梨泰院の悲劇

2022-10-31 00:00:02 | 市民A
不意に亡くなられた多くの方のことを思うと、なんとも悲しくなり客観的なことを書くのも気が引けるが、ブラック・ジョーカーの習性なのでお許しいただきたい。

梨泰院の事故のあと、過去の花火大会での事故と比べられた記事が多いが、もっと極似しているのが『永代橋崩落事故』だと思う。文政4年8月19日(1807年)に隅田川の河口近く(当時)にかかる永代橋が落橋した。橋の東側にある深川の富岡八幡宮で12年ぶりに行われた祭礼(深川まつり)に江戸市中から集まった人たちの重みで老齢化していた橋が崩落。死者400人行方不明者1000人とも言われる。江戸の人たちの多くは泳げなかったはず。プールもなければ海水浴場もなかったので水泳経験がなかった。

そして、俳諧師で、狂歌の元祖とも言われる「大田南畝」は、まさにブラックジョークともいえる一首を読む。

永代とかけたる橋は落ちにけり きょうは祭礼 あすは葬礼

年のため、私も「おおた」を名乗っているが、子孫ではないので一首詠んだりはしない。

永代橋は将軍綱吉の50歳の誕生記念の1698年に架けられ、3年後には赤穂浪士が討ち入りのため渡っている。それから100年余りも修繕しながら使っていたようだ。同橋は関東大震災の時も崩落して死者をだしている。

不法行為で解散命令ではまずいのでは

2022-10-30 00:00:23 | 市民A
違法行為があった場合は調査中でも教団の解散の可能性があるという見解に加え、違法行為の中には(民法上の)不法行為も含まれるという政府の方針が決まったようだが、いくつかの観点から問題があるように思える。

一つ目の問題点は「解散命令」によって「これにて、一件落着!」となってしまうかもしれないこと。教団がなくなれば、過去のできごとが綺麗に消えてなくなり、信じてもいない団体に選挙応援をしてもらうという人間としての背信も忘却の彼方になってしまう、あるいはそれが解散の効果なのかもしれない。

二つ目の問題だが、民法上の不法行為というのは、ほとんどの場合は「これこれの不法行為の結果、こういう損害を被ったのだから、被害金額をかえしてほしい」という損害賠償的な裁判に多いわけだ。

ということは、悪魔退治として2千万円の献金を払ったが、「全額返しなさい」とか「1千万円位は返しなさい」というような判決が考えられる。対象は教団、および関係する人物たちになるだろう。

ところが教団に解散命令が出れば、おそらくは日本の信者も幹部社員も置き去りにされ、母国や他国に資産の多くを持ち出されてしまうのだろう。民事裁判が行われて、返金命令を出そうにも、既に教団が存在しないということになれば、幹部社員をいくら絞っても知れているだろう。

そして、結局は信者置き去りの教団の日本撤退のようなことになるような気もする。


そもそも、憲法には宗教の自由だけではなく、宗教の強制を禁止する条文もあるわけだ。背景は戦前の国家神道の押し付けへの反省という意味がある。戦前でもキリスト教などが禁止されていたわけではない。問題は「宗教の自由」の方ではなく「宗教の強制」だったわけだ。

『囲いの破り方』(及川拓馬著)

2022-10-29 00:00:15 | しょうぎ
何冊か将棋の本を近くの書店で購入。景気刺激のバラマキ策の一環で、県が補助する「かながわpay」と横浜市が補助する「レシ活」の両方がダブルで適用される書店があって、合計で40%分のポイントになる(両者ともほぼ終了)。さらに年末調整で経費にすると少なくても市民税分10%が低減になるので約半額ということになる。実際に将棋講師をするときのテキストの制作のヒントになる。エルモ囲い崩しの手筋とかよく知らないし。



ところで本著『囲いの破り方』の著者である及川拓馬氏だが名前に「馬」と将棋用語が入っている。将棋棋士の中には香とか桂とか歩などを名前に持つ方も多いように思うが、親が将棋好きだったからなのか、本人が潜在意識として感じていて将棋を指し始めたとかあるのだろうか。ちなみに囲碁の用語である、白とか黒とか石とか囲とかはあまり名前には見ない。(杉田玄白とか新井白石はいるが)


さて、10月15日出題作の解答。








今週の問題。



解ったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

篠島の蛸

2022-10-28 00:00:04 | あじ
三河湾には「愛知三島」と呼ばれる佐久島、日間賀島、篠島という三島がある。今回旅行したのは佐久島で、本土側の受け口は一色港で、そこには一色さかな広場というユーザー向けの販売所がある。



店内を一周見回った後、篠島の干し蛸を買った。ついでに蛸飯にする時のレシピのコピーをいただく。



篠島は蛸の名産地かどうか、よくわからないが何枚か重ねた干し蛸を細かく切り、あとは炊飯器に任せると蛸飯となる。



実際に蛸飯は蛸が甘い。単に干すだけではないような気もするが、よくわからない。篠島周辺はフグの産地でもあるようだ。



その篠島の先、伊勢湾の入口の中央にあるのが神島。その名の通り神様が住む島とも言われる。

そして、三島由紀夫の名作「潮騒」の舞台となった島だ。名作かどうかは人それぞれだろうか。若い男女が偶然に島で二人きりになり、体の大事な部分を見せっこする小説だ。一色さかな広場の干し蛸の売店のおばさまもモデルかもしれない。

佐久島へ(3)

2022-10-27 00:00:34 | たび
佐久島の東港から西港に向かって歩き、さらに小さな森を抜けると新谷海岸に出る。海の向こうにいくつかの起伏のある陸地が見える。一見すると島々のように見える。



ところが、島々のように見えるのは渥美半島で、ここで見ている方が島なのだから、倒錯的だ。さらに問題は新谷海岸の砂。「紫の砂浜」と言われるそうだ。日本ではここだけ。

どういうことかというと、砂に交じってムール貝の貝殻が細かく砂状に広がっていて、これが紫に見える原因だそうだ。特に夕方には紫度が高まるそうだ。

実際には「紫と言われれば、そう見えなくもない」という感じだった。秋なのに30度近い日だったし、紫外線にあたると黒く変色する眼鏡をかけていたからあまり映えなかったかもしれない。この砂浜の紫の砂は「恋愛に効く」といわれているそうだが、「効く」というのはどういうことだろうか。「効く」は「病気に効く」とか「ブレーキが効く」というような場合に使うのだが、「恋愛」にはどのように効くのだろうか。いずれにしても砂を薬の用に飲まないと効かないのだろうか。



そして近くにあるのが平子古墳群。5つの古墳が集まっている。佐久島にはなんと40以上の古墳があるそうだ。それも多くは単独配置でさらに横穴型。平子古墳群はめずらしく5つの古墳があり、当時の平均年齢を考えれば5個というのは100年ほどの間に古墳を作るほどの実力者の家系がいたということになる。



実際。佐久島だけではなく伊勢湾の出口や三河湾の出口の島にも古墳がある。本来は地元の高校や大学が調査しそうなものだが、高校も大学もこの島にはない。古墳への神秘的な森の小径の整備は地元中学生の手入れだそうだ。案外、島の住民の先祖かもしれない。



そしてとうとう島とお別れ。西港の岸壁には人懐こい猫が待ち受けていた。近づいてき何か人の声のような鳴き声(というか喋り声)を出して話しかけてきた。あいにくネコ語は少ししか理解できないのだが、「この島に飽きた。本土に連れてってくれ」ということらしい。

連れていくことはできそうだが、そもそもネコ語が間違っているかもしれない。

佐久島へ(2)

2022-10-26 00:00:02 | たび
佐久島の南側のメインロードがフラワーロードと命名されている。長い海岸線が島の西部と東部をつなぐ。東寄りの場所には「ノンとビリー」という二頭のヤギがいるはず。いうまでもなくのんびりとした島時間を象徴する命名だろう。



まず、登場したのは「ビリー」。小屋の中でお休み中。横浜の自宅近くでも雑草処理が目的のヤギさんがいるが、あまりのんびりしているようには見えないが、「ビリー」は小屋の中で何を考えているのだろうか。もっとも気温は30度に近い季節外れの暑さ。まいっているのかもしれない。



そして、「ノン」は、今年三月に永眠されたということが掲示されていた。10歳だったというので、ヤギの平均寿命15歳からいえば、早すぎたとも言える。ビリーの年齢はわからないが同じく10歳とすると人間でいえば50歳といったところだろうか。新たな相棒が欲しいのかどうか微妙な年齢かな。むしろ、もっと立派な家が欲しいのかもしれない。



そして、アート的には道沿いにクラインガルテン ウエルカムスペースというミニ庭園がある。看板はタイル張りで山の形を表現している。作家は松岡徹氏。佐久島アートの中心を占める人物のようだ。



そして、島の西側には長く佐久島の鎮守である八劔神社がある。正式には八劔神社・神明社と二つの神社が合同になっている。もともとは平安時代に造られたようだ。この神社には二つの祭りがあり、一つは1月8日に、鬼と書かれた凧を、矢で射落とす神事を行う祭りと、秋の大祭があるそうだ。正月の祭りが神様に近づく内省的な儀式で、秋の祭りは島民と神様が一体化する祭典ということのようだ。秋まつりの2日前だったが、祭りの日は雨が予想されていた。うまくいっただろうか。豊作と大漁が祈願されるそうだ。

佐久島へ(1)

2022-10-25 00:00:35 | たび
三河湾旅行の目的の一つが「佐久島への渡航」。三河湾は伊勢湾の中にもう一つの湾があるような構造で伊勢湾の入口から北に向かって右手側(東)に湾がある知多半島と渥美半島に囲まれている。その三河湾の入り口付近にあるいくつかの島の中で最大規模の島だが東西に5キロ、南北に3キロでクロワッサンのような形の島。島の西と東に船着き場があり、島内は、現在は「アートの島」となっている。



アートの島といえば瀬戸内海の直島、犬島、豊島などが有名だが、島内観光の足は直島:車、バス。犬島:徒歩、豊島:アシスト付き自転車ということになるが、この自転車というのが大問題で島の周回道路というのは大変に起伏がきつい。絶壁の場所があり、その地点は島の内部を通るため上り下りが多くなる。ということで佐久島の移動は、徒歩かアシストなしの自転車ということで、迷わず徒歩を選ぶ。そもそも島中廻って全部のアートを見る元気もないし、アーティストには申し訳ないが、出会うかで会わないかは時の運のようなこと。



ということで、一色さかな広場の近くにある高速艇乗り場から乗船。あまり大きな船ではなく、おりからの旅行振興策で観光客が増加しているようで臨時便となる。そして予想を上回るような高速で10キロほど先の島に20分で到着。最高速度は30ノット(時速55キロ)あたりだと思う。知床の船の3倍の速度だ。ちょっと早過ぎる。いずれ何かが起きなければいいが。そして、タイル張りの灯台まで歩いていくと、後続船が白波を立てて走ってきた。



次のアートは黒壁地区。壁の黒い家並みが続く。この黒壁だが、本当は「焼杉」の板を外装に張るわけだが、旧家や空き家はともかく、立て直した家の中には「杉を焼くのはなく、板を黒く塗っただけのもの」もある。とにかく家並みが黒くなければならない。



そして到達したのが、海辺にある「おひるねハウス」。3×3の分割された空間に入ってお昼寝することがテーマになっている。なんとなくサウナ付属の宿泊施設に似ている。

もはやこれしかないかも(不在是最早)

2022-10-24 00:00:55 | 市民A
円安が驀進中だ。日銀総裁の交代案の噂を流布すれば一時的には10円/$位は戻るかもしれないが、根本的に弱体国に勝算は期待できない。

まずいことに米国のインフレは雇用流動性の高さから賃金アップを背景にしていて、日本とは理由が異なる。日本は雇用流動性が低い国なので賃金アップは後追いになり、インフレには追い付かない。また、この数年の問題はコロナからの回復時期の違いから生じているのかもしれず、最初からワクチン配布時期が4ヶ月ほど遅かったことから回復のタイムラグが起きているようにも思える。上り坂の頂点を越したマラソン選手が後続とのリードを拡げる原理と同じだ。ワクチン開発をサボっていたという少しの差が大きな蹉跌となったのだろう。

しかし、金利を上げれば、変動金利で家のローンを組んだ人たちは自宅を失い、その家は中古市場でたたき売りになり、若い世代が総倒れとなる。さらに地銀はじめ金融機関からもくもくと赤い炎が噴き出し全国を包むだろう。


といって、アベノミクスの総帥がいなくなってから大批判が沸き上がるというのも、亡者への敬意に欠けるし、そもそも「インフレになったら賃金は上がる」というのは論理的には最も重大な三つ目の要素が抜けている。賃金は雇用市場によっても決まるわけで、企業の中に潜在的余剰員がいる限り賃金は上がらない。あるいは社員数の大きな(重厚長大型)企業自体が縮小方向の場合は、賃金上昇はまだら模様になるはず。

販売が増えれば生産が増えるというのは簡単過ぎる論理で、実際には在庫増減を見ないといけないのと同じだ。


というようなことで、蓋のついた蟻地獄のような状況から脱却する、革命的(あるいは反革命的)方法を考えてみた。

通貨統合。

要は、通貨をユーロのように統合してしまうということ。具体的な相手は米国しかないだろう。あるいは、二国では恥ずかしいので、ドルという名の通貨を自国で管理しているカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールを加えて6ヵ国の共通通貨に移行したらどうだろうか(もっとも相手あっての話だが)。実際には自国通貨にドルの名称を使っている国は20か国以上あるらしい。統合後は、もちろん中央銀行は一つ。できれば場所はハワイがいいが、米国本土だろう。

そうなれば、円安円高で一喜一憂することもないし、経済活動の共同化も進みやすい。

問題は、日本における通貨の名称。普通の日本人は「ドル」と言っているが、まったく米国の発音とは異なっている。Dollar=ダラーというカタカナ読みと同じ発音だ。日本の誰がいつ何を根拠に米国通貨をドルと書いたのか、調べてもよくわからなかった。聞き違いかオランダ語なのか。ドルでは米国の属国のようだという現実不認識派の人たちのことを考えれば、「ダラー」ではなくドルとダラーの中間的な「ダラ」にすれば落ち着くだろうか。「大根1本は1ダラ99セン」というような言い方になる。鱈のお値段はややこしい。

西尾城を歩く

2022-10-23 00:00:59 | The 城
三河は家康の出身地でもあり、戦国時代の遺構が多いが東海道の南に下った三河湾に近い場所は少し異なった事情の場所だ。そもそも三河湾は伊勢湾の中に三河湾があるというような複雑な地形で渥美半島という長い半島があって、その内側にあり海面はいたって平穏だ。

海岸部には吉良温泉郷があり、リゾート地になっている。その途中にあるのが西尾市。小京都といわれ、茶葉の栽培がおこなわれ抹茶関連のスイーツも多数。



観光事業の一環だろうか、もとの城郭である西尾歴史公園内の広場は天守台とされ、天守閣建設の予定があるようだ。ただ、道路と同じ高さに天守閣を立てても、威厳はなく、本気で作るなら堀は必要だろう。平地の城には、たいがいは水堀がある。松本城とか、今治城とか。



そしてこれらを含む地域全体は吉良荘といわれ、あの吉良義央、通称吉良上野介の所領だった。西尾城との関係をいうと城主は小刻みに変わっていたのだが、城主が管理する土地とは別に3200石分の領地を高家旗本である吉良家が所領としていた(その他上野に1000石があった)。地元では、有名人である吉良義央を名君として褒めたたえていて、京都の公家筋との関係で小京都と言われたり、抹茶栽培が進み、黄金堤という立派な堤防が完成したことになっている。そういうのは甲府では柳沢吉保が褒めたたえられていることに通じる。実際はよくわからない。堤防というのは片側が立派にすると反対岸が決壊するわけで、常に争いの種になる。

公園内には無人の櫓があり、中に入って下界を眺めることができる。無料だが、その対価はやぶ蚊に襲われることだ。

棋士編入試験のこと

2022-10-22 00:00:50 | あじ
里見香奈さんのチャレンジは失敗に終わったが、仮に合格していたら女流戦の方はどうしたのだろう。いくつもタイトルを持っているのだから女流引退とか休会とかできないだろうし、また合格した棋士の方に出ないということもできないから二刀流で両方やるのだろうが、可能なのだろうか。対局数も倍加するだろうし、女流棋界は振飛車や相振飛車というような戦型が多いのに対し、男流棋戦ではそういうのは少ないし、・・・

そういう潜在的な問題に何らかの解答を持っていたのかどうかは、わからずじまいということになった。

実は、次の編入試験である小山玲央氏の方も注目だ。何しろ奨励会の未経験者の挑戦は初めて。考えてみると、奨励会は強い相手と実戦の対戦を重ねて、強いプロ棋士だけを選ぼうという目的のはずだった。ところがプロのトップ棋士でも人間とは指さずにひたすらAIを相手に研究や対局を重ねて強くなる時代のわけで、奨励会というアリジゴクのような世界に入らずに強くなれば棋士になり、強くならなければアマ強豪でもいいし、将棋を辞めてしまっても経歴に傷がつくわけでもない。


さて、10月8日出題作の解答。








今週の問題。



解答作と同じようなごちゃごちゃ感かもしれない。

解ったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

西尾のうなぎ

2022-10-21 00:00:34 | あじ
三河の魚介で有名なのは、うなぎ、ふぐ、あさり、えびといったところだろうか。そのうちのウナギだが西尾市の一色という沿海部が大きな出荷量をもっている。「一色うなぎ」という言い方もある。

有名店が何店かあって、最初に行ったのは名鉄西尾駅から徒歩10分のところのお店だが、臨時休業中だった。当日は陽射しが強く30度に近い暑さ。駅徒歩10分を無意味に往復。となりの福地という駅から徒歩10分のところにあるセカンドチョイスに行こうとするが、駅前が工事中で迂回歩行しているうちに方角を失い、反対方向に歩いてしまい、戦意喪失。

翌日に一色港の和風レストランでやっと口にできた。有名店ではないので店名は書かない。

一般に東京(江戸)のウナギは白焼きにしたあと蒸しを入れてから焼く。関西のウナギは蒸さずに焼きを入れる。名古屋地区は蒸さないことの方が多いそうだ。ホクホクではなくパリッということのようだ。



注文してからほどよい時間にうな重が登場。うなぎと白米が別々に登場。自分で白飯にウナギをのせる。



そして、これは関東流ではないことを確認する。結構、身が締まっている。そして味付けは濃厚。つまり、お茶などをかけて“ひつまぶし”にするのが前提のような調理法のように思える。

豊橋市公会堂の目的は

2022-10-20 22:00:00 | たび
豊橋の吉田城の隣には歴史的な建物がある。有形文化財として国が指定している立派な建築物で、豊橋市公会堂である。昭和6年の竣工。今年で91歳だ。



設計は中村與資平。辰野金吾の事務所からはじまり独立。朝鮮半島で活躍した後、日本で設計を続ける。本公会堂の最大の特徴は正面の柱。様式はコリント式と呼ばれるギリシア調。一部、アラビック(あるいはスパニッシュ)であり、柱の上に鷲を配置するのは米国式。米国の大学にはこういうデザインが多い。



実は昭和6年の竣工の一年前に日比谷公会堂も竣工。その頃、公会堂建設ラッシュがあったようだ。

その目的だが、大正デモクラシーだそうだ。当時の国民は政治家の生の演説を聞きたがっていた。いまとは真逆だ。そのため、政治家の講演を聞くための公会堂が必要だった。

もっとも世の中は逆説だらけで、公会堂ができた年に満州事変が勃発。民主主義は徐々に劣勢になっていき、日本はとんでもない方向に進んでいった。

三河の旅は豊橋から

2022-10-19 00:00:08 | The 城
先週末から三河方面に観光旅行。特に各種割引を使うことなし。

横浜に住んでいるので、三河への入口は豊橋から。ところが豊橋は新幹線停車駅だが、大部分は「こだま号」。一日に何本か「ひかり号」が停まる。両者の違いは30分ほどある。「こだま」は途中で、何度も「追い越され停車」をするので、かなり遅い時もある。また、車内販売もなく、そのため帰路に困ったことになるが、それはその時。



まず、JR豊橋駅を降りて、路面電車にのる。行き先は市役所前駅。豊橋の城は吉田城と呼ばれている。江戸時代は豊橋ではなく吉田といっていた。東海道五十三次の吉田宿だ。この東三河地区は戦国時代は今川・徳川・武田が争っていて要衝だった。

街の整備を行ったのは池田輝政。武闘派であるとともに実務家であった。1585年に13万石だった岐阜城より15万2千石の吉田城に入場。大きな町割りを計画し、実行を始めていた。

ところが江戸時代が始まると、姫路城52万石と大幅アップで横滑り。ついに豊橋の都市開発は未完ということになる。

城はまさに東海道に面していて、防衛能力は低い。江戸幕府は池田藩のような有力大名を御三家の中に置くのは危険と思ったのかもしれない。

ドッジボールが嫌われているらしい

2022-10-18 00:00:50 | スポーツ
ドッジボールという球技がある。床あるいは地面に四角い枠を描いて二手に分かれ、それぞれ内野と外野に分かれ、ボールをぶつけ合うスポーツだ。俊敏さと投球術が求められる。

ところで全国大会にもなっているこの球技が学校教育の中から追い出されそうになっている。

理由は、ゲームの本質にある。人にボールをぶつけるという行為がいけないようだ。柔道で投げたり襟首を絞めるのはいいのにボールをぶつけるのは野蛮行為らしい。

また弱い者いじめでもある。運動が得意ではないとか低学年でまだ体ができていない子とか勉強ができて先生にかわいがられている子が狙われる。イジメの入り口というかイジメそのものかもしれない。

逆に、中には弱い子がいれば嬉しくなって足や手ではなく顔面を狙ったりする子もいる。

競争とか差別とかそういうものを排除した先には、何があるのだろうか。地球上のほとんどの生物は、勝ち残った種ばかりだ。

Youtubeでゲームを観戦してみたが、ボールから逃げるのか、ボールを奪取しようかというのがキーポイントのよう見える。サッカーのゴールキーパーもボールを取るか遠くにはじき出すか瞬時に決めないといけないわけで同じような点だろ。


もっとも、相手にぶつけると外野から内野に戻れるということだが、内野に戻るとまたボールをぶつけられるため、外野にいても何もしていない子が多いらしい。


むしろ、平和主義の子たちと殺戮ゲームが好きという二つのグループ別に分けて試してみればいいかもしれない。

エントラップメント(1999年 映画)

2022-10-17 00:00:25 | 映画・演劇・Video
主演はショーン・コネリーとキャサリン・ゼタ=ジョーンズ。二人とも犯罪者だ。ショーン・コネリーは有名な美術品泥棒。そしてゼタ=ジョーンズは美術品に関する保険会社の調査員を表の仕事にしているが、裏では美術品泥棒。

この二人と、FBI、保険会社の間でオセロゲームが行われる。誰が誰の味方なのか。観ていてもよくわからなくなる。美術品の窃盗から銀行のコンピューターから巨額な金を吸い取るような犯罪が共同作戦で進行するが、相手を疑いながらの行動はついに終わりを迎えたかと思われた時に、まだオセロゲームは終わっていなかった。

日本では、犯罪映画を楽しむというのは、それなりに「怪しい人間」と思われてしまう。心の中に犯罪欲望が潜んでいるからこそ犯罪映画を楽しめるというのは不都合な真実ということだろうか。とはいえ、犯罪映画は面白い。だからといって犯罪計画を立てたことはない。

付け加えるが、本映画では劇中の死亡者はいない。これは米国映画としては画期的だ。