妙な気にならないように弱体城郭をあてがわれたのだろうか。

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天守閣は築かれることはなく、本丸跡を思われる当たりにストーンサークルが作られている。裏の川から拾ってきたような石が置かれている。城郭には付き物の井戸であるが、歩き回ってもはっきりしなかった。おそらくここではないかと思われる窪地のあたりを発掘すればわかるだろう。だいたい、こういうちょっとした窪地に井戸があることが多い。

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城自体の戦闘的機能は低いものの、裏手にある天翁院には小山氏の墓地が残っていることを考えると、この城郭が丸焼けになって、戦死者ゴロゴロというような大惨事になったことはないのだろうと推測する。

小山の史跡といえば小山評定

2014-10-27 00:00:57 | 市民A
栃木県の小山市と言ってもメジャーな町ではないが、新幹線も停車するし、スターバックスだってある。ただし、おみやげ品目は少ないし、何しろ知名度が低い。東京駅で新幹線の切符を買おうとしたら、誤って富山行きの指定席を渡されそうになった。手に取ってから返すとキャンセル料を取られるところだが、気が付いた。(念のため、小山は「こやま」じゃなく「おやま」だから)

そして、日本史で小山が登場するのが、大きく4回。一つ目は、平安時代に藤原秀郷が東北地方平定のため今の城山公園のあたりに小山城(祇園城)を築いたこと。ただし、正確な築城年代は不明らしい。

そして次に登場するのが小山氏。15世紀の戦国時代に小山城を確保していたが、上杉、北条といった強力大名に攻略され、1575年に北条氏により城は陥落。城主小山秀綱は追放され、結城氏の元に逃げ込む。しかし、北条との和議が整い。小山氏は北条の臣下となることで、小山城を返してもらう。そのため、秀吉が北条征伐を始めた時には負け組に分類され、改易となる。そして、病没。

3度目に登場となるのは、有名な「小山評定」。秀吉亡き後の権力抗争に関係する。家康による上杉征伐中に、全国の多くの大名が小山に集められ、石田三成と戦争が始まった場合、三成につくか家康につくかをはっきり表明させる。場所は、現在の小山市役所敷地内と言われる。

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事前の打ち合わせ通り、福島正則が大芝居を打ち、大勢は主戦論に傾く。関ヶ原の戦いを含む大河ドラマでは一つのピークとなる。

そして、4度目の歴史は、小山御殿。徳川の時代になり、家康公を日光に配置し、それを参拝するのが将軍の勤めとなる。

その日光への途中に休養を得たのが小山である。古くは藤原秀郷が、ここの城を出て勝運を得、小山評定以降の作戦で徳川家が江戸幕府を築いた「開運の地」に宿舎を置くことにする。それが「小山御殿」。ただし、幕末にはもう幕府の金庫も空っぽで、日光参りは中止。いつの日か跡かたもなくなる。

そして現代だが、この小山御殿の跡地に「御殿再建」を作ろうとしている人がいるらしい。地方創生バラマキ予算の使途となるのだろうか。

ボストン美術館浮世絵名品展 北斎

2014-10-26 00:00:35 | 美術館・博物館・工芸品
偉人、極彩、北斎。と簡略化された展覧会と言う方がいいだろう。上野の森美術館で拝観する。長命を誇った葛飾北斎のボストン美術館のお宝展である。言うまでもなく明治初期に二束三文となった江戸の浮世絵作品を後世に残そうと日本美術の応援にきていた数人の米国人が収集し、後にコレクションを引き継いだのがボストン美術館。

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館内で、「アメリカ人が安く買いたたいて持っていってしまった」と憤慨していた人がいたが、無知をさらしていて残念に思った。日本の近隣国でもそういう勉強不足の日本批判をする人がいるが、同程度だ。

hokusai3さて、さすがボストン美術館とうならせるような日本でみたことがないような北斎の趣向物も展示されている。


北斎の描いた東海道五十三次を見て、「永谷園だよね」と言っている人もいたが、北斎と広重の違いもわからないような人が観てどうするのと思う。どちらの絵師が好きかというのは、芭蕉と蕪村のどちらが好きというのと似ているのだろう。

北斎の東海道は、概してそこに描かれる人間像に重きがあるように見受けられる。場所を提供しているのが東海道の宿場である。広重は、宿場そのものの絶対的美を描こうとしている。悪く言えば観光ガイドブックだが、宿場の自然的、歴史的、経済的背景まで一枚の浮世絵に刷り込んでいる。

hokusai2そして北斎における富士山。江戸時代にも富士山に登ろうと言う観光テーマが盛んだった。北斎の描く富士も、よく考えると、富士山の持つ超越的な美しさ(赤富士)を荒々しく表現した作品群もあれば、富士山と人間の調和をテーマとした群、そして江戸や千葉、神奈川の市井の庶民活動の中にポツンと現れる「小富士」作品群、というように、大変ユニークで、北斎らしい組み合わせである。

40代になり、作品が急に高度化していったのは欧州で発見された藍色(べろあい:ベルリンブルー)を長崎経由で手に入れたことにもよるのだろうが、その後、一心不乱に芸術家の極みに突進していく。

hokusai1普通の北斎展では、1枚だけ枕絵的作品が紛れ込むのだが、見かけなかったような気がする。もっとも入館50分待ちで閉館まで30分しかなく、立ち止まることすらできない混雑だったため、人だかりのある作品は、一瞬しか見えなかったので見落としたのかもしれない。

ところで本展とは何の関係もないのだが、50分待ちの行列の中で蚊に刺されないように小刻みに体を動かしながら周囲を観察していたところ、「上野の森美術館」というのは英語では「THE UENO ROYAL MUSEUM」となっていることを発見。「上野王族美術館」ということになる。

大山の詰将棋100、1問要修正

2014-10-25 00:00:45 | しょうぎ
知人から詰将棋の本を二冊いただく。そのうち一冊が「大山の詰将棋100」。まさか本人が作ったわけはないだろうが、真の作成者は不明だ。

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で100題しかないのだし、短編中心なので、新幹線に乗り込んで、2時間超で解くつもりだったが、5手、7手あたりは1分以内なのだが、段々、脳が疲れてくるわけだ。疲れてくると同時に手数が長い問題に取り組まなければならないので、相乗効果的に前に進まなくなり、最後は脳が爆発しそうになり本を閉じる。

そして、自室のベッドサイドチェア(本当はテーブルを置きたいが、あやまって椅子を買い過ぎたので、椅子を机替わりにしている。クッションのため、物を置くと、よく落下する。水割りグラスとか・・)に本を積み、睡眠落下30秒前にページを開いて、そのまま朝になる。

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で、本来、眠りに落ちるはずの瞬間に第52問に違和感。9手詰なのに11手で詰む。早い話が簡単な余詰めだ。作意もすぐわかり、▲3一とから飛車が成り、▲1二角で逃げ道封鎖して▲2二歩のコースだろう。余詰めの方は、▲3一と、△同玉のあと▲2二角から香を取って、▲1二歩と▲2三香を連発するわけだ。

修正案としては、一枚増えるが攻め方に1四歩を追加するか、枚数変えないなら玉型の1一香と1三歩を交換するのだが、変な図になる。実戦では自陣の1一に歩があることはほとんど無いだろう。


さて、10月11日出題作の解答。

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4手目の同玉の変化が23手詰めになる。変化としては長すぎるかもだ。というか、別の問題か。

動く将棋盤は、こちら


今週の出題。



もしかしたら、以前出題したような気がするのだが、調べてもよくわからないので初出と思うが違ったらゴメン。

わかったと思われたら、コメント欄に最終手と総手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

「また、こいや」と言われても

2014-10-24 00:00:31 | あじ
羽田空港第2ターミナルの奥の方の搭乗口の近くに、寿司店がある。その場所は、搭乗口の前なので、手荷物検査も終わり、あとは飛行機に乗るだけという人ばかりなのだから、寿司店に向いているとはあまり思えないのだが、結構賑わっている。まあ、飛行機に乗るのに多くの人は余裕時間を持っているのだろう。

そして、私にも30分の余裕時間があり、空腹でもあったので、「まぐろづくし」という盛り合わせを注文。

matakoiya


ところで、店名の「又こい家」だが、どう読むのだろうと思っていたのだが、ローマ字で「MATAKOIYA」となっているので、「また、こいや」と命令されていることに気付く。こいや、とは乱暴な言い方で、市場のオニイサンの言い方みたいだ。「オイデヤス」とかの方がいいと思うが人それぞれ感じ方が違うだろう。

そして、六貫セットがやってくる。中トロ、赤身、それとヅケが二貫。ヅケのうち一貫は違う種類のマグロだ。そして中落ちの軍艦と中落ちの手巻き。質的にはヅケは1貫でいい。赤身のヅケは、別種のマグロにしてもらった方がいいのだが、ネタの鮮度の問題とか色々あるのかもしれない。

そして、6貫だと、僅かに足りない感じがあるが、2貫追加すると、多すぎるような気がする。まったく微妙だ。

価格だが、1290円の内税である。1.08で割ると、1194.44円。

ところで、増税後の消費不況だが、「内税表記」が原因なのだろう。もともと価格転嫁しやすいようにという老婆心からなのだろうが、消費者は内税価格で価格を判断する。この結果、今までの価格感覚で買い物をすると、自動的にネット価格が3%減ってしまう。マイナス成長になる。

同様に、10%に値上げ時に食料品価格を無税にしたとしても、結局、消費者の使う金額は同じことになるのではないだろうか。つまり、財布から亡くなるおカネは同じで、買える食料品の量がわずかに増えるだけということになるのだろうか。

い・け・ま・せ・ん!!!

2014-10-23 00:00:47 | 市民A
忙しいのに、さらにつまらないことばかり起こる。

倉敷で借りている駐車場だが、自分が借りている隣のスペースが1台空いているのだが、そこに野良猫の餌を置く人がいる。

その近くには2年近く前から黒猫4匹と黒白もよう2匹がいたのだが、野良猫の運命というのか誰かに引き取られたのかわからないが、今は1匹か2匹かに減少している。

別に、猫好きとしては、いまさら野良猫の是非について白黒つける気はサラサラないのだが、困ったことに餌付けしている人がいる。一度見た時は女性だった。一人だけなのかどうかはわからないのだが、近くに「ここで猫に餌をやるな!」という看板があちこちに立てられている。

そして、私の隣の駐車場スペースに回ってきた。ハンカチ落としゲームそのものだ。キャットフードルーレット。

しかも黒猫で、夜間はよく見えないし、時々うろうろしているわけだ。

で、フード残留現場の画像を不動産会社に送ると、数日後に路面に紙が貼られていた。

ikemasen


危険!!

猫が轢かれます!

駐車場内にネコの餌を置いては

い・け・ま・せ・ん!!!


縦書きだ!

ネコは自宅で飼いなさい!

それに、よく食べ残しが残っている。口に合わないのかもしれない。

ネコはエジプト出身で、長い間ネズミ退治のために生きてきたのだが、私の経験では、最も欣喜雀躍の大好物は、アジの干物だと思われる。食後約1日の間、うっとり上機嫌になる。日本までのネコ族の長い旅の結末がアジの干物との出会いだったわけだ。岡山名物ままかりを干物にして奮発したらどうだろうか。小骨が多いが。

iPhone6好調とソニータイマー起動

2014-10-22 00:00:26 | マーケティング
iPhone6が日本国内で好調に販売されているということにより、中国からの輸入額が増加し、貿易赤字拡大の方向となり、GDP引下げ要因になり、アベノミクスの目指している「成長と増税のバランス」が崩れることになりそうだという。もっとも原油価格が値崩れしているのでバランスするのかもしれないが。

かつて経済学者ロストウは、発展途上国の経済が上昇軌道に乗るためには、飛行機の離陸と同じように、強い助走が必要という説を組みたてた。経済が離陸(テイクオフ)という表現を使うのも、元は彼の理論によるのだろう。

一方、日本が置かれている状況は、荷物が重すぎて不時着してしまった飛行機に譬えられる。再離陸するためには、重荷を捨てることと、再度、滑走路を走りなおすことである。重荷を捨てるというのは、各種規制の廃止とか既得権者のしがらみからの脱却を意味し、滑走路を走りなおすというのは、経済特区とか優遇税制とかそういう方向だ。

で実際には、重荷は捨ててないし、特区や優遇税制も、まだ机の上に置かれた脚本の状態。まだ誰もページを開いていないし、開かなくても想像できる内容だ。アベノミクスは始まってすらいない、株価が期待で上がっただけ、という人もいる。


ところで、一転してソニーのこと。1年半ほど前にソニー製のXPERIAにしたのだが、主に出先で充電とかPCとの接続に使う部分のキャップがそれを止めるバンドが切れるという形ではずれ、内部が露出してしまった。ソニー製品は1年のメーカー保証期間を過ぎると自動的に壊れるというリアリティのある都市伝説(『ソニータイマー』があるのは知っていて、過去に2回大損害したのだが、まさかスマホにまでタイマーを仕込むとは思っていなかった。細部にこだわらないのだよね。玩具感覚。

sony


キャップがないという状態を直すかどうか考慮するも、下着を着ないで外出して、体内が見えてしまうというような気分なので、キャリアの営業所に持っていくことにする。

と、そのキャリアの保証があるので、「1.本体を新品に交換する。2.部品の修理をする。」という二択だそうだ。コストは、1の場合は3,240円。2の場合は、0円から10,800円だが、明らかに部品代が必要だし、他にも故障個所があれば修理費が加算されるということ。どうもソニー製を買ったこと自体が・・ということらしい。ただ、新品にすると、データ移動が必要なこととアプリは取り直しということ。結局、面倒でも2を選ぶ人はいないだろう。

そして交換されるだろうスマホの寿命が尽きる時がソニー製品とのお別れになるのかと思うのだが、世界中の人がそう思う時、ソニーは電機メーカーとしての役割を終え、「伝説の会社」になるのだろうと思うのだが、そういえば、ソニー生命とソニー銀行にはかなりお世話になっていることを思い出す。

晴天の迷いクジラ(窪美澄著)

2014-10-21 00:00:53 | 書評
若い作家のことだから、もっと軽快で読後10歳位若返ったような爽快な気持ちになるのかと思って読み始めると、真逆であった。

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主人公は約3人で48歳の野乃花、24歳の由人、16歳の正子。年齢を調べ直して書いてみたのだが、本書の中で感じる年齢はそれぞれ2割増ぐらいだ。それぞれが、あまりに重すぎる家庭の重みを引きずっている。この3人以外にも、ほとんどの登場人物は犯罪的だ。

そして互いに面識のない3人とも、ついに人生の行き詰まりに到達。それぞれが行きどまり感のある旅に出る。それが、西日本のどこかの湾に紛れ込んだ迷いクジラを見に行くニセ家族の旅になる。行き詰ってしまって体力が尽きかけている迷いクジラの運命と重なる。

映画化が決まっているかのようにストーリーはドラマティックに場面が変わっていくのだが、読む方には、あまり新聞などには登場しない「事件の背後には幼少時代のゆがんだ家庭環境が影響を与えている」といった雰囲気が漂い、それが3人分、別々にこれでもかこれでもかと書きつづられる。

そして、人生の終わりを意識した3人の運命は・・

私は3人にもクジラにもコインの裏が出ることを予想したのだが、クジラは突然元気になって、湾を出ていなくなってしまう。映画化するには、そこのところの合理性を何か付け加えなければならないだろう。

そして、人間の方は・・

津村節子氏による、「吉村昭氏と芥川賞の関係」

2014-10-20 00:00:55 | 書評
駒場の日本近代文学館にまで「芥川賞直木賞特別展」を見に行ったのは、作家津村節子氏が「波」に連載中のショートエッセイ「時のなごり(37回)」を読んだことによる。津村氏は芥川賞受賞作家であり、亡夫である作家吉村昭氏は、芥川賞の候補に4回なって、もらえなかったことで有名である。

もっとも、6回候補になった人もいるし、そうなると候補者も選考者も「まあ、一応・・」ということになってしまうのかもしれない。落選のつど選考者の方は落選させた理由をこじつけるのであろうが、そのこじつけが次回の手枷足枷となり、どんどん合格ハードルが高くなってしまう。

津村氏の方からだが、芥川賞を受賞したあと、先輩から「今後3年間ぐらい芥川賞作家という肩書がつくよ」と言われたそうで、実際、いまだに「芥川賞作家」と記されることがあるそうだ。文庫のカバー裏には、芥川賞の他に、女流文学賞、芸術選奨文部大臣賞、日本芸術院会員なども書かれても、とにかく芥川賞だそうだ。

亡夫吉村昭氏は、4回候補になり受賞できなかったのだが、城山三郎氏との対談の中で、受賞していたら、それまでの路線の作品を書いていただろうし、「戦艦武蔵」のような調べて書く記録文学は書かなかっただろう、と語ったそうで、受賞しなかったからこそ彼が一流になったと書かれている。

そして、津村氏がこのエッセイの最後にまとめた以下のオチをどう読むか、なかなか難しい。

吉村は四回も候補になりながら、受賞しなかった。受賞もしていないのに、次々に作品を発表し、亡くなったあとも、現在生きて書いている私よりも遥かに売れ続け、何十版も版を重ねて毎日のように文庫が各出版社から届き、写真の前の飾り棚や食器棚にまで積み上げられていくのに憮然とする。

 *憮然=ぶぜん。一.失望してぼんやりするさま。二.あやしみ驚くさま。(広辞苑)

さっそく書店にいって、津村節子作品を文庫本の棚で、「ここからここまで」というように大人買いしようと思ったところだ。「自作に自信あり」という表明と受け取る。

芥川賞直木賞原稿コレクション展

2014-10-19 00:00:53 | 美術館・博物館・工芸品
駒場にある日本近代文学館で開催中の『芥川賞直木賞原稿コレクション展』へ。

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本館が所蔵する原稿を中心とした展示で、芥川賞受賞作そのものの原稿であったり、受賞の喜びを作家本人が小文にまとめたものなど。そして、賞の裏話。

今では、芥川賞が純文学の新人で、直木賞は大衆文学の中堅に授与されているが、どうも第一回(1935年)の時は、そうではなく、芥川賞も直木賞も新進作家のための表彰制度で、その中で直木賞については「大衆小説」という一項があったようだ。となると芥川賞は大衆小説の新人に出しても良かったはずだ。

ただ、その1年前の企画段階では、芥川賞は純文学の新人、直木賞は大衆文学の新人を対象と菊池寛は考えていたそうで、なんらかの理由で、若干変わったのだろう。

そして、問題の川端と太宰のこと。第一回の時、太宰や高見順などは、候補になるが落選している。太宰は選考委員である川端を恨んだが、どうも川端は太宰を推薦したものの、選考会議を欠席している。何か嫌なことがあったのだろう。そして、第三回の時に、再び候補になり、太宰は川端に恥ずかしげもなく、受賞を懇願する。

しかし、川端は「一回候補になって受賞できなかった人は対象外」という特殊ルールを作り、門前払いしてしまう。実際は、5回も6回も候補になる作家は、その後たくさんいるのだが、かわいそうなのが高見順。第三回でも候補になる予定だったが太宰用ルールが作られたため、巻き添え。ノーチャンスとなる。川端はその後も長く選考委員会に君臨するわけだから、よく考えると現代日本文学に裏側から大きな影響を与えていたことになる。文壇の門番。

そしてさまざまな原稿を読むと、それぞれ受賞者は、字が大きいということに気付く。そんなに達筆の作家は少ない感じだ。作家は原稿をたくさん抱えるので、小さな字で大急ぎで書くのだろうと想像していたが、そんなことはないようだ。(新人賞応募作は、読みやすいようにゆっくり大きな字で清書するというだけのことだろうか、そうであれば字が下手だ)

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また、日本近代文学館の感想だが、学生の時に行ってから久しぶりなのだが、大きく劣化しているように思えてならない。国内にある数ある文学館の中でも、かなり下位に所属すると言わざるを得ない。川端康成ルームというのがあるのだが、ノーベル賞の賞金を寄付したのだろうか。大江ルームはない。次の受賞候補者は大金持ちなのだから、賞金に上乗せして建物自体を再構築してほしいな。安藤忠雄設計の直島の地中美術館みたいに、地下3階建て、地上1階は日本人ノーベル賞受賞者の胸像を並べるとか。

文学館の近くには東大教養学部があり、さらに有名中学・高校などがある。道行く中高生の何人かはすれ違う時に、お辞儀をしていく。大学教授と勘違いされているのだろう。まあ、口を開かなければ知性的に見えるのかもしれない。さすがに大学生の方は無礼者ばかりだ。まったく知性は感じられない。独我集団。

免状届く

2014-10-18 00:00:18 | しょうぎ
新しい免状を申請し、待つこと一ヶ月半でやっと到着。だいぶ以前から申請のチャンスを待っていたのだが、やっと「会長」「名人」「竜王」に永世名人が並んだ。

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しかし、うかうかしていると竜王戦だし、失冠してしまえば、もう二度と並ばないかもしれないし、谷川会長だって順位戦B1組から陥落した場合、「会長職に専念する」と思われているが、逆に「棋士に専念するために会長辞任」と言いだすかもしれない。

そして、森内竜王だが、名人位を取られたから免状の申請者が増えている、と憤慨するかもしれないし、さらに竜王位を失うだろうと思われているから免状申請者が増えているのではないかと気付くのかもしれない。


さて、10月4日出題作の解答。

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▲1二飛 △3一玉 ▲2三桂 △2一玉 ▲1一桂成 △3一玉 ▲2二飛成 △同玉 ▲1二角成 △3二玉 ▲2一馬まで11手詰。

2手目△2一玉は、▲3三桂 △3一玉 ▲1一飛成 △3二玉 ▲6五角以下。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

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嫌われそうな、合駒選択になっていく。紙と鉛筆で、ケース別の展開図を書いた方が解きやすいかもしれない。身の回りをすべてOA化してしまい、紙も鉛筆も存在しない方は、脳のあちこちのメモリーを活用して、記憶の中で解くのかもしれない。もちろんソフト解きならコンマ秒速なのだが。

わかった、と思われた方は、コメント欄に最終手と総手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

北海道ラーメン道場×2

2014-10-17 00:00:49 | あじ
ついこの前に新千歳空港内にある「北海道ラーメン道場」函館「あじさい」に行って、全10店を制覇するなど考えていないと書いたばかりなのだが、なんと1日に2店に行くことになった。

なんで、そうなったかというと、新千歳にお昼前について、それから出発するまで、あまり時間がなかったこと。じゃあ、ラーメンでも、ということ。そして昨日から北海道に行っていた人物Aと目的地で合流し、仕事が終わって空港に戻れば、あまり余裕時間がない。さらにA氏は昨夜は魚介類を食い散らしたらしく、ホッケの一夜干しなんか眼中にないわけだ。しかも、「北海道と言えば・・・ラーメンでしょ」と言いだす。

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で、昼ラーメンの方は、江別に本店のある「らぁめん銀波露」。北海道とんこつ味噌。道産食材にこだわり、麺の材料の小麦粉や豚肉、ねぎは北海道産。麺は角が残るほどのしっかりで、豚肉もうまい。スープはあくまでもこってり。味については申し分ないが、本当のところ、量は半分でいいのだが、非常に立派なスープであり、残す気にはならない(丁寧に作られたものを食べ残すのは主義じゃない)。


そして、夜ラーメンは、札幌ラーメンの「白樺山荘」。みそチャーシューを注文。豚肉ばかり食べている。体型だけじゃなく体臭まで豚に近づいていく。

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まあ、想像通りの味で、縮れ麺使用。個人的にはストレート麺の方が食べやすい。どうも世間的には、ラーメンの味は複雑化の一途を辿り、スープのだしは2種類3種類と合わせるし、チャーシューだって、炙ったり炒めたり。白樺山荘の味はかなり素朴で、逆にその味から僅かに加えられる様々な材料をじっくりと推理しながら食べるのもいいかもしれない。

ちなみに、ラーメンとは違う話だが「白樺山荘」という一般名詞だが、白樺林の中にある山荘という意味なのか、白樺材を使った山荘という意味なのかはっきりしない。

白樺林の中に白樺材を作って建てられた山荘のことをリアル白樺山荘と読んでみたい。

ところで全10店中、6店である。以前、全国に散らばるオリジナル天守閣12をいつのまに全制覇したことを考えれば、一か所に残る4店があるというのは楽勝なのだろうが、どうもそういう気にならない。お城とラーメンとは別物だ。しかし全部終わらないとランキングはつけられない。

あとで思い出すと当日は朝食は岡山空港だったし、三食空港メシ。国籍を失って空港に住んでいるようなものだ。翌日の朝食も岡山空港売店で買ったパンとヨーグルトだったし・・

記憶の中に浮かんできたのだが、前に一日二回ラーメン食べたことがあった。3.11。都内から歩いて横浜に帰る途中、深夜に、一か所だけ開いていた食べ物屋がラーメン店。歩き疲れた状態で、しかたなくラーメンダブルヘッダー。そんなシチュエーションではなんでも美味く感じるはずなのだが、まずかった。