地獄箱に老衰場

2009-05-31 00:00:46 | 歴史
ebimeshi既に終わってしまったが、国立公文書館で、江戸幕府の中核的な土台となっていた、「旗本御家人-江戸を彩った異才たち-」の特集があり、のぞいてみた。

旗本は将軍にお目見えできる身分であり、御家人はそれ以下。とはいえ、地方大名に仕える田舎侍は、ただの「家来」と呼ばれる。家来は文字通り、家に来るわけだから、単に使用人みたいな意味だ。

それに対して、御家人は、「家の人」であり、さらに「御」がつくのだから、プライドの塊である。まさに、国家公務員。旗本がキャリアで御家人がノンキャリといったところだろうか。そして、その数は二万人強といわれる。

ところが、二万人も国家公務員がいても、それだけ重要な職がない。職探しや、要職へのステップアップを狙って、さまざまな画策がめぐらされていたらしい。そういうものは公式記録にはないのだが、役人個人の日記などを解析して研究すると、幕府の裏側が見えるようである。

もちろん、この展覧会の主要テーマは、旗本・御家人の中でも秀でた功績を上げた者たちの特集なのだが、むしろ、幕府の裏側で暗闘する役人たちの日々を想像するほうが楽しかったのだ(現代にも通じるし)。

1. 奥右筆(おくゆうひつ)
 要するに、記録係というか書記というか、数多くの陳情書や報告書を、とりまとめてレポートにして、重要な案件を幕府の上層部に報告する係だが、エリート役人の仕事ではなかった。
 しかし、この奥右筆の気分一つで、案件が上層部に届くか届かないか決められてしまう。箱が二つあって、将軍向けの書類箱に入らないものは、別の箱に放り込まれてしまい、「ボツ」となる。この箱を称して「地獄箱」と言っていたそうだ。
 そのため、次々に山のような「付届(つけとどけ=わいろ)」があったそうだ。

2. 老衰場(ろうすいば)
 いわゆる閑職のことを老衰場と読んでいたそうだ。ほとんど仕事がないが格式が高いお役目で、それなりの実績がある人物の最後のお勤め用である。有名なのが、「御旗奉行」と「御槍奉行」。江戸城の武器保管庫にある、武器や軍旗の管理をする仕事である。戦争なんてしないのだから、どうでもいいような役だが、一応、「奉行格」である。たとえば、「勘定奉行」となると、配下には数多くの組織があり、全国の金山、銀山の管理から始まり、歳入のすべてと歳出のすべてを取り仕切るのだから超重要役職である。それにくらべて、同じ奉行でも、御旗奉行と御槍奉行には下部組織ゼロ。槍や旗の数を毎日数えても変わるわけがない。

3. ミミズの調達も
 江戸城内の大奥、中奥では、城内で捕獲した動物、主にネズミと猫とヘビの処分や、飼育している小鳥や鯉の餌の調達まで役人の仕事だった。奥坊主小道具役。
 
記録(言贈帳)によれば、動物は殺さずに所定の場所に放すことになっていて、野良猫は佃島、そしてネズミは回向院に放したそうである。鼠小僧の墓があるからだろうか。猫は佃島へ船で護送したのだろうか。またヘビはどこへどのように放したのだろうか。次々に疑問が湧き上がってくるが、詳しく聞こうにも数百年前の話だ。

 そして、餌の調達。中蚯蚓100筋(中型のミミズ×100匹)と茶碗一杯の生きたボウフラを一日二回集めなければならないとか書き残されている。ミミズのサイズまで決まっているので、大ミミズをはさみで3つに切って3匹に仕立てるわけにはいかない。かなり困難な仕事のように思える。

ところで、江戸時代にはミミズは「匹」ではなく「筋」と勘定していたようだ。俗に言う「ミミズ千匹」も、「ミミズ千筋」という方が、もっと気持ちがよさそうである。

将棋連盟の新理事に期待することは、・・

2009-05-30 00:00:12 | しょうぎ
新理事に期待することは、実のところあまりないのだが、強いて言えば、アマチュアが行っている普及活動の邪魔をしないでほしいということかな。

例えば、突発的にあちこちの会場にプロ棋士を派遣して、こどもを相手に6枚落ちの5面指しとかして、負けてあげる、とかいうこと。二度と来ないのに。

負けてもらった小学生は、「○○八段に勝った」とか、いいふらして、「アマ五段なんかに教わるのは嫌だ」ということになる。(高段免状乱発に対する私見はいずれ)

そして、棋士内部での投票結果は、日本将棋連盟のホームページに掲載されている。抜粋。

投票の結果、下記6名が理事に決まりました

有効票数(含不在者投票)  190票
米長邦雄永世棋聖(113票)
青野照市九段(93票)
中川大輔七段(87票)
西村一義九段(69票)
上野裕和五段(69票)
桜井 昇八段(50票)
田中寅彦九段(48票)

関西(定員2名)立候補者2名(立候補順)
西川慶二七段・淡路仁茂九段
※信任投票の結果、下記2名が理事に決まりました

有効票数(含不在者投票)  190票
淡路仁茂九段(174票)
西川慶二七段(172票)


簡単に言うと、定員8名に対し、現職8名新人1名が立候補し、現職1名が落選したことになる。

予想では、トップの票がもっと伸び悩むのではないかと思っていたが、投票数の過半数を超えたようだ。

先週も少し触れたが、一人1票ではなく、一人5票。関東3名と関西2名に投票。有効票190票ということは、関東立候補者の投票総数が570票となるべきところ、7人の票を足すと、529票。41票が不足している。関西分の票から推測すると、白紙(棄権)が15人ほどいたのかもしれない。

その後、8人の理事の互選で会長の重任が決まったそうだが、そちらの投票結果は公開されていない。メンバーを見れば、かなり関西の方々の潜在的影響力が重視された結果とも感じないでもない。本来、関西の理事も首都圏に引越して連盟全体の仕事をしなければならないのではないかとも思うが、閣外協力だけで影響力を維持する政党みたいだ。

まあ、三人セットで運動をしていたチームの基礎票がわかるような気もするが、政権維持が大変なのは余の常だろうか。職団戦にたまに出場すると、OB棋士が大挙、指導将棋に登場しているのだが、そういう役回しと関係があるのだろうか。よくわからないが。

さて、ミニ解答選手権、チャレンジ戦の部の解答

width="400" height="170" border="0" alt="b1" hspace="5" class="pict" align="right">第一問 :▲2五銀 △同玉 ▲2七香 △2六銀 ▲3五飛成 △1四玉 ▲1五龍 △同銀 ▲2三銀不成まで9手詰。

初手を発見すること。そして、焦点の香打。この香は取れない。

あとはインスピレーションかな。

動く将棋盤は、こちら



b31第三問 ▲7六飛 △6六桂 ▲同飛 △4五玉(途中図1) ▲4六飛 △同玉 ▲5八桂 △4五玉 ▲4六香 △5四玉 ▲6六桂まで11手詰。

初手は香を打つ手を一通り確かめてから、あきらめて▲7六飛に辿りつく。

これに対して、おとなしく△4五玉では▲4六香 △5四玉 ▲7四飛(変化)とあっけなく終わる。つまり、6六に合駒でおびき寄せて最後の▲7四飛をこばもうということ。

b32前に進める合駒は、すぐに詰むので、桂合。

途中図で、読み直すと、飛車を捨てる手がある。桂馬の二段活用という好手があった。

どうも、打った飛車を捨てるというのは、貧乏な平民には、思いつかない発想である。ワインのテイストで、「気に食わないので、別の1本」という感じだ。


動く将棋盤は、こちら


b41第四問 :▲4六角 △3七桂(途中図1) ▲2九金 △同玉 ▲5九飛 △4九銀(途中図2) ▲同飛 △同桂成 ▲1八銀 △同玉 ▲1九銀 △2八玉 ▲1八銀打まで13手詰。

よく見ると、5六の角は邪魔駒ということに気付く。

角がいなければ、直ちに▲2九金になる。ということで、4六に角を捨てると5五の角で取ってくれるわけでもなく3七桂と変な合駒が登場。

width="400" height="170" border="0" alt="b42" hspace="5" class="pict" align="left">▲同角と取ると、同角成となり、将来、▲5九飛と活用すると、馬で取られる。

その他、あれこれ合駒の組み合わせが多くて、全部調べなければいけない。一粒で10回美味しい詰将棋ならいいが、10回苦しむ詰将棋の可能性もある。

最後に銀の3連打が出て詰むが、銀の三連打は結構、珍しい。

動く将棋盤は、こちら


b51第5問:▲2一飛 △1三玉 ▲1二桂成(途中図1) △同玉 ▲2三銀 △1三玉 ▲2二飛成 △2四玉(途中図2) ▲3二銀不成 △3四玉 ▲4三銀不成 △4五玉 ▲5四馬 △3五玉 ▲2七桂まで15手詰。

変化は、色々あるが、途中図1で△1四玉と逃げると、▲1三成桂から▲3一馬の筋がある。

上部に王を追い出してから下から追いかけ(常識の逆)、最後は▲2七桂の「空中詰」になるが、この形が詰みになっていることに気付かないと、夜も眠れないことになる。

b52序盤の細かさが、終盤の開放感と対になっているのだが、そういう感覚の切り替えが「人工的な快感」を生み出す要素なのだが、こういうのをコンピューターが数値化し始めたら、詰将棋作家は失業だ(元々失業している人も多いが)。


動く将棋盤は、こちら



33te今週の問題だが、先週の問題が、「やさし過ぎる」と馬鹿にされたようなので、12本骨入り傘のようなゴッツイ問題。まだ試作品の段階だが、一応、完成作。

ヒントが思いつかないが「2九の銀だけが不動駒」なんて恐ろしいことを書くと、付き合ってくれなくなるかなあ。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

GM最後の日

2009-05-29 00:00:00 | 企業抗争
社債を9割カットして、代わりに僅かな株券と交換するという、破綻国家の国債のような条件に、個人債権者が同意するわけないと思っていた通りになり、「Chapter 11」コースとなるようだ。5月28日が、部品メーカーに対する支払日なので、その前か後ろかというところが重要らしいが、どちらにしても、国営自動車会社になって、部品メーカーへの支払いは保証されるようだから、大差ないだろう。

いくつかの教訓。

1.世界最大の企業だからといって、つぶれないわけじゃない。

2.100年の歴史があっても、つぶれないわけじゃない。

3.利回り10%の社債に騙されてはいけない。

考えれば、オバマ政権ではなく、ブッシュ政権であれば、どうなったか、と言えば、あまり変わらなかっただろう。結局、シティバンクとGMが国営企業になって、これから、リーマンショックの後始末が始まる、ということなのだろう。

オバマ政権であったことによる差と言えば、新GM会社の大株主としてUAWが経営参加することだろうか。いずれ再建がなれば、政府は株式を売却するのだろうが、UAWが保有する株式は、将来、どうなるのだろうか。そんな未来の心配をしている人間は誰もいないだろうが、GMの抱えていた構造問題の一つが、職種別定員(組立工と電気工)の硬直化のため、HV車とかEVが開発できなかったことであることが指摘されている。

つまり、GMの再建を考えれば、共和党政権の方が大胆な再生に向かったのではないかと思う。反対に、シティバンクはじめ金融機関に対しては、共和党的ジャングル資本主義では、大恐慌になったかもしれない。いずれにしてもこれだけ大きな問題になると、大統領の取りうる選択肢はきわめて少なくなるということだろう。

CNNの日本版で週末に流れる「The Daily Show」という風刺ニュースショーがある。社会風刺コメンテーターのジョン・スチュワートが担当しているのだが、先日、「アメリカが社会主義国になる」という特集を組んでいた。金融機関と自動車会社が国有化されていくと、大変だ、という趣旨らしい。本当に風刺なのかどうか日本人にはよくわからないのだが、アメリカの対極の国として取り上げたのがスウェーデン。スウェーデンに特集チームを送って、取材していた。

ある有名女性歌手(名前は疎いのだが)の生活に密着取材し、取材班が驚いていたのだが、「マンションに住んでいる。」「風邪を引くと、近所の医者にいって、医療費はタダである。」「台所で、自分で食事を作っている。」「台所の一角には、資源ステーションがあって、家庭内の資源ゴミを10種類以上の紙袋に仕分けしている。」「クルマは小型車が1台である。」

さらに、取材班はスウェーデンの自動車工場に行って、労働者にインタヴューをして、驚く。「工場で働くことに喜びを感じている」。

さらに、番組は、「スウェーデンでは所得の30%も税金に取られている」と、驚嘆している。

結局、米国民というのは、民主党支持者であったとしても、社会主義的な政策に対するアレルギー許容度は、ほとんど僅かしかない、ということだろうか。


世界のほとんどの国の政策は、米国とスウェーデンの間に位置すると思われるのだが、現在の日本はどちらに近いのだろうか。というか、かなりアメリカに近いと思われる日本でさえ、アメリカに近いというよりもスウェーデンに近いというべきなのだろう。

四文字力士たちの未来は?

2009-05-28 00:00:30 | 市民A
さる5月19日に弊「千代大海流は続くのか?」で、13回目のカド番に追い込まれていた大関千代大海について、「かっこよく勝ち越して引退したらどうだろうか」と余計な心配をしたのだが、五月場所は、5勝2敗のあと、5連敗し、5勝7敗では、「もはやこれまで」かと思いきや、大関戦で奮起し、3連勝。8勝7敗となる。今場所は5人の大関のうち一人が優勝、9勝6敗が一人。そして、日本人力士3人はそろって8勝7敗となる。

瀬戸際外交を続ける者に心配なんかする必要はない、ということだろう。

なんとなく、「800LONG」という言葉の日本語訳を思うのだが、そう書いて裁判で負けて大金を払わされた出版社があるので、もう誰も口にしなくなった。痴漢冤罪裁判の結果、痴漢に市民権を与えたようなものだろうか。

友愛精神の大関サロンに、新入大関も加わるのかどうかはわからないが、来場所の結果を見ればわかるかもしれない。

ところで、今場所優勝した日馬富士だが、力士の四股名としては珍しく、「四文字」である。

歴代の優勝者の名前に四文字はいるか、と遡ってみると・・

直近は6年前である。平成15年3月。優勝者は、大関千代大海。これが、千代大海の最後の優勝である(まだ引退していないので、決め付けはできないが)。さらに平成14年7月、千代大海。平成11年1月、千代大海、と彼は3回優勝している。

その前が、大きくあいて昭和55年1月の横綱三重ノ海(現理事長)。三重ノ海も計3回優勝している。

その前は、四文字優勝者は北の富士。昭和42年から48年までの間、10回優勝である。

そして、横綱佐田の山(元理事長)が6回優勝。ぐっと古くなって千代の山が3回優勝。

さらに、昭和初期に遡れば、横綱男女ノ川2回優勝、優勝できなかった横綱安芸の海というのもいる。

実は、この四文字優勝者たちを列記して気付いてきたが、引退後、華やかな道に進んだものと、すっかり相撲から離れたものと別れていることがわかる。

佐田の山と三重ノ海は、横綱としてはAクラスとはいえないのだろうが協会理事長となる。北の富士は、大鵬と北の湖というS級横綱をつなぐ時代に位置し、10回の優勝というのはA級横綱であったが、引退後は、人生色々といったところだ。

男女ノ川は何を考えたが引退後廃業し議員を目指したが失敗し、一文無しとなり、旅館の下足番になる。

安芸の海は、角界から足を洗って、実業家を目指すが、失敗とも成功ともいえないようだ。

千代大海と日馬富士の二人の大関の運命の針はどこに向いて止まるのだろうか。

と、いかにも書き終わったようだが、四文字優勝力士を、さらに江戸時代までサーチすると、三人の大関がいた。

釋迦ヶ嶽 寛永年間に3回。
六ツヶ峰 寛永年間に1回
江戸ヶ崎 文化年間に1回

調べているうちに、実に、江戸時代の大関が強かったことがわかってきた。

そして、相撲の歴史上、最大級の謎とされる「雷電はなぜ横綱にならなかったか」ということについて、少し感じたところがある。

当時は横綱制度がやっと確立された時代で、直前には、Aクラスの横綱である「谷風」がいた。雷電は、谷風の後継者として期待を受け、実に紛れもない最強力士だった。巨体で怪力、スピードもあり、張り手とかサバ折りといった荒技は、彼に限って禁止されていた。生涯勝率9割6分2厘。負けたのは10番だけだ。

雷電を横綱に上げるかどうかは、谷風の一存だったようだが、思うに、谷風は、スーパーS級の雷電を「横綱の基準」にしてしまうと、今後、横綱に適う実力の力士が現れないのではないか、と考えたのではないだろうか。そのため、将来の横綱の基準から大きく上抜けしていた雷電には、横綱を与えなかった。

雷電は結局44歳まで相撲を取り、妻の実家で農業をいとなんで静かに59歳の生涯を終えている。たぶん、悔しかっただろうと思う。

開戦必至!?!?!?

2009-05-27 00:00:46 | 市民A
北朝鮮状況は、一段の緊迫を高めている。

その前に、韓国の前大統領の自殺というエポックがある。

一見、無関係に見える「賄賂事件捜査による自殺」と「核実験+短距離ミサイル発射」に関係はあるのだろうか。

時系列でいうと、

5月23日 午前05時21分 韓国前大統領、PCに遺書を保存。
5月23日 早朝 韓国前大統領、崖から飛び降り。

5月25日 午前06時 北朝鮮より弔電が届く。
5月25日 午前09時54分 地下核実験実施、その後短距離ミサイル発射。

仮に、この脈絡の一番上に、

「前大統領、北朝鮮の核実験強行情報を事前に知る」という一行を置けば、繋がるのではないだろうか。

あるいは、「核実験」よりも、もっと重大な事態、つまり、「開戦決定」を知ったとすれば、彼の在任中の多くの対北政策が、まったくの水泡と化しだ、あるいは宥和政策そのものが開戦まで引き起こした、と考えたのではないだろうか。つまり政策失敗の責任。あるいは、それ以上重い責任。


では、北朝鮮の国内問題を考えれば

1. 後継問題が片付いていない。まだ、三男(正雲氏)の線ではまとめ切れない。強行すれば多くの幹部や、場合によっては長男や次男まで、海外逃亡し、内部情報が暴露される危険があるのかもしれない。そうなれば、国内を統一しておくためには、戦争というような極限状況が必要になっている。

2. 父親は、「祖国統一」という偉業があるが、本人には、歴史に残る偉業がない。1991年に国連に加盟して、一応国家としては認められたが、韓国にノーベル平和賞を持っていかれ、さらに国連の事務総長の椅子には韓国人が座っている。

「核クラブ」の会員席は、是が非でも手に入れたいはず(二代目が、「大国」に育てたと言いたいつもり)。


このため、次の厳しい国連制裁に対して、取る手は明白である。

「国連脱退」。実際、今や加盟していないに等しいわけだし。

そして、開戦準備である。

巷間伝わるようにミサイル数百発を保持し、核弾頭5個程度を持っているとすれば、開戦の第一撃は核攻撃と考えるしかない。つまり通常攻撃から開始すれば、ただちに米韓空軍によって制空権を抑えられ、重要拠点が爆撃、破壊されるからだ。

核攻撃の目標地点が、都市なのか、基地なのか不明だが、ミサイルの精度から考えれば、ピンポイントを狙う基地攻撃は困難で、精度を求められない大都市攻撃を実行するのではないだろうか。あえて、場所は予想しないが。日韓、あるいは中も。

残念ながら、核兵器を搭載したミサイルと搭載していないミサイルを見極めるのは困難であるため、同時にすべてが発射された場合は、迎撃モレの可能性は、非常に高い。

では、国連制裁を恐れず、国連脱退を覚悟した瀬戸際北朝鮮の暴走をストップする方法はないか、と言えば、ある国がある条約を破棄する以外にはないのではないだろうか。

「中朝友好協力相互援助条約」

1961年7月11日に、金日成と周恩来が署名している。

条約の中で、北朝鮮が攻撃された場合の中国の“自動参戦”が規定されている。

有効期間は、特に記されていず、「両国が失効に合意した場合」ということになっている。

つまり、中国が「条約をやめたい」といっても、北朝鮮が、これに応じなければ、条約は続くことになる。

ほぼ同じ文面の「ソ朝友好協力相互援助条約」(中朝条約に5日さかのぼる1961年7月6日付)の方は、10年契約+5年ずつの自動更新だったが、1996年に秘密裏に解約され、自動参戦条項のない普通の善隣条約が結びなおされている。

中朝条約は、解約困難な契約書みたいなものだ。実際には、法的には解約できなくても、「自動参戦はしない」、「解約を希望する」と表明すれば、ほぼ同等の抑止効果があると考えられる。

中朝条約は日米安保とほぼ同じ効力と考えられるが、この条約がなくなれば、北を守る者はいなくなる。さらに中国軍が国境近くに移動を始めれば、ゲームは終了するのかもしれない。

日米安保では、日本が駐留米軍費用を負担していて、仮に日米安保が失効し、米軍が日本から撤退してしまえば、浮いた費用で軍備増強することになるのだろうが、中国のご威光にタダ乗りしている北朝鮮には、その余裕はないだろう。


問題は、飛んでくる核爆弾だが、・・・

やはり、単発なら迎撃、一斉発射の兆候であれば、先制ということになるのだろう。長崎型程度の規模らしいので、丘や谷などが複雑に入り組んだ地形(例えば横浜とか)の都市の方が生存率が高いかもしれないし、都内の新しい地下鉄、つまり大江戸線のように非常に深い場所を走る路線もいいかもしれない。ただし、閉所恐怖症の方には向かないだろう。

また、いずれにしても大気は大量の放射能で汚染されるので、生きていても無傷というわけにはいかない。大気中の放射能に対しては、既存のマスクの効能は、ナッシングだろうが、放射能汚染された灰を肺まで吸い込まないという効果だけは、あるのだろうか??その場合は、ウイルス用ではなく、花粉用でも十分だろうか。

「放射能までシャットアウト」というマスクがあれば、一枚一万円でも、飛ぶように売れることは、間違いないだろう。

5万円パソコンを満員電車で広げる愚

2009-05-26 00:00:28 | 市民A
最近、あちこちに瑣事での移動が多い。京阪神地区には行ってないので、いずれ何度も行かなければならないと思うが、そろそろ5万円パソコンでも買わなければいけないかなあとか思いながらも、実は、あまり使っている人を見ない。

と思っていたら、雨の朝の鬱陶しい満員電車で、横がけ座席に座り、5万円を広げている男がいた。中年、小太り、流行のマスクマンである。立っている私の前の座席に座って、かばんの上にパソコンをおいて広げている。

しかし、もう老眼がはじまっているのか、ディスプレーを目から50センチほど離そうとしているので、結構、膝の前の方においている。そこで、蓋を開いているので、前に立っている私の持ち物とニアミスになる。そして、立っているのだから、前後左右に体が揺れ、荷物はディスプレーに触れたりする。

満員なので、背中からの圧力もあるし、だいたい、ディスプレーが展開されている空間は、どちらに占有権があるのかはっきりしない。竹島問題みたいだ。

しかし、マスクマン氏は、あきらかに不愉快な様子である(マスクをすると人格が変るのだろうか)。何をやっているのか知らないがイーモバイルを接続している。きょうのブログでも書いているのだろうか。「不愉快なもの、満員電車でパソコンを覗く男」とか書いていたり・・

そして、15分ほどして、今度はパソコンのキーボードをティッシュで拭き始めた。どうも、私の髪の毛が落下したらしい。犬の毛のように、ばさばさ生えてきて、ばさばさ抜ける髪質なので、あちこちにDNAの証拠を残してしまう。そんなに膝の前の方で弁当箱(いや5万円パソコン)を広げるからなのだが、一方的に不愉快を表現している。

そして、パソコンを畳んでかばんに入れ、代わりに携帯を取り出した。これ以上、パソコン掃除は嫌なのだろう。そして、携帯を広げてホームページかブログを見はじめた。見るだけならパソコンは要らないということだろうか。そのうち、携帯もかばんにしまい、厚い本を取り出して、腕を伸ばして膝の先で開いて読み始めた。またも空間占有権争い。

そろそろ、私のイライラも抑え切れないレベルになり、マスクをはがしてから、一発食らわせようかとも思ったが、既に電車が自然渋滞で5分の遅れという状況で、一発発射すると、きょうのダイヤ崩壊は間違いないので、握ったコブシ(戦闘準備)は解除する。


その後、マスクマンは、私の降りる一つ前の駅で、突然、立ち上がるや、立ち去っていったのだが、私の持っていた塗れた傘が、彼のズボンの内側を濡らし続けていたことに、その時、気付いたのである。

政治家の自死

2009-05-25 00:00:35 | 市民A
sinbun週末に、季節はずれの陽気の中、年甲斐もなくゴルフツアーで帰ってきて新聞の束を調べると、韓国人Roh Moo-hyon さんが自殺していた。

「わいろ」容疑の捜査が身辺に近付いたためである。実際に、容疑が「わいろ」関係だけだったのか、さらに巨大な韓国政治の深淵部に近付くものだったのか、捜査が終了したため、すべて闇の中だ。

このように韓国の歴史には、数十年の間でも。解けない謎が、いくつも積み重なっていく。


かつて、2006年7月13日に、弊ブログ「ノムノム対クネクネ もう一人の瀬戸際外交」の中で、彼の将来の運命を予言していた。

当時の予測は、「国家反逆罪」。国際政治の常識では理解できないほど北寄りだった。


韓国では大統領になるものいずれは不幸を覚悟しなければならない。李承晩(亡命)、朴正煕(暗殺)、全斗煥(死刑判決)、盧泰愚(懲役)、金大中(暗殺未遂、死刑判決)。では、盧武鉉(ノムヒョン)に待ち受けているのは何か・・国家反逆罪ではないだろうか。


oka最近の北朝鮮の政権移譲問題や、日本から中古のタンクローリーが韓国の業者を経由して北朝鮮に流れた事件の検挙など、奇妙な事件が起こるなあと思っていたのだが、実際に「わいろ」の捜査だったのだろうか。


ところで、別に推奨することは何もないのだが、日本でも政治家の自殺というのは、度々起きている。日本は、年間何万人も自殺する国だから(自殺的に酒を飲む人間はもっと多いが)、驚くことはないが、政治家の自殺の理由は庶民にはなかなか理解できないことが多い。

主に戦後自殺した政治家というHPがある。

つつしんで調べてみると、1945年9月12日、13日、14日と3日続けて元大臣が自殺している。どういう報道が行われていたのか、少し調べたくなる。戦争の責任なのか、収監されるのを苦にしたのかは、わからない。

また、病気を苦にしての自殺の方もいる。これらは庶民と同じだ。また、リストの中でも中川一郎氏の自殺については、いまだに懐疑の渦が回り続けていることがわかる。

また、確かに賄賂の授受が発覚して、という人物もいる。

元愛知県知事仲谷 義明は、名古屋五輪誘致失敗の責任を感じて自殺したが、誘致失敗した直後(1981年)ではなく、名古屋に勝ったソウル五輪が終了後、1988年に実行した。辛い思い出が噴出したのだろうか。

ノムさんと同じ落下方式は、「日本国憲法」が施行された1947年、熱海錦ヶ浦海岸の崖から飛び降り「大日本帝国憲法」と最後の運命をともにした清水澄(78)元枢密院議長と、偽メール事件以後、すべてが嫌になって北九州のマンションから飛び降りた元衆議院議員永田寿康(39)がいる。

岸田家のひとびと

2009-05-24 00:00:58 | 美術館・博物館・工芸品
ryusei新宿の損保ジャパン美術館で、岸田劉生没後80年特別展が開かれている(4月25日~7月5日)。ほぼ全展示が肖像画ともいえる壮大な企画である。もともと、「岸田劉生の首狩り」とは同時代に有名な呼ばれ方で、1日2枚とか仕上げていたらしい。多くの画家仲間がモデルになっている。

ゴッホやセザンヌに影響されたと本人は言っていたそうだが、他の画家の影響も随所に感じられる。

そして、岸田劉生と言えば、有名なのが「麗子シリーズ」。彼の娘である。娘をネタにして、幼女の頃から成人するまで様々な有名作をなしている。

しかし、かねがね思っていたことがある。

麗子って、あまり、可愛くないなあ、ということ。

ryuseiところが、そういう幼女であっても、女性の容姿について善悪を口にしたり文字にすることは、はばかられるわけである。セクハラそのものみたいである。「画家が娘を描くのだから、少しは美人に描くはずなのに、それでも気持ち悪いのだから・・」と思っていた人は多いのではないだろうか。

さらに、今回の展覧会では、自画像が出品されている。なかなか個性的で、いい男である。たぶん、本人より男前だろう。なにか変だ。

もっというと、奥様の肖像もあった。すごいカギ鼻だ。男みたいだ。しかも、絵画の中にうっすらと、「PORTRAIT OF SHIGERU」と書き込まれている。SHIGERUとは男の名前ではないだろうか。


ところが、実は、会場には、麗子さんの写真や、奥様の蓁子さんの写真も展示されていたのだ。

まったく似ていない。

まず、麗子さんの方だが、結構、現代的(平成初期)な顔の美人系である。女優の沢田亜矢子さんに似ている。こどもの頃の写真をみても、比較的タマゴ型の顔立ちである。キャンバスの中の麗子の顔(や体)は、縦より横の方が長いのだが、どういうことなのだろう。

ryuseiまた奥様の顔も、別にカギ鼻にはなっていない。ただ、名前の方は、本当は、一文字の「蓁(しげる)」だったのを、女性的な「蓁子」と表していたようだ。

普段はあまり読まないキャプション類をながめているとわかってきたのだが、

わざと、グロテスクに描いていたらしいのだ。

どうも、国内外の様々な画家の技法を取り入れているうちに、戦国時代末期から江戸時代初期に活躍した「岩佐又兵衛」に心酔したようなのだ。異様の画家である。戦場を描けば、首ゴロゴロの図である。首狩り劉生はグロテスクの中に美を見つけていたのだろうか。

つまり、赤の他人でモデルを頼まれた人にすれば、向かい合った岸田劉生がせっせと筆を走らせて完成した自分の肖像を見ると、びっくりするではないか。そして怒り出す。さらに、「友人K」とか題名がついてしまう。こうして、岸田家のひとびとの自己完結型作品群が量産されていったわけだ。

のちに、麗子さんも画家になり、麗子さんの娘である夏子さんも画家になった。誰をモデルにしているのかは、よくわからない。

ロシアン・ルーレットと化した理事選挙

2009-05-23 00:00:31 | しょうぎ
将棋連盟には、課題が多い。例えば、収支問題、公益法人あるいはそれ以降の展開、女流棋士分裂問題、ネット将棋対応、海外展開、東西の会館老朽化、・・・。といっても普通の会社であれば、課題は次々に無限に発生し、それぞれに対し次々に対処解決するのが日常的だ。そのために、基幹社員は問題解決セミナーで各種手法を研究していたりするわけだ。

そして、連盟の問題は、問題解決手法に疎い人たちが、場違いな処方箋を書いてさらに問題を悪化させているように(あくまでも外部からは)、見える。

そういう状態の中で、任期2年の理事選挙が5月26日に行われるのにもかかわらず、一見、まったく低調な選挙になりそうな状況である。内部事情は知らないが、現在の8人の理事の他の立候補者は一名という噂である。

ということは、誰が当選するかというよりも、誰が落選するかということになるのだが、別に、落選者の名前を記入するルールでもないので、誰が落選するのかを予想するのは、案外、難しい。

その前に、選挙権だが、現役棋士(約150人)と引退棋士(約50人)の合計200名程度である。女性票はゼロ。理事の定員は、東地区6名、西地区2名の計8名。

各棋士は、東3名、西2名を選ぶ仕組みである。噂が本当ならば、東地区7名のうち3名を選び、西地区は2名の信任投票になる。そして8人の理事が決まると、その互選で会長(理事長)を選ぶことになる。

ところが、これも噂だが、西の2票は、元芸能人が意のままにしていると言われ、関東側の会長候補は、まず芸能人の支持を取り付けた上、さらに東地区で、2~3票を確保しなければならない。つまり、派閥化せざるを得ないわけだ。

私見だが、一挙に選挙制度を改革して、間接民主主義ではなく、直接民主主義にし、会長(理事長)立候補者は副理事長2名(棋士1名+民間人1名)と3名パッケージで選挙に臨むようにしたらどうだろうか。残る理事は、当選後、会長が選ぶ。大統領選挙のような形態だ。


そして、今回のロシアン・ルーレットだが、関西側は無風だろうが、関東勢の中で、誰がもっとも得票が低くなるのか。よくわからないのだが、場合によっては無風とか微風とかではないかもしれないと思うわけだ。


a1さて、5月10日出題の詰将棋ミニ解答選手権一般の部の解答。

第1問:▲1三香 △1二飛 ▲2二角 △同角 ▲2三桂まで5手詰。

初手、▲1五香は、△1四歩 ▲同香 △同角(逆王手) ▲2三桂 △同角(逆王手)で行詰る。

2手目に1二に飛車以外の合駒では▲2三桂で早詰になる。△1二飛合の逆王手に慌てず、▲2二角と焦点に角を捨て、最後は▲2三桂となる。

動く将棋盤は、こちら




a2第2問:▲4二金 △同金 ▲5一飛 △同玉 ▲5二金まで5手詰。

初手に▲5一飛がよくある手だが、△3二玉 ▲4二金 △2二玉以下必死に逃げられると捕まらない。わざわざ▲4二金で角の利きを遮断してから、捨駒として▲5一に飛車を捨てるのが、気付きにくい手である。

動く将棋盤は、こちら




a31第3問:▲1五飛 △2五銀 ▲同飛 △3四玉(途中図) ▲3五飛 △同玉 ▲3六銀まで7手詰

初手▲2五飛は△3四玉、▲1五飛、△2五桂の捨合で不詰。よって、▲1五飛で合駒請求する。2五に金、飛車の合駒は、▲同飛、△3四玉、▲3三金(飛)。

香合は、▲同飛、△3四玉に▲3六香と離して打つと(変化1)、合駒できず、△4三玉、▲2三飛成の7手詰駒余りとなる。




a32桂合も同様。

よって、銀合になり、途中図で意外な好手がある。いきなりの飛車捨てで解決。

動く将棋盤は、こちら




a41第4問:▲4七銀、△6八玉 ▲6九歩 △5九玉 ▲5七飛 △4九歩 ▲6八歩まで7手詰。

この問題、最初から正解筋を読んでいると、簡単そうだが、筋を間違えると泥沼にはまる。

まず、▲5九銀 △4九玉 ▲4八銀。これに対しては、△6九銀という捨合があって詰まない。(失敗図1)。




a42さらに、初手▲4九銀が手強い変化で、以下6八玉 ▲6九歩 5九玉 ▲5七飛に対し、5八角が唯一の手段で、さらに▲4八銀直 4九玉 ▲6八歩に対し、△6九銀(失敗図2)で行詰る。

動く将棋盤は、こちら





a51第5問:▲2三桂成 △同玉 ▲4一角 △2四玉 ▲2三金 △2五玉 ▲3六飛成 △1四玉 ▲3四竜まで9手詰。

この素朴な初手に行き着くまでに、詰将棋的な手がいくつもある。例えば、▲1三角 △同玉 ▲2三金 △1四玉 ▲3四飛成 △2四歩(失敗図1)。




a52最後の一手には合駒効かずだが、この手に気付かず、▲2二金(失敗図2)と開き王手でいくと、4一の角を飛車で抜かれる。

動く将棋盤は、こちら




soft今週の問題だが、ここ2週間が難問ばかり並べたので、息抜きに軽快作。いいヒントが思いつかないが、「溶けたソフトクリームが地面にこぼれないように、急いで食べること」。

「君が壊れてしまう前に」書評

2009-05-22 00:00:12 | 書評
島田雅彦は、比較的よく読む作家である。よく読むといっても、全作品読破とか半分以上とかの意識はない。現代日本人作家男性版の中では、かなり上位にあるということ。特に題材が偏ることなく、本格的な小説が書ける男性作家が少ないということだろうか。

出版社からのメッセージ

かつて14歳だったあなたへ。いま14歳の君に。
ぼくのまわりは敵だらけだ。でもそんなぼくに謎の教師が教えてくれた、世界とうまく戦うコツを??

こういうのもある。

ぼくたちは狂ってはいたが、バカではなかった。無知で野蛮だったが、無邪気でもあった。奪われた自由を取り戻そうと焦りながら、無限の可能性の前で途方に暮れていた―。オナニーをして夢精をして、恋をして喧嘩をして、時には自殺も考える。父親は女を作って家出をし、母親はそのストレスで買い物に依存する。ぼくたちはまだ何者でもない青二才として、世界に放りだされ、何とか「このぼく」を作ろうとしていた。一九七五年、元日に始まり大晦日で終わる、14歳の「ぼく」の物語。

こういうのもある。

ぼくのまわりは敵だらけだ。謎の教師が教えてくれた、世界とうまく戦うコツを。1975年正月から一年間つづられた日記。まだ何者にもなりきれない「青二才」としての存在を描く。


kimiこの「君が壊れてしまう前に」というのは、主人公の「ぼく」が、14歳だった1975年1月1日から12月31日まで綴った日記である。もちろん、日記に書かれた出来事は、いかにも都合のいいストーリーなので、「この本は、日記の形式を使った小説である」という約束を、読者は作家と取り交わすことになる。14歳の少年が背負うには重すぎる重大な出来事が次々に起こる。

14歳にして、ガールフレンドが難病で亡くなる。父親は愛人が原因なのか何なのかわからない理由で、突然家出し、また突然帰ってくる。弟は喧嘩ばかりする。ぼくはそこそこ頭がいいが、勉強する気にはならず、ゴールドベルグ変奏曲を聴いてばかりだ。

それでも、毎日は過ぎていき、確実に1976年になる。

いつも、島田雅彦の小説を読むと感じるのだが、独創的な手法で小説を書き、読者の前に提供してくれる腕前には舌をまくしかないのだが、

もっと人間存在の極限のようなテーマに取り組んでもらえないかなあ、と思うわけである。

あるいは、出版社の担当の問題なのだろうか。

またいつか、次の「島田探し」の読書をするのだろう。

日本国の国債格付け引上げの訳?

2009-05-21 00:00:40 | 市民A
ムーディーズ(Moody’s)による国債格付け引上げ(Aa3→Aa2)について、与謝野大臣は、「政府による財政再建の強い意思が評価された」と自画自賛していたが、そんなことは誰も言っていないようだ。

ムーディーズによる記者会見も、妙な話になっていて、「現在の景気浮揚策としての財政出動による財政悪化は、短期的な問題と評価した」というコメントのようである。しかし、それでは「ネガティブではない」と言っているだけで「ポジティブである」ということではないのだから、よくわからない。

この件についてのムーディーズのリポートを読んでみて、少しわかったのは、単に「引上げた」のではなく、「一部の引下げ」もあるということ。

つまりAa3だったのは、円建て国債であり、外貨建て国債についてはAaaだったのだが、これを統一してAa2にするということ。外貨建てについては2段階引き下げになる。さらに、政府と同等に考えられている政府系金融機関や公団や政令指定都市が発行する長期債については、Aa1以上の格付けは、Aa2に引き下げられる、ということである。

では、なぜ外貨建ての格付けの方が、今まで安全と考えられていたかというと、「日本崩壊」の際には、「円建国債」よりも「外貨建国債」の方の償還を優先するだろうと、思っていたそうだ。しかし、今回の金融危機を見ると、“そうでもないな”と思い直した結果であるとのことが書かれている。

ただし、この説明も、いま一つ納得できないのは、外貨建て国債なんか、ほとんど売れていないはずである。大部分が国内向けで、円建てであるはず。やはり、単にAa3がAa2に引上げられたということではないだろうか。しかし、昨年に対して今年の方がディフォルト率が改善されたとは到底思えないわけだ。


ここで、かなり前になるが、Moody’sと並び立つ格付け業界の雄であるS&P(Standard & Poor’s)の社員に教えてもらった大原則を思い出すわけだ。

kakutsukeその話しの前に、格付けの表記方法だが、トリプルAをAAAと書き、ダブルAをAAと書くのがS&P方式で、ビジネス特許になっている。このためムーディーズの方はAAAをAaaと表示し、AAはAa、BBBはBaaということになる(対比は後記)。

つまり、口にはしないものの、AAAは米国国債ということだそうだ。つまり、アメリカと同程度の安全度の会社がAAAになり、それを基準に各国別の安全度を評価していた、ということ。本質的には、絶対評価ではなく、相対評価。

米国の絶対的安全度が低下した分だけ、日本の相対評価が上がっただけというのが、真相なのではないだろうか。

後記:Moody’sとS & P の表記差だが、さらにややこしいことに、この両社を比べると、僅かにS & P社の方が、点が辛い傾向がある。(もっとも、同じだったら、商売にならない。)

マスクはどこに消えたか?

2009-05-20 00:00:54 | 市民A
西日本の支店や営業所から、東京の本社に「マスク探しゲーム」の招待状が届いた。

メインで取引がある社から、来社時には「マスク着用」を要求されたのが原因。京阪神ではないのにだ。

そして、マスクを買いにいったところ、どこにも売っていないとの悲鳴があがったわけだ。

ということで、新橋に近いところのドラッグストアを歩いたが、どこも在庫ゼロである。店の人に聞いたところ、会社関係でまとめ買いをして、西日本の支店に送るのだそうだ。そして、18日頃から、在庫の入手もままならない、ということだそうだ。

しかたないので、神奈川と千葉の営業所に連絡をとって、もっと広範囲を営業車で探すことになったが、収穫なし。千葉の方では、インターネットで千葉県内のホームセンターに片っ端に電話しているが、銚子市の方にもないそうだ。

インターネットでオークションを見ていると、50枚入りに2万円以上のプライスが付いている。

しかし、・・・

今現在、まだ関東には患者が報告されていないのだ。

これで、一人でも報告されれば、東日本でもパニックが起こり「マスク騒乱」が起きるのである。

SARSの時、中国では、ブラジャーを加工したマスクが流行っていたが、あれは流行じゃなくて、本物のマスクが手に入らなかったせいだろう。と、今頃になって、同情。

これというのも、すべてが寝屋川高校の優柔不断な引率教師のせいなのだろう。

まあ、心配するよりも、自分が「関東第一号」にならないように、気をつけるしかない。

ところで、よく言われる「濃厚接触」という単語だが、どうも「濃厚接触サービス」をイメージしてしまうのだが、そういえば神戸には、平清盛が首都を移転した場所に、そういうお店が立ち並ぶと聞くのだが、繁盛しているのだろうか。

千代大海流は続くのだろうか

2009-05-19 00:00:39 | スポーツ
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taikaiこれは、大関在位最長記録を62場所に延長中の千代大海の先場所までの大関としての勝越し負越し結果である。連続××が4回あるが、ケガによる公傷による陥落猶予である。今場所13度目のカド番大関の(五月場所)9日目までの成績は5勝4敗。かなり限界的になってきているように思えないでもない。

最近の6場所では、4度勝ち越しているが、(5勝、9勝、9勝、8勝、8勝、2勝)合計41勝(49敗)。横綱審議会でも、この33歳の千代大海と36歳で53場所と第二位の記録更新中の魁皇の成績がいたく気に入らないようで、新たに降格ルールを強化しようという動きもあるようだ。

まあ、現在のルールを前提に調整しているのだろうから、いまさらのルール変更は、33歳や36歳の体には、酷かな?

少し前から、千代大海の成績が気になっているのは、やがて(あるいは、まもなく)来る「辞め方」。

もっとも、これから4連敗すると大関陥落。(次の場所で10勝すれば、大関に戻れるのだが、たぶん、それにチャレンジはないだろう。確信はないが。)負け越しが決定した段階で引退するだろうが、何とか勝ち越しの8勝に到達すると、次の63場所目に突入し、負け越しても64場所目がある。

多くの関取は、負けて引退ということになるのだが、彼の場合は、勝ち越しても引退ということになるような予感がある。年齢的には、現役大関には、36歳の魁皇がいて、こちらも53場所と歴代2位の在位記録である。ただし、10勝以上したのは2年前のことである。

千代大海の師匠の千代の富士(九重親方)は36歳を目前に引退したが、横綱59場所と大関3場所を足せば62場所。千代大海の今場所が大関62場所。ちょうど節目のような気もする。

もっとも千代大海も魁皇も、年6場所制度が今の体力に相応しくない重荷になっていて、このような大関死守型になっているのだが、同じく現状死守をはかっている総理大臣の椅子とは違うのだから、大関の椅子を二人で一つにして、年3場所ずつ交互に出場すれば、もっといい成績をおさめるのではないだろうか。(もちろん給料は半分になるが)


ところで、親方の千代の富士の元後援会の人から聞いた話しだが、千代の富士はゴルフが異常に巧かったそうだ。ハンディ片手以下だったそうだ。人生初ラウンドで86。練習の虫だったそうだ。

千代大海もゴルフが大好きで、昨年はゴルフ場でティーショットを打った時に、力が入りすぎて、カーボンシャフトを折ってしまったそうだ。


今場所前のモンゴルフが話題になっていたが、朝青龍にとっての最大の問題は、元々少ない稽古時間が、さらにゴルフの練習時間で削られることではないだろうか。

ホイットフィールド・万次郎友好記念館

2009-05-18 00:00:08 | 歴史
ジョン万次郎の記念館オープン=救助の捕鯨船長宅を修復-米東部

2009年5月8日(金)00:30

【ニューヨーク7日時事】幕末に米国に渡った近代日本の国際派知識人の先駆けで、「ジョン万次郎」の名前で知られる中浜万次郎(1827~98年)の住んでいた米マサチューセッツ州フェアヘーブンの住宅が記念館に改修され、7日オープンした。
 万次郎は土佐藩の漁師の家に生まれ、出漁後に漂流した末、米捕鯨船に助けられた。1843年に米本土の土を踏み、同船のホイットフィールド船長宅に身を寄せながら英語や測量などの教養・技術を学び、帰国後はこれを日本に伝えて日米間の懸け橋となった。

記念館になったのはこの船長宅。聖路加国際病院の日野原重明理事長が中心となって日本内外で募金を集め、老朽化して売りに出されていた同宅を買い取り「ホイットフィールド・万次郎友好記念館」と名付けた。5月7日は万次郎が船長宅で最初の夜を過ごした日に当たり、日野原氏も参加してオープン祝賀式典が開かれた。


manjiro幕末の日本人(という表現が正しいかどうかは別にして)で、日米両国間で運命を弄ばされた人物と言えば筆頭に来るのが、このジョン・万次郎とアメリカ彦蔵だろう。どちらも乗っていた船が遭難し、万次郎は鳥島に漂着したところを救助される(1841年)。彦蔵は1852年に漂流中に救助。

二人とも米国本土に上陸し、米国市民とともに生活する。彦蔵の方は、うかつにもキリスト教の洗礼を受けてしまったため、日本に戻ることができず、窮余の一策として米国市民として在日の米国公使館員の身分で帰ってくる。

二人とも武士ではなかったことから、日本でその知識を十分に発揮したとは言い切れないが、両者とも日米友好の最初の架け橋になったことは間違いない。日米和親条約よりも、先んじて米国を知っていたわけだ。

今回の「ホイットフィールド・万次郎友好記念館」の会館にあたっては、日野原先生が募金活動の音頭を取っていたようだが、幸いなことに、まったく知らなかった。

日本は明治維新のあと、どういうわけか米国の制度を取り入れずに、プロシアとかフランスの制度を採用したのだが、仮に当初から親米政権であったら、現在の日本も、そして米国も大きく文化が変わっていっただろう、と思うのである。

その後、米国では西海岸で排日運動が始まり、さらに不幸な方向に歴史は転がっていった。そして、容赦なく原爆投下というところまで進んでいったわけだ。

そういう意味だと、日米間の正式な国交樹立に先立ち友好関係を結んだ、万次郎とホイットフィールド船長の友情の家が博物館となったのであるなら、総理大臣か外務大臣が出席して、スピーチを行うというようなものではなかっただろうか。場所はボストンから南へ車で90分とのこと。

もちろん、万次郎のいたころの米国は、南北戦争前で、黒人奴隷制度が存在していたので、オバマ大統領にすれば、「当時の米国は、現在の米国ではない」というのかもしれないし、万次郎を救助した船が、現在のアメリカが反対している「捕鯨船」であったことが表沙汰になることを恐れたのかもしれない。

元政府高官の母校でウイルスが、・・

2009-05-17 00:00:23 | 市民A
鴻池祥肇元官房副長官の母校、神戸高校で新型インフルエンザの患者が発生。元々の不倫旅行ゴルフ付きの時もインフルエンザ対策で政府が揺れていた時期であったことを考えると、誰かの陰謀ではないかと考えたくもなるが、考え過ぎなのだろうか。

インフルエンザの方は、寝屋川高校の筋で予備校経由で感染したのではないか、と疑っているが、果たして感染ルートが特定されるのかどうかもわからないので、元政府高官の方から。(政府高官とは、一般に官房副長官のことを指すそうで、ミサイル迎撃準備の時に、ピストルの弾を撃ち落とすようなものという、調子外れな発言をした人物である。自分が撃ち落とされた。まあゴルフ場にはプライバシーはないから。)

今回の事件に絞って、何が国民の怒りを買ったのか少し分解してみる。

A.東京妻がいたこと。本妻は地元(尼崎方面)にいるそうなので、まるで江戸時代の参勤交代のようだが、江戸時代は本妻の方が江戸にいた。

B.首相が外国出張中で、かつインフルエンザ問題で、厚生労働大臣が一人芝居をしていたころである。いわゆる職務怠慢。

C.JRパスを使用したこと。実際にはパスは定期券みたいなものではなく、既定の枚数が議員に交付されるのだから、本人の説明では、「時間がなく、つい使った」となっているが、使うために事務所から持ち出したに決まっている。今回が初めて私用に使ったとは思えないが。

D.2泊3日の愛人旅行ゴルフ付きの体力があるのに、急に「間質性肺炎」と称して入院したこと。実際に間質性肺炎になった人の話を聞いたが、途方もなく痛く苦しい検査をするそうである。さぞ、患者の怒りを買っていることだろう。仮病疑惑。健康保険が適用されるのだろうか。

この4項目のウェイトは、人によって異なるのだろう。まあ、愛人所有に寛容な人もいるだろうし、インフルエンザ騒動は、厚生労働大臣のスタンドプレーに過ぎないと思っている人もいるだろうし、JRパスの使用にこだわる人もいれば、それ位の不正はいいじゃないかと思うもいるだろう。元々、肺炎が持病だったのかもしれないと理解する人もいるだろう。

私の個人的バッド評価順は、

 B>D>C>A、かな。

やはり、職務怠慢は一番いけない。


東京妻問題は、よくわからないところがある。そこまでして女性が別れない理由は、なんだろう。ランダムに並べてみる。

a.おカネ(お手当)

b.肩書(議員宿舎)

c.スパイ活動

d.愛(またはベッドテクニック)