Yシャツのこと

2012-10-31 00:00:33 | 市民A
最近、早稲田屋シャツというシャツ屋さんのワイシャツを少し買い込んで着ている。以前はDUNHILLとかAQUASCUTAUMとかTRUSSARDIとか愛用していていたのだが、なぜか今、国産である。生地が丈夫な感じがある。

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心配なのは、そのブランドのロゴだが、たぶん大隈講堂のように見える。となると、早稲田屋というのは早稲田大学に関係があるに違いなく、そうなると早稲田大学ご用達みたいになり、他の大学出身者は敬遠してしまいそうだ。

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私は、学歴の効用はゼロだと思っているので気にしないが。大隈だって安田だって新島だって津田梅子だって気にしないけど。


ところで、白いワイシャツ(ワイシャツの語源はホワイトシャツなので変な言い方だが)はあまり持っていないのだが、知人に「白いワイシャツしか着ない」という主義の男性がいた。まじめで堅物のような主義だが、実は競艇にはまりこんで借金の山を作り、割り増し退職金を手にして(手にしなかったかも)、消えてしまった。

仕事柄、大手保険会社何社かと付き合いがあるが、東京駅前の赤いビルの会社は、今でもノータイのことが多いが、他の会社の人は白シャツとネクタイが多い。スパゲティ・ナポリタンとか食べにくいだろうと、推測。

アルハンブラ<光の迷宮 風の回廊>佐伯泰英著

2012-10-30 00:00:14 | 書評
saeki佐伯泰英氏と言えば、時代小説家として大家の椅子に座っているが、なぜ彼がスペインの観光地のアルハンブラ宮殿のことを書いたのかというと、わけがあって、30歳頃に芸術家になることを志し、3年間スペインに在住したことがあるそうだ。

そして、芸術家にはならず、小説家をめざし、1980年代には、スペインや闘牛を中心に冒険小説をいくつか書いていた。本著も1983年が初稿ということで、その一環の作品の中に属するのだが、実際には世間に馴染みのないスペイン冒険小説は売れず、編集者から、「廃業」か「官能小説」か「時代小説」かの三択を迫られたそうだ。

そして鉛筆を転がして決めたのかどうかは不明だが、「時代小説家」として再出発することになった。

実は、どうしてこの本が書棚に存在するのか、よくわからない。1983年に集英社から単行本で出版され、その後、1989年に徳間文庫となり、その初版である。もしかしたら、その頃スペインブームだったのかもしれない。アルハンブラ宮殿からイスラム教徒が追い出され、スペイン全土がキリスト教徒のものになったのが1492年である。500年祭とかあったのだろうか。

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で、私自身がアルハンブラを訪れたのは2001年の年末。ユーロのスタート直前だった。当時からスペイン自身が自国通貨の弱さに疑念をもっていたことが10年経って顕在化した。そして、アルハンブラの遠景の写真があった。

本著を読んだ感想と自分の過去の回想を交ぜながら思うと、アルハンブラにはいくつかの歴史があるのだが、それは13世紀から15世紀までのイスラム時代に築かれたアラブ様式のモスク。そして、ピンポイントとして、1492年のキリスト教徒の勝利による宮殿の明け渡し。そしてコロンブスの突然の登場である。その後、城郭都市としての宮殿の歴史。第二次大戦後の観光地化ということだろう。

実は本書には詳しく書かれていないのだが、コロンブスは渡米資金(本人は、ジパングに行くつもりだったのだが)のスポンサー集めのため、欧州各地を行脚中にこの宮殿に行ったのだが、まずは断られる。そして、フランスに向かってトボトボと歩いているうちに、イザベル女王のきまぐれから、宮殿に呼び戻され、投資資金としておカネがつぎこまれた。

その二人が会見した小さな部屋が現存するのだが、その場所には出入り自由である。観光ガイドは、「面会の時にコロンブスが立っていた場所には、今、おおたさんが立っています」と紹介してくれたのである。


もちろん誰かが投資資金を貸してくれれば、何かを探しに世界旅行にいくことは、やぶさかでもないのだが。

テムズの川霧が消えた(小林一喜著)

2012-10-29 00:00:53 | 書評
okbaya題名から言うと、テムズ川のほとりに長期滞在して、うつりゆく英国の興亡史などをつれづれに語る、という感じがするが、まったくハズレ。

小林一喜氏といえば、テレビ朝日のニュースステーションのキャスターとして思い出す方も多いかもしれない。1991年2月、56歳で亡くなったのだが、久米宏氏を中心としたニュースステーションの話、そして出身母体の朝日新聞の論説委員としての意見を並べた話、さらに海外特派員としてロンドン時代を振り返った話。こういう記事やエッセイを、亡くなった翌年に朝日新聞社がまとめたものである。

そして、それから20年が経っている。

ところで、最近、「過去・現在・未来」ということをよく考えている。歳のせいか、老人ホームでの話が耳に入ってくる。ホームでは、過去の話と現在の話が中心だ。ずっと未来のことなんか誰も気にしていない。30年後に日本が沈没したって、富士山が爆発したって、九州や四国が中国に占領されようが、深く考えない。

年金の心配をする世代にとっては、未来が重要なことなのかもしれないが、本質的に、未来の事はよくわからないわけだ。また、いじめで自殺する子どもたちは、現在にとらわれ過ぎているのだろう。

この20年前に書かれた、当時一流の論客でさえ、将来への提言については、いくつも方向違いになっている。核の安全性、領土問題の本質、いじめ問題を認識していないこと、高校野球絶賛は所属会社のせいだろうか。赤字ローカル線を廃止してバス路線に変えたことを評価しているのは、どうなのかなあ。

もちろん、現在でもそういう意見の人もいるのだろうけど、おそらく、失われた何十年とか、今でも続いている劇場型政権争いとか、巨大地震とか領土紛争というような多事多難の中で、複雑な世界を生き抜く個々の国民の知性レベルはかなり上昇しているのに、政治家や政治評論家や官僚たちとかジャーナリズムの世界って、ステイなんだろうね。


AKBみたいに毎年総選挙をやって、2回落選したら立候補禁止とか、投票しなかったら罰金とか、候補者は他党の悪口は禁止して自分の政策だけを訴えることとかビシビシやってみればいいんじゃないかな。

「シャーロック・ホームズは生きている」展

2012-10-28 00:00:25 | 美術館・博物館・工芸品
シャーロック・ホームズ研究家、田中喜芳博士のコレクションの中から約300点を選び、横浜関内にある関東学院大学KGUメディアセンターのロビーで展示が行われている(~11月16日)。

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ただし、主に写真類の展示が多い。また会場が狭いので写真だらけである。それに、展示品を説明できる人がいない。

それに、「・・・は生きている」との展覧会名ってすごいのじゃないだろうか。だいたい小説の中に登場する人物である。空海が高野山の山中で「生きている」というのより、すごいのじゃないだろうか。

たぶん、ほとんどの作品は読んでいるのだが、やはり探偵であるホームズ自身が、なぜ、できの悪いワトソン博士を解雇しなかったのか。作者の名前は、アーサー・コナン・ドイルとなっているのだが、カトリックなのだろうか。わからないことだらけだ。

さらに関東学院大学というのも、知らない間にラグビー以外にも手を伸ばしているようだ。

どちらの世界も、クラス別

2012-10-27 00:00:40 | しょうぎ
nman先週のUP「お見舞い用詰将棋本としては」で入院中の知人に「1・3・5手の詰将棋集」を持っていったところ、後日、「難しすぎるから、ナンプレ+鉛筆にしてくれ」とのこと。

かなり易しすぎるので怒られるかと思ったら意外な展開である。将棋では終盤が弱いと思っていたが、このレベルが瞬時に読めないと勝つのは大苦労なのだろうと思うし、そういう人こそ詰将棋を勉強した方がいいのだろう。

ところで、頼まれた「ナンプレ」だが、実はその方面には、まったく暗い。時々電車の中でタテヨコのマス目に数字を入れている人がいるのだが、それのことだろう。「数独」というのと同じだろうか。あるいは、似て非なるものなのだろうか。同じだとすると、数独の英訳がナンプレということなのだろうか。ナンバー・プレースかな?数字のはめこみとか・・

たぶん、数字の並べ方にルールがあって消去法的な思考法をするのだろうかとか想像するのだが確証はない。

そして、大型書店のスミの方にあるゲームコーナーのスミの方を探すと、かなり本が並んでいるのだが、困ったことにレベルが、初級、中級、上級、難問、超難問というように段階的になっている。詰将棋本と同じだ。どのレベルを解きたいのか、はっきりしない。

ルールを知らないから、問題の難易を判断する尺度もないのだが、たぶん3手先を読むのではなく7手先を読むとかそういう違いなのだろうと推測するものの、どうやって問題を作成するのかとか詰将棋作成者的に余計なことを考えてしまう。

で、またも無難に初心者から上級者まで楽しめるはずの雑誌「ナンプレ・マガジン」を持っていくことにする。そして、詰将棋本を回収することにする。というか、病院に寄贈するかも。


さて、10月13日出題作の解答。

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▲1六歩 △2四玉 ▲2六竜 △2五金 ▲2三金打 △1四玉 ▲1五歩 △同金 ▲1三金 △同玉 ▲2三竜まで11手詰。

動く将棋盤はこちら

今週の問題。

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いくつかの細かな配慮が必要な問題。

手数のヒント、ローマ数字で書くとXIX手詰め。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

モノトーン(桜木紫乃著予定)

2012-10-26 00:00:22 | 書評
monotone新潮社月刊書評誌『波』に連載中の小説「モノトーン」。著者は桜木紫乃。今月号で第八回。何回シリーズになるのかよくわからないが他の連載物は10回から15回連載というのが多いのだから、そろそろ終局へ向かっていく頃なのだろう。あるいは起承転結の「転」のステージである。

ところが、この三代の女流書家(といっても実際に小説の中で生きているのは、孫だけ)の人生を描いていると思われるのだが、確信は持っていない。だいたい、どういう種類の小説なのかもわからない。純愛小説?風俗小説?あるいは芸術家の人生実録物?

で、やっと序の段が終わったような感じで、親戚とか愛人関係とか複雑な人間関係が読者の前に投げ出されたような状態である。

なんとなく、この小説の進む方向が見えてきたような気がしているのだが、勘違いかもしれない。

犯人蔵匿罪の割り切れない話

2012-10-25 00:00:07 | 市民A
オウム逃亡犯の一人であり特別指名手配者だった菊地直子を匿ったとし犯人蔵匿罪の罪状で高橋寛人容疑者の初公判が開かれる。求刑は懲役1年6ヶ月。高橋被告は起訴内容を認め、執行猶予付き判決を求めて、即日結審して地裁判決は11月22日に言い渡されることになった。

しかし、この裁判に関しては、実際にさまざまな意見があり、本来は、犯人蔵匿罪について、もっと突っ込んだ法廷論争が起きるべきなのだろう。が、ネット書き込み事件と同じように、「罪を認めたら執行猶予になるから」と、そそのかされてスピード裁判を望んでいるのかもしれないが、こうなると検察も司法もまた容疑者の方も、でたらめという感もある。


もっとも、蔵匿罪についてではなく、寛人容疑者が、菊地容疑者から聞いた高橋克也の隠れ家へいって、口止め料をせしめた件や、寛人容疑者の兄が、弟から聞いた菊地容疑者と克也容疑者の情報を警察へタレこんで、懸賞金の支払いを要求した件など、醜い現実がゴロゴロという気持ちになる。


話を戻し、犯人蔵匿罪だが、匿う相手が「真犯人」に限るのか、警察が追う「容疑者」まで範囲を広げるかという問題がある。実際には「真犯人」が確定するのは、裁判が終結した時点なので、長い時間が必要だ。一方、犯人を蔵匿したとする人物が有罪を認めて服役したとして、その後、犯人と呼ばれた容疑者が証拠不十分などで無罪になると、蔵匿罪は適用になるのだろうか。宙に浮くことになる。といっても服役終了していたらどうなるのだろう。学説でも意見が分かれているようだ。要するに、容疑者=真犯人という決め込みの上に犯人蔵匿罪が成り立っているということなのだろう。

実際に菊地容疑者に対する容疑が、都庁小包爆弾事件による殺人未遂ということに固まりつつあるが、なんとなく犯人蔵匿の方が先に結審するのは奇妙な感じがする。

次の疑問は、蔵匿罪の適用について親族の場合は罪を軽くすることができるようになっている。親族には配偶者が含まれるのだが、菊地容疑者と寛人容疑者は事実上の婚姻状態だったということは十分に言えるのだから、この親族の範囲を、婚姻届上の婚姻関係にするのか、事実婚まで拡大するのかも本来は論点かもしれない。

さらにいうと、匿ったのではなく、匿ってもらったという状態だったらしい。菊地容疑者と知り合う前には簡易宿舎や公園で寝泊まりしていたといい、結果としては、むしろ匿われていたという状態だったようだ。

もっとも、事件の全貌を肯定的に捉えているわけでは、まったくないので、念のため。

行きずりの街(志水辰夫著)

2012-10-24 00:00:55 | 書評
ikizuri1990年の日本ミステリー大賞の1位受賞作。最近、ミステリーを何冊か読んでいる。一言でミステリーといっても、謎解き物もあれば、冒険小説風もある。一応のルールとしては、作中に現れた謎は、その小説の中で完結することになっている。だから、村上春樹のように、謎だらけの小説を書いても、その謎の理由を書いてくれない場合は、ミステリーとは言わない。

この『行きずりの街』は、あきらかに冒険小説の匂いが強い。主人公が人質解放のため敵の本拠地へ乗り組むと、ピストルを持ってボスが待ちかまえている。ベストセラーになったらしいが、本当のところは、どこが評価されたのかよくわからない。

で、舞台は六本木。ここは、時代が過去、現在、未来とつながるのではなく現在、現在、現在だそうだ。1990年といえば、まさにバブル。東京の遊び場として、六本木には欲望が渦巻いていた。銀行や商社や不動産、それからニセ文化人や芸能人、そしてテレビ朝日。そこにある某学園が、政治家を巻き込んで肥大化し、付属高校を売却して東京都下に新学部を作ろうという話の裏側に起きた醜い殺人事件を学園の元教師が追う。さらに古典的なラブロマンスが重なる。

で、六本木の学園といえば、東洋英和ということになるのだが、実は作中で、東洋英和ではないというようなことが書かれているのだが、あまり他には思いつかない。

事実、東洋英和は横浜町田ICの近くに大学をつくった。その上、・・・

数年前に、麻布、六本木界隈の歴史的勉強をしている時に、東洋英和関係の土地やロアビルを取り壊して、第二の六本木ヒルズにしようという計画があって、東洋英和の学長が一番の推進派ということを聞いた。教えてくれたのが松本洋さんという方で、国際文化会館の理事長の方だった。この方の祖父は父方が松本重四郎氏といって大阪の銀行王(後に安田財閥となる)で東洋紡とかアサヒビールをベンチャー投資したそうだ。そして母方の祖父が松方正義氏。薩摩出身の元総理大臣だ。下級武士だった松方が抜擢したきっかけが、150年前に発生した生麦事件。多くの藩士が英国人を斬った現場に向かったのだが、臆病な松方は足がすくんで島津久光の近くを離れることができず、「いざという時には落ち着いて主君を護衛する」行為と誤認され、出世街道が始まった。

まあ、はなしがそれたが、終了。

負け犬ストリート

2012-10-23 00:00:10 | スポーツ
横浜球場の近くに、妙なネーミングの通りがある。

ベイスターズ通り

はっきりいって、裏道だ。ここを通り抜けると、負け犬になりそうな錯覚を覚える。

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ベイスターズ関連の最近の記事を探してみた。

最下位脱出へ選手がレポート提出

 最下位脱出へ向け、選手には自らの課題などを記したリポートを提出させる。中畑監督は「他のチームと同じオフの過ごし方をしていたら結果は同じ」と奮起を期待した。・・・


DeNA、菅野への調査書断られていた

 DeNA・高田GMが1位候補の一人、東海大・菅野への調査書を断られていたことを19日、明かした。「“お願いします”と言って持って行かせたが、断られている」と話した。同GMは菅野側が意中の球団以外なら米国行きを表明したことに強く反発しているが、強行指名するかについては「カーッと頭に血が上って、いく問題じゃないから。球団として考える」と慎重だった。


元横浜の○○○○容疑者を詐欺で再逮捕

山梨県警は10日、詐欺の疑いで元プロ野球横浜ベイスターズ(現横浜DeNA)選手の指定暴力団○○会系組幹部○○○○容疑者(43)を再逮捕した。


ヒドイ記事ばかりだ。とほほ・・・

喫煙発覚の新人を処分=プロ野球DeNA

 入団1年目の選手の喫煙を禁止しているDeNAが、喫煙が発覚した新人4選手に対して、罰金などのペナルティーを科していたことが18日、分かった。球団関係者によると、4選手はルール違反を認め、ペナルティーを受け入れた。

ルールというか、未成年者だから・・

業界6位というか12位というか、六大学の東大以下ということだろうか。

監督のせいばかりじゃないのだろうが、優秀なOBに恵まれないのだから監督候補も少ない。現役の人気投手である三浦大輔に自分の登板日以外は監督頼んだらどうだろう。

球団の来年の最大目標である「禁煙」からいっても、ノンスモーカーの彼は適任だ。


もう一つの横浜スポーツ界の大問題であるサッカーのFC横浜だが、ある古老メンバーがフットサル界に居場所を見つけたようで、再構築が始まることを期待している。

『シオンの娘に告げよ』(典厩五郎著)

2012-10-22 00:00:47 | 書評
典厩五郎氏のミステリーを二冊読んだのだが、本格的な構造なのが「シオンの娘に告げよ」。

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舞台は戦後わずかな時間の日本。登場するのがGHQやGⅡやGSといった米国機関。さらにKGB。そこに現れるのが赤字映画会社や、ロマノフ王朝から伝わる本物の巨大なダイヤ。

そのダイヤとM資金を持ち歩くのが、甘粕正彦。そう、戦前戦中の日本史には欠かせない悪玉である。満映本社で死亡したことになっている彼が、ダイヤをポケットにメッサーシュミットで日本海の海岸に不時着するところから、事件が始まる。

満州帰国組や復興資金に群がる米国軍人。そのまわりで甘い蜜を吸う日本人ギャング。

本当に醜い世界がドーット展開する。死体がゴロゴロ。

このストーリーをどうやって終結させるのかが途中からの興味だったのだが、結局、「甘粕大尉はニセモノだった」ということと「M資金には色々な種類がある」ということと、「マッカーサー解任」ということで、歴史に背くことなくつじつまがあった。


思うに、米国がさっさと日本を独立させて、多くの米国軍人を引き揚げたのは、米国人自らが復興資金に群がる亡者になっていくのを、見るに見かねたからではないかと、思い始めたのである。

思えば、震災復興資金というのも、なかなか危ういものもあるのかもしれない。

生麦事件 激震、幕末日本

2012-10-21 00:00:01 | 美術館・博物館・工芸品
namamugi1今年は、生麦事件がおきてから150年目になる。ただ、外国人の殺傷というあまり具合のよくない行為のため、だれも「150周年記念」とか言わないし、英国に対し毎年謝罪を繰り返したりはしない。

かろうじて、横浜の開港資料室で『生麦事件 激震、幕末日本』展が開かれている。

時は1862年9月14日。薩摩藩の一行が東海道の生麦村を通過中、こちらは民間人の4名の英国人男女が乗馬したまま一行の行列に紛れ込んでしまう。どうも、江戸から横浜に向かう英国人たちに対し、通行の邪魔だから馬から降りるように、江戸に向かう薩摩藩士が言ったものの、残念ながらコトバが通じず、3名の藩士が刀を振り回し、しかも英国女子にも斬りかかるという後進国性を露呈し、商人であるリチャードソンが切り刻まれてしまったわけだ。

このため、英国は、犯人3人の引き渡しと賠償金を要求。

実は、幕末には同種の事件が多発発生している。ほとんどは、捕まえた犯人を犠牲者の出た国の公使の列席の前で斬首しているのだが、薩摩藩は別格だ。三人のうち最後にリチャードソンにとどめを刺した海江田某は、その後明治になり、のうのうと中央政府の要人となる。

namamugi2結果、薩摩藩は英国の要求に応ぜず、鹿児島で薩英戦争が始まり、薩摩は攘夷論の無謀さを知り、180度向きを変え、洋風化に突き進む。水戸っぽを裏切ったわけだ。

だから、生麦事件が起こらなければ、薩摩は水戸と組んで、歴史が妙な方向に走ってしまったかもしれない。あるいは、リチャードソン一行が尾張藩とかの行列に迷い込んだらまったく異なる結果になったかもしれない。


今回の展示は、リチャードソンの親類が保管していた彼に関する個人情報類が元になっている。どうも身分にうるさい英国の階級社会の中では、貴族に次ぐ「ジェントルマン階級」だったそうだ。実家に送った書簡には、英国に次ぐ素晴らしい国、と日本のことを絶賛していたそうだ。だからこそ、しょっちゅう市内検分に出かけ、災難にあい、そして歴史に埋め込まれていた重要なスイッチを押してしまったのだろう。

お見舞い用詰将棋本としては

2012-10-20 00:00:32 | しょうぎ
長期入院している知人から、「ヒマで死にそうなので、詰将棋の本を届けてくれないか」とのメールがきた。本を届けなかった場合、暇で死ぬと、責任を取らなければならなくなるのも困るので、近くの中型書店に行き、書店のスミの方にある「趣味・実用」の棚のスミの方にある詰将棋本何冊かを手に取ってみると、なかなか選択が難しい。

要するに、将棋がまあまあ好きというレベルの人の詰将棋の腕前というのも、かなり予測が難しい。一方、売られている本と言うのは、超初心者用(1手、3手詰)、5手詰専門、7手詰専門、10手以上難解作とか、ある特定レベルの人が自分がチャレンジするのに適当なレベルの本を買うことになっていて、棋力不明の他人への贈答用には向いていないわけだ。

ということは、レベルの違う問題を持っていくと、「易しすぎる!なめるな!」と怒られそうだし、難しいと「一題も解けないぞ!」ということになるかもかもしれない。

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で、やっとたどり着いたのが、「1・3・5手実戦型詰将棋(飯野健二七段)」。ざっとみると7割方が易しく、ちょっと頭を使うのが2割。骨のあるのが1割という感じだ。まあ、これで様子を見て、次回の要望がもしあれば、調整すればいいのでは、という方針で行くことにした。

問題数が200題以上あるのだが、1手詰を除き、3手詰問題と5手詰問題を病院に行く途中の1時間の電車の中で解き始めると、ちょうど目的駅のところで読了。

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うち、1題だけ、簡単には解けなかった。10分ほど考え込む。何か思考パターンに欠陥があるのだろう。盤上には飛車が二枚と歩が二枚。持駒3枚。

脳に一汗、やっと解けたのだが、1五の歩がなぜ必要なのか、いまだに謎。ない方がいいんじゃないかなあ・・


さて、10月6日出題作の解答。

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▲1五角成 △同玉 ▲1七飛 △1六銀 ▲3三角成 △2五玉 ▲2四馬 △3六玉▲4六銀 △3四銀 ▲3七飛まで11手詰。

2手目に△1七玉なら、▲2六銀という乱暴な手で早詰めになる。

動く将棋盤は、こちら

今週の問題。

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全然美しくない初型。むしろ、この形になる1手前は、どういう図だったか、という方が難しい問題のような気がする。

手数のヒントは、徳川将軍の中でもっとも子沢山だったのは第何代将軍?

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数を記していただければ、正誤判断。

焼き鳥、よしだ。

2012-10-19 00:00:49 | あじ
知人からヤキトリに行こう、というお誘いがあり、それも神楽坂ということで、お座敷にあがるだろうとの予感をもって、靴下の点検をしてから、地図を片手に市ヶ谷駅から坂道を登る。ちっとも神楽坂じゃない。

そして、夕暮れの中に佇む築50年という感じの木造モルタル二階建ての、ややがっかりな建物に、「よしだ」という看板を発見。いや、よしだの「だ」は難解な感じだ。どこかで見たことがあると思ったのは、都内にいくつかある寿司店チェーンの「志乃多寿司」。この「多」のくずし文字と同じだ。とすると、よしだは吉田ではなく、よし多ということになる。

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そして、店内には、お客ゼロ。どうもネットで調べたところ、近隣の出版某社の率が90%ということで、そういう文化人が多いのかと思ったのだが・・

そして、招待していただいたホストの方はいつまで経っても来ない。一人でヤキトリをかじっても始まらないが、ヤキトリは好物だ。特に軟骨入りつくねとか手羽先とか、硬いのがいい。うっかりすると串までかみ砕いたりする。太古の頃の肉食恐竜みたいな感じがいい(ワニ食いと言えばそれまでだが)。

そして、遅れること30分で、本日のホストが登場。

「あれっ、まだ飲んでなかったの?」
「・・・」

それで、結局、コースを頼むことになり、代金は不明なのだが、焼鳥というよりも創作鳥料理という感じになり、指先が器用な外科医がメスとピンセットで作ったような、懐石風コースが始まる。不器用なワニには不向きだ。板さんではなく、こだわりのシェフだったわけだ。


後で、HPで確認すると、メニューには好物の「チキンカツ」があったようで、ちょっと悔しい。

受賞決定の瞬間

2012-10-18 00:00:16 | 市民A
山中伸弥氏がノーベル賞の受賞の報を受けた時、自宅の洗濯機の故障を直そうと、床に這いつくばっていたそうだ。

ノーベル賞のHPには、各賞の発表時間が、明示されていたので、ネット上でライブ中継を見ながらスピーチの原稿をチェックしているのだろうと思っていたのだが、それより山中家にとっては、洗濯機の故障は大問題だったのだろう。

それを、担当大臣が閣議で、大臣みんなで冷蔵庫を買って寄贈しましょうということになったようだ。

で、パフォーマンスの愚かさは言うまでもなく失笑しかないが、私が驚いているのは、山中教授が洗濯機を直そうと、床に這いつくばったこと。

普通、洗濯機は直さない、這いつくばって、本当に直す気だったのだろうか。


それと、山中夫人の方だが、こちらも所要中だった。

ふとんにカバーを付けていたそうだ。そういえばその季節である。結局、山中夫人も這いつくばって仕事中だったことになる。そして、このふとんカバーの話で気が付いたのだが、ベッドではなくふとんで眠るということなのだろうか。

確かに、ベッドよりもふとんの方が、天井との距離が遠く、天井の圧迫感がなるので、モノを考えるにはいいかもしれない。私がたまに旅館に宿泊して布団に寝た時には、天井板の木目を見ても、何枚もの板の木目が、全部同じということを見抜いて、本物の一枚板ではないことを発見したりする程度だが。


それにしても、洗濯機の贈呈だけはやめた方がいいだろう。C国生産品が多いようだし。

サントリー山崎蒸留所を見学

2012-10-17 06:33:49 | 市民A
京都と大阪の間にある山崎は、場所がら歴史街道とも言えるくらい故事が多いのだが、その歴史街道を数分歩くと、線路越しに見える工場のサントリーのロゴが見えてくる。サントリー山崎蒸留所。ちょうど空いた時間があり、見学にあてる。

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受付で、電車できたかクルマで来たかを厳重に調べることから、試飲付きであることが窺われる。もっとも、前夜に瀬戸内料理をつまみに芋焼酎を大量に飲み、数時間前の昼食で、しゃぶしゃぶをつまみながらビールを飲んでいたので、やや不安はあるのだが。

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事前に解説があったように、工場内は発酵の匂いである。まず、仕込みや発酵のタンクがある。そして、蒸留の要となる蒸留釜を初留と再留と二回通すと、純度が70%になるそうだ。それが無色の液体であるニューポット。

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これを樽に詰め込む。そして、寝かせてしまうわけだ。

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工場内には、日本最古の樽があり、1928年と記載されている。樽の中身は異なるようだ。

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そして待望のドリンク時間。

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カウンターの上から各種取ってくるのだが「山崎12年」の水割り、ハイボール、「白州」のソーダ割りと全部飲んでみた後、あつかましくも「ストレート」を試飲してみる。