タイムリーな特別記念対談

2022-02-28 00:00:39 | 市民A
新潮社の書評誌『波 2022年2月号』に時節柄タイムリーな特別記念対談が掲載されている。水中考古学者の山舩晃太郎氏の新著『沈没船博士、海の底の謎を追う』を記念し、著者と「危険地帯ジャーナリスト」と呼ばれる丸山ゴンザレス氏の対談である。

そして対談の最後に、ジャーナリストの丸山氏が山舩氏を応援したいとエールを送ったのに対し、山舩氏が今後の予定を明らかにし、ぜひ現場を見て取材してほしいという話に落ち着くのだ。

行く場所はモンゴル。モンゴルは内陸国で、湖信仰が篤く、大切なものを湖に投げ入れる風習があったそうだ。ところが、いまどき、その投げ込まれた大切なものが狙われているそうだ。某国のトレジャーハンターが奪っていくそうだ。



モンゴルも大変だな、と思う。

わかると楽しい!吉祥文

2022-02-27 00:00:01 | 美術館・博物館・工芸品
鎌倉・吉兆庵美術館で終了間近な『わかると楽しい!吉祥文(きっしょうもん)』展をみてくる。近くにいったからだが、もう一つの理由は入館券を持っていたこと。というのも岡山駅の近くの吉兆庵本店内にある吉兆庵美術館に行った時に入館券は、岡山と鎌倉の両方に入館できるようになっていた。現代的言うと、「チケットで2館が同期している」。



鎌倉の美術館は入口が源吉兆庵そのもの。たぶんそうだろうとは思ったが、近くに単独館がないことを確かめてから高級和菓子店のレジの女性に、半券切り取られた入館券を渡すと、驚いたような嬉しいような顔になって、店の奥から通じている秘密の場所のような3階建ての建物へ入るように指示が出る。「そんなケチな客もいるのだ」という感動なのだろう。入館券は600円。店内にある和菓子一個分の単価だ。



今回の特集は、「吉祥文」。「文」というのは「紋」に近い意味。日本の工芸品には、「市松文様」とか「唐草文様」とか、いくつか有名な地文様がある。それらは大きく、中国や朝鮮に由来するものと、伊万里を代表とする日本産の文様とあるそうだ。

江戸時代後半には、景徳鎮窯の代替として伊万里が世界レベルの輸出品になっていく。(倒幕は薩長土肥の強力で成しえたと言われるが、この中の「肥」は肥前鍋島藩の財力を指す。

3階部分は地元に在住していた北大路魯山人の作品を展示している。

72歳九段を斬った46歳七段にも事情が

2022-02-26 00:00:26 | しょうぎ
桐山清澄九段(72)の引退を決定したのは伊奈祐介七段(46)。なんとも、奇妙なことになった。それは、基本的に伊奈七段の方の事情だ。

伊奈七段といえば「奨励会三段リーグで次点(三位)2回でフリークラス四段のプロ棋士になることができる」というルールを始めて使ったことで知られる。その後、活躍して(20勝10敗)の成績で順位戦に参加。しかし、2013年にC2クラスの降級点を3回取るに至り、再びフリークラス棋士になっている。フリークラスにもC2から降級したグループと、降級点2回の段階で自分から宣言するグループがあり、伊奈七段は前者の方だ。となると10年の期限付きということであと約2年で桐山九段と同じような立場になる可能性がある。

そうならないためには、またも20勝10敗の成績でC2復帰が必要で、現状で大負けしているわけではなくチャンスもないわけではない。とはいえ、現実的は苦しいし、2年後には桐山九段同様に竜王戦だけが対局できるというようなことになりかねない。

負けるわけにはいかない。


さて、2月12日出題作の解答。








今週の問題。



わかったと思われて方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ、正誤判定します。

極上のかき揚げ丼

2022-02-25 00:00:04 | あじ
江ノ電沿線を歩くと、自然と足が向くのが長谷食堂。なにしろ場所がわかりやすい。長谷駅から徒歩10秒。よく生シラス丼が紹介されるが、三浦半島は野菜の名産地。東京のフレンチの店長が早朝から買い出しに来るほど。また半島の東は東京湾、西が相模湾と魚介の多様性もある。それにシラスは目を見るとちょっと怖い。大量虐殺のように思える。

ということで、かき揚げ丼セット。



野菜のかき揚げだが、某うどんチェーンの野菜かき揚げのように全野菜を細く切って野菜の量を見かけ上多くみせようということはない。おおむね野菜を角切りにしているので、見かけ増量効果はなし。その分、食べ応えがある。鎌倉に来る観光客は、徒歩移動が多いので、量が多めなのかもしれない。

ゆっくりと食事をしてから、海岸を歩き、材木座海岸からゆるやかな若宮大路の登り坂を鶴岡八幡宮まで一気に登っていこうかと思っていた。何しろ「ドラマ鎌倉殿」である。時代は下って元弘三年(1333年)5月22日。つまり鎌倉幕府最後の日、稲村ヶ崎から上陸し、若宮大路を火と血の海にしながら鎌倉の町を灰燼とさせた新田義貞の気持ちを知ろうかなとか。

ところが、突然の雨が降ってきて野望は終了。次の目的地へは江ノ電に乗る。

鎌倉大仏をついに拝観

2022-02-24 00:00:22 | 美術館・博物館・工芸品
木下大サーカスの公演を湘南深沢駅近くのオープンスペースの巨大テントで楽しんだ後、そのまま帰るのはもったいないような気がしていて、色々と地図で調べていると、鎌倉大仏のある長谷が近いことがわかってきた。しかし、歩く距離でもない。通常考えると、モノレールで大船に戻り、JRで鎌倉に行き、江ノ電で長谷に行き、内陸に向かって10分位歩く。結局、5角形の4辺を移動することになる。

ところが、1時間位格闘していると、京急バスが1本でつながっていることが見えてきた。テントの近くにある「大船工場前」というバス停から「大仏前」を通って鎌倉駅まで長い距離を走るバスがあり、1日数本しかないが、サーカスの当日の一回目公演が終わってから9分後に、そのバスが来る。あらかじめ、サーカスのテントに入る前に、実測すると最短5分で到達することがわかる。いずれにしてもギリギリだ。

実際には、バス停に到着した時刻はバスの1分前だったが、案の定、交通渋滞地域なので5分遅れてバスが来る。

数年前に鎌倉に行った時には、由比ヶ浜、鎌倉文学館、長谷観音と順調に歩いて大仏には到着したのだが、修復工事中で境内のリスを鑑賞するにとどまった。

今年1月に観た「八十日間世界一周」というジュール・ベルヌ原作の映画でも英国人ご一同様が横浜港に入港後、大仏前の広場に遊びに行くことになっていた。幕末前後の時代で、すでに外国人が街中を歩いていて、大仏の横には演舞小屋があることになっていた。もっとも映画では横浜から大仏まで歩いてすぐという感じだ。

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それで、日本の大仏と言えば、奈良の東大寺の大仏と鎌倉の高徳院の大仏が双璧だが、鎌倉大仏の特徴は「建物がない」ということ。さらに特徴の一つは、「大仏そのものの大補修がない」ということで、オリジナル感が高いということ。さらに、「建造に至る理由などの歴史的な経緯が不明」ということ。不明とはいえ、1252年に作り始められて、当初は大仏殿があったのは確かだそうだ。その後、津波をはじめとする数多くの災害にもめげず、雨の日も雪の日も一枚の僧衣を着続けているわけだ。

見る角度が異なれば、表情が異なるともいわれる。11メートルの高さと言われるが、海が見えるのだろうか。おそらく完成当時は海からもよく見えたのでないだろうか。仁徳天皇陵が沖合の外国船に巨大さ(つまり大和朝廷の力)の誇示だったという説もあるのだから、鎌倉大仏も鎌倉幕府の力の誇示ではなかったかということも頭をよぎったが、裏付けはなし。完成当初は建物の中だったし。

木下大サーカスに

2022-02-23 00:00:03 | スポーツ
木下大サーカスのテントに入る。もちろん観客としてだ。

そういえば、こどもの頃にはテレビで世界のサーカスというような番組があったが、もうないのだろう。だいたいがピエロ、空中ブランコ、マジックショー、ライオンの火の輪くぐり。芸人の一発芸みたいなのもあった。

そもそもテントであちこちと転戦していくのもプロレスみたいな感じだ。全体に、なんだか怪しい感じがある。昔は、こどもが寄り道して遅く帰宅すると、「サーカスに売られる」と恐れられたものだ。

そして、動物虐待の感じが漂う。美女が布面積の小さなドレスを着たり、マジックショーの時には檻の中で虎の縫いぐるみに瞬時に着替えなければならないとか。

要するに、若干の犯罪っぽい隠微さがあるところが、魅力的なのだろう。

ところが、会場には小学校低学年のような児童が集団でたくさんきていた。中学校にもポスターが貼られている。大丈夫かな?



ショーは曲技からスタート。以前、シルク・ドゥ.・ソレイユを見た時も五輪体操選手のような訓練が必要なのだろうと思ったが、逆にオリンピアンが木下大サーカスに加入することはないのだろうか。特に本人のメンタリティについてだ。スケート選手がアイスショーに出演するのと同じようなものだろうが。

そのあと、マジックショー。消えるマジックが多いように思う。ようするに人間を箱に詰めて箱の外からグサッと刺したり、檻の中の物体が変わったりするわけだ。怪しいマジシャンだが、IOCのバッハ会長に似ている。やっていることも、本当はドーピングで追放したはずの選手やコーチが再び現れる。

休憩のあと、このサーカスの特徴である「シルバーライオンショー」。シルバー世代とライオンの戦いではない。白いライオンたち(5頭)のショー。ネコ科の動物に芸を教えるのは難しいと言われるが、風太君ポーズをとらせたり、輪くぐりがあったり。イルカショーのようにはいかない。ムチとエサで芸を強要する。観客は、「もしかして、言うことを聞かないライオンが怒りをこめてガブっとやったら」と密かに意識下の感情を揺さぶるわけだ。そして、この危ない猛獣を操る男の顔や態度は、なんとんなくウクライナの大統領に似ている。操り外交のハタンだ。

そして最後は空中ブランコ。予想通り、あぶない。(もっとも観客の「アブナイ」は、ブランコからの落下ではなくコロナ感染の方だが。)

なんとなくサーカスの魅力というのは、この隠微さからなのだろう。


ところで世界の三大サーカスと自称しているが、残り二つはどこなのだろう。以前は、リングリングサーカスとボリショイサーカスということだったが、リングリングサーカスは動物虐待とレッテルが貼られ、破綻再建中。ボリショイサーカスは、本来そういうサーカス団は存在しない。ソ連から日本に興行のために来るサーカス団の総称のようなもの。

さらに、シルク・ドゥ・ソレイユもコロナ破綻からの再生中らしい。

開戦で原油生産国の得失は

2022-02-22 00:00:09 | マーケティング
ウクライナ危機で、とりあえず民主主義国側からの制裁のうち大項目は原油・天然ガスの輸入停止だろう。天然ガスについてはテクニカルな問題があって、今までパイプラインで輸入していた分をLNGタンカーで受け入れる設備があるかどうかが問題になる。特にドイツが安全保障的に、余剰なタンクや船舶受け入れ設備を持っているかが問題。もともと東ドイツはロシアに依存していたはずで、完全ストップできるかどうか。

そのかわり、原油については大部分が大型タンカーで沿海の製油所で受け入れていたはずで物理的問題は少ないだろう。しかも米国がイランと何らかの核合意をして貿易再開となると様相は一気にロシアに不利になる。米国から他国をみた時の悪漢度はイラン>北朝鮮>中国だったものが、一気にロシアがトップになり、イランは番外になったからだ。

一部には、ウクライナで戦争が始ると米国のシェールオイルが儲かるという説があるが、実際にはそれで得られる米国の利益よりも、原油が売れなくなって損をするロシアの損害の方が大きいと思われる。

ある石油開発関係の団体の開発エリア別の損益分岐点の資料によると、

 サウジアラビア:10ドル/バレル
 OPEC内陸上エリア:20ドル/バレル
 OPEC内浅海エリア:30ドル/バレル
 米国シェールオイル:60ドル/バレル
 OPEC内深海エリア:65ドル/バレル

と推定されている。損益分岐点というのは生産コスト近似であるので、この価格と原油価格との差が利益ということになる。ちなみにロシア原油は欧州地域では20ドルぐらいでシベリアでは40ドルくらいではないだろうか。

つまり80ドルぐらいになるとシェールオイルの生産が増えるだろうが、利益がそうあるものでもないが、その分ロシアの生産量が減少すると、失われる利益はかなり大きい。ロシアとしては単に価格が上がる緊張状態が一番良いことになる。

ただ、サウジのようにお金持ち国家になると、「むやみに原油を掘って売ってしまうのは、現在手にできる現金は増えるが、その分地下資源がなくなるので国家の富としてはたいして喜ばしいわけではない」と考えるわけだ。

ところで、ドイツは原発ゼロを国論にしようとしているが、逆にロシアは米国が輸入するウランの40%を輸出しているし、最近は洋上浮体型の原発の運用をはじめている。発展途上国に輸出を考えているようだ。10年ほど前には原子力潜水艦を発展途上国に着岸させ、発電所のように電力供給を行うプランを持ちかけたのだが、同意した国は1か国もなかった。国の電力をロシアの原潜に委ねる国はなかったわけだ。ロシアが気に食わない国には、潜水艦から陸上につなぐ電線をちょん切って、「ではサヨウナラ」といなくなるのが自明だからだ。最初に書いたドイツが原油・ガスのロシアからの供給が止められたら困る、ということならば、発展途上国以下の安全保障レベルだ。

健康長寿のまち作りのハードル

2022-02-21 00:00:19 | 市民A
「健康長寿のまち作り」に関する書物を読んだのだが、意外なところに盲点があって、だいなしにしていることがあるそうだ。

順番に言うと、健康管理の基本は歩くことにより足腰の強化ということにつきるようだ(実際には人間ドックとか重要だろうが)。日本の町は400m~500mは歩くことを前提にしているが80歳台になると、200m歩くのさえやっとだ。

そうなると、ゆっくり歩ける町には遊歩道があって、ベンチに座れることが有用だ。

ところが、そういった原則から一歩も前に進めない。

原因は、ベンチ設置者の義務や権利に関係がある。なにぶんベンチというのは屋外に置き去りになる施設なので、雨や風にさらされ、屋内の椅子よりも劣化しやすい。具体的には錆びていきやがて壊れる。ベンチ自体が老化するならそれでもいいが、ベンチに座って休んでいるときに錆でポキット壊れ、大けがをする可能性がある。そうなると設置者であり管理者でもある市が責任を取らないといけない。

要するに、ネガティブ思考法。

健康の敵は、公務員ということになる。

武田佳子展(横浜市民ギャラリーあざみ野)

2022-02-20 00:00:35 | 美術館・博物館・工芸品
青葉区あざみ野にある横浜市民ギャラリーあざみ野の2階のフェローアートギャラリーで開催中の武田佳子展(~4/24)に。



奈良県で活動されている方で、もともとは猫や狼といった動物を描いていて、浮世絵と出会うことで、今度は人間を題材にすることに発展したそうだ。写楽や北斎だろうか。



現在の画法は墨とパステルといった組み合わせを使っているようだ。



彼女たちの活動をサポートされているのは、奈良にある「わたぼうしの会たんぽぽの家アートセンターHANA」という組織。

森林限界の深い意味は

2022-02-19 00:00:54 | しょうぎ
王将戦は名人戦に次ぐ歴史を持つタイトル戦だが、最近は賞金額が価値の総てとなりランクダウンしているが、れっきとした八大タイトルの一つ。藤井聡太タイトルコレクションの一つになった。そして、対局場の窓の外に見える富士山に喩えて到達地点を尋ねられ、「森林限界の手前」と、予期せぬ即答。何かうますぎる話のようだが、一つの名言。

当初、森林限界というのは青木ヶ原樹海のことかと勘違いし、「まだ森の中で道が分らない状況」かと思ってしまったが、大間違いだった。植物相に関する専門用語で、高山で上の方に上っていき、森林がなくなるところということで標高2500mあたりで、五合目付近を指す言葉だった。一応、登山中で樹海からは脱出しているわけだ。

ところで、五合目といえば駐車場があり、ここまでは車で来る人もいるわけだ。ここから先が人力になる。もしかしたらAIを使った研究はここまでで、これからは自分の頭だけで指していくという意味ではないだろうか。(たぶん違うだろうが)

ところで、山に喩えた将棋界の名言として有名なのが、故升田幸三九段が昭和32年に当時の全三冠(名人・王将・九段)を独占した後に言った「たどりきて、いまだ山麓」が有名だ。山のふもとに到着ということ。詳しいシチュエーションがわからないが、三冠の最後が名人戦で昭和32年7月11日に渋谷の料亭初波奈で行われた第六戦で大山康晴名人を倒した後のことばだそうだ。料亭は賃貸マンションに変わり、会社は宝石商に転進している。

八冠達成時のお言葉を待ちたい。

追記:たどりついたら いつも 雨降り(吉田拓郎)
どこにもたどりつけない人もいる(葉)


さて、2月5日出題作の解答。







今週の問題。




ためしに作ってみたような問題。

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

チキンカツカレーの不思議

2022-02-18 00:00:20 | あじ
集団接種の会場が、横浜みなとみらいのハンマーヘッドにあるということで、予約時間が午後2時ということもあり、あらかじめ桜木町で食事をしておこうと思っていた。実際にはハンマーヘッドにある接種会場はレストラン街の中のような場所で、会場入り口の前はフードコートだった。途中で食事をする必要はまったくなかった。

桜木町のぴおシティの地下は昼間からアル中患者が集まる飲み屋街だが、寿司を出す店があったような記憶があり、一巡りして探したが、開店していたのは飲み屋だけだった。地上にあがり、日本最大のカレーチェーンに入る。ココです、というチェーンだ。全く久しぶりだ。

それで、チキンカツカレーを注文。チキンカレーでもなくカツカレーでもない。基本的にチキンカツはよく食べる。チキンカツがラージサイズで旨い飲み屋を何件か知っている。飲み屋でチキンカツを注文すると、とりあえず小分けに切り分けても、誰も手を伸ばさないので結局、ほとんど自分が食べることになり、大得だ。



そして、カツを揚げる音を聴きながら待つこと10分ほどで、完成品が登場。かなり驚く。何がというと、チキンカツの形状。長方形だ。長方形の切り身って、マグロやクジラじゃないわけだ。チキンだ。さらに食べてみると、食感はササミである。ササミの語源は見かけが笹に似ているからだが、長方形に繰りぬくのだろうか。額縁の方はどうなるのだろうか。

大いに気になる。別の国で四角に繰りぬいているのだろうか。確かに長方形だときっちりと隙間なく詰め込むことができるから運賃が安いのだろうか。結局、わからないままになりそうだ。

副反応はP>Mだった

2022-02-17 00:00:53 | 市民A
モデルナワクチンが不人気ということで3回目接種が遅れているといわれている。実感としては、「モデルナが不人気と思われる」という予想の元に個別接種(町のお医者さん)を担当する医院が、ファイザーを発注していて、集団接種→モデルナ、個別接種→ファイザーになっているように思える。したがって、個別接種ではなかなか数がこなせないということだろう。

在住している横浜市は、やっとのことで3回目接種券が届き、速攻で集団接種に行った。いや、速攻できなかった点もある。予約システムの不条理性のせいだ。そもそも横浜市内は118の区があるが、あくまでも市であるので、およそ30分から1時間30分の間でどこへでも行けるわけだ。

接種の日と翌日、あるいはもう一日休みが取れればいいのだが、スケジュール調整が重要になる。しかし、予約というのは、会場と日時を決めなければならないので、どちらかから考え始めなければならない。前述したように、会場の場所は時間的には大きな障害にならないので、日程から決めたいのだが、市の予約システムは、会場を選び、日程を付けて検索しないといけない。検索の結果、空きがないということになっても、時間をずらすべきか日程をずらすべきか、そもそもやっているのかどうかすらわからないので心配になる。

一方で、耳にする話は、前回個別接種した人には、医院の方から、「3回目も当院でお願いします」という電話指令が飛んでいて、政府が集団接種の旗を振っても動員は難しい。裏口入学のような話だ。

で、さっさとモデルナを打ってきて、問題の副反応だが、接種後12時間ほど経った深夜3時に目が覚め、少し熱っぽく寒く感じたので、明日の朝、体温を測ろうと思った程度で6時に目が覚めた時には平熱に戻っていた。たぶん1度程度の上昇だったのだろうか。

ファイザーの時は24時間後に2度ほど発熱し12時間続いたので、今回の方が軽微だった。腕の痛みは少しあるが、ゴルフの次の日の方が痛いし、そもそも体のどこかが常に痛いので・・

リア王(1953年 映画)

2022-02-16 00:00:53 | 映画・演劇・Video
村上春樹原作の映画(ドライブ・マイ・カー)を観た後にシェークスピア映画を観るというのも、ある意味悪趣味かもしれないが、今年はシェークスピア映画大全集(DVD)を見ることにしている。「じゃじゃ馬ならし」の次が「リア王」。この大全集だが、悲劇が5、喜劇が3、史劇が2である。悲劇5のうち一つが「オー!ロメオ」であり残りが四大悲劇。悲劇論を語りたいのだが、先が長いのでそのうち。

リア王にはいくつかの映画がある。1953年版は米国のテレビ向けで主演がオーソン・ウェルズ。大全集にはこれが収録されている。老醜をさらす英国王のリア王の暴君ぶりや荒野をさまよう狂気の表現がいかにもはまり役だ。2018年にはアンソニー・ホプキンスが演じているが迫力はたりない。1971年にはソ連映画があり、惑星ソラレスの主演がリア王を演じているが、現在ソ連映画を見るのはきびしいし、著作権から生じる利益にかけられる法人税がウクライナ攻撃に使われるかもしれないので見ることはないだろう。

日本で言えばリア王を演じられるのは三船敏郎だろうが、リア王派生映画の『乱』に出演している。『海辺のリア』の主演は仲代達矢だが、悲劇性が小さい。何しろ長女夫妻に老人ホームに入れられて、狂気の末に脱走して近くの海岸を歩く程度だ。三国連太郎も適任だろうが何となく「釣りバカ」の鈴木社長のイメージが重なってしまう。

本物のリア王は老体により隠居することにして、3姉妹に自分の面倒をみてもらうために国土を分割して与えようとするが、三女のコーデリアは仲間外れにされ、城から追い払われる。ところが、長女次女は結託して父親(リア)を邪魔者扱いする。その後、あれこれあってリアは荒野をさまよい、結果としてコーデリアと再会したものの、彼女は殺され、まもなくリアも他界する。現代日本ではよくある悲劇で、例えば大塚家具とか。長女が追い出されて米国へ行ってしまったある一家も類例かもしれない。結末がリア王風だと大変だが。

ハンマーヘッドといっても

2022-02-15 00:00:26 | 美術館・博物館・工芸品
ハンマーヘッドというと、通常は釘を打つハンマーのこと。また、いわゆる石頭のことでもある。ところが、横浜港ではハンマーヘッドを観光地にしてしまった。横浜港の客船桟橋を大桟橋以外にも増設する際に港湾整備が行われた際、客船ターミナルのそばに目障りな大型クレーンがあった。それを壊さないで国の遺産という形で整備し、使うことはできないものの観光の名所として利用したわけだ。



これで、港内を北から南にかけて、帆船日本丸、ハンマーヘッド、氷川丸と、みせかけの三点セットができた。

そして、この位置から横浜名物のランドマークと観覧車とインターコンチネンタルホテルの三点セットを一緒に画像におさめる場所ができた。



海に突き出した桟橋には何色かの横浜市営バスが七台並んでいる。この中には黄色のバスが三台ある。ダイヤモンドプリンセス号長期係留事件の時、船内に幽閉された人々を最後に新横浜駅などで開放するのに使われたバスが、この黄色だった。

仕様は普通の乗り合いバスだが、すぐに街を走っても乗ってくれないだろうということで、車庫の片隅に置かれていたという話だったが、実は、ハンマーヘッドには三回目のワクチン接種会場がある。最寄駅からのシャトルバスに使われているわけだ。



このバスの列だが、桟橋上ではバスの向きは変えられないように見える。後進して並んだのだろうか。こういう場所で運転はしたくないなあ、と妙なことを考えてしまう。

そういえば、阪急交通社から「ダイヤモンドプリンセスの日本+韓国クルーズ」のお誘いがきていた。割安だったような気がした。

映画「ドライブ・マイ・カー」の原作について

2022-02-14 00:00:24 | 書評
2月9日弊ブログ『女のいない男たち(村上春樹著)』の中で、短編集の中の「ドライブ・マイ・カー」と映画「ドライブ・マイ・カー」の具体的な共通点は少ない(基本構造は同じだが)という意味のことを書いたが、実はその時は短編集の「ドライブ・マイ・カー」ともう一編を読んだだけだった。

その後、全6編を読むと、「シェエラザード」と「木野」の二作からも映画につながっていることがわかった。しかし、6作は話が繋がっていく連作ではなく、一見まったく異なる短編小説で登場人物の背景の共通点もない。脚本は監督でもある濱口竜介の手になるのだが、春樹氏はどこまで関わったのだろうか。

ただ、映画の後半は舞台を広島市に移すのだが、広島のこともラストシーンの韓国のことも短編集の中には登場しない。もしかしたら世界の映画祭に参加するために都市として知名度のある広島を選び、K国ファンからもいわれなき非難を回避するために付け加えたのかもしれない。

そういえば、真の主演は主人公家福(演:西島秀俊)の愛車SAABかもしれないが、メーカーはノーベル文学賞選考委員会のあるスウェーデンを代表する会社であることに気が付く。

ところで、ドライブ・マイ・カーの中で助演女優(演:三浦透子)の演じる女性ドライバーの故郷について、当初発表された小説では北海道中頓別町であったが地元町議が抗議したため、架空の町名に変更になり、ロケ地も変わってしまった。観光地を失ったわけだ。(何を町議が抗議したかよくわからない。たばこを窓から外にポイする行為についてクレームをつけた、という説があるが、ポイするのは映画であって、小説の段階ではポイしていないように読める)