クモ違い

2014-09-30 00:00:39 | 市民A
クモや蚊や、その他の嫌なものがたくさんいるところに行く必要があった。

そして、シマシマの蚊と戦っていたのだが、そこに現れたのが、背中に縦の模様がついているクモ。

れいのセアカゴケグモかと思って撮影。足が速いので、ピントが少しずれる。

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帰ってから、調べると違うらしい。というか毒があるのはメスの方で、オスは地味で毒がないと言われるので、オスかもしれない。確かめるには裏返して腹の色を見ればいいらしいが、そんな危険なことはとてもできない。

ところで、セアカゴケグモは漢字で書くと、背赤後家蜘。後家蜘というのは、かまれると男が死んで妻が残されるからとの俗説があるそうだ。まったくの俗説、蜘蛛に噛まれるのは男だけじゃない。見境なしだ。

オスを食っちゃうからだそうだ。

実は、一般的にクモの巣を観察すると、中央にでかい蜘がいる。これがメス。そして巣の端の方にメスの1/3位の大きさのクモがいる。これがオス。オスは食い物もメスの作った巣にとらえられた小さな犠牲者を失敬する。そして、交尾の時は、こっそりメスに近づき瞬間芸で交尾し、あっという間に逃げ出す。早い話が、元々、交尾とは関係なくオスが近づくとエサにしようとするそうだ。ふつうの種類の蜘のオスは交尾の後、すばやく逃げるのだが、ゴケグモの仲間は、逃げるのは卑怯として、その場でメスの餌となるのだろう。

桜田門外の変でも、襲撃後、逃げたものがほとんどだ。四十七士の例でも、卑怯者が付き物だ。

スターバックスジャパンの終焉

2014-09-29 00:00:23 | 投資
stbすでに、スタバファンならみんな知っているだろうことだが、日本法人のスターバックスジャパンが米国本社による公開買い付けの後、上場廃止になる。18年前に日本にスタバが誕生した時から中心人物だったサザビーリーグの角田氏も経営から離れるということである。

個人的には株式投資ではずっと投資の柱としてクルマ2台分の原資にもなってくれて、これでお別れとなると、悲しくてしょうがない。NISAの柱に組み込んでいる人も多いだろうが、後始末は大変だろう。

店頭でスタバの社員に聞いてみると、「わけわかんないです」ということだった。

公式発表では、「今後のコンビニコーヒーとの競争が・・」ということだが、スタバはコーヒー+サードスぺイスの時間が売り物なのに対し、コンビニコーヒーのどこにサードプレイスがあるだろうか。単にコジツケの理由だ。

あれこれ読んでも、何ら明らかにならないが、簡単に言うと「隣の芝生は青く見える」ということなのだろう。スタバにとって日本は北米以外への海外進出成功の起点だったのだが、それはスタバ本家のシステムによるものじゃないということがわからないのだろうね。

まず、2年で、衰退を始めるだろう。マック以上に、細かなところに日本主義が潜んでいるのが日本のスタバであり、米国人が差配すると、まずメニューの多様化から始まるのだろうけど、コスト倒れになるだろう。米国メニューの方が日本メニューの2倍位多様だけど、早い話が、もっと高カロリーメニューばかりだ。株主総会で「シュガーレスフラペチーノ」を求める声がわきあがるのが日本。

それに米国法人になると今の円安がすべての努力を無にする可能性がある。1ドル稼ぐのに、80円であったのが110円稼がなければならなくなる。嫌な状況だ。


chokokuroところで、ポストスタバの候補を考えると、同業種では「サンマルク・ホールディングス」がある。カフェでいえば「チョコクロ」と称される「サンマルク・カフェ」。都心部では、スタバはいつも満員なので、次の選択が問題なのだが、おおむね「タリーズ」か「ドトール」か「チョコクロ」になる。その中でもチョコクロは元気だ。なにしろ、チョコクロワッサンという秘密兵器がある。スタバにおけるフラペチーノ的存在だが、フラペチーノを頼む場合、決してコーヒー類を頼むことはないが、チョコクロを頼む場合、コーヒーは必須になる。

とはいえ、サンマルク・ホールディングスに投資するには、一つの問題がある。グループ会社の一つである「鎌倉パスタ」。生パスタがウリなのだが・・・・

生パスタは、美味くないから。

元々死火山と言われていたのに

2014-09-28 00:00:43 | 市民A
御嶽山が水蒸気爆発した。硫黄臭はないようなので、まだマグマ爆発ではないようだが、濃度の濃い硫化水素は無臭だから覚えておいた方がいい。

3000メートルを超える火山というのは、それだけで危険なことが起きる(起きた)と考えるべきなのだろう。御嶽山の研究をしたことはないが、WIKIPEDIAなどでは64万年前に巨大噴火があったようだ。その後も数十万年ごとに大爆発。どうも10万年、1万年、9000年、5000年、5200年といった時に中爆発しているようだ。約5000年ごとに2回セットで爆発するようだ。

で、富士山もそうなのだが、火山には登らない方がいい。だいたいご神体になっていることが多いのだから、ふもとから拝むだけにすればいい。

で、マグマ爆発に至るかどうかだが、そうなってもおかしくないような気がする。現在の噴火口が直線的に並んでいることは、地下水脈とマグマが接近していることを感じさせるのだが、常識的にいって、アブナイ。

ところで、最近、火山のことを書いた記憶があり、思い出したら、このコメントだった。

実は、先月、溶岩が吹きあげて3倍の高さになったみたいです。

御嶽山が高さ3倍になったら、大変だ。

B級の壁はコンクリ製でもなかった

2014-09-27 00:00:58 | しょうぎ
9月23日に神宮外苑、東京体育館で開催された将棋職団戦のこと。

まず、最大の問題は、日本でのデング熱発祥の地が近いこと。緑の多い地区なので蚊に刺される可能性は高い。そうなると発病する可能性が高い。体質的に、新しい病気に、すぐ感染する。とりあえずスプレー。最近、持ち歩いている。

で結果は、個人的に2タコの結果、チームも2タコ。ただ、B級からは陥落しないだろう。予想の範囲ではあるが、2局とも、いつになく中盤で優位に立ち、寄せに失敗。ちょっと弱気だった。一局目は試合開始前に対戦相手が「四間飛車を指しこなす・・・」という本を読んでいるので、四間飛車が不得意なのだろうと想定し、四間飛車に誘導。まったく作戦は成功したのに残念。二局目も同じようなパターンで有利だったのだが、無念・・

弱気といえば、実は多忙の折、大会の前から以下のような、きょうの予定稿を書いていた。事実の前に報道ありの朝日新聞記者みたいだ。

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B級の壁、コンクリート製

職団戦もFクラスからリトライして、コツコツとB級までくる。個人的にはAまで行ったことがあるので、「いつか来た道」ではあるが、Bになると、突然に相手が強くなる。Aの常連が何らかの問題で陥落した場合もあるし、対局時計の裏ワザを駆使する相手もいるし、あまり強くなさそうでも終盤が極強の場合もある。要するに、A級とかB級とかは根拠なくその椅子に座る人はいないのだが、こちらの5人は、どうみても「その椅子に座るべきじゃないような」雰囲気が漂う。対局時計の合わせ方も忘れた。

ということで、出直すことになりそうだが、ここから下へ下への道も、実は「いつか戻った道」である。単に幸運と不幸は、周期的にめぐってくるということなのだろう。


まあ、戦う前から負ける予定を立ててはいけないだろうね、と反省。


さて、9月13日出題作の解答。

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下にいる王を、わざわざ上に引っ張り出す。

動く将棋盤は、こちら

今週の問題。

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わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

牛すじ、といえば

2014-09-26 00:00:48 | あじ
牛すじ、といえば神戸永田ということだそうだ。阪神淡路大震災でもっとも被害が大きかった場所だ。いまは町の守護神として、区役所の近くに大仏クラスの超巨大鉄人28号が現れたのだが・・・

で、「牛すじ」といっても狭義と広義がある。狭義にしぼればアキレス腱ということになるが、広義では、牛の全身の腱とそれに付随する肉、さらにアバラ付近の肉も類似しているので牛すじの仲間に入れるようだ。

神戸で食べるのは広義の牛すじ。

で、「牛すじ壱成」というお店に行き、『石焼牛すじつけ焼きそば』という、名前のメニューを頼む。あまりメニューを理解していないので、牛すじを石焼にするのか、つけ焼きそばというのもよくわからない、焼きそばはわかるが・・

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で、待つこと10分強でタフそうな料理が現れる。石鍋の中には牛すじの煮込み風と刻みネギが麺の上にのっているが、いわゆる中華風の焼きそばじゃない。一目、きしめんだ。そして、生玉子。ようするにすき焼きのように溶き卵につけて食べるようだ。名古屋風でもあり、関東風でもある。そして、暑いというか熱いというか。汗だらになる。しかもライス付だ。

そして、食べながら喉が渇く。セルフサービスの水を何杯も飲むことになる。名古屋の味噌煮込みうどんのイメージだ。

しかし、京阪神と一言でいうが、京都と神戸では食文化はずいぶん異なる。和菓子と洋菓子、石焼牛すじつけ焼きそばとにしんそば。

普通なら、ここでビールだよね。

普通だし。

(なんとなく、私の行くところどころで事件が・・)

栽培植物と農耕の起源(中尾佐助著)

2014-09-25 00:00:55 | 書評
saibai1966年に発行された岩波新書。人類の進化の中で人間がどうやって野生植物を食用に改良し、機械農法が始まるまでの間に、どうやって収穫をふやしていったかというテーマで書かれている。かなり面白い本だった。

まず、「根菜農耕文化」「照葉樹林文化」「サバンナ農耕文化」「イネの始まり」「地中海農耕文化」「新大陸の農耕文化」というように農耕文化を分類。たしかに、「イモ、バナナ」、「雑穀、果実」「マメ」「コメ」「ムギ」「トーモロコシ、サツマイモ、ジャガイモ」といったのが、各地の代表的産品だ。よく考えると、現代日本には何でもある。

そして、感心した一つは、「野草と雑草は違う」ということ。ようするに野生の中から種を見つけて育てるのが第一歩。雑草というのは人間の住んでいる場所の近くに自動的に付随してはびこる植物のことだそうだ。

次に、「コメと麦」。両者の文化を接する地域では、かならず「コメ」を食べるようになるとのこと。(ただし、日本ではムギの方が増えているような気がするが特殊な国だから)

それと「治水」のこと。どうも灌漑を正しく行って大河をコントロールすることが重要と思っていたのだが、そうなると地面の塩分がわずかずつ増えていって作物に悪いということになる。大河の地方では、時々、大反乱が、すべてを無に帰すようなことがあり、それが土地の力を回復する輪廻だったわけだ。

新潮文庫100年

2014-09-24 00:00:52 | 歴史
「新潮文庫の100冊」ではないのだ。「新潮文庫創刊100年」だそうだ。

よく、100年!といって実は99年だったりすることがあるが、正真正銘の100年。1914年(大正3年)9月に第一期百冊刊行という新聞広告を大正3年9月18日に、東京朝日新聞に載せている(黒塗りなしだ)。

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売りが、『全譯』。意味は、元の作品を長いからと言ってカットしたり、意訳(翻案方式)したりはしない、ということだそうだ。ただ、直訳を意味しているわけではなく英語、ドイツ語、フランス語などからの二重翻訳(重訳)はあったそうだ。どうも、ドストエフスキーなどをロシア語から直訳できる新鋭翻訳者が増加したことが契機のようだ。

そして、最大のライバル岩波文庫は、1927年のスタートなので、版元が現存している文庫では日本最古だそうだ。創刊が一番早いのは冨山房の袖珍名著文庫(1903年)、立川文明堂の立川文庫がこれに次ぐ。

しかし、新潮文庫第一期はすべて海外文学の翻訳100冊となっていたが、実際は3年間で43冊を発行。


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今回、その中から5冊が復刻された。復刻プロジェクトは壮大なものだったようだが、今回、5冊セット箱入りで14,000円+税ということだそうだ。

第二期は、谷崎、与謝野、芥川などの日本の名著を中心に1928年にスタート。岩波を意識したのかもしれない(19点)。第三期は1933年から。現行の新潮文庫の礎となる内外の文芸各方面で構成される。大戦により1944年に中断(495点)。

そして、現在に続いた第四期。1947年(昭和22年)7月に再開する。第一作は川端康成『雪国』。第四期は今年9月に10000点を超えた。

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この文庫版『雪国』。初版ではないが第97刷を持っている。初版は昭和22年7月16日とある。『国境の長いトンネルを抜けると・・』で始まる川端代表作を一に選んだ理由は、3年間の中断が終わったことを新潮社が高らかに表明しているのだろう、とも思える。


そして現代。創刊100年を期して、ニュースタイルの新潮文庫nexが始まる。ペプシのおまけじゃないらしい。「紐しおり」がないというだけじゃなく、骨董品的作家を仲間はずれにするらしい。

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河野裕『いなくなれ、群青』、ありえないほど純粋なラブストーリーだそうだ。神西亜紀『坂東蛍子、日常に飽き飽き』、ネット上の小説に定価をつけて収録。今回は、計6冊同時発行。思えば100年前の新潮文庫も6冊で始まった。あと100年続くのかな。

一応、がんばれ!

星間商事株式会社社史編纂室(三浦しをん)

2014-09-23 00:00:39 | 書評
hoshima川田幸代29歳。腐女子。同人誌を武器に、社の秘められた過去に挑む。というテーマの小説であるが、社会派小説ではない。ライトノヴェル的。

大きな会社にはよく社史編纂室(編集室)というセクションがあるのだが、早い話が、もっとも閑職であることが多い。さらにいうと、閑職にいくべき人が先にいて、その人たちを押し込むために作られる部門。

これが多数になると、キャリア開発室というような追い出し部屋になるが、数人の場合は社史を書くことになる。予定の創立○十周年に間に合わなくても特にお咎めなし、というか、永遠に編纂を続けた方がいいのだろう。

そこに配属された4人+X(X=0~1)が、社史に空白期間があることに気付く。いわゆる「黒塗りの歴史」。

サリメリという日本の南にある新興国に進出する時に、現地の政治的リーダーに日本から女性をプレゼントしてコネクションを作ったという噂を突きとめる。某夫人伝?。某夫人は、その後体調をこわし、日本に帰国し、妹とチェンジ。妹は政変により一族で米国に逃亡し、その後の行方は不明。

私が書くなら、社史はいったん横に置いて、米国に某夫人の妹を探しに行くことにするのだが、その筋では取材が面倒と作者が判断したのか、ストーリーは「裏社史」に向かう。

社の予算で製作する正規の社史と、編纂室ご一同様のポケットマネーで作る裏社史が同時並行状態で完成に向かう。日本書紀と古事記みたいな関係だろう。そこに社内抗争が・・

結局、社史は2冊セットで完成するのだが、なんとなく米国で行方不明にされてしまった妹のことが気がかりだ。作者として責任もってほしいところだ。

花飾りも帯もない氷山よ/楽屋(演劇)

2014-09-22 00:00:36 | 映画・演劇・Video
hanakazari恐い映画をDVDばかりで観ているのもなんなので、麻布演劇市に行く。ちょうど演劇市200回公演。演劇集団「いたわさ」。

演目は、『花飾りも帯もない氷山よ』と『楽屋』の二本立て。ともに劇作は清水邦夫氏で40年ほど前に初演が立っている。清水氏の作風が、世界に対するプロテストから人間の内面に向かってきた時期の作と言うことらしい。それと、『楽屋』は、日本でもっとも数多く公演された演劇ということ。

まず、『花飾り・・・』。難しいし、恐い。ちょっと酔っ払った40男が迷い込んだ不思議なシチュエーションで、10年前になくしてしまった赤い染みのついたセーターを見つける。同時に見つけたのは男の過去にかかわる人たち。亡霊なのか、あるいは彼の記憶の中に生き続ける幻想なのか。あるいは彼自身が亡霊なのか、あるいはこの劇そのものが、観ている私の脳の中に潜む幻想なのか。

そして、『楽屋』。チェーホフ劇の裏話みたいな劇。楽屋の隅の方に漂う、嫌なにおいのする気体をとりあげた筋立てなのだが、あまり好きになれない。ちょっと道徳観が自分と違うような・・

神戸文学館で感じた色々なこと

2014-09-21 00:00:21 | 美術館・博物館・工芸品
神戸の王子公園の一角にある神戸文学館。道をはさんで横尾忠則美術館がある。どうも、美術館と文学館と動物園とサッカー場が固まっているが、訪れる人は趣味がさまざまなのだから、美術館は美術館だけで神戸の一角にまとめるとか、文学館は図書館の近くにするとかすればいいのだけど、それぞれに成り立ちの理由があるのだからしかたがないかな。

で、訪れる前は、あまり大きな期待はしていなかった。だいたい、あまり神戸文学というものを知らないということもある。林夫美子とか代表の一人らしいが、彼女を結びつけるなら尾道でしょ、ということになるし、横光利一なら上海でしょ、とか。神戸を描くなら、大阪と神戸とを差別化した作家じゃないといけないし、だいたい大都市なのだから、たまたま住居として神戸に住んでいる人もいるし、それって神戸文学じゃないと思う。

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そして、建物。やや狭いが立派だ。大ホールである。どうも関西学院大学のチャペルだったようだ。関西学院の発祥の地らしい。というか敷地はそのままかも。神戸市内最古の木造教会だそうだ(とても木造には見えないが)。

そして、展示を見ているうちに、神戸文学というのは何種類もあることがわかってきた。

まず、前述したように、「神戸に住んでいた作家」。「神戸に移り住んだ作家」。「神戸のことを書いた作家」。というようなことらしい。「住んでいた派」の代表は、村上春樹かな。「移り住んだ派」は「谷崎潤一郎」。「神戸を書いた」のは野坂とか林夫美子。

でも一覧表を見ると、堀辰雄とか正岡子規、横溝正史、北原白秋とか意外な名前が並ぶ。

戦前には分野が違っても、サロン的雰囲気が神戸にあったのだろう。また関東大地震のあと、東京、横浜から神戸に移住した外国人も多かったはずだ。

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後で調べてみると、村上春樹は芦屋の高級じゃない方のエリアにこどもの頃、住んでいて、高校はこの近くの県立神戸高校だったそうだ(その後、早大)。仮に灘高校から東大に入っていたら、ノーベル文学賞候補コースにはいかなかったかもしれないが、本当は国立大学に行っていれば文科省のスウェーデン大使館出向者を中心としたロビー活動ですでにノーベル賞を受賞していたのかもしれない。依然として日本人で私立大学卒業者の受賞者はいない。


神戸の美術館、博物館はあらかた回ったので、これにて終了しようと思っていたのだが、どうも「安藤忠雄設計の建物見学コース」というのがあるらしい。神戸市内に、かなり多いようだ。喫茶店や個人邸もある。ただ、設計した建物の一覧表という感じなので、果たして巡礼の旅が一日で終わるのか一週間かかるのか、市内の地理に不案内なもので皆目見当がつかない。

住宅向けの小さな建物があったら、手に入れてみたいな。(もちろん冗談。犬小屋だけとか。)

脳ビルの事例に「将棋」が

2014-09-20 00:00:17 | しょうぎ
chinouプレジデント誌の9月1日号では羽生名人が、人間とコンピューターが将棋を指すのは無意味というような意見を述べているのだが、別のページでソニー所属の脳科学者茂木健太郎氏が「近い将来、名人や竜王などのタイトル保持者と対戦して勝つときが来るかもしれない」と予言している。

そして、人工知能の発達がめざましいことの副産物として妙なことを書いている。

まず、ある「ベテランの棋士」が、最近復活を遂げているきっかけが、人工知能と将棋を指すことにより棋力がめきめき上がったということをあげている。

固定観念にとらわれない性質を活かすことで、なまりがちな頭脳を鍛えるよき「トレーナー」になっている、と書いている。

肉体のトレーニングと同じ理屈で、負荷を上手にかけてあげれば、それだけ強くなる。問題は負荷のかけ方らしい。

ボケ防止のための脳トレというのは、すでにあるのだが、もっと積極的に肉体のボディビルに相当する脳ビル(おそらく新語)に取り組もうという「気合」をいまから高めておきたいものだそうだ。

ところで、「ベテラン棋士」って誰なのだろう。私の師匠は好調だけど、単に竜王戦の落ち武者狩りをしているように見えるし。女流棋士かな。もしかして、羽生名人?

しかし、年をとっても、脳トレとか脳ビルとか追い立てられて、幸せってなんだろうか。そのうち、脳の中から将棋以外の記憶や知識を消去して、老化していく脳の機能を「将棋だけに集約」する方法とか登場するのだろう。


さて、9月6日出題作の解答。

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動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

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詰め上がりは、ある幾何学模様になるのだが、その形をどういう数学的名称で定義すればいいのか、中学時代の不勉強のせいで困っている。「四等辺平行四辺形」かな?

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数と酷評を記していただければ正誤判断。

COME TOGETHER

2014-09-19 22:51:30 | 市民A
スコットランドの独立が、失敗した後、もっとも残念なのは、スコットランド承認の第一号を狙っていたロシアかもしれないが、とりあえず大英帝国最後の首相となることを免れたキャメロン首相は、ほっと一瞬の安心感を得たのかもしれない。

演説の中で、スコットランド国民に対して、「COME TOGETHER」と訴えたのだが、それはビートルズの歌詞難解曲の一つでしょ、と言いたかったけど。なんとなく語感的には、「別の国」という感じが漂う。

欧州各地で独立運動が潜んでいることを考えれば、やはり日本にいて、国民の平等感に浸っていればいいのかなと、温泉に浸りながらウトウトしてしまう。COME TOGETHERと呼びかける相手はないのだけど、

まあ、スコッチウイスキーの未来に、万歳!!

スコッチ・ウイスキーが安く手に入るかな

2014-09-19 00:00:47 | 市民A
スコットランドが独立するかどうかは、まもなく判明するのだが、本当に独立するなら、あと半年でも1年でも後に国民投票をずらす方が確実だっただろう。独立派が功を焦った可能性がある。不満は増大していく可能性があった。

さて、日本でいえば、北海道とか九州、あるいは沖縄県が独立するというような話で、ありそうもない。合併してから300年経っても、民族がちょっと違うとか、格差が拡大とか、やはり英国の光と影というのは内部的には大きいのかなと思ってしまう。

それと、日本の場合、各県や地方が分業化していて、独立するような政治経済状況にはなっていない。(というかスコットランドでもそうではないだろうかとも思うが)

「スコットランドといえば、スコッチウイスキー」というと、ふざけた書き方のようだが、実は、北海油田から産出される原油・ガス、金融業についで3番目の産業がウイスキーというのが本当らしい。ということは、自宅にある輸入品の中では、英国から輸入する額よりもスコットランドからの輸入品の方が多いのかもしれない。毎月、ジョニ黒1本。

そして、北海油田のことだが、実際、新スコットランドがどうやって油田からの利益を吸収しようというのかよくわからない。中東産油国のように、生産量の大部分を国有化して自分の直接利益としてしまうのかもしれないし、法人税収入の形で間接的に取り立てようとしているのかもしれない。

いずれにしても油田の利益に頼りきりになる国は世界にいくつもあるが、ご覧のとおり、ろくでもないことになりがちだ。

金融業は、スコットランドみたいな危ない国には残らないだろう。

そして、ウイスキー。醸造所は逃げられないだろう。問題は、作ったものが円滑に売れるかどうか。

まず、EUに入れるかどうかということ。実際、もっと危ない国もメンバーなのだが、お荷物を増やしたくないだろう。第一、通貨はどうなるのだろう。別通貨とすれば、中央銀行が必要だし、どうせ国債も必要だろう。

また、英国なら世界のほとんどすべての国に外交官を置いているが、スコットランドではそうも言えないし、他国の外交官が来てくれるかどうかもあやしい。もっとも日本の外交官にとって涎が出るのがゴルフ。セントアンドルーズがある。独立した暁には全英オープンが開かれるはずがないので、全スコオープンとかになるのだろう。


つまり、ウイスキーが売れ残る可能性があり、結果として安売りということになるのではないだろうか。逆に、ジョニーウォーカー倒産では困るし、街にあふれる失業者が飲んだくれて逆にウイスキーが不足するのかもしれない。

まあ、別の国に分れると、フォークランド紛争の時のように、英国軍国境突破みたいにやる方法もあるのだが、兵士の中にもスコットランド国民もまざってしまうのでうまくいかないのだろう。

当面、個人的な最大の問題は手持ちのポンドの下落懸念なのだが、ドル高利益で相殺ということだろうか。が、この二つは、関連していないところがあやうい。

江戸時代(北島正元著・岩波新書)

2014-09-18 00:00:03 | 市民A
edojidaiちょっと、おさまりの悪い本である。『江戸時代』という書名というのが、大胆な感じで、一冊で江戸時代を書こうというわけだ。

著者は、江戸時代の政治経済史が専門ということだが、江戸時代というのが戦国時代の次であって明治時代の前である、という大きく異なる二つの時代の中に主に平和主義の3世紀があったのだが、現在感覚でいえば、平和と交換に徳川独裁の封建制を受け入れていた時代ということになる。

本書は昭和33年に書かれたものだが、まえがきで、「江戸の文化が肯定的に評価されているが、実際には封建制の社会であって、単に復古主義で江戸時代を美化するのはNOだ!」というような決意を述べられている。

要するに平和と封建制の交換はいけない、といっているわけだ。

それで、江戸時代を時系列的に、「覇権への道」「大名と牢人」「儒学と武士道」「村と町の生活」「元禄時代」「米将軍とその時代」「田沼時代」「寛政の改革と江戸文化」「天保の改革とその前後」の9章にわけている。

そして、その中で、徳川吉宗のこと。享保の改革。彼についてかなりのページをとっている。実際に徳川が長く続いた中興の祖である。徳川本家といっても実際には紀伊徳川家チームがワンセットで交代したようなものだ。

で、彼の政策の基本の一つが、増税。そして、殖産政策。実用的な西洋科学技術の導入。そして長く続いた低物価の対策として通貨政策に手を付ける。悪貨の増札によって、金づまりを解消する。デフレのストップに成功。

まったくアベノミクスと同じだ。

その後、享保の改革の効果は徐々に薄まっていき、長男家重に家督を譲り、時代は田沼意次に移っていくわけだ。

久間十義氏は故渡辺淳一氏の後任なのだろうか

2014-09-17 00:00:29 | 書評
新潮社の月刊書評誌「波」には、自社出版物の紹介だけではなく、10人強の作家の連載がある。だいたい2年位連載して単行本となり、書店に並ぶ。1冊100円位だから、大変にお得だ。ただし、単行本を本屋やamazonで買うのと違い、自分で作家を選べない。

今月で14回目になる「デス・エンジェル」だが、一向に筋書きがつかめないというか先が読めない。というのも、久間氏の作風が、純文学なのか、ドキュメンタリー系なのか、告発物か、あるいは官能系か、あるいは新趣向か。そして連載なので、ページをパラパラ開いて傾向を確認することもできない。

なんとなく、大病院がテーマで、やや不審点の感じられる亡くなり方をされた老婦人という展開になり、医局に潜む秘密に迫るのかと思ったが、その線は後回しになった。女医とか美人患者に近寄り刺された医師とか、なんとなく方向がつかめない。さらに、超巨大な陰謀発覚のようなにおいもするが、この分じゃ、いつ終わりになるのかわからない。

と思っていたら、日経新聞に「禁断のスカルペル」という、女医の不倫をメインテーマとした連載が始まり、続いている。二つの連載を進行させながら、後で始めたものを先に終わらせるのだろうが、そうなると「デス・エンジェル」も不倫方向に転針するのだろうか。

もしかすると、ありのままの医局の世界って、そういうものなのかもしれない。

思えば、日経新聞小説部長との声もあった故渡辺淳一氏も、医師を辞め、小説家になった転機は、ある有名な手術に加わったことからだった。似ているような感じだ。

たぶん、久間氏が後継の小説部長になったのだろう。