ルドゥーテ「美花選」展

2015-05-31 00:00:43 | 美術館・博物館・工芸品
千代田区立日比谷図書文化館で開催中(~6/19)のルドゥーテ「美花選」展へ。日比谷公園の中ということで、日比谷公園が花に包まれる時期に特別展が開かれている。

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このルドゥーテさんだが、マリー・アントワネット、ジョゼフィーヌに仕えた宮廷画家ということであるが、マリー・アントワネットとジョゼフィーヌと一言でいうけれどその間にはフランス革命があって、次々とギロチンの上下運動が行われている。生年月日をみると、マリー・アントワネットが1755年生まれ、ルドゥーテは1759年生まれ、ジョゼフィーヌは1763年生まれ。ちょうど間である。マリー・アントワネットが捕まった時には故郷のベルギーに逃げていたのだろうか。

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そして、彼の作品は基本的に「版画」である。それも「点刻彫版」という技法で、特徴は、花弁や葉の輪郭を線で描くのではなく、無数の小さな点を刻んで表現する方法である。結果として緻密で繊細優美ということになる。デジカメの画素みたいな技法なのだろう。

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さらに、刷り上がった作品に、うっすらと着色をしているそうだ。初期の頃は肉筆も描いていたようだ。

チューリップとバラの品種改良はヨーロッパ文明の象徴ともいえるだろうが、特に描くのを得意としていた。そのあたりが宮廷画家の本領なのだろうか。

なお、本展覧会の付帯行事の一環の中に、定員40名、参加費500円で、「大人の塗り絵、ルドゥーテのバラを塗ってみよう!」というのがあるようだが、「それはまったく違うでしょ」と言いたい。