ギリシアの規模

2010-04-30 00:00:51 | 投資
先日、神奈川県のパスポートセンターに更新に行った。

パスポートの他に、神奈川県について書かれた小冊子があり、いくつかのデータが書かれていて、少し気になっていた。

「人口」と「県内総生産(GDP)」。

そこには、こう書かれていた。

神奈川県の人口は、スウェーデンの人口に匹敵する約900万人。

神奈川県の県内総生産は31兆円を超え、デンマークやアイルランドに匹敵。


よく道州制の議論で、「九州全体や東北全体が一つの国なら、・・」という言い方をするのだが、神奈川県やほぼ同規模の大阪府は、すでに一つの国と同じ規模になっていたわけだ。

ところが、人口をスウェーデンと比べ、GDPをデンマークやアイルランドと比べるのは、少し意味がわからない。比較が変わるのはおかしい。

ということで、調べようと思っているうちに、ギリシアが国家破綻の危機にある。理由は、放漫財政と国債の乱発。

実は、ギリシアと神奈川、大阪とは、人口やGDPがほぼ似通っていたわけだ。



人口は、神奈川が900万人、大阪が880万人、ギリシアは1100万人。

GDPは、神奈川が31兆円、大阪は41兆円、ギリシアは30兆円である。

予算規模は神奈川が2兆7000億円、大阪が3兆2000億円、ギリシアは「国家」だから割高だが4兆1000億円。

これに対して、国債や府債の発行残高の規模。神奈川が3兆5000億円、大阪が5兆円、そしてギリシアは40兆円である。ギリシアのソブリンリスクから利回りが10%になったそうで、40兆円に10%の利払いを行うと国家予算のほとんどが利子で消える。


ということで、危ないといわれる大阪財政と比べても、ギリシアの現状は、どうみても「ギリシア悲劇」のクライマックスに向かっていると、言えるわけだ。

ところで、ギリシア破綻のキッカケの一つが「2004年のオリンピック」と言われている。五輪を開くには経済規模が小さすぎた。しかし、一方では夏の五輪はギリシア、そして冬の五輪はスイスで永久開催しようという意見もIOCの中にはあるようだ。固定費を無駄にしないようにして、変動費で稼ぐ、ということだろう。

しかし、この話を友人としていたら、「五輪を開催するのではなく、アポロンの丘で採火する聖火を高額で(1兆円とか)開催国に売ったらどうだろう。」という意見があった。

いかにも名案だが、閉会式の時に、完全に聖火を消すのではなく、種火を残しておいて安く転売する国も出るだろう。(こども手当不正受給のような話)


ところで、アテネ国際空港。晴れた日中にエーゲ海に浮かぶアテネの空港に着陸するのは機中から眼下を見ても神秘的に美しい。外を見る乗客からは眺望税を取れるだろう。

野菜、できるかな

2010-04-29 00:00:16 | 投資
ギリシア破綻の次はどこの国の国債が破綻するのかよくわからないが、若干の国債を持っていることを考えれば、安閑とはできない。破たんしたら、経済がメチャメチャになり、信用を失った日本円とドルの交換もままならなくなるだろうし、そうすると輸出入が困難になる。正確に言うと、輸出はできるが輸入ができなくなる。

そうなると、一番困るのが「食べ物」である。自給率が低いし、さらに、日頃の教育水準が高いためか、日本は食料のロス率が低い。要するに食べ残しが少ないわけだ。

これが韓国のように、大量の食べ残しを平気で捨てる国だと、少し、「もったいない精神」を発揮すれば、食料を絞り出すことができるが、優等生はツライ。

結局、破綻した国債の償還は、国有地の現物支給になるかもしれない。

日本は狭いと思われているが、実は空き地は大量にある。国有地と呼ばれている。まず、日本の国土は37万KM2である。一人当たり3000M2となる。0.3ha。さらに、国有地の面積はその20%程度で、それでも600M2もある。

十分に、野菜が作れる面積である。つまり、自給自足方式である。

ところが、簡単には行かない。野菜を作ったことがない。

ということで、早速、庭の片隅で野菜作りを始めた。

 

まず、キウリ。高さ10センチほどの苗を85円で買う。まだ双葉が残っていて、少し頼りない。



次に、オクラ。

こちらは、もっと頼りない。高さ5センチの苗。

実は、どちらの苗も1本85円である。キウリは価格調査をすると、一本50円で売られていて、オクラは20円くらいだ、キウリが二本とれ、オクラが四本とれると、元が取れる。

では、成長日記の1ページ目、終わり。

成金

2010-04-28 00:00:27 | 市民A
『成金』というコトバは、将棋で「歩」が敵陣に入ると「と金」になることに依るのは自明なのだが、「と金」が相手に取られ、持駒として駒台に乗せられる時には、ただの「歩」に逆戻りする。本物の『成金』とは、単にお金持ちになるだけじゃなく、再び元の貧乏に戻ることを意味するのかもしれない。

『ホリエモン』の話?



いや、アメリカでの話である。1848年。

サンフランシスコのフットボールのチームに、『フォーティーナイナーズ』がある。1848年にカリフォルニアに金が発見され、翌1849年に、この地に全国から人々が殺到した。ゴールドラッシュである。チームの名は、この49年に因んでいる。

しかしゴールドラッシュで集まったのは、フットボールの選手の数どころじゃない。人口1万5千のカリフォルニアが1850年には9万人、52年には26万人なった。ヨーロッパや中国からの移住者も多かった。

つまり、この時、世界中で、人口の大移動が起きたわけだ。

何しろ、米国は、このカリフォルニアを獲得するため、米墨戦争(1846年~1848年)を行っている。その時、タダで手に入れたのではなく、1500万ドルを支払ったのだが、僅か数年で取り戻した計算になる。ロシアからはアラスカを720万ドルで買い取る。(その後、カリフォルニアの金が掘り尽くされた頃、アラスカで金鉱が発見され、アラスカがゴールドラッシュになる)

さらに、太平洋を渡って、日本や琉球に脅迫外交を申し入れる。「英国にアヘン漬けにされた中国を見よ!」というわけだ。正義の味方のフリ。

しかし、リンカーンが大統領になると、一転して、国内対立が激化して南北戦争になる。南北戦争が終わると、要らなくなった中古武器を世界中に売りさばいたので、あちこちで紛争が起きる。

米国内では戦後不況となり、公共事業として大陸横断鉄道が何本も敷設される。ちょうど発明されて日が浅いダイナマイトが、ロッキー山脈の難工事に使われる。

欧州権益の方ではスエズ運河の建設にダイナマイトが多用されている。世界がつながった時期だ。

たまたま、日本では江戸の長期安定政権が崩壊。気短かな明治政府が政権を担当したのだが、政権交代に失敗して短命政権に終わる鳩山内閣の二の舞にならないように欧米に視察団を送る。横浜から太平洋をわたりサンフランシスコへ。そして大陸横断鉄道で東海岸に到達。そこから大西洋を欧州に渡り、日本に帰る時にはスエズ運河を使っている。


そして、この巨大ムーブメントの一つのキッカケを作ったのが、ジョン・オーガスト・サッターという人物。スイスからの移民で、サンフランシスコのサクラメント川に面した場所で堅実に製材業を営んでいた。

が、・・

幸か不幸か、彼は自分の水車小屋で、川を流れる「砂金」を見つけてしまったわけだ。金は人間をアニマルに変える。

当時のアメリカでは、資源はすべて発見者のもの。つまり、「取り放題」。みんなが川に入って砂金探しを始めたわけだ。

結局、サッターは、金を発見しただけで、その権利は認められず、大金持ちになりそこねた。そして、没落し、失意のうちに世を去ることになる。失意のうちに去るなら早い方が本人のためだろうが、あいにく長生きする。


まあ、金持ちになって幸せな人生を送っていたら、歴史には名前を残さなかっただろうし、ギャンブルにつぎ込んだかもしれない。あきらめよう。

行き先不明のギリシア丸の航海

2010-04-27 00:00:48 | 市民A
ギリシアが国債価格の急騰により、ついに自力再建をギブアップ。IMFとEUから都合5兆円の融資を受けることになった。5兆円のうち、EUからは3.8兆円で、内1兆円がドイツからだ。

ただし、援助をもらったのではく、単なる融資であるから、そんなに嬉しくもないだろう。




欧州系のテレビ局のニュースを見ていて驚いたのは、緊急融資をお願いした日のパパンドレウ首相が、どこかのリゾート地からの放送で、スーツではなく、ブレザーで登場し、ギリシア神話を引き合いにして国民に演説を行っていた。ギリシア神話の多くは、苦難の放浪と、そこからの帰還である、とか。

神話か・・

たった5兆円といっても、そのうち1兆円強は過去の国債の償還ができなくなったから。ということは、現在発行を続けている国債の償還も、次々と困難になるのではないかと思える。

JALみたいな話だ。


しかし、ギリシアは、デモクラシーの原点である。それが災いしたのか、一方で、国民の権利への要求は厳しい。年金の受給年限引き上げに対してゼネストである。

といっても、公務員なら、58歳になると現役の収入の8割も支給されるわけだ。ドイツでは年齢を65歳受給を67歳受給に引き揚げた(給付水準は7割維持)。日本は3割か4割しかもらえないのだから、論外といえるが。


さらにギリシアが他国から嫌われているのは、国内に存在する『第二経済』。

海運事業者などが対象で、経済活動に税金がかけられない。

知る人は知るが、香港と並ぶ船舶オーナーの天国である。特に世界の中古船を買い集め、パナマなどに便宜置籍船として登録し、英米系はじめ世界の大手海運業者に運航を委託する。

金持ちがますます金持ちになる仕組みだ。

この税制優遇措置は海運業者だけでなく、それらの仕事を行う弁護士や仲介業者や保険会社や、数多く恩恵を受けている。

つまり、ギリシアには、「税金を払わないグループ」と「年金をもらいすぎる公務員」という問題があり、それらが拡大しているのに、財政破綻に瀕している、ということだ。

どうすれば、解決できるか。

答えはゼウスが知っている、と首相は言うだろうか。

哨戒艦「天安」撃沈以降

2010-04-26 00:00:52 | 市民A
4月18日号「哨戒艦「天安」撃沈の今後」以降、いくつかの動きがある。

まず、韓国側からの情報は、「魚雷によるものらしい」という非公式な情報と、「人間魚雷の攻撃に注意するように」というメッセージだ。

北朝鮮側は、金剛山観光地区のすべての韓国側の資産を国有化してしまった。この施設は北朝鮮側の外貨獲得のための施設だったが2008年に韓国人女性が射殺されてから、凍結状態だった。北朝鮮が、自国の資産として外国人の誘致に使うのかもしれないが、果たして、誰が・・という気もする。

では、韓国の「人間魚雷に注意」というメッセージは、一体何だろう。韓国政府が、ある仮定を考えているのだろうということがわかる。


まず、事故の当初から「少し変だな」ということを感じていた。プロペラ(スクリュー)のあたりの船尾部分が爆発したという情報だ。

軍艦の場合、弾薬庫は、砲塔の下にあるものだ。すぐに詰め込んで撃つ必要があるからだ。そうなると、普通、船尾には弾薬類はない。主に艦艇の前の方にある。船尾には機関室があるわけだが、火事になることはあっても爆発することはない。何らかの外部からの爆発が考えられる。さらに、船尾というのは、僅かに『魚雷攻撃』を感じさせる部分がある。

というのも、魚雷が目標物を捕える場合、その目標艦船のスクリュー音をキャッチして追尾するという場合が多いからだ。ゲームセンターのシューティングゲームとは異なり、動く艦船にやたらに魚雷を発射してもなかなか当たらない。音を感知して、その発生源に突入させるわけだ。だから、引き揚げる前に、船尾部分で爆発という情報を流したのは、「かなりの確率で魚雷攻撃を受けた」ということを言いたかったわけだ。

そして次の段階が、浮遊機雷ではなく魚雷らしいという情報。そんなのは、破損個所を見ればわかるだろう。

しかし、引き揚げられた船体を見て疑問に感じたのが、損傷個所。船尾よりもだいぶ前方である。船体中央よりは後ろ、といった場所。

そして生まれた次の疑惑が魚雷の種類。普通の魚雷であれば、スクリュー音をキャッチし船尾に当たるはずだ。

そこで、浮き上がってきた可能性が『人間魚雷』。自爆攻撃だ。

あの親子のために自爆する兵士がいるのかどうか疑問もあったのだが、一応、いると考えた場合、朝鮮半島がイラクのようになってしまう。自爆したくなくても二人乗り魚雷とかになっていて、敵前逃亡できないのかもしれない。(国外派遣のスパイも、一人で送ると、逃げてしまうので、二人組らしい)

では、これからどうなるか。

こういう関係は、新潮社の月刊誌「フォーサイト」なら得意中の得意なのだろうが、残念ながら雑誌は廃刊し、ネット情報誌として生まれ変わるための準備中である。「もっとも読みたい雑誌は、もっとも読みたい時に存在しない」。マーフィーもどきの法則である。


ところで、この「人間魚雷」だが、日本が始めたものだ。『回天』という名前がついていて、今では呉の戦艦大和記念館と靖国神社に展示されている。

あまりの忌まわしさに、おもわず目をそむけてしまう。

この人間魚雷だが、アイディアは太平洋戦争の開戦まもなくあったようだが、正式に海軍の正規戦略として採用されたのは、1944年8月1日。海軍大臣が認可した。時の海軍大臣は米内光政。米内はその数年前には総理大臣をやっていたのだが、戦局不利の状態の中で、出身母体の海軍の長を任じられていた。というか、前任者、前前任者の辞職のため、本件に合意したのは、海軍大臣就任してから、わずか2週間後である。

そして、海軍が「魚雷」ならばと、その後、僅な期間で陸軍が考えついたのが「特別攻撃隊」である。実際に、人間魚雷の方は、作戦そのものが不発、不調に終わり、生還したものも多かったのだが、「特攻隊」の方は、片道燃料なので、そうはいかない。


そう考えれば、北朝鮮も、人間魚雷の次には、さらにエスカレートした攻撃を考える可能性も否定できないが、日本の場合、「回天」の後、1年で戦争は終わった。最後は核兵器とソ連の侵入である。

ところで、後継者の名前が金正雲から金正銀に変わったようだ。ずいぶん金持ちっぽい名前だ。

大原美術館を案内する

2010-04-25 00:00:23 | 美術館・博物館・工芸品
知人のセンセイを倉敷の大原美術館に連れていく。まあ、美術を全然知らない人じゃないけれど、一歩その世界に踏み込んでいたわけじゃないから、展覧会をよく見る、というタイプの人だ。

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もちろん、私もそうだったのだが、ずいぶん美術館を回っているせいもあって、ちょっとした美術館員風に解説することもできる。大原美術館に足を運んだのは、5回以上10回以下。だいたいコレクションの特徴は知っている。

そして、かなりの名画が多いため、その絵画の時代背景とか、絵の本質的な鑑賞法からすると「こぼれ話」のようなエピソードを創造を交えながら身振り手振りを加え、ペラペラしゃべるわけだ。

少し前に両国の大江戸博物館で幕末資料の解説をしていたら、学芸員と間違われたのか、ギャラリーが集まってきて困ったこともあった。

もっとも、しゃべりながらも新しい発見もあるもので、今回は芹沢介の作品の秘密を解き明かしたので、そんなことを織り交ぜるわけだ。

「彼の特徴は、芹沢流三原色です。藍色、山吹色、そして紅色です。すべての作品がこの三色の組み合わせで完成されています。」

なかなか巧くいくものである。転職しようかな。

個人的には、東洋館の二階に古代中国の動物の骨に刻まれた文字の解読コーナーが気になっている。どうも祭礼にあたって時の支配者(王)が、いけにえの人数を決めた記録なのだが、結構事務的な文書になっているわけだ。


そして、美術館を出るとアイビースクエア。一休みということで、喫茶室(レストラン)で「おやつ」を注文する。

『抹茶最中アイス』

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「このアイスは三原色で構成されています。抹茶アイスの緑、あずき色、そしてうすく焼いた最中の皮の薄茶色です。」

「あのー、溶けちゃいますけど。」

勝って、なお涼しい顔で

2010-04-24 00:00:03 | しょうぎ
名人戦は二局戦って、羽生名人の二連勝。どうも実力の差という感じだ。三浦八段は一局目では耳栓をして邪念を払ったそうだが、今回はどうだったのだろう。

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どうも、データベースの中から、定跡をなぞった上、途中からオリジナリティで勝負をするというのは、詰将棋で言えば「盗作疑惑」。

定跡の変形で勝つというような考え方は、どうもいただけない。

万博曲の剽窃のようだ

いまさら遅すぎるアドバイスだが、羽生名人から4勝しなければならない、というように思わないで、「8人参加のリーグ戦で4勝3敗ならいい」と思えばよかったのではないだろうか。

あと4勝1敗が必要になった。


この名人戦七番勝負だが、第六局は6月14・15日に決まっているが、ワールドカップでの日本の第一戦は6月14日。日本時間では午後23時のキックオフ。深夜に見ていると、うっかり寝過ごして時間切れ負けになるかもしれない。第5戦で終結したいだろう。

さらに、5月末には岡田外相の辞任をキックオフとした民主党の分裂もはじまり、こちらも深夜テレビで寝過ごしそうなので、第4戦で終わりにしたいのだろうか。

さらには当該の趣味の団体でも、5月は大騒ぎの予兆あり。


さて、4月9日の出題作の解答。

c12

▲1三香 △同飛 ▲2三桂 △2一玉 ▲5四馬 △4三香 ▲同馬 △同桂 ▲2二香 △1二玉 ▲2四桂まで11手詰。

初手が常識外れだ。逆に王手をかけさせる。それは最終手の桂打ちの時の脱出路封鎖でもある。合駒チョイス問題。

動く将棋盤は、こちら

今週の問題。



ちょっとクドイかな。

わかったと思われた方は、コメント欄に、最終手と手数と酷評をいただきましたら、正誤判断。

「ぶっかけうどん」をお目当てに

2010-04-23 00:00:04 | あじ
知人のセンセイの観光に付き合い、倉敷へ。夜の倉敷のお目当ては、元祖「ぶっかけうどん」の「ふるいち」である。何しろ、商標が『ぶ』である。

何しろ、「ぶ」というのは、語感がよくない。

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しかし、言われてみれば、「かけうどん」というのは、関東では「なにも具の入っていないうどん」を意味し、ちょっと貧乏くさい。「一杯のかけそば」のエピソードを披露して、庶民政治家風情を漂わした元首相もいるが、麺の上に熱い麺つゆをかけて終わり。

それに対して、「ぶっかけうどん」となると、普通は「かけうどん」をもっと乱暴に調理したように感じるのだが、まったく違う。

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この料理を発明したのは、ふるいちの店主だったそうだ。噂によれば、麻雀をしている時に、簡単に食べられるように(つまり、食べながら麻雀牌をジャラジャラしたわけだ。なんとなく、牌の方を口に入れたりしそうだ)、つゆは濃縮された醤油をさっとかけたのだろう。

しかし、この伝説だが、ちょっとおかしい。店主は麻雀を打っているのだから、いかに簡単なうどんであっても自分で作るのは、ちょっと無理。

誰かにうどんのトッピングの指示を出しただけだろう。案外、普通のうどんの注文をしたつもりなのに、聞いた方が間違えて作ったのかもしれない。

とはいえ、そこは元祖である。うどんに、天かすと刻み海苔、刻み葱、卵の黄身、そしてわさびを混ぜてしまえば、あとは食するだけだ。

わさびは本物ではなさそうである。そのかわりに大根おろしがあれば、その方がいいかもしれない。

『ひまわりの祝祭』藤原伊織著

2010-04-22 00:00:02 | 書評
himawari『ひまわりの祝祭』は藤原伊織の初期の作品である。ミステリ。

実は、以前、読んだ本である。文庫で530ページだから、かなり長い。ファン・ゴッホがアルルで描いた有名な「ひまわり」の連作について、世間で知られている7枚ではなく、8枚目が存在して、それが日本にある、という設定である。ちょっと読み直したかったわけだ。

と簡単に書くと、「ひまわり」の1枚は、新宿の損保ジャパンひまわり美術館にある、とか、1945年の8月6日、原爆の日に芦屋で空襲を受け、富豪である山本顧彌太氏の実家で焼けたという話ではなく、さらにもう1枚あるという設定になっている。

そして、せっかく、元画家である失業者Aが、このひまわりをみつけたのに、ついカッとして燃やしてしまうわけだ。

感想なのだが、もっと8枚目のひまわりの絵のことを、本当らしく筆を進めるべきだったのではないだろうか。日本に渡ってきた経緯とかだ。探し物がゴッホの作品でなくてもマンモスの象牙とか某国の機密文書でも何でもいいような話になっているように思える。

と書いたところで、既に作者はこの世にはいない。そういえば、多くのミステリ作家は、生前よりも死後になって本が売れだすようだが、ゴッホもその口ということだ。

旗本御家人2 幕臣たちの実像(下)

2010-04-21 00:00:50 | 歴史
次に、永年勤続表彰のこと。現代でも公務員の職場は安定しているが、それでも定年はある。あまり、公務員とは友人関係にないのでよくわからないが、65歳位なのだろうか。民間は60歳のところが多く、65歳に向けて努力中といったところだろうか。

ところが江戸の国家公務員というか幕臣たちには、定年がなかった。自ら退職を願い出るまでは勤務してよかったわけだ。さらに60歳になれば、許可を得て、駕籠で江戸城まで通勤することも認められていた(たぶん交通費は支給されないのだろう)。



しかし、永年勤続表彰のことを、「老衰御褒美」と呼んでいた、ということになると、ちょっとしたブラックジョークだ。中には、70年間勤続という表彰も記録に残っている。「極老に至るまで70年勤務した」と、評価され、銀十枚が下賜されている。幕末の幕府軍の歩兵の中には75歳以上のものも相当数含まれていたそうだ。

そして、役人の中には、天下の重罪といったものもいる。その代表が、高橋景保。幕末のシーボルト事件で、シーボルトに日本全図や樺太図を手渡したことが、オランダへ送る積荷の中から地図が見つかったことで露見する。個人的に許せないのは、日本全図は伊能忠敬、樺太図は間宮林蔵が決死の覚悟で完成させたものなのだが、個人の知識欲のため、無造作に流出させたこと。



この展示会には、シーボルトが持っていた樺太図の精密コピーが展示されているが、それよりも捕えられた高橋景保が、獄死したあと、お裁きのため、死体を塩漬けにされた時の塩漬け方が詳しく記録されている。塩の中に埋めるだけではなく、口と尻の穴から塩をどれだけ詰め込めばいいかとか残酷な記載が書かれている。さらに、大きな甕の中に塩に埋めるように全身を入れ、時々点検のために塩を掘って、頭を確認するように指示が出されている。確認する役人もご苦労なことだ。


次に、幕臣の結婚のこと。結構、夫婦ともに離婚や再婚が多かったようだ。

原因の一つは、「幕臣(旗本・御家人)の妻の座」というのは、国家公務員の妻ということで、女性にとってはステータスだったようだ。一方、男の方は、身分が高くなればなるほど、付け届けのような交際費が必要になり、金欠気味だった。

そのため、幕臣の妻の座と引き換えに「持参金制度」になっていたそうだ。愛情や釣り合いというより、単におカネ。もちろん、だからといって夫婦に仲がうまくいかないと決めたものではないが、確率的には破綻しやすい。そうなると離婚なのだが、男性にとって困った問題があった。離婚の時は、持参金全額返済だったそうだ。そうすると、すぐに借金生活になる。それでは困ってしまうので、すぐに持参金を持ってきてくれる次の妻をさがすしかなくなる。一方、離婚した妻の方も、とりあえず持参金が戻ってきたので、それを枕代わりに、次の金欠幕臣のもとに嫁ぐわけだ。

蛸でも食べよう

2010-04-20 00:00:52 | 市民A
アイスランドの南部、エイヤフィアトラヨークトル火山で3月20日に始まった噴火の結果、欧州の空路は全滅状態になった。成田にも影響は及び、毎日の発着各20便ずつが欠航状態である。

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欧州方面では、生鮮品の多くをアフリカから空路輸入している。海産物や、花など。これらが困難になっていることから、影響はEU域内に限らず、アフリカ各国にも及んでいる。

たとえば、「モーリシャス産の蛸」など、生きたまま、あるいは加工され、欧州域内へ空輸されていたようだが、どうなるのだろう。テレビで見る限り、現地従業員の解雇という話らしい。せめて、日本でも蛸の輸入とか協力できないものだろうか。


ところで、火山灰と航空機の関係だが、火山灰の原料は、マグマである。基本的には各種岩石の元であり、ケイ素(シリカ)である。石やガラスの粉末のようなもの。これが大気圏だけでなく成層圏(地上1万メートル付近)まで吹きあがっている。風の影響は大気圏で強く、成層圏では気流に乗って地球全体に広がっていく。

大陸間を飛ぶ飛行機は、この成層圏の付近を飛ぶことになる。

飛行機のエンジンは、言うまでもなくジェット燃料に空気を取り込んで燃やすわけで、シリカの粉末は、燃えることなく高温状態になる。これが、エンジン内の熱バランスを変えるだけでなく、エンジンそのものにダメージを与える。また、噴煙中のイオウ分は金属を腐食させる性質がある。

ということで、エンジンの寿命にも影響するわけだ。だから、いずれ先進国の航空会社が新型機を購入する際、旧型機が中古としてセカンドクラス(あるいはLLC)の航空会社へ売られた後に、エンジンが不調になるのかもしれない。そして、前回、1821年に起きた大噴火では、同山は、1年間噴火が続いたそうである。

ところで、アイスランドは、全国民の遺伝子が登録されていると聞いていた。国民の健康のためだそうだが、競走馬みたいだと、思っていた。また、金融立国ということで、高金利でEU域内の余剰資金を吸い上げていた。さらに、ありあまる水力発電能力があるのに、さらに地熱発電に力を入れていた。

そのうち天罰が落ちるのではないかと、思っていたら、金融危機に陥った。それは金融立国を目指した罰に過ぎないと思っていたら、火山爆発。これが地熱発電に対する天罰だとすると、遺伝子管理に対する天罰は、まだ、下ってないことになる。

個人的には、火山の近くの温泉にでもつかり、富士を描いた北斎のように地獄火山図三十六景でも描いてみたいが、うっかりやけどでもすると、空港腰パン男のように国の恥になりそうなので我慢する。

magmaところで、最近、ナショナル・ジオグラフィックの特集番組で、イエロー・ストーンのマグマ溜りの話を聞いた。世界に類のない超巨大火山であり、地下100キロより下にマントルが棒状に伸びていて、60万年に一回、超巨大爆発を起こすことで知られている。

噴煙は地上3万キロに及び、メキシコ湾まで火山弾を飛ばし、地上に数キロの厚さの溶岩を蓄積し、マグマ溜りが空になると、一気に地面が直径100kmの規模で陥没し、カルデラ化する。

地球上の多くの生物種が絶滅し、今、起これば、北米大陸を中心にホモサピエンス類が10億個体いなくなると言われている。

そして、今やマグマ溜りは満タン状態で、前の爆発から64万年が経過しているとのことである。

地震大国・火山大国ではあるが、日本にいて良かったと思うべきなのだろう。1707年の富士山の大爆発から既に300年強ではあるが、仮に大噴火したとしても、単に、御殿場高原のゴルフ場でプレーができなくなるといった心配をしていればいいのだろうか。

(もっとも、溶岩流や崩れた山塊が湖や川を堰き止めると、ゴルフ場の会員権がゼロになるだけではなく、周辺の市町村全体が水没してしまい、貴重な税源である固定資産税もゼロとなるという可能性も捨てがたいが。)

旗本御家人2 幕臣たちの実像(上)

2010-04-19 00:00:47 | 歴史
hatamoto1国立公文書館で開催中の『旗本御家人2 幕臣たちの実像』に行く。前回の「旗本御家人I」では、いわば公務員である彼らの仕事を中心に特集していたが、今回の「2」では、どちらかというと、こぼれ話的な変化球が多い。

まず、幕臣の出生だが、まず「出生届」を出さなければならない。今も同じだが、当時でも国民の義務だったはず。ところが、公務員たる彼らにとっては、こどもが生まれたからと言って簡単に届を出すわけにはいかなかった。生まれた時には届を出さず、何年かしてから「丈夫届」を出すことが多かったとされる。

表向きは、「丈夫届」は、生まれた幼児が病弱の場合、すぐに亡くなる可能性も高いので、何年かして丈夫だったら、遡って、実際の年に生まれたように届けるものだった。一応合理的。



ところが、実際には、ここでサバを読むことが多かったそうだ。例えば3歳なのに13歳とかである。どうも跡取り息子(当主)が17歳未満で亡くなった場合、お家取りつぶしとされてしまうという理不尽なルールがあった。これを回避するため、とりあえず嘘でもいいから当主は17歳以上でないと、家が安定しない。

そのため、生まれてすぐに届け出すると、年齢をごまかせなくなるため、時期をずらして年齢を上げて届けていたそうだ。


それと同様の主旨だが、「急養子願」というのがある。当主に跡取りがなく、突然に死にそうになった場合、死ぬ寸前に養子を取ることが認められていた。その当主から幕府への申請書を「急養子願」という。実際には、亡くなってから慌てて申請することも多かっただろうが見て見ぬふりである。



幕府への願文書であるから、当主が署名した後、サインと呼ぶべき花押が必要なのだが、だいたいが印鑑になっているそうだ。重病で手が震え、花押が書けず、やむなく印鑑としたというようなことが書かれる。もちろん、手が震えているのではなく、もはや手が冷たくなり、硬直してしまったからに違いない。


案外、花押から印鑑へと公式文書のサイン方法が変わったのは、これが原因かもしれない。それが、日本の会社でよくあるメクラ判(=個人無責任体制)につながっているのかもしれない。

哨戒艦「天安」撃沈の今後

2010-04-18 00:00:27 | 市民A
欧州では、アイスランドの火山爆発が最大のニュースである、米国では国民皆保険の是非が最大ニュースであり、中国では犠牲者10000人ともいわれる大地震が大ニュースで、日本では村上春樹が大衆文学家になった話で持ちきりだが、隣国韓国ではそうではない。




先月26日の沈没から20日以上経ち、ようやく爆発が起きたとみられる船尾付近が引き上げられた。写真や生存者の証言によれば、船尾そのものの爆発ではなく、左舷側の爆発のようだ。魚雷または、浮遊機雷によるものと考えられてきた。

強まる北朝鮮関与疑惑=韓国政府、対応検討着手-哨戒艦沈没

 【ソウル時事】韓国海軍の哨戒艦「天安」の沈没原因に関し、北朝鮮の「軍事論評員」は17日、「(韓国が)『北関与説』をねつ造している」として、自国の関与を否定した。しかし、韓国軍民合同調査団が「外部爆発の可能性が非常に高い」との見解を示したことで、同国では北朝鮮攻撃疑惑が強まっている。韓国政府は、北朝鮮関与を想定した対応の検討を始めた。

 合同調査団は16日の記者会見で、前日引き揚げた船尾部分の切断面などを調べた結果として、外部での爆発で左舷に大きな衝撃が加わったと指摘した。爆発物が同艦に接触した可能性のほか、同艦近くでの爆発も考えられるという。韓国メディアでは北朝鮮による魚雷攻撃を疑う報道が過熱している。中央日報は「(1200トン級の)哨戒艦を真っ二つにできる魚雷を搭載できる潜水艦は北朝鮮の『サメ級』(300トン)」との専門家の見方を伝えた。

同紙によると、韓国政府は柳明桓外交通商相を中心に、北朝鮮による攻撃との結論が出た場合に備えた対応策の検討を始めた。一部から軍事的報復論も挙がっているが、時間が経過し、正当防衛に当たらないため困難との見方が支配的で、国連安保理の制裁決議を追求する案が有力だという。(2010/04/17-16:30)


もっとも、北側は、関与を否定している。

関与説は「ねつ造」=哨戒艦沈没、無関係と主張-北朝鮮
4月17日13時34分配信 時事通信

 【ソウル時事】韓国海軍の哨戒艦「天安」の沈没に関し、北朝鮮の「軍事論評員」は17日、「(韓国が)魚雷がわれわれの潜水艦や半潜水艦から発射された可能性が高いとの『北関与説』をねつ造している」と非難し、北朝鮮は同艦沈没とは無関係だと主張した。朝鮮中央通信が伝えた。北朝鮮メディアが同艦沈没に関する見解を報じたのは初めて。



魚雷の場合は、船尾のプロペラ(スクリュー)の音を目指してくるのだろうから、左舷に当たったというのはちょっとわからない。

となると。機雷。

海上演習の時などに設置した魚雷の撤去を忘れたのかもしれない。

となると、どうなるのだろう。

おわりのはじまり?

職団戦、微妙に終わる

2010-04-17 00:00:38 | しょうぎ
98回職団戦が4月11日に東京綾瀬の東京武道館で開催された。なんとなくヤドカリ選手として連続して出場しているが、今回はC級へ。まず、眠気覚ましのために、最近行われた詰将棋解答選手権の、初級問題(1~5手)と一般戦問題(7~17手)をプリントして電車の中で解くことにする。

初級は、全6題を45分、一般戦は全6題を90分で解くことになっている。が、実は、初級の第一問でてこずる。10分考えて1手詰であることに気づく。その後、全12問のうち11問を45分で解いたのだが、最後の1問は迷路に入り解けなかった。対局の合間に考えたがわからず仕舞となる。嫌な感じだ。

そして、綾瀬駅に到着し改札を出ると、そこで待ち合わせているチームが多い。要するに1つの会社から複数チームが出場する場合、駅前集合で、当日集まったメンバーを二つのチームにわけるということだ。ある幹事さんは、携帯でメンバーを確認しているが、1チーム5人必要なのに、2チームで7人しかいないようだ。どうやって2チームにまとめるつもりなのだろう。まあ、そんなお手軽チームには負けたくないものだ。



そして、詰将棋を解いた効果か、第一戦は予定時間1時間なのに、15分で快勝。途中で詰みまで読んでしまった。そして、実に第二戦も15分で快勝。どうも、軽く見られたのか、囲いもできていないのに力ずくで攻撃にくるわけだ。まあ、仲間うちでは無理攻めが通用しても、こういう場所では、無理だ。だいたい同じクラスなのだから、そんなに簡単に攻め潰せるはずがない。

二局ともあっという間に終わったので、手持ちぶさた。といって、席に座っていると、打ち破った相手が目の前にいるというのも味が悪い。広い会場内の散歩をしたり、撮影したりとか、結局、将棋大会に行ったのに1万歩も歩いてしまった。

そして問題の第三局だが、難解の極みとなる。終盤で、相手が△7七とと銀を取ったところが問題の局面。実は、この局面をコンピューターで解析すると、2種類のソフトのいずれも▲6二金を選択する。一つのソフトは「先手やや良し」だがもう一つのソフトでは、後手やや良しということになる。



ここから、▲6二飛成 △同銀 ▲7二金 △9二玉(▲6二同玉は詰)に▲9三銀と詰まないのに詰めにいったのが敗着。△9二玉に、▲8二金打 △9三玉に、一端▲7七同桂と取り、△4九飛には▲5七角打が逆詰めろになる。いずれにしても簡単には決まらない場面だった。チームもこれにて敗退となる。

2勝1敗で勝ち越したので、まあ、これが出場最終回となっても、いいかな・・



さて、4月3日の出題作の解答。



▲3三銀 △同玉 ▲2二銀 △2三玉 ▲1三銀成 △3二玉 ▲3三銀 △同玉 ▲2二飛成まで9手詰。

銀のさかさ揺りかごである。

動く将棋盤はこちら

今週の問題。



適度に難しいかも。正確な読みが必要か。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記入いただければ正誤判断。

珍味、『どろえび』を食べる(それも親子食い)

2010-04-16 00:00:08 | あじ
日本海は、れっきとした海ではあるが、地域的にまわりを陸地で取り囲まれた形状である。地中海とか、黒海とか瀬戸内海と同じではあるが、「日本」と名前を付けているにもかかわらず、日本が太平洋の方を向いているので格下に見られている。さらに最近は東シナ海、南シナ海の方にも目を向け始めているが、うっかりすると東韓海とか命名権を奪われそうである。自分にとってつまらないものでも、相手からみると垂涎というものもあるので、注意が必要だ。

貿易量そのものは太平洋岸の方が数十倍も多いのだが、『うまい魚介類』に限定すれば、むしろ日本海の方が上だ。

日本海側の町で早起きして市場に行けば、イカでもカニでも岩ガキでも山盛りだ。

それで、島根県の珍味を味わったわけだ。

『どろえび』。


知人と二人で料理屋に入った。しかし、島根の料理について特に知っていることはないので、メニューを見てちょっと困る。フランス料理みたいだ。メニュー、意味不明。

で、板さんに任せることにする。

葉:「金額決めて『おまかせ』にしたいのだけど」

板:「いくらでもいいですよ。2000円からやりますから。」

葉:「じゃ、5000円で・・」

板:「では、おまかせのほどを・・」

といった展開になったのだが、実は、一人5000円なのか、二人で5000円なのかを確認していなかったことに気づくが、板さんは直ちに複雑な作業に取り掛かり始めてしまったので、もう放任することにする。しょせんは大した話じゃないじゃないか。ぐびっ。



それで、最初に登場したご当地グルメが、この『どろえび』。塩焼きになっているが、車エビよりもかなり大きい。一見、角ばった殻が固そうだが、そのままパリパリ食べられる。

“ぼたん海老みたいだ”と思ったが口に出さなかったのだが、連れが「ぼたん海老ですか」と聞いてしまった。確かに、塩焼きなのに、少し甘い。

『どろえび!』『ほとんど市場に出ないから』とのこと。ちょっと声に怒りが。

腹の側には卵があふれている。大粒の卵。これでは親子食いである。珍味の卵まで食ったら、絶滅してしまうではないか。ワシントン条約で保護しなければならないのではないだろうか。親子食いは人間女子の類に限るべきじゃないだろうか。とか考えても、結局5分後には、野良猫の食事のように、皿の上には殻の破片すら残らないのである。



後で知ったのだが、ドロエビは海の深いところに生息していて、正式には「ハコエビ」というそうだ。胴体が箱のように四角になっているそうだ。

そして、次に登場したのが『ハタハタ』。これも日本海の名物だが、一時、激減状態になったと聞く。頃よい焼き方である。その後、岩牡蠣など計八品も登場し、最後はサザエの壺焼き。



まあ、「絶滅しそうなものを、好んで食べる」というのも、『反社会的行為』という喜びを感じるわけでもある。