横浜美術館は、明日より2年間の休館に入る。改造工事である。丹下健三設計研究所のデザインは、若干古さを感じるが、そもそも普通の美術館は、古い絵画を鑑賞するところだから、時代が変わったからと建物を建て替えたりしない方がいい。今回の改造は、外観というよりも様々な階段をなくしたり、耐震強度を高めるのが主目的ということ。
一階の大空間をそのままにするのか、多少は展示スペースにして空間表現作品とか、デジタルアートとか増やすのかどうか。シンボルタワーの上階のレストランは赤字ということで長く閉鎖されたままだが、どうなるのかな。
「トライアローグ」という横浜、富山、愛知三館共催展と並行して、コレクションをもとにして1910年から1960年の横浜という「ヨコハマ・ポリフォニー」が開催。本日まで。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/31/17c0aefda957dd4acc5d2d7bcdefeb8e.jpg)
そもそも、横浜は東京とともに発展した街だが、東京には前身の江戸があるのに、横浜には漁村しかなかった。だから江戸時代から引き継いだものが何もないわけで、横浜の街は純粋に「開国以来の歴史の結果」といえる。
横浜由来の画家というのが育ったのも、パリのモンパルナスの丘のようなものが都内に確立されていれば横浜で絵を描く人は稀だっただろうが、奇跡的に、日本では画家は自宅で絵を描いて、たまに気晴らしで銀座に飲みに行くみたいなのが多かったようだ。
横浜美術史をパターンで言うと、
1. 横浜という国際都市で育った結果、欧州を憧れて留学した画家たち。代表は有島生馬。
2. 横浜美術協会関係者。欧州帰りの画家席巻された画壇に対抗した前衛画家集団。代表は岸田劉生。
3.横浜港からフランスに行ったグループがまとめられていたが、これは番外だろう。横浜と神戸からしか海外に行けなかったのだから。
4.関東大震災からの復興。片岡球子、加山四郎、中島清之。復興展グループ。
5.ニューヨーク組。幼少期に横浜で過ごし、成人後はニューヨークで活躍した。イサム・ノグチと岡田謙三。どちらも森村学園出身者。
6.現代作家。横尾忠則他。「横浜現代美術館開設準備委員会」というのがあって「今日の作家展」を続けていた(中断後、再開)。そこへの出展が一つのステータスになっていた。おそらく神奈川県立美術館という立派な美術館が葉山にあるので、現代美術に特化しようとしていたのだろう。それが県美と同じような市美ができたことは、何かあったのだろう。
7.系譜外。横浜の美術を縦糸ではなく横糸から見ると、多重的になる。
①新版画:幕末の錦絵(浮世絵)から始まった鏑木清方、伊藤深水、川瀬巴水。
②文明開化の街を描いた川上澄生。
③横展写真部ゆかりの写真家。安藤不二夫、奥村泰宏、常盤とよ子、浜口タカシ。
④前衛美術、「もの派」のパイオニア:斎藤義重。
⑤浜展(昭和21年~)出身者群。
⑥真葛焼創始者:宮川香山とご末裔。
⑦日本丸をみて帆布にテンペラ技法を確立した林敬二。
ともかく館員の方々、32年間、ご苦労様でした。
一階の大空間をそのままにするのか、多少は展示スペースにして空間表現作品とか、デジタルアートとか増やすのかどうか。シンボルタワーの上階のレストランは赤字ということで長く閉鎖されたままだが、どうなるのかな。
「トライアローグ」という横浜、富山、愛知三館共催展と並行して、コレクションをもとにして1910年から1960年の横浜という「ヨコハマ・ポリフォニー」が開催。本日まで。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/31/17c0aefda957dd4acc5d2d7bcdefeb8e.jpg)
そもそも、横浜は東京とともに発展した街だが、東京には前身の江戸があるのに、横浜には漁村しかなかった。だから江戸時代から引き継いだものが何もないわけで、横浜の街は純粋に「開国以来の歴史の結果」といえる。
横浜由来の画家というのが育ったのも、パリのモンパルナスの丘のようなものが都内に確立されていれば横浜で絵を描く人は稀だっただろうが、奇跡的に、日本では画家は自宅で絵を描いて、たまに気晴らしで銀座に飲みに行くみたいなのが多かったようだ。
横浜美術史をパターンで言うと、
1. 横浜という国際都市で育った結果、欧州を憧れて留学した画家たち。代表は有島生馬。
2. 横浜美術協会関係者。欧州帰りの画家席巻された画壇に対抗した前衛画家集団。代表は岸田劉生。
3.横浜港からフランスに行ったグループがまとめられていたが、これは番外だろう。横浜と神戸からしか海外に行けなかったのだから。
4.関東大震災からの復興。片岡球子、加山四郎、中島清之。復興展グループ。
5.ニューヨーク組。幼少期に横浜で過ごし、成人後はニューヨークで活躍した。イサム・ノグチと岡田謙三。どちらも森村学園出身者。
6.現代作家。横尾忠則他。「横浜現代美術館開設準備委員会」というのがあって「今日の作家展」を続けていた(中断後、再開)。そこへの出展が一つのステータスになっていた。おそらく神奈川県立美術館という立派な美術館が葉山にあるので、現代美術に特化しようとしていたのだろう。それが県美と同じような市美ができたことは、何かあったのだろう。
7.系譜外。横浜の美術を縦糸ではなく横糸から見ると、多重的になる。
①新版画:幕末の錦絵(浮世絵)から始まった鏑木清方、伊藤深水、川瀬巴水。
②文明開化の街を描いた川上澄生。
③横展写真部ゆかりの写真家。安藤不二夫、奥村泰宏、常盤とよ子、浜口タカシ。
④前衛美術、「もの派」のパイオニア:斎藤義重。
⑤浜展(昭和21年~)出身者群。
⑥真葛焼創始者:宮川香山とご末裔。
⑦日本丸をみて帆布にテンペラ技法を確立した林敬二。
ともかく館員の方々、32年間、ご苦労様でした。