No Time to Die(2021年 映画)

2021-10-31 00:00:35 | 映画・演劇・Video
007シリーズ最新作。2時間43分と長いので、時間調整を考えているうちに終わってしまいそうなので、近くのシネコンに行く。すでに330席のメインスクリーンは『燃えよ剣』になっていて88席のスクリーンの方になっていた。

上映中なのにストーリーを書くのもマナー違反のような気がするので踏み込まないが、基本的には従来のシリーズとほぼ同じ構成である。コロナが下火になるまで公開されなかった理由は、本映画の中心テーマが「バイオテロ」であることだろう。生物兵器研究所からの流出だ。

2種類の敵が登場するのも特徴だろうか、筋立ては少しお粗末な感じはあるが、ダニエル・クレイグの007主演卒業記念作になっている。

なぜか、日本の風物がたくさん登場する。順不同でいうと、
能面、石庭、畳、土下座、北方領土。あまり好意的に使われているとは思えない。

そして、今までのシリーズ作では最後は爆発寸前に海に飛び込んで窮地を脱することになっているが、本作では脱出に失敗したところにミサイルが命中。

遺された人たちは、Mの部屋でウィスキーの献杯をする。

そしてエンドロールになり、すぐに立ち上がってトイレに駆け込んだ人にとっては「これで007シリーズが終わり、もう見に行く必要がなくなった」とホッとしているかもしれない。エンドロールの最後に登場した一行は、James Bond Will Return. つまり帰ってくるわけだ。ただ、この一行には字幕がでないから英語の相当不得意の方は気付かないかもしれない。

そして、早くも次回作の話だが、ボンド役を次に演じるのは女性ではないかという予測がある。

還暦将棋大会に

2021-10-30 00:00:38 | しょうぎ
所司和晴七段と言えば、渡辺明名人をはじめとする多くの棋士を育てたことで有名だが、ついに眞子さま(当時)と同日に還暦の誕生日がやって来たわけだ。つまり眞子さんの2倍ということだ。あえていうと、45歳の時には3倍、40歳の時は4倍だったはず。

還暦交流会開催ということで習志野市の京成津田沼駅隣接の将棋センターに盛り上げにいった。当日は60歳以上の方の交流戦ということで、勝星を重ねている方をさらに喜ばせようという意図だったのだが、なかなかうまくいかないものだ。



センターのご常連の方が用意されたという「どら焼き」を記念に頂く。どら焼きとは仏教の仏具である銅鑼(どら)を模した焼き菓子で餡子(あんこ)を挟むものだが、いただいたものは、小振りなが
ら2枚の間にオープンサンド方式で餡がはさまれる形状。有名カステラ会社の三笠山は二枚のどらが餡を包み込んで縁が密着しているのだが、その密着感が東日本大地震以来、少し息苦しい。本当は、どら一枚でワッフルあるいは裏返した倉敷銘菓の「むらすずめ」も好きだ。


さて、10月16日出題作の解答。








逆王手の駒を乱暴に取ってしまうというテーマだった。


今週の問題。



過去の不完全作(1四とがない図)を手直ししてみた。

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ、正誤判定します。

日本限定販売のアイリッシュとは

2021-10-29 00:00:29 | 市民A
アイリッシュウィスキーをちびちびと飲んでいる。ガブガブではなくチビチビでも徐々に瓶の中の空気量が増えていき、最後は空気で満タンになる。

ということで「JAMESON」を再購入しようと思っていると、目にしたのが、派手なラベルのJAMESON。ちなみに地味なラベルの前回購入品と比べてみると大きな差がある。



しかも、派手なラベルの方は「日本限定販売」となっている。アイリッシュウィスキーの日本限定販売ってどうなっているのだろう。もしかしてラベルだけなのかな。

さっそく飲んでみたが、前の瓶は既に飲み切って資源回収に出している。記憶の中の味と比べると、同じように感じるが、確証はない。

世界五大ウイスキーというのがあって、スコットランド、アイルランド、カナダ、アメリカ、日本と言われている。アメリカと日本は国内生産品では足りず、他の国から輸入量に頼っている。そう思えば日本限定販売であってもおかしくないかな。

ライムライト(1952年 映画)

2021-10-28 00:00:43 | 映画・演劇・Video
チャップリンの主演でかつ監督作。数多くのチャップリンの作品の中でも、後半の作品。映画の内容の前に、この作品がロンドンで封切られることになり、そのステージに上がるために客船クイーン・エリザベスで公開中にレッド・パージで再入国が禁止となった。スイスで晩年を送ることになった。

チャップリンらしさが、次々と発揮される映画で、売れなくなって仕事もなくなった往年の喜劇役者と心理的ショックで踊れなくなったバレリーナ(演:クレア・ブルーム)の復活ストーリーだ。

年の差が40歳のカップルは、お互いの舞台上の怪演を喜ぶのだが、長年の酒の飲み過ぎから来る心臓病は道化師カルベロ(チャップリン演)から余命を奪い取ってしまう。

題名の「ライムライト」だが19世紀後半から20世紀初頭に使われていた照明器具で主に舞台照明に使われていた。酸素と水素を直接結合させさらに石灰を燃やし、集光することにより、やわらかな光を得ていた。ロウソクの光のようなものかもしれない。

感じたことなのだが、チャップリンの映画の裏にはシェークスピアが書いた劇があるように思えたこと。喜劇と悲劇が激しく交錯していくこと。調べてみると、こども頃に入っていた劇団ではシェークスピア劇を演じていたそうだ。雀の魂・・・といったところだろうか。

晩年(太宰治著)

2021-10-27 00:00:52 | 書評
太宰治が好きな読者もいるが嫌いな読者もいる。おそらく「斜陽」「人間失格」のどちらかを読んだ結果なのだろう。私にとっては、好きでもあり嫌いでもある作家だ。時々、読んでみたいのは、なぜかデタラメ人生を究めたような作家の文章が読みたくなるからだろうか。



『晩年』は、彼が初めての単行本として昭和11年に砂子屋書房より初版を出している。著者によれば10年間の苦労の結果の作品ということ。実際、短編集の大部分は3~4年前に書いたものということだ。小説を書き始めたころの作品もあり、多くは数年前から雑誌に掲載されたものである。

全15編だが、極端に長短が異なっているのが特徴ともいえる。注意深く読むと、おそらく太宰治そのものの投影のような、だらしない男とか生きるとか死ぬとか、そういう話が登場する短編が長く、完全な登場人物創作型の小説は短い。

その後の作品を見ても、登場人物を作者自身が本の中に突き放すのが苦手だったのだろう。あるいは、時代的に戦争前後の余裕のない社会では、こういう作家しか評価されなかったのか。逆に同時代の中島敦は自己を書くのが下手で、登場人物が作家を引っ張っていくようなところがある。

今回、新潮文庫で読んだのだが、少し余談がある。新潮文庫に太宰作で最初に登場したのが『晩年』だったそうだ。昭和22年。ところが同時進行中の太宰治全集(八雲書店)の第一刊は、当然ながら最初の単行本である『晩年』になっていた。慌てた太宰は新潮社を優先して、全集の二刊目『虚構の彷徨』から発売するように変更させてしまった。

ところが、その結果、次の配本に回された八雲書店の『晩年』を太宰は手にすることができなかったわけだ。その前に、人生何回か目の自殺決行に不幸にして成功してしまったからだ。

これも余談だが、『晩年』を出版した砂子屋書房だが、経営に行き詰ってしまった。現在も砂子屋書房があるが、前身を引き継いだそうだ。詩集などの美しい製本に特徴がある出版社である。数年前に詩人で大学教授だった原子朗氏の葬儀の際、受付会計係を賜ったのだが、大手出版社をはるかに凌駕する重量感のある袋を頂いたことを思い出した。

コインはどこに行く?

2021-10-26 00:00:41 | 市民A
来月11月になると、新五百円硬貨の流通が始まる。偽造防止効果を高めているということ。

ところで、一方では大手銀行では、窓口やATMでの硬貨の扱いを、毛嫌いし始めて、手数料を取るということを1月から始めるようだ。

現在では、自分の預金口座に現金を入金する場合、銀行によって異なるが平日なら硬貨99枚まではATMに投入できるし、手数料もかからない場合が多い。



たとえば、ゆうちょ銀行でみかけた「ゆうちょ料金新設・改定のお知らせ」には振込や送金時の各種手数料の値上げの他に「ATM硬貨預払料金」というのが登場した(窓口業務ではすでに始まっている)。

預入れ時
1~25枚は110円
26~50枚は220円
51~100枚は330円

払戻し時
1枚以上110円

なお、投入金額より手数料の方が高い場合は預金できないそうだ。

例えば1円玉貯金をしていた人が100枚をATMに預入しようとすると、マイナス230円になるので、預金できないことになる。つまりコイン預金している人は、今のうちにジャラジャラと預金すべきということ。

どうも、銀行の都合というのは、ATMの故障のうちコイン関係のものが非常に多いということ。もう一つは、儲かっていないということ。

実際には儲からない理由はATMのせいではなく本業が冴えないことにつきる。

しかし、各行がコイン受入れを実質的に止めると、どうなるのだろう。


電子マネーとかキャッシュレスと言っても、1円という貨幣単位があって、10%の消費税がある限り、やはり1円玉他のコインは必要なのだろう。仮にコインがなければ、1000円札が最終単位で、税込みでコインを使わない価格は10,000円(消費税1,000円)からとなる。おつりがないから、まとめて買ってもらうことになるのだろう。

例えばサンマ1匹250円とすると、40匹まとめて1万円というようになる。

となると、コインは自宅に溜まっていくような気がする。つまり死蔵貨幣。流通しないため徐々に自宅に溜まっていき、ついにはコイン不足となる。一方で、コインは必要通貨と思われるため、流通しなくなった分をどんどんコイン製造に励まないといけない。何かが矛盾しているように思えるが、よくわからない。

暗くなるまで待って(1967年 映画)

2021-10-25 00:00:05 | 映画・演劇・Video
オードリー・ヘプバーン主演のサスペンス。監督はテレンス・ヤング。オードリーは毎年のように有名作に出演し、人気絶頂といったところで、ニューヨークのロケには多くのファンが取り囲んでいたそうだ(大部分は室内のシーンだが)。

テレンス・ヤングは007シリーズの初期の三作(「ロシアより愛をこめて」を含む)のあと手持ち無沙汰だったのかもしれない。主に室内劇なのに、格闘シーンが行われる。007シリーズでは女性は弱いセックスシンボルにしか過ぎないが、本作では麻薬犯と盲目の人妻役のオードリーとの暗闇ナイフマッチが行われる。最後にコンセントを引き抜くシーンは007でもあった。

フランスからニューヨークへヘロインを運ぶのに使われたのが、人形。もちろんフランス人形。体内にヘロインの小袋が縫い込まれる。ところがニューヨークで組織に渡す予定の人形は運び屋の女性が独り占めするため、民間人の男性に手渡される。

そこまでのところ、この運び屋の女性が映画の主役(ヒロイン)のように見えるわけだ。犯罪映画だ。裏切った仲間と警官で撃ちあいをさせ、自分は人形を取り戻して、カリブ海に逃走を図るというようなストーリーが頭に浮かぶ。しかし、人相がオードリーとは違っているように見える。やはり、10分ほど後に人形を渡した男の盲目の妻として登場したオードリーの自宅クローゼット内で運び屋女性は死体として再登場する。

このあと、やっと理解が追い付く程度の数々の謎解きがあって、最終的にはあと三つの死体ができあがるわけだ。

ところで、彼女は映画の中で、何人を殺したことがあるのだろう。全部見たわけではないのでわからないのだが。

国宝 古今和歌集元永本

2021-10-24 12:00:48 | 美術館・博物館・工芸品
月刊「経団連」9月号の表紙を飾るのは、国宝になっている古今和歌集(元永本)。元永三年(1120年7月27日)完成した豪華版の写本ということ。豪華というだけではなく、ほぼ完本(表紙と裏表紙がないと言われる)であるため、古今和歌集の研究にはかかせない。



異論はあるが日本三大和歌集といえば万葉集、古今集、新古今集といわれる。成立年代はそれぞれ、(760~780年頃)、(905~912年頃)、(1201~1210年頃)といわれる。実質的編集長は大伴家持、紀貫之、藤原定家であり収録和歌数は約4500、1111、約2000。基本ワードは、ますらおぶり、たおやめぶり、余情妖艶。



実は、和歌にしても俳句にしても、藤原定家、松尾芭蕉が極めてしまい、明治以降それに反発する運動があった。その一つが正岡子規を中心としたアララギ派。写生論と唱え、見たまま感じたままを基本にしなさいということで、万葉集は評価できるが古今集は駄作ばかりで新古今は、それよりもちょっとまし、という評価を下してしまった。

実際には古今和歌集というのは、時代の転換期にあり、質実剛健の社会が869年に起きた貞観地震(M9.0クラス)や、その頃起きた他の地震や火山爆発により人々の価値観が変わった時代であった。新古今は完成形であり、人の心とか時代とかそういう実在のあいまいなパワーを読んでいるわけだ。つまり写生論とは異質なわけだ。

ところで、この元永本だが、江戸時代の初頭には尾張徳川家が所蔵していた。その後、なぜか女中の岡野という人物が所有することとなり、古筆鑑定家の笠原詳雨が間に入り加賀前田家に売却。幕末には家臣の茨木兵庫に渡る。明治になって三井高大が所有し彼が亡くなった後、東京国立博物館に寄贈されている。

数奇な運命だ。

コンピュータ発!現代将棋新定跡

2021-10-23 00:00:29 | しょうぎ
最近、講師先が増えてきて、少し強い子供を教えることもある。とりあえず私の前任の先生がやっていた「二面指しでの持時間10分+30秒の秒読み」というルールは時計不使用ということにしたが、いつまでも「振飛車の基本定跡は・・・」とか「腰掛銀の原点は木村定跡で・・・」などと言っていられなくなってきている。




ということで、いくつか勉強してみるかと思い直したものの、現代将棋は日々誰かのせいで進化してしまうので、まず2018年に出た「コンピュータ発!現代将棋新定跡」を読んでみる。

第1章 角換わり4五桂
第2章 角換わり4八金
第3章 雁木
第4章 相掛かり7四歩とらせ

3年経っても有効なエッセンスもあるし、一部は無効になったのもあるように感じた。
もう少し読んでみようと何冊か新しいものを仕入れてみた。

10月9日出題作の解答。








今週の問題。



最後は簡単。余詰、変同がなければいいのだが、一抹の不安は感じている。

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見を記していただければ、正誤判定します。

冷凍庫が魚類で・・

2021-10-22 00:00:19 | あじ
稚内産の一夜干しの魚、十数枚をふるさと納税返礼品としていただき少し食べたものの10枚以上はまだ凍ったままだ。さいわい開きになっているので、重ねることによってなんとか冷凍庫に収納できているが、さらに上積みになる千葉県で作られた魚の西京漬け十数枚がやってきた。



切り身一枚ごとに包装されているので、冷凍庫のすき間に押し込んでしまったのだが、全部を開封して並べると、市の発表している画像のようになる。解凍してしまうと食べないといけないので、冷凍状態の画像になる。



ところで、西京漬けというのは、魚を西京味噌に漬けてから焼いて食するのだが、この『西京』というのは、どこのことだろうか。

古くは明治維新の時に、首都が江戸改め「東京」になったのだが、それは東の京都という意味だった。では西京というのは京都のずっと西にある福岡のことを指すのだろうか。


どうも調べると、西京というのは、京都から東京に首都が動いたときに京都のことを西京と呼ぶようになったということらしい。とはいえ、現在、京都のことを西京と呼ぶことは聞いたことがないから、明治時代のある年代のみに発生したのだろうと思える。

運転免許証期限切れで慌てた人の話

2021-10-21 00:00:28 | 市民A
知人と平日ゴルフの予定だったが、前日の午後になって急に電話がある。昨今、電話というのは、よほど急を要することが多い。急に起こるのはたいていネガティブ方向の話。ポジティブな話はあまり電話では来ない。ノーベル賞とか直木賞とかは電話で通知が来るそうだが、縁がないので。

要件は、明日のゴルフのキャンセル。理由は、「運転免許証の有効期限を少しだけ過ぎていたことに気が付いた」ということ。つまり無免許運転になる。

大分前に免許を取った人は知っているだろうが、免許の有効期限はブルーが3年間、ゴールドが5年間(縁がないが)。誕生日の1ヶ月後までが有効となっていて、それを過ぎると6ヶ月以内は「うっかり失効」ということで、適性検査で再取得できるが6ヶ月を過ぎると、仮免状態になるらしい。つまり試験が必要になる。

知人は数日超過ということで、この1ヶ月以内の範疇ということで、せっかくの平日休みをゴルフ場ではなく、免許センターにいくことになったわけだが、ある意味ラッキーだったような気もする。

どうも転居した時に、警察に住所変更を届けなかったため、連絡がこなかったというのが主因だが、もう一つの理由は、元々ゴールドで5年前に取得した時は、世は平成の時代。免許書の有効期限は「平成33年」となっていたそうだ。平成33年が今年のことという認識がなかったようだ。確かに「平成33年」というのは西暦派にとっても年号派にとっても実在しないわけで、無理からぬようにも思える。ちなみに今の免許は「2024年(令和6年)の〇月〇日まで有効」と併記してある。

そして今回の件でゴールドからブルーへと格下げになり、次の保険更改の時に保険料が高くなるわけだ。

ところで、新型コロナウイルスを理由として、「有効期間までに更新手続を行うことができず運転免許を失効させた方は、運転免許の失効から最長3年以内かつ新型コロナウイルス拡大の終息から1か月以内であれば、やむを得ない理由があったものとして失効手続をすることができる」との規定があるそうだ。
この内容の中で『新型コロナウイルス拡大の終息から1か月以内であれば』というフレーズがある。つまり、いつかどこかで誰かが「コロナ終息!」と宣言を出すということになるのだろうか。

きゅうり魚

2021-10-20 00:00:01 | あじ
稚内産のキュウリウオの一夜干しを焼いてみる。大きさも形も野菜のキュウリに似ているからこの魚名なのだろうと思ったら、生の時はキュウリの味に似ているかららしい。北海道の北からロシアの実質的領土(樺太)の方で獲れるそうだ。



一夜干しにするとキュウリの青臭い匂いがなくなるそうで食べやすいとのこと。別にキュウリが嫌いなわけでもないのだが。

サイズは大振りのシシャモだ。シシャモより大きいので頭からかぶりつくのはやめたが、一応可能だろう。

身はしっかりしていて、シシャモよりは固い。味は特におかしくはなく、あえていうとハタハタを干した感じだ。骨が固いのが少し難かもしれないが。ごく普通の薄味の魚の範疇である。

思えば、江戸時代後期(1783年)太平洋で難破し7ヶ月の漂流の末、アリューシャン列島のアムチトカ島に流れついた大黒屋光太夫様ご一行が流木を加工して作った小型船で島を脱出しロシアに上陸するまでの4年間、乏しい島の食糧の中に、このキュウリウオがたくさんあったのだろう。小さいし、味は薄いし、少し青臭いし。彼らが生きながらえたことからすると、栄養に富んでいるのかもしれない。(アムチトカ島は米国領で、地下核実験の試験場として使われ、今は「死の島」になっている)

私も初めて食べたわけだが、ほとんど本州には送られないのだろう。おそらく札幌でも手に入らないのかもしれない。ふるさと納税制度がなければ一生口にしなかっただろう。

汚名(Notorious)・1946年 映画

2021-10-19 00:00:13 | 映画・演劇・Video
ヒッチコック映画。第二次大戦後、世界中に散らばったナチ残党を捕縛するために米国の諜報員たちは様々な活動をしていた。父親がナチス支援をしていたアリシア(演:イングリッド・バーグマン)はデヴリン(演:ケーリー・グラント)という諜報部員に心惹かれているうちにブラジルでナチ残党たちのグループに潜入することになる。

その後、ハニートラップにかかった富豪と結婚し、残党の密談を盗聴する。

そして彼らがウラニウム鉱山から天然ウランを手に入れ資金源にしていることを突き止めたが、徐々に彼女の正体が夫にバレていくわけだ。

ヒッチコック特有の「少しずつ破綻に近づいていく」脚本により、観ている側も心配になっていく。そしてついに少しずつ毒薬を飲まされることになるが、デヴリンによる救出作戦が成功するわけだ。

性格が豹変する女性を演じるバーグマンの熱演がすごい。

その後、グラントとバーグマンは1958年に英国映画「Indiscreet(邦題:無分別)」で共演するが、日本ではその後上映されていない。DVDはあるようだが、レンタル店で簡単に借りられるようなものではないようだ。

ところで、ナチ狩りは今も続いている。日本の戦犯狩りは早々に終了したのだが、逃げる場所がなかったのだろう。

『むすびつき』(畠中恵著 時代小説)

2021-10-18 00:00:01 | 書評
『しゃばけ』シリーズ第17冊目。シリーズ読破に近づいていたのだが、油断しているうちに20冊目までが発行された。病気がちの若だんな一太郎と彼を何重にも取り巻く妖(あやかし)たちが、江戸の難事件に取り組むという筋立てなのだが、前回の16回あたりから、少し不気味な感じが漂っている。



本冊は5つの短編集になっている。『昔あった人』『ひと月半』『むすびつき』『くわれる』『こわいものなし』。

『昔あった人』は輪廻転生の話で、齢千年を超える妖にとっては江戸時代の前の戦国時代の頃に会った人間のことを覚えていて、その頃にあった人が現代(江戸時代だが)の誰かに似ているというような話だ。

『ひと月半』には、若旦那が箱根で療養中に亡くなり、生まれ変わったと称する者が3人現れる。実際にはそれぞれには都合があるのだが、偽者である。

『むすびつき』は若旦那の前世の話だ。

『くわれる』に登場するのは悪鬼。人を食う。人間を食糧にしているので、食われる人間の品位とか財力とか関係ない。

『こわいものなし』は、たまたま人間に化けている妖たちの素性を知ることになった、ある江戸市民が、「自分は死んでも生まれ変わる」とあやふやな知識を信じて、川に落ちて死にかけたものを助けたが、逆に自らは命を落としてしまった。運よく神様の気まぐれで、輪廻転生のサイクルに入ることになったが、人間ではなく蝶になったり動物になったり昆虫になったり、植物もなる。

生とか死とか、ただならぬものが題材になっている。『しゃばけシリーズ』にも定められた寿命が近づいているのだろうか。といってもシリーズはもっと先までつながっている。

白鷺が眼前に

2021-10-17 00:00:48 | 市民A
ドライブレコーダーの解像度が上がったので、色々な画像を捕まえることができる。

今回は、時速40キロで運転中、クルマより速い速度で右側から左へ飛んで行った大きな物体があった。白鷺(しらさぎ)だ。ちょうど早淵川(鶴見川に合流)の橋を通るところで、白鷺は川に沿って餌をさがしていたわけだ。といって体調60センチの鯉を食べるわけではなく、小魚や蛙とかをくわえるわけだ。



実はドラレコのSDカードをPCで再生していると、妙な感じになる。

再生していると、前日に運転していた時の細かな運転操作の意味付けが蘇ってくる。自転車に子どもを乗せて走っていた女性を追い抜こうかと思ってやめたこととか、交差点で左折しようとしたときに左側の車が停止線の前に出ていて、ぶつけないように止まるほどのスピードまで落としたことや先の信号が赤になったので少し手前から減速したとか、すっかり忘れていたが、画像を見ていると脳内に蘇ってくる。

よく記憶には三種類あって、すぐに忘れる短期記憶、数か月から数年ほどの記憶の中期記憶。一生に近いほど忘れられない長期記憶。それらは夜間の睡眠中に大脳内で三種の記憶箱に整理されるといわれる。身近な話として試験勉強で言えば、期末試験の前日に覚えるのが短期記憶、高校や大学の受験勉強は中期記憶。九九とか五十音図などは長期記憶だろう。

ワクチンの三回打ちも同じような話だ。

で、ドラレコに戻るが、本来はすぐに忘れてしまうのが通常である「ドライブ中に色々と考えて運転した記憶」を二回見るというのは、脳に対して悪影響はないのだろうか。本来は短期記憶箱にいれるべき記憶量が中期記憶箱の容量を使ってしまい、かろうじて残っている中期記憶がこぼれ落ちてしまうような気がする。