悪い予感のかけらもないさ展

2016-10-31 00:00:10 | 美術館・博物館・工芸品
あざみ野コンテンポラリーとして横浜市民ギャラリーあざみ野で開催中の「悪い予感のかけらもないさ」展に行く。

「悪い予感のかけらもないさ」というのはRCサクセションの「スローバラード」の中にあるフレーズということで、ファシスト政権下で過酷な状況にあったイタリアの思想家アントニオ・グラムシの箴言とされる「知性のペシミズム」、意志の「オプティミズム」を想起させるフレーズだそうだ。

悪い予感のかけらもないが、となれば、明らかに将来、困ったことがおこることを暗示するが、かけらもないさ、と言い切ると、本当に悪いことが起きないということになる。わたしなんて、「グッドニュースのかけらもないさ」という状態なのにだ。

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先に、展覧会のタイトルがあって、それに合わせた作品を公募するようになっていたそうで、タイトルをみて、各アーティストが手持ち作品の中から出展したのだろう。

風間サチコ、岡田裕子、関川航平、金川晋吾、鈴木光の5氏だが、個人的には岡田裕子さんのインスタレーション作品「カラダアヤトリ」が気に入った。タイと思われる場所で、河原に住む若者から、カラダアヤトリという儀式というか遊戯というかコミュニケーションというか不明だが、それをやってみようとするわけだ。

ボブ・ディラン、ノーベル文学賞受諾したものの

2016-10-30 00:00:13 | 音楽(クラシック音楽他)
ボブ・ディラン氏(1941-   :171cm)が2週間の沈黙を破り、ノーベル財団に受諾の電話をしたと報道された。メールじゃなく電話だ。

「もしもし、ノーベルさんのお宅ですか。」
「はいそうですが、おたくは?」
「ボブですよ、ボブ。」
「ボブじゃわからないよ、ボブさん、で、誰に用事なの、英語聞きにくいよ、ちゃんと発音してよ・・」

たぶん用件が担当者に伝わるまで30分くらいかかったのではないかと思うが、公表された内容ではノーベル賞は受諾したものの表彰式やパーティに出席するかどうかは明言されていないようだ。「行けたら行く」と、禅問答だ。ホテルの予約はまだとれない。

アメリカでは、「グラミー賞とノーベル賞の両方を受賞したのは二人目だ」と妙なことが話題になっているようだ。一人目は、バラク・オバマ氏。グラミー賞の方は最優秀朗読アルバム賞を受賞しているようだ。平和賞の方も「朗読」で受賞している。


ところで、「行けたら行く」ということだが、10月23日付け弊ブログ:ボブ・ディラン氏ノーベル賞黙殺中の理由を推理の中で、ディラン氏沈黙の理由を7つ並べたのだが、内3つは辞退するかどうか考えている理由で、残る4つは受諾した時に問題になる諸事情を片付けるための時間が必要という考察だった。

まず、その4つを並べてみると

1. ノーベル賞の受賞式で披露する予定の新曲が完成していない。
2. パーティでのダンスの練習
3. パーティに同伴する女性を誰にするか
4. ゴーストライターの口止めのための賞金配分方法が調整中

ということだった。

1.受諾スピーチの際には記念講演が必要なのだが、彼の場合はコンサートでもいいということになったそうだ。そのための受賞記念曲の作詞作曲が終わったのだろうか。現在、ミュージックビデオ撮影中かもしれない。

2.ダンスも問題。コンサートで踊ったりしないのだろう。それよりも髭をそらないと、相手が近寄らないのではないだろうか。

3.同伴女性問題だが、彼は公式的には2回結婚したことになっている25歳の時1965年から10年ぐらい妻だったのがサラ・ラウンズさんでこどもが4人。その後バック・シンガーのキャロリン・デニスさん。1992年から何年か結婚し、こどもが一人。その他、自称ボブの子という人物もいるそうだ。

4. ゴーストライター疑惑は単なる私の推測だが、もしそうなら受賞を断るだろうと思う。これも後から言い出す人間がいると大騒ぎになるはず。

そして、「行けたら行く」ということだが、もしかしたら、

5.時間が経たないと体内から排出されない成分が抜け切れるかどうか、ということなのではないだろうか。スウェーデン入国拒否とかなると、航空運賃が無駄になってしまう。行かなければ、2の問題も3の問題もクリアになるし、米国内で記念コンサートを開けば90万ドルは自分のものになる。働けど働けど、なお離婚慰謝料残るという状態とも聞くので、恥を忍んでもいただけるものはいただきたいのだろうか。

朝日新聞将棋譜の不思議

2016-10-29 00:00:03 | しょうぎ
まず、小ネタで。朝日新聞掲載のA級順位戦3回戦、羽生三冠×行方八段戦の第一譜。著作権の問題があるのでそのまま掲載できないので、問題個所以外は読めないようにしているのだが、右下の対局者のところには、先▲三冠 羽生善治となっているのだが、盤面図では後手番に△羽生 となっている。第一譜なので、前日の新聞を拡げても、この謎は解けない。

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記事を丹念に読んでも、先手や後手といった表現で、個人名はなかなかでてこないで最後の方で「行方は▲6五歩(指了図)と突いた。」と書かれていて、それを信じれば先手が行方八段ということになる。

今回の間違いの場合、おそらく観戦記者には責任がないものと思うが、校正ミスが起きても読者を混乱させないためには、「先手は○○○と指した」と書かずに、「先手行方は○○○と指した」というように何度も対局者名をさりげなく書き込んでおいた方がいいかもしれない。

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ところで、今週は、カンニング疑惑が発生した問題の一局(三浦×渡辺戦)が堂々公開中だった。そして、問題の場面が23日掲載の局面で、桂取り△4四歩までの図面で、その後、7手で先手が有利に展開することになるのだが、その手順は「人間的ではない」ということのようだ。ヘボ将棋ならありそうな手順だからこそ盲点なのだろう。

そしてほぼ同じ局面が読売主催の竜王戦第一局で登場。後手の渡辺竜王に対し、挑戦者丸山九段が三浦九段を代行したように指していったのだが、その展開と渡辺竜王の選んだ手順が、朝日新聞に記載されている。他紙転載はマナー違反だと思えるが、何か隠された意図があるのかもしれない。


さて、10月15日出題作の解答。

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動く将棋盤はこちら


今週の問題。

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脱出失敗で逃げ帰るの図。

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ、正誤判定。

地元の手打ち蕎麦

2016-10-28 00:00:52 | あじ
蕎麦を食べようとすると、他の飲食店や食材とも同じ現象だが、「大部分を人間の作った料理」と「大部分を機械が作った料理」と二分され、お値段が1.5倍位違う。チェーン店だと500円ぐらいで、手打蕎麦だと750円から1000円位。

特に手打蕎麦だとほとんどを人間が作ることになる。よく地区センターなどで蕎麦打ち教室を開いていて、中年の男性が参加していた。隣の教室で将棋をこどもたちに教えていて、邪魔だなあと思っていたら、そのうち散会となったようだ。教室で勉強しても、実際に自宅で蕎麦を打つと、部屋中が粉だらけになるだろう。というか一回で懲りるのだろう。

で、話を戻すと、近隣のあざみ野駅と江田駅の中間の裏道に地元で有名なお店がある。通常は二八蕎麦だが時に十割を打つらしい。で、二八の時に食べに行く。おろしそば(950Yen)。

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おろしの量と、山葵の量から推測し、まず蕎麦の半分をおろしで食し、残りの半分を山葵で食する計画を立てる。

しかし、おろしで食べる前に、山葵の味見をすると、これが甘い。今までに食べた山葵の中で最高だ。(ちなみに、今まで食べた中で最高の蕎麦は、三重県の伊賀上野城内にある蕎麦店で、とろろそばが絶品だった(手打かどうかはしらないが)。ということで、蕎麦を食べ始める前に山葵は減ってしまったが、わさびのお替りするわけにもいかない。

また、本来、蕎麦は一気に食べてのど越しを楽しむべきなのだが、その時の店内は高齢者のお客様ばかりで、いかにもゆっくり味わう方々ばかりだった。で、後で来て先に帰るのも味が悪いので、ゆっくり食べていると、胃にもたれてきた。蕎麦は消化が遅いのだろう。

ところで、高齢のお客様でもかまわないのだが、「うどんはないか」とか「カレー蕎麦はあるの」とか、わけのわからない人が多いわけだ。蕎麦粉を北海道産に求めたり、かなりこだわりの店主と見たが、さぞかし心苦しく思っているだろう。

それこそ、手討ちにしたいだろう。

実は手打そばというコトバから、どうしても「手討ち」を連想してしまい、引いた気持になってしまう。家臣が気に入らないことをすると、その場でバサッと切り捨ててしまうという暴君を思い出してしまうのだ。近くの国にいるのだけど。

MOTTAINAIは各自各様か

2016-10-27 00:00:21 | 市民A
先日、IOCのバッハ会長が来日し、小池都知事と公開の場で会見を行った際、競技会場再検討の話になり、双方とも「もったいない=MOTTAINAI」精神で考えましょうといって、都知事は嬉しそうな表情ではあったものの、二人の方向は、まるで逆のことを言っているように思えたのだが、どうも「MOTTAINAI」の意味が違うのではないかと感じた。

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この言葉だが、基本的には3R(リデュース・削減/リユース・再使用/リサイクル・再利用)の原点とされる言葉で、2004年にノーベル平和賞を受賞したケニアのワンダリ・マータイ女史(2011年にご逝去)が翌2005年に来日時に日本文化の中に流れるこの精神を著書で紹介して、世界に拡がる。著者が亡くなったからといって、勝手に援用していくのもどうかと思うが、言葉も思想も変化しなければ時代を超越できないので寛容に考え、しかし、まず、彼女の著書を分析してみる。

以下が日本で見つけたMOTTAINAI精神の例

1. 最後の一粒まで、ごはんを食べる→作った人の苦労を考える
2. 昔は、魚を頭から尾鰭まで食べていた→魚(生き物)に対する慈しみ
3. 包装紙より風呂敷→ゴミが出ない
4. お下がりを着る美徳→物を大切に使う
5. レストランや家庭やコンビニで大量の食料廃棄物が出る→これは改善点?
6. 放置自転車の処分費1万円もかかる→物を最後まで使い切らない
7. 昔は笠やお茶碗を修理して長く使った→今は使い捨て時代
8. 「きもの」は糸をほどいて何世代も縫い直した→リサイクル
9. アロハシャツは日本人移住者がきものを作り替えたことから始まる
10. 世界の半分は1日2ドルの生活、日本は携帯・自転車・テレビ・冷蔵庫を使い捨て
11. 毎朝、時計代わりにテレビをつけっ放し
12. 昔は鉛筆ホルダーで使い切っていた
13. 「お酌」の習慣は、「畏れ多い」という意味のもったいないという気持ち
14. 日本のトイレに大小のレバーで水量調整
15. お母さんがつくったお弁当を電車に忘れると、真心を忘れたことになる
16. 中国から輸入した割りばしと使い捨てる量は年に一戸建て17,000戸分
17. もし三か国語話せても、それを使える職業についていないならもったいない
18. 日本の家は南側に大きな窓があり、昼間は電灯はいらない
19. 途上国の子供の生活保障費の10倍が軍事費になっている→究極のMOTTAINAI

一部はマータイさんの誤解もありそうだが、彼女の主張の核は

A. 思想的な部分が重要
B. 使えるものは長く使う(リユースもリサイクルも含まれる)
C. 削減の目的は別の用途に回すため(軍事費→生活保障、割り箸→一戸建て)

ということではないだろうか。

そして都知事のいうMOTTAINAIが、どういう範囲なのかよくつかめないのだが、発言の中からいうと

A.都民に負の遺産は残せない
B.一時的に金額が大きく後で不要なものは、仮設にして

というようなことで、出費を減らすことと、維持費がかかるものは困るというように感じる。ただ、負の遺産というのはダイレクトに言えば、東京都債に頼るのは困るという意味にとれるが、実際には、発行すれば国債以上に人気金融商品だし、借金しても土地や建物の投資に回れば、資産になるのだから、人件費や仮設設備に消えるよりも健全と思える。都債を持っているが、募集に関して、「東京都の概況」とか「将来性」とか「懸念される問題点」などが書かれている資料は見ていない、というか最大の地震は直下型地震ともいえるし、そもそも国債だって買うときに、何の説明もない。

また、1000億が300億に減額とか言うが、それは単に予算の話をしているのだが、入札でどうなるかわからないはず。予算を全部公開してから入札するというスタイルの限界もあるが。

一方のバッハ氏のMOTTAINAIも小池対策で単に口先から出ただけなのか、ドイツ流の考え方なのか不明だが、良いものを安く作って長く使おうという意味のような気がする。会見でもレガシーを残すという言い方が多かった。ワーゲンを30年間乗ろうという国だし。ドイツ人からすれば、公的債務(地方債も含め)を次々と積み上げていっても平然としている日本人が、なんでこんな小さなことを気にするのだろうと思っているのだろう。

日本の場合、いつ大地震が起きるかわからないのだから、仮設と言っても建築費が高額になることは目に見えているため、ボート会場のベンチ程度は地震対策不要で格安なのだろうが、天井のある体育館とか水泳競技場とかは、立派なものを作って長く使うということで考えるべきではないだろうか。

みすゞ(映画 2001年)

2016-10-26 00:00:00 | 映画・演劇・Video
金子みすゞの映画である。こども時代に育った仙崎(長門市)を離れ、下関の祖父の家に移り住んでから、26歳で亡くなるまでの伝記である。正確にいうと、自死に至る前日の夜までを描いている。

主演は田中美里、監督は五十嵐匠。金子みすゞについては、松たか子や上戸彩がテレビドラマでも主演している。実際にみすゞの人生のあらすじを知っているので、かなり悲しい人生の結末について、観ていて少しずつ気が重くなっていく。

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数々の新鮮な視点での詩を書き、西条八十に見いだされ、新進文学者として立つコースにいたにもかかわらず、祖父の家業(文具店)を引き継ぐべき後継者(実弟)が軟弱で、番頭と結婚することとなる。そして、その番頭が放蕩に走り、祖父から追放されることになる。みすゞは愛娘を引き取り、離婚したものの、東京に行った元夫は、娘の引き渡しを強烈に要求し、彼女は抵抗する(あるいは諦めたのか)ため、娘の教育を祖母に託し、自死を選ぶ。

結婚生活は不愉快そのもので、夫は詩を書くのを禁止し、みつからないようにノートに走り書きしたものが後に発見される。それでは「歌を忘れたカナリヤ」ではないかと思い、作詞家を調べると西条八十。西条がこの詩を書いたのはみすゞが結婚した時期に当たるので、その関係については、調べてみたいというか、誰かに調べてもらいたい。

映画が公開された2001年の段階では、まだ十分な研究がなされていなかったのか、特に新たな発見はなかったが、映画を機に冷静に考えると、金子みすゞの墓が仙崎の金子家の墓であるということは、彼女の骨は下関ではなく実家に戻ったことを意味していることがわかる。

さらに調べていると、彼女が守ろうとした娘(上山ふさえさん)は、一時、放蕩夫の元に引き取られてしまうのだが、祖父がなくなり跡継ぎがいなくなり窮余の策として放蕩夫は下関に戻り、この段階で祖母と同居することになる。ところが、経営能力のない上山某は、経営破綻させてしまい、一家は困窮。ふさえさんは若くして結婚し、娘を出産するのだが、ビデオ再生のように夫と不仲になり離婚することになる。

しかし、金子みすゞの再発見後には、活躍することになり、母の原稿の整理や出版、記念館の竣工式や記念碑に関する事業などで、熱弁をふるわれている。

確認できた最も近い時期では2015年の12月に仙崎にみすゞのブロンズ像が立った時の除幕式に参加されている。89歳ということで、女性の平均年齢を超えたところだが、かなりお元気そうである。

ふさえさんの歴史を見ると、娘さん(つまり金子みすゞの孫)がいることになっているのだが、その方もいずれ登場することになるのだろうか。

ところで、上に書いた完成間もないブロンズ像だが、台座の裏側には、思わぬ人の書が彫られている。

 みんなちがって
  みんないい

   内閣総理大臣
    安倍晋三 筆

2016年12月に予定されているロシア大統領との長門市での首脳会談の後、披露するのだろうか。みんな=四島。違って=四島はそれぞれ別のプロセスで。みんないい=それでいい。

あまり文学者を政治利用してほしくないのだが。


ついでに、仙崎(長門市)は、終戦後、短い期間、海外残留邦人引揚港であった。しかし、今回の首脳会談の後には、うかつにもロシア大統領に、シベリア抑留者で日本に返してもらえなかった30余万人の話を出したりしない方がいいだろう。決まったことも破談になるかもしれない。ナホトカ港から抑留者が帰還するまで都合10年もかかったのだが、大部分は舞鶴港(一部函館)で、上陸している。

さらに言うと、仙崎への帰還船は、大陸(中国、韓国)から日本への帰還船というだけではなく、意に反し日本にいた人たちの朝鮮半島への帰還船でもあるわけだ。

宇都宮城址まつり元自衛官爆死事件について思うこと

2016-10-25 00:00:56 | 市民A
まず、今回の事件の巻き添えになり負傷された方々、鉄片が肝臓まで届き長期入院を余儀なくされた方や鼓膜が破損した方、臨家の火災で自宅外壁と自動車2台が燃えた方には、深くお見舞いを申し上げたい。冷めた愚論を書きそうなので最初にお許しを乞いたい。

事件から一日経ち、およその流れが見えてきて、その都度、思うことが色々あるが、別れた妻とのDV裁判の内容についてはまったく根拠を持っていないので書けないが、最近の裁判官の調査能力はとんでもないので実のところよくわからない。

結局、元自衛官は、唯一の資産である自宅土地建物を失うことになり、生きる道が亡くなったと考え、本人にとっての宝物であった自宅を吹き飛ばし、自分も爆死を選ぶ。まつりの日など選ぶなよといいたいが、そのあたりの事情はわからない。精神医療関係の仕事をしていたようで、少し残念だ。

不謹慎ながら、自分の最も大切な自宅と自家用車までが人手にわたることが、本当に嫌だったのだろう。歴史の中におなじ動機をもって爆死した人物が、松永弾正久秀。日本工芸史上最高傑作の茶釜である「平蜘蛛釜」を信長に奪われるぐらいなら、と信長に攻められた際、爆薬を釜に詰め、一緒に爆死した。日本史上では、悪役列伝に属する裏切り系人物だが、戦国武将の中では、もっとも派手な最期を遂げた。

重ね重ね不謹慎だが、祭りでの大事故といえば、ガソリンポリタンク大爆発とか花火大会の際の歩道橋事故とか暴発などが近年起きているが、1807年に起きた江戸の永代橋の崩壊事故は世界最悪の事故とも言われる。深川八幡(相撲で有名)の祭礼の夜、群衆の重みに耐えきれず隅田川に落橋。推定死者数は1400人と言われる。わたしと同音だが、狂歌師大田南畝は、『永代と かけたる橋は落ちにけり きょうは祭礼 あすは葬礼』とクレージーに詠んでいる。


そして、宇都宮城。歴史の第一線にはあまり登場しない城だが、一歩踏み込んだ第二線でいうと、歴史上のイベントには事欠かない。どちらかというと、謀略系に近い城になっている。築城時期は平安時代後期で藤原慈円につながる家系が宇都宮氏を名乗る。

しかし戦国時代まで続いた家系も、内紛があり謀殺などが起きる。しかも秀吉のお気に入りの浅野長政の政略により、宇都宮氏は宇都宮を追い出されることになる。浅野長政はさらに出世を続け、関ケ原以降は家康にしがみつき息子は広島城主にまでなるのだが、その傍系の赤穂藩主浅野内匠頭は江戸城内某事件で切腹することになる。

そして、浅野長政が宇都宮城を出世の肥やしにした後、城主はめまぐるしく変わり二代将軍秀忠の時代は本多正純が入り、町の整備を行った。が、これが家康亡き後の権力抗争の餌食になり、「宇都宮城釣天井事件」に発展。秀忠公が日光参りの帰りに立ち寄った時に、事故を装って天井を落下させ、将軍を亡き者にしようとしたと冤罪をかぶることになり、失脚の上追放。

そして、幕末から明治にかけ起こった戊辰戦争では、驚くことに二度も戦火があがることになる。一回目は江戸から敗走中の旧幕府軍が勝利し、町が焼ける。そしてまたたく間に新政府軍が押し寄せてきて、旧幕府軍は敗退。今度は街のほとんどが灰燼となる。旧幕府軍は大鳥圭介や土方歳三をはじめ会津若松に向かう。

というように、重要な城ではあるものの、縁起は悪い方の城なのである。


そして、まったく違う観点で、彼が元自衛官ということについて。パイロットをめざす新人自衛官に気象学を教えていたそうだ。爆発物からは縁遠い存在だったのだが、・・

内勤の自衛官でも、たった一人で手製の爆弾を作り、大爆破作業を行うことができる、というのには周辺国も震撼だろう。日本軍人は結構怖いということになるのだろうか。元々、対ソ戦が前提で、ソ連占領下の北海道で山中に潜み、ゲリラ戦を行うように考えていたわけだから。

ロボットはお好き?

2016-10-24 00:00:14 | 市民A
今、将棋界を震撼させているのは「高段棋士のカンニング事件」である。専門的に書くと長編小説になってしまうので、ごく簡単に言うと、将棋界最高賞金(4000万円超)のタイトル戦の挑戦者に決まっていた棋士が、他の棋士との対局中に何度も中座して、スマホを利用してなんらかのカンニングをしたのではないかという疑いをかけられ、タイトル戦の直前に、年末までの出場停止処分を受けたが、本人は、絶対に不正はしていないと主張し、スマホや自宅のPCについて、相互に検証しようということになったということ。周辺では、様々な関係者の力関係が不均等に働き、混迷状態といったところだ。

カンニングの可能性として、

 1.外部の第三者がネット中継を見ながらPCソフトで最善手をみつけメール送信。
 2.スマホから自宅PCを遠隔操作し、最善手を確認する。
 3.スマホにダウンロードしたアプリで最善手を探す。

の3種類の手法が考えられる。


本件の決着はさておき、論争の中ではっきりしたのは、ほとんどの棋士は対局室に電子機器を持ちこむことは「NO」と認識している一方、自宅での研究用にソフトを使うことは「OK」と考えているということ。現在疑惑状態の棋士も、「事前にソフトで研究している手を指したのだから、スマホアプリの手と一致するのは当然で、不正行為ではない」という見解を持っている。

で、ここからが本論(短いが)なのだが、

「パソコンの指し示す手順を覚えてきて、相手との対戦でそれを用いる」という行為なのだが、何か変ではないだろうか。

人間が考えたことを、その通りに実行する機能のことを「ロボット」というはずなのに、ソフトのAI機能とかディープ・ラーニングとかで導き出された戦術を覚えて、その通り人間が実行するというのでは、人間が、人工知能に支配されたロボットになっているということではないか。

今回の件で、ある高段棋士は「人間がコンピューターに支配される世界なんて、まっぴらごめん」と言い切り、それに共感を覚えている人は多いのだが、といって将棋界に限らず、これから人間とAIの主従関係争いが始まる、あるいはすでに終盤戦なのかもしれない。


自動運転車の開発が進んでいるが、戦争の無人化につながる技術という人もいる。巨額の投資をして自動運転車を開発しても、行きつくところは、自宅の車庫から目的地を東京駅前とか指定して、あとは熟睡1時間で到着という位の効用だろう。よく考えれば、それは、「タクシー」に過ぎないわけだ。研究の先に隠れ見えるのは戦争道具だろう。

頭脳をAIに任せた場合、人間の脳の力は確実に落ちてゆくだろう。また、前の世界大戦ではドイツと日本が負けたのだが、その作戦を緻密に解析すれば、少ない戦力でも勝てたかもしれない作戦があったわけで、AI側が戦争に勝つことが価値と考え、必勝作戦を構築し、兵員を移動したり、物資を輸送したり、経済封鎖をしたり(つまり信長の野望ゲーム)、作戦を立て、人間(軍隊)に命令を出し始めたらどういうことになるのだろう。

今後AI化が進み、人間の職場が奪われるのではないかと心配しているわけだが、実際には、人間がロボット化することにより失業者が増えない可能性もあるのだが、少なくても人間は、睡眠したり、食事という名の燃料補給が必要だし、同時にいくつものことを考えられない動物で、不経済で、競争力がない不完全なロボットにしかなれないのだろうと、うっすら感じる。

ボブ・ディラン氏ノーベル賞黙殺中の理由を推理

2016-10-23 00:00:14 | 音楽(クラシック音楽他)
ノーベル財団が文学賞及び賞金約1億円をボブ・ディラン氏に進呈しようというのに、本人に連絡が取れないようだ。ストックホルムで何泊するかわからないとホテルの予約に困るらしい。

来るのか来ないのか。受賞を受けるのか辞退するのか。

そして、なぜ?

色々な仮説があるのだが、

仮説1.ノーベル賞をとるために、今まで歌ってきたと思われたくないのではないだろうか。

  しかし、シンガーソングライターが文学賞を受賞することを数十年前に予測していたわけはないということは、みんなわかっているのだから、この線はないだろう。


仮説2.今後、ノーベル賞シンガーと言われ、自分の作品が権威的な色調を帯びることを嫌がっている。(反権威主義)

   サルトルが辞退したのと同じような理由だが、机上の空論だろうか。


仮説3.そもそもノーベル賞という制度に批判的。発見発明を評価する賞だが、その結果人類が平和になっていないのではないか。

   といってもディラン自身は大金持ちになったわけで、そこまでごねる必然性も薄い。


仮説4.ノーベル賞の受賞式で披露する予定の新曲が完成していない。

   可能性は高いだろう。


仮説5.パーティでのダンスの練習中。

   可能性は高いだろう。

仮説6.パーティに同伴する女性を誰にするか紛争中

   可能性は高いだろう


そして、もっと論理的整合性のある仮説7を考え出した。私の頭の中に埋め込んだ人工知能による合理的解だ。

ディラン氏には、加山雄三氏と同じように、「ゴーストライター MR.X」がいた。ゴーストライター氏はかなりの口止め料を受け取っていたが、ノーベル文学賞受賞ということで、自分の存在をアピールしようと考え付いた(あるいは罪悪感を持つようになった。)。ノーベル賞自体はディラン氏が受賞することでいいが1億円の賞金については、真の作詞家であるMR.Xが受け取るべきと言い出した。

そのため、真の作詞家は誰なのかの裁判をこれから始めようという段階になったのだが、ディラン氏側は勝ち目がない状況に追い詰められている

このストーリーなら、すべてに辻褄が合うわけだ。

正解は、何か?

まあ、本人に聞いても、

The answer is blowing in the wind.

ということかもしれない。

生中継を少し遅らせた方がいい的な話を二つ

2016-10-22 00:00:47 | しょうぎ
衝撃的なカンニング事件の決着もついていないのだが、スマホ持込禁止ということで、今後の対局については一件落着なのかもしれないが、ガラケーもダメというのは、第三者助言の可能性をなくす目的だろう。

生中継を少し遅らせた方がいい的な話を二つしようと思うが、いずれも将棋に関係する話だが、少し論理が難しいかもしれない。

今回の事件とは別件で、最終盤になると、トイレに中座し、席に戻ると直ちに、ソフトでなければ見つけられないような即詰めを披露する棋士の噂があったそうだ。詰めを逃さない率が高いそうだ。もちろん、勝ちを見つけた段階で、いったんトイレにいって、対局後の感想戦や記者へのスピーチを考える時間は必要なので、その行為自体が真正×ということじゃないが。

親密な関係者がネット生中継で対局を見ながらソフト研究し、詰めがある場合は、対局者のスーツや和服にしのばせた携帯をブルっとさせ、メールに21GINとか送るのではないだろうか、と推測しているらしい。確認に必要な時間は5秒だ。

となると、今回のようなみっともないお触れを出すことになるが、時間差中継という方法がある。

ネット中継をたとえば15分遅くすることだ。そうなると、ブルっとサインが来るのが遅れるので一手ずつ15分間考えるふりをしなければならないが、たぶん無理だ。時間切れ負け。


二つ目の中継遅れ作戦と将棋の関係だが、かなり以前、スウェーデンの小説家、「マイシューヴァル&ペールヴァールー(こちらも夫妻)」がマルティンベックシリーズとして書いたミステリ「テロリスト」に登場する。アメリカの保守系国会議員がストックホルムを訪問するにあたり、二人組の日本人テロリストが暗殺を狙うわけだ。テレビでパレードを観ながら、あらかじめ設置してある無線爆弾を起爆する。

しかしテレビ放送は現実より15分間後にずらされていた。無人の道路に穴を開けただけだった。

この二人組の日本人だが、ストックホルムに潜入してから何日間もアジトに潜んでいて、暇なもので「ほとんどの時間、木片を並べるゲームを続けていた」ということだ。

さて、10月8日出題作の解答。

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動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

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難しめが続いたので、軽作を。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定。

沖縄県民に差別用語を投げたのは

2016-10-21 00:00:53 | 市民A
沖縄県で、機動隊員が県民に対して「ぼけっ!土人!」とか別の機動隊員が県民に「こらっ!シナ人!」とか怒鳴り、県民からは「ヤクザ!」と言い返されたようだ。近くにいた右翼活動家が煽ったようだが弁明になってない。

一瞬、「大阪人みたいだ」と思ったら、大阪府警から出張で派遣されていた機動隊員だった。公務員なのだから、大阪に戻ったら大目玉かと思ったら、府知事から「よくやった」ということばを受けたそうだが、知事は実質的上司から大目玉を食らうのだろうか。

大阪といえば、人権都市として有名で、何種類もの被差別住民が集まっていて、一方で人権教育が盛んだ。教育は他県よりも熱心である一方、差別も格段に多いというのは、一見矛盾しているようで、実は人権と 差別というのは表裏一体になっていて、相互補完関係にあるといっていいのだろう。「差別がなくなると、人権派が不要になる」ということなのだろう。

一方で、「ヤクザ!」というのは一面の真実を含んでいて、よく「大阪には3種類の人間しかいない。『あきんど』『よしもと』『やくざ』だ」と言われ、この手の人たちは、3番目のカテゴリーに分類される。

確かに、大阪で丸一日、街歩きをすると、かならず喧嘩を見かける。

また、そもそも土人というのは土着民ということで、先住民族の意味である。確かに沖縄から樺太、千島までは縄文土器を使っていた先住民族がいて、その後、日本に渡来した弥生時代人が優勢になっていたのだが、ということは、先住民族侮辱そのものである。


差別感覚も時代によって変わり、最近は「白黒つける」というのがまずいらしい。大口病院殺人事件とか豊洲市場地下空間とか、カンニング棋士とかの報道によく出てくる「白黒はっきりさせる」という表現は、肌の色の差別で、白人は正しく、黒人は間違っているという意味を植えこませるための表現に近いということで使用は控えるべきだそうだ。白黒ではなく、正誤とか○×とか・・

スウィングガールズ(2004年映画)

2016-10-20 00:00:18 | 映画・演劇・Video
2004年に公開された音楽映画。日本には非常に多い、ビギナーズサクセスストーリーだ。

メインキャストは、最後に重大なお役目が回ってくる上野樹里、難読苗字の貫地谷しほりと本仮屋ユイカ、平岡祐太など当時18歳前後の等身大の高校生役。そして、とんでもない数学教師の竹中直人がニセジャズメンになる。

swinggirls


ストーリーは以下。(借り物を編集)

東北地方の田舎町。食あたりで倒れた吹奏楽部の代わりに、急遽集められた落ちこぼれ13人と、リコーダーとギターとベースしか出来ない3人という16人の女子高生。たったひとり難を逃れた吹奏楽部の1年生・拓雄と共に、野球部の応援の為にビッグバンドを結成することになった。猛特訓を開始するが、演奏の楽しさを知った矢先、吹奏楽部が復活。17人の夏休みは、不完全燃焼のまま終わってしまう。

だが、一度知ったスウィングの楽しさは忘れられるものではない。大奮闘の末に楽器をゲットした彼らは、隠れジャズマニアの数学教師の指導の下、演奏も徐々に様になっていく。そして、ビッグバンド“Swing Girls and a Boy”は“東北学生音楽祭”に出場。満員の会場で、みごとな演奏を披露するのであった。


まず、ストーリーがギリギリでつなぐような際どい造りになっている。1年生の男子が食中毒にならなかったのは、仕出し弁当の中の一人分を女子高生が途中で盗み食いしてしまって数が1個少なかったせいで、退部届を出そうとしていたのに、逆にたった一人の部員になってしまう。

中古の楽器がすぐに壊れてしまっても、溶接マンが登場。竹中直人はジャズれないジャズメンなのだが、女子高生に教えることになり、ジャズ学校に通うが、大会直前に秘密が漏えいし始める。

そして、あまり目立っていなかった上野樹里に大変なお役目が回ってくる。音楽祭への申し込み。そして、うっかりして申し込みが遅れたため、申し込み失敗。今更言い出せない底の浅い秘密ができてしまう。そして当日。出場できるものと信じて疑っていない16人+上野樹里の17人の集団を乗せた列車は、会場に向かって動き出すわけだ。

そこで、またしても奇跡が起きるわけだが、東北学生音楽祭が興奮に渦に包まれるところで映画は終わるのだが、いかにも日本的だよね。米国映画だったら、この先に全国チャンピオンがあって、さらに世界チャンピオンになるわけだ。ロッキーのように。あるいは、さらにチャンピオンの墜落があったり復活があったり引退があったりと続くはずだ。

当時18歳だった女優は子供と大人の間の時代を演じたのだが、12年経って約30歳。地位を確立した人もいれば、奮闘中の人もいる。一方、竹中直人の容姿は12年経っても一向に変わらない。もしかしたら当時より12年前でも変わっていないのかもしれない。今度経年劣化度を調べてみなければならないだろう。

思わぬ損失があった

2016-10-19 00:00:23 | 投資
投資分散の観点から、全国展開中のイオンモールの巨大建物群のオーナーである『イオンリート投資法人』の泡沫投資者の一人である。

基本的に、建物を貸す先は、イオン(スーパー)とモール入店者である。イオンそのものがパッとしないのだから高い賃貸料を取れるのかどうかという心配はあるが、郊外に大増殖中である。破綻したダイエーに似てないとも言えないが、どこに行っても同じようなお店が入っていて(キラーテナント)、底が浅いような気もする。

とはいえ、別に心配なんかしていなかったのだが、7月末決算の報告書を読むと、大問題が発生していた。経常利益が2~7月の半年で36億円なのだが、当期利益がマイナス16億円。その差の52億円は4月の熊本地震でイオンモール熊本が大被害を受けたためらしい。

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調べると、当初は85億円の地震の損失と言っていたが、それよりは少ないようだ。しかし出資者には後で連絡するらしい。初めて被害額が開示された。

建物は4つの区域に分けられ、「核店舗(イオン)」と「東モール」は天井落下、設備機器落下、外壁破損等、床タイル破損等の被害があったが7月20日に再開。

「西モール」は液状化による基礎沈下と天井、機器の落下、床タイル破損ということで、大幅改修が必要となるようだ。そして「サブ核ゾーン」は液状化による基礎沈下、天井落下、間仕切壁倒壊、床タイル破損等ということで、取り壊しの上、再築ということだそうだ。(そういえば地震直後には「イオンから出火炎上」とか「ライオン逃走中」とかデマが流れていた。)

ところで、これからの対策として挙げられていたのが「保険の加入」。遅すぎるとしか言えない。

気を取り直して、全体の中の自分の持ち分比率を損害額と掛け合わせると、1万円位かな。驚くことは何もないわけだ。

ノーベル文学賞

2016-10-18 00:00:58 | 市民A
ボブ・ディラン氏がノーベル賞候補であるというのは、何年も前から知る人はいて(私も知っていた)、問題は他の賞と違って米国人には厳しい賞で1993年のトニ・モリソン以来受賞者がいなかったことだ。もう一人、候補者の常連が、フィリップ・ロスなのだが、それなら村上春樹の方が上のような気がする。

ディランの詩は以前練習で邦訳していたのだが、段ボールの中なので、確認できないが、最近は、結構俗っぽい詩が多いような気がする。吟遊詩人(アンデルセン)を最近読んだので、シンガーソングライターの仕組みは知っているのだが、西欧人は吟遊詩人を好む特徴がある

で、戦後の文学賞の傾向を列挙すると、

1.人権派が好き
2.なかなか科学部門で受賞できない国への配慮
3.本格的小説家
4.高齢者
5.非白人枠は6年に一回
6.小説家が続くと、時々戯曲家とか詩人が登場
7.米国人が嫌い

といったところだ。

2005年のハロルド・ピンター(英)は、4と6。
2008年のル・クレジオ(仏)は、3と4。
2010年のマリオ・バルガス・リョサは2と3。
そして、2016年のディランは、1と4と6。

そして5の非白人枠だが、
1988年エジプト 1994年日本(大江) 2000年中国 2006年トルコ 2012年中国ということになれば、仮に村上氏が受賞するのは、2018年か2024年といったことになる。

本格小説家+高齢者+非白人枠の年という条件がそろわないとならない。案外、谷川俊太郎氏もあるのかもしれない。詩人で高齢だ。鉄腕アトム作詞者。

ところで、人権とか平和といった分野の小説家は、現代日本にはいないと思える。わずかに、それらしいのは「貧乏」を描くのが得意な作家もいるのだが、貧乏を差別とはあまり言わないし、貧乏本は売れない。蟹工船だって、自分で船に乗ったのだ。奴隷ではないわけだ。

また、平和といっても日本人の生活は平和そのものなので、戦争と平和ということを書いても実感が伴わない。

そう思うと日本人がノーベル文学賞を取りにくいというのは、むしろ好ましいことなのではないだろうか。

バレーボール会場の行方

2016-10-17 00:00:09 | スポーツ
五輪の総費用3兆円超に驚き、急遽費用削減を考え始めたようで、会場問題でまな板に乗ったのが、ボート・カヌー競技用の海の森水上競技場と水泳用のアクアティックスセンター、それとバレーボールの有明アリーナといわれる。

現在、最ももめているのがボート会場なのは周知のことだが、まず「復興五輪」と言っているが、それは国内問題のわけだ。それと復興にどういう関係があるのか不明だ。工事費は東京都が払うのだろうか。もう一つ、宮城県で何もやらないわけではなく、宮城スタジアムはサッカーで使用されることにすでになっている。(札幌もだ。)もっといえば、4年も先に、まだ「復興」なんて言っていていいのだろうか。

それと、アクアティックスセンターと有明アリーナを新設しなかったら、新設される大構築物は国立競技場だけということになるが、それは単なる建て替えなのだ。それだけやっても3兆円超が3兆円弱になるというだけのことで、削るべきはレガシーとなって残る建築費なのだろうかと疑問を感じざるを得ない。資産に変わるコストと一回限りで後に残らないコストを並べて考えるべきではないだろう。

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で、個別論で、バレーボール会場と噂される横浜アリーナだが、座席数はすでに五輪基準を超えている(17000>15000)。晴海からの移動時間も、もうすぐ第三京浜の港北ICと湾岸道路がダイレクトに繋がるので1時間以内だろう。というか、日産スタジアム(WC日本大会の決勝の会場)は2キロ位の場所で、五輪でもサッカー会場となるのだから、問題ないだろう。新横浜駅から歩5分だ。また、バレーボールの世界大会を開催したことがある。

世界では、東京の人口は3000万人と考えていて、東京、埼玉、千葉、神奈川の合計が東京と思っている。

しかし、横浜アリーナには問題はいくつかあると言われている。駐車場と練習用コート。たまたま、アリーナに行くことがあったのだが、アリーナ自体には数十台しか駐車場がないようだ。近隣にも大きな駐車場はなく、立体自走式の駐車場をいつもつかうのだが、対面交通の上、狭く、ほとんどの普通の乗用車は黄色の駐車枠からはみ出してしまうので、さらに中でのクルマの移動は難しい。どうみても、大問題だ。

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といって、日産スタジアム側にはたくさん駐車場があり、五輪日程的にはサッカーとバレーはかぶるが相互融通するようなことが必要かと思う。というか、別途横浜スタジアムが野球・ソフトボール会場になっているが、あそこは中華街の入り口だし、駐車場は、現状ですらほとんどないのだから、それこそ問題だと思える。

そして、最大の問題は、練習コート。アリーナ内にある練習用のコートは、バスケットボール用なので、天井が低いということ。世界大会の時には、横浜市内の大学の体育館などを借りたそうだが、五輪ではそうはいかないだろう。もともと、バスケットボールを想定したアリーナだからだ。これはやはり難しいような気がするが、よく考えると、ここでバスケットを開けばいいわけだ。調べると、バスケとバレーはまったく同時に開催されるので、別々の会場が必要なのだが、今、バスケの会場と決まっているのはさいたまアリーナだ。横浜アリーナより少し大きい。そこで、バレーを開催して、バスケを横浜アリーナに回せばいい。(到底各団体と合意ができるとは思わないが)

埼玉県がバレーは嫌だというのなら、ボート会場付きで県知事を懐柔すればいいのではないだろうか。

重ねて書くが、前のオリンピックの時は、国立競技場、駒沢競技場、代々木体育館1、2、武道館他といった施設が残ったのに、今回は何も作らないというのは、ちょっと変じゃないだろうか。