オール・ワーグナー

2009-07-31 00:00:28 | 音楽(クラシック音楽他)
何となく、だらだらと夏休み風になってきて、世間の8月は、選挙関係者以外は経済活動の大停滞状態になるのではないかと心配である。

さて、毎年恒例のサマーミューザの季節になる。川崎駅前のシンフォニーホールであるミューザ川崎で3週間にわたって行われるクラシックの祭典である。

shimonoその中で下野竜也指揮、読売日本交響楽団の演奏する「オール・ワーグナー」を聴く。

実は、ワーグナーは好きじゃない。食わず嫌いでもあるのだが、何となく成金趣味のところがね。まあ、嫌いになったのはずっと昔のことか、あるいは最初から刷り込まれていたのか、よくわからない。

ただ、世の中には「ワグネリアン」という単語があって、熱烈なワーグナーファンのことを指し、日本でも三島由紀夫、松本零士氏などがそうだったようだし、一般に開業医や弁護士、新聞記者のように「守られた金持ち」が好んでいるようだ。

そう考えると、ワーグナーを選んだというのは、読売日本(よみきょう)による大総統ナベツネ氏へのゴマ摺りではないのかと頭をかすめる。

そして、ミューザは通常とは異なるお祭りなので、プレトークの時間があり、いきなり指揮者である下野竜也氏は燕尾服ではなく甚平で登場するのだが、和装の略装というのは、体の線が出てしまうわけで、超メタボ体型だったのだ。これじゃ女性にモテナイ。

というのも、下野氏の解説によれば、ワーグナーというのは友達にしたくない代表の作曲家だそうで、嘘は平気だし、女性関係もでたらめだし、金にも名誉にもうるさいし、自分が天才だと自惚れているし、すぐに友人と仲違いするそうだ。(反対に友達にしたいのが、ロッシーニだそうで、料理を作るのが上手で、ロッシーニステーキに名前を残しているそうだ。ますますメタボになりそうだが)

さらに、従来の楽器に飽き足らず、ホルンとチューダを組み合わせたワーグナーチューダとかトロンボーンより低音のバス・トロンボーンとか妙な楽器を使うわけだ。楽団に余計な出費を強いるわけだ。

嫌われ作曲家の第二位はマーラーだそうで、こちらも多種多様大量の楽器を繰り出すので、楽団泣かせもいいとこである。

この日の演目は5曲。
『ニュルンベルグのマイスタージンガー』第3幕への前奏曲
『タンホイザー』序曲
ジークフリート牧歌
『神々の黄昏』よりジークフリートの死と葬送行進曲(ニ―ベルングの指輪)
『ニュルンベルグのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲

1、2、5曲目が派手な大構成である。金管楽器と打楽器が大活躍。やはり、あまり好きになれないパターンである。

yomikyoそして、3曲目のシークフリート牧歌というのは、妻であるコジマ(リストの娘)の誕生日に、自宅の一階と二階の間の階段に楽団員を座らせて演奏させたという逸話が残っている。つまり、階段に座って演奏するには弦楽器は不向きであるのだが、こういう小品でもワーグナーは金管楽器が主旋律をリードするように作曲する。

ところで、この曲は妻の誕生日(12月25日)に演奏されたのだが、結婚したのはこの年だったそうだ。では、新婚パーティかというと、そういう新鮮さはまったくなく、既に二人の間にはこどもが二人できていた。俗に言うダブル不倫関係の清算に何年もかかったということらしい。

その二人のこどもの一人(男児)が、ジークフリートである。第4曲は、そのジークフリートが登場するが、勝手に楽曲の中でこどもを殺してしまい葬送行進曲を書いてしまう。『神々の黄昏』は「ニーベルングの指輪」という四日間もかけて演奏しなければならない超大歌劇の最終日に演じるべき部分であるが、それにしても自分のこどもが死ぬ場面を、実名入りで楽曲に利用するものだろうか。

まあ、そんなことで、ワーグナーはどうしても管楽器が中心になるため、ブラスバンド風に聞こえてしまい、ちょっと疲れた。

やはり好きになれなかったのは、氏育ちが町医者でも弁護士でも新聞記者でも貴族でもなかったからだろうか。

案外、中学校でブラスバンドをやった少年少女が、ワーグナー好きになるのかもしれない。

なぜ辞めたのか?推理。

2009-07-30 00:00:01 | 市民A
わしらが村の村長が辞めた。

nakataというのと、構造上は同じだが、人口360万人の横浜市の中田市長が突然、辞意を表明し、数日後に辞表を提出した。総選挙と同時に市長選挙が行われると、選挙費用が10億円浮くそうだ。

すぐに解散して辞めるはずの首相がなかなか辞めなかったのとは、逆である。

しかし、なぜ?

まず、投票所の費用が浮くというのも、一見そうだが、任期を短くしたため、8か月分選挙が前倒しになってしまったわけだ。長い目で選挙費用を見れば、マイナスの面もある。

また、来年度予算とかAPECがあるから、市政の引き継ぎを円滑に進めるため、とも言っているようだが、それも変な話で、次の市長は選挙で選ばれるのだから、論理的には中田市政をそのまま引き継ぐかどうか決まっていないわけだ。

ある筋では、市役所内のある女性が、次の後継者と言われているようだが、そんな決め方でいいのだろうか。

となると、これも言われている横浜開港150周年記念事業『開国博Y150』の失敗の責任ということだろうか。9月27日までの会期中の有料入場者目標500万人に対して、7月27日で64万人。この分だと、200万人にも届きそうもない。

だいたい、有料エリアは特に面白くないし、無料エリアもイマイチである。

まさか、7月21日付、弊「Y150。リアルに危険なラ・マシン」を読んで、メインプログラムである鉄製の巨大蜘蛛「ラ・マシン」が、会期が終わるまでには大トラブルに襲われ、人身事故が発生するに違いない、という主旨にショックを受け、あらかじめ責任逃れで退職しておこうと思ったのだろうか。

また、市長は女性問題2件を抱えていて法廷闘争中らしく、こういう記事もスポーツ紙にあった。

元愛人?が横浜市役所に出現!…中田市長辞任表明
2009年07月29日08時15分 /

横浜市の中田宏市長(44)が辞任を表明した28日、中田市長の愛人だったと主張している元クラブホステスの奈々さん=仮名=(31)が横浜市役所に現れた。「(市役所に来たのは)本当に偶然。縁があるのかなあ」と話した奈々さん。会見場前にスタンバイし、中田氏を待った。だが、中田氏は市役所の職員らに囲まれた状態で現れたため、接触できず。目も合わせることができなかった。奈々さんは中田氏の辞職について「悪いことをして追い込まれたんだなと思った」と推測。「一言『お疲れさまです』と言いたかった」と悔しがった。

仮に中田氏が衆院選に出馬した場合は、同じ選挙区から立候補することを示唆した。一方の中田氏は会見で、奈々さんとの裁判と辞職の関係について問われ「全くない。事実無根、ねつ造のたぐいの話を法廷で争っている」と説明した。


仮名が「奈々さん」というのも変だが、具体的には、何を訴えているのだろうか。愛人であったかなかったかというのは、実態とその対価があったかどうかになるが、それで、何を問題にしているのだろうか。手切れ金の額?あるいは結婚詐欺?

だが、結婚を前提に交際していたというケースは結婚詐欺の典型だが、結婚を前提に愛人になってお小遣いをもらうことになっていた、というのはあまり聞かない話である。

なんとなく、「グレー=白」ということになるのではないだろうか。

では、なぜ辞めた後、衆議院選挙に立候補しないのだろうか。

表むきは、新たな政治団体で・・というように言っているのだが、ある人に聞くと、まったく別の作戦を考えているのではないか、とも言われる。

とりあえず、衆議院議員にならずに、勝ち馬に乗って、いきなり大臣(たとえば総務大臣とか)を目指す(どちらの政党でも構わないのだろう)。次に、来年行われる参議院議員選挙に立候補して参議院に席を置く。(あるいは、新政権が1年で破たんして、衆参同時選挙になるかもしれない。)

その後、機を見て、総理を目指す。

当たっていたら、ごめん!!

光の振動・藤田新展

2009-07-29 00:00:54 | 美術館・博物館・工芸品
横浜高島屋画廊で開かれていた藤田新展の最終日に顔を出す。余裕時間が20分しかなかったので、画家とは二言三言だけ。藤田新氏はガラス工芸家の藤田喬平氏の二男である。世襲制というのかな。



まあ芸術家親子とくくってしまえばそれまでだが、親はガラス彫刻でさらに色鮮やか。立体的、かつ色彩多用型。さらに、工房をイタリアのムラーノ島に構えていたように国際派である。

一方、子の方は絵画が専門なので平面的。さらに色調は年を重ねるにつけ、徐々に使う絵の具が少なくなって、二色刷りに近付いている。さらに、素材や技法的には日本画のテクニックを多用。

よくいえば、晩年のモネが向かっていた方向に共通性がある。(もっとも、モネの使用色彩数が年齢とともに減っていったのは、視力が落ちていったからだ、というのが定説だが)

個人的に知っているのは、ちょっとした理由だが、あまり個人的にのみ知っていることは触れないことにしている。

今回の展示のテーマの「光の振動」は、樹木や花のつぼみのまわりを取り囲むコロナ状の光が、ゆらいでいる状態を表現したものが中心である。「啓示」とか「新生」といった題名が与えられている。

「啓示」ではモミの木の周りを取り囲む光の力が空に向かってゆらいでいる。思わずゴッホの糸杉を連想する。

また「生気」は連作であるが、ライトブルーの広がりの中に白く短い直線が糸のように何本もランダム(あるいは整然と)に描かれている。川の中を泳ぐメダカ(シラウオ)と感じないでもないし、あるいはどこかで泳ぐ男性の精子と見えなくもない。

そして、ある一枚の「生気」の前には霊感スポットが設置されていて、その絵の前に立って掌を光源にかざすと、絵からのエネルギーが掌にうつって金色の粒が見えるようになるということになっている。ほぼほとんどの人にその現象があらわれるそうである。

そして、さっそく実験。たまたま、前のお客様(中年後期の女性)が長い時間、掌をかざしていたのだが、こちらも時間がないので、並べて手のひらをかざしていると、その女性が、「あっ光っている」と言われるわけだ。おもむろに画家もやってきて、「ほら、ここにも」「そこにも光るものが・・」と言うのだが、私の眼には「汗の粒」のようにしか見えないわけだ。掌の汗は、普通の汗ではなく、別の汗腺から出るもので加齢臭のもとになるわけだ。私の方は、変化なし。

まあ、そんなことを画家に言うわけにもいかないので、「何か、危険な放射能入りの絵の具を使っているんじゃないの」と冗談のつもりで言ったのだが、「ふふふ・・」と笑うだけである。案外、そうかもしれない。

実は、夏の暑さ対策で、何度もサウナに行っている。あまり汗は出ないのである。しかもゴルフのやりすぎで掌の皮が厚くなっているのだろう。


さて、デパートの画廊で開かれている以上、作品は売り物である。金額は6桁から7桁である。小さい作品はクレジットカードの使用上限以下だろう。大きな方は、買った絵を担保に入れて銀行借入で絵画購入費にあてることができるのかどうか。

よくわからない。

候補者A

2009-07-28 00:00:53 | 市民A
朝、自宅近くの小さな駅で、自民党からの立候補予定者がチラシを配っていた。32歳。2005年の選挙では、南関東ブロックの比例順位34番に名前が書かれていたのが、幸運にも当選。35番が杉村大蔵氏である。36番も当選。いわゆる「チルドレン」である。

しかし、なぜか麻生派に入ったために、この地区の麻生派の議員の引退で、運よく小選挙区の正規候補者に昇格する。まあ、そのための麻生派なのだろう。開成中学から東大、そして大蔵省というエリートコースである。自宅は目黒区から選挙区の港北区に引っ越したようだ。

自分の政策をパンフレットにして配っている。読むと、「日本の構造の抜本的改革」「小さな政府」「規制緩和」「国際競争力」「中小企業支援」「弱者救済」というような内容である。つまり、小泉=竹中路線の第三段階移行(小さな政府→競争力アップ→税源確保)といったコースである。

一方、予定されている民主党側からの候補者は60歳の政治学の教授。というか元々教授が代議士になって「元教授」だったものが、前回選挙で落選し、大学に戻って教授になっている。この方は、菅グループに所属し、民主党内でも1、2を争う「超左翼」である。北朝鮮制裁には反対し、アフガンに行ってタリバンと会談したこともある。ブログが炎上したこともあるそうだ。

つまり、「チルドレン×左翼」というかなりの極端選挙区になりそうなのである。

となると、問題は、両党のマニフェストと両候補の主張ということになる。

自民党のマニフェストは、まだ公表されていないが民主党の方は7月27日夕方、公表されたので、少し時間をかけて読んでみた。なにしろ、政策が大きく変わると、所属している企業グループの損得に影響しそうだし、さらに、個人としてもどちらに投票すべきかよくわからない。

結論から言うと、この地区の自民党候補の政策はほぼ民主党のマニフェストに近い、ということがいえるわけだ。マニフェストの前段部分のバラマキ部分は唐突な感じがあるが、後半部分の「日本の構造」のところは、民主党案は「構造改革派」の主張に近いところが多いと感じる。

特に違和感があったのは、日米関係の中で、米国との間でFTAを結ぶというところ。かなりの驚きである。まず、FTAは条約なのだから相手国の合意が必要で、米国にその気があるかどうかであるが、工業製品は相互に無関税に近いので、問題は農業分野であるが、日本からアメリカに輸出する農作物は稀なのだから、コメや牛肉の輸入自由化ということを意味する。だからこそ、農家に個別補償金を払おうという発想なのかもしれないが、補助金は問題解決を遅らせるだけということもできる。

よく読むと最低賃金も1000円は将来の目標値であって、当面は800円というのだから大した話じゃない。職業訓練補助10万円は失業保険が切れた人が対象になるが、失業保険の条件として並行的に職業訓練を強制した方がいいかもしれない。

北朝鮮問題では、「核を持たせない」という一般論だけが書かれているが、経済制裁に賛成なのか反対なのかもよくわからない。(後半は具体性のない話が多い)

目玉の高速無料化は、眼先過ぎると思うわけで、それでは採算性という概念がなくなり、将来の高速建設の指針がなくなる・・

こども手当は賛成だが、一方で財源である。天下りを禁止したり無駄を省くというが、本質的には大賛成だが、単に余った役人を失業者にするだけではデフレ社会に突入するのが関の山だ。首になった役人が職業訓練を受けても、あの傲慢な態度では民間企業には無理である。

経済政策では、公取の規制強化が書かれている。100万社起業政策というのもあるが、無理だろう。大企業への支援は書かれていないが、簡単には方針転換できない不調の大企業対策にはあまり触れられていない。

というようなことで、後は自民党のマニフェストである。

やはり、不明な点は、それぞれの立候補者にメールで聞くしかないだろう。

ニコイチ、ブラック医院

2009-07-27 00:00:27 | 書評
urabusiness『現代ニッポン・裏ビジネス』というとんでもない本を読んでしまった。

要するに、法律の向こう側で仕事をする人の特集である。

まず、ニコイチ。二個の車から一個の車を作るからニコイチというそうだ。事故車や盗難車のことである。

次に、悪徳医者列伝。まずヤクザ御用達。指詰めの後始末とかピストルで撃たれた場合に世話になる。次にプチ整形であれこれ売り込む。患者の注文に応じて、介護の必要のない患者に要介護との診断書を書く。インチキ医師、スケベ医師、・・・。

アングラ商品の販売では、ニセブランドはかわいいほうで、伸縮警棒からカイザーナックルまで。北朝鮮グッズなど。

それと、賭博行為の数々。

この本は、とても面白いのだが、あまり電車内で読むことは勧められない。

また、実際に何かやろうと思わないほうがいいだろう。単に、本を読むだけ。

スカイ アクアリウムへ

2009-07-26 00:00:51 | 美術館・博物館・工芸品
rokuhill1水族館好きはこどもの頃からで、上野動物園の奥の方にある爬虫類水族館エリアに時々行っていた。もっとも、爬虫類の王様であるワニの凶悪さに惹かれていたのかもしれないと自分の内面を分析していたのだが、最近になってもあちこちの水族館に足を運んでいる。

やはり純粋に魚が泳ぐ姿が好きなのだろう。それならダイビングでもすればいいのだが、10年ほど前に脳ドックをした時に硬膜の一部が厚くなっていることを医師に指摘され、「ダイビングは止めた方がいい」と言われたわけだ。実際は、ス○○ダイビングと言われたのだが、スカイダイビングかスキンダイビングかはっきり聞き取れなかったのだが、当面どちらも好んでやるつもりはない。

そして、本来、スカイダイビング的高度の場所にある六本木ヒルズ52階で開催中の「スカイ アクアリウムⅢ」を覗くことになる。ライブドア社からのプレゼント。そして、何か感想を書くという約束である。

rokuhill4本当は、夜の暗闇の中で東京の夜景を背景に熱帯魚の濃密な色彩を楽しめばいいのだが、残念ながら夜の予定は、タイト過ぎである。濃密な色彩のドレスの女性は地面に近いところで楽しむことにして、ヒルズ52階へは週末の昼間に行くことになる。

まず、カリビアンブルーホールという水槽は水を透かして東京の遠景が見えるわけだ。かねがね、ヒルズの上から見る景色は夜景より昼景の方がいいのではないかと思っていた。今回は、さらにスカイデッキというビルの最上階の屋根の上に出てみた。早い話が、ヘリポートである。ビルが火災になったりした時に、逃げ遅れた人がビルの屋上からヘリで脱出するための場所を、展望台にしている。その時、いつまで待ってもヘリがこない場合はスカイダイビングになるが、脳ドックの先生から禁止されている。

rokuhill2そして、次のエリアからは、暗闇の世界である。つまり、昼に来ても夜に来ても同じことである。様々な色彩で彩られた水槽の中に美しい大小の熱帯魚が遊泳している。水槽の中の照明を担当する会社は「モリテック」社であるが、以前は光ケーブル関連事業をしていて、ネットバブルで株価が超激落したのだが、ずいぶん違う方向に事業展開している。

それと、今回の展示では、魚の説明書きは一切行われていない。何と言う名前の魚だろうかと考えても、誰もわからないのである。が、どういうものかすぐ分かったものがある。


rokuhill3ウミヘビである。ウミヘビには爬虫類の種と魚類の種がある。たぶん、魚類の方が展示されていたのだと思う。ウナギやアナゴの親戚である。

そして、金魚の美を追求する「ジャポニスム・ギャラリー」がある。金魚というのも大量に群泳する姿は、いささか苦手である。全体主義みたいだから。特に、最近の日本人は、この「金魚の群泳」と同じである。

会場内はストロボを使わなければ撮影は自由である。ただし、光源を使う水族館の一つの華は「くらげの遊泳のライトアップ」であるが、ストロボがないと、きれいに写らない。

rokuhill5

将棋ペンクラブ大賞

2009-07-25 00:00:33 | しょうぎ
第21回将棋ペンクラブ大賞が決まる。

観戦記部門の大賞には、後藤元気氏(ごとげん氏)

先日、某パーティで詰将棋の解説会の時に、少し言葉を交わさせてもらったのだが、その時は、非常に柔らかな話し方をされる方だと思った。悪く言うと優柔不断ということになるのだが、現代のように世界の価値観が10年刻みで変わるような時代には、「柔軟性」というのが、あらゆる人間に求められているのだろう。

実は、彼の師匠とはかなり以前から親しくしていて、彼が、奨励会で苦闘を続けているときに、何度も「後藤君がなかなか上がれなくて、・・」とおおいに気遣っていたようだった。

調べなおすと、彼が入会したのが平成5年15歳。同門では同期に松尾七段。一年前が宮田五段、翌年が渡辺竜王である。この平成5年入会というのは、多くがプロになった年で、30名中、9名が男子プロになり3名が女子プロになっている。碓井・矢内の両強豪もこの年の入会で、後に職場結婚した千葉プロも同期であるようだ。奨励会の時に勝星の借りでもあったのだろうか(冗)。

四段になれないことが、かなり濃厚になってきた頃、あまりに師匠が悩んでいたようなので、次の針路のこととか勝手に内々に探してみたのだが、そういうのは、色々と難しいわけだ。

かといって、縁故なしでは、学歴中卒ということにしかならないので、これも大変である。若い人で奨励会有段で退会した人たちを何人か知っているが、いまだに瀬川路線を目指している人たちには、非常に大変なことになっているような気がする。


さて、ごとげん氏が受賞したのは、棋王戦本戦の深浦×行方戦。残念ながら、その記事を読んでいないので、本人の要約を読むことにする。

彼の評が的確なのは、プロによる複雑怪奇な解説を、一般的な言葉と常識的な分量にサマリーする能力だと思うのだが、最近は、よくタイトル戦のネット中継などで、同時進行的にショートコメントを入れているようだ。


しかし、辞めた弟子にメシを食わせたいのは、師匠の基本的願望であるわけで、最近でも色々と事件があったようだが、なんとかなっているようである。

同じく将棋ペンクラブ大賞の話題賞に渡辺めぐみ氏の「妻の一言」が選ばれたこともそうだが、竜王位を死守し続ける一門のエンジンが健在だからこそ、勢力拡大方向に向かっているのだろうか。

そういえば、きょう7月25日は、竜王とごとげん氏の共同作業でやっと完成した大著「永世竜王への軌跡」の発売日ということであるので、是非、書店で探してもらうといいかもしれない(もし配本されていればだが)。

しかし、先日の一門のパーティのときの来賓で、タイトル戦連続出場中の木村八段の談によれば、「この一門に痛い目にあっている人たちは多いので、いつか仕返しをしたいと思っている人たちには、十分に注意をした方がいい。」ということらしいのである。


A1さて、7月11日出題作の解答。

▲2五金 △同桂 ▲2三馬 △同玉 ▲5三飛 △1四玉 ▲3四飛成 △2四角(途中図1) ▲同竜 △同銀上 ▲2三角 △1三玉 ▲1四香 △2二玉 ▲1二香成 △同金 ▲3二角成 △1一玉 ▲5一飛成まで19手詰

構造的には、逃げ道封鎖→二枚飛車攻撃→逆王手で対抗→コーナーに追い詰めるという流れである。途中の△2四角▲同竜を△同銀引では▲1六香△1五銀▲2三角△2四玉▲3三飛成までである。

a2ところで、解答陣の中から、「中合問題ではないのか」という声もあったように、ほとんど同型の問題(改作図)がある。攻め方の6一とを受け方の6一金に変えたのだが、こちらの方が難解である。

しかし、厳密には17手目と19手目の手順前後が成り立つという小キズがある。もし、余裕があれば、プリーズ・チャレンジ!




a01そして、今週の問題は、軽い作品。目新しい筋はないので、さっとやっつけてくだされ。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を入れていただければ、正誤判断。

嫌な製品

2009-07-24 06:36:00 | マーケティング
以前から、「簡単にできるだろうけど、あったら困るサービス」というものの典型が、個人の動静把握機能。もともとタクシーの位置情報なんかは、タクシー会社にとって、合理的な空車の配置という収益モデルがあるので有効なのだろうが、それを人間に取り付けると、いきなり奴隷管理システム的になる。

nikkei から

NECビッグローブ、携帯GPSで社員の位置把握できる法人向けサービス

NECビッグローブ(東京・品川)は、携帯電話の全地球測位システム(GPS)機能で、社員などの位置情報を把握できる法人向けサービスを始めたと発表した。ナビッピドットコム(東京・港、篠崎登社長)と協業し、ネット経由でソフトを提供する「SaaS(サース)」方式で提供。低価格の月額制で導入可能で、営業要員の進ちょく状況管理や介護施設の人員管理での利用を見込む。

ナビッピドットコムのサービス「位置情報ASPサービスDP2」をビッグローブの法人向けネットサービスの一つとして発売した。社員など位置情報を把握したい人のGPS機能付き携帯に、専用ソフトをダウンロードして使う。


要するに、携帯に付いているGPS機能は、普通、携帯を持っているユーザーが、自己の目的の為に利用するわけだ。例えば、その場所の天気予報とか、目的地にいくまでの最短経路とか、合コンの二次会が発展していった場合、急遽近くの高級ホテルを予約したりとか、そんな目的だ。

ところが、その位置情報探索を会社が社員に対して行おうというわけだ。

「ちょっとお客さま回りで外出します」と言って出て行った社員の動静を上司の課長が、机の上のパソコンで監視するわけだ。

ということは、正しい目的で外出しない社員がたくさんいる、ということだろうか。そういうのは、なかなか統計が取れないので想像するしかないのだろうが、まったく余計なお世話だろう。

もちろん会社貸与のパソコンでも通勤途中でも持ち歩いている人が殆んどなのだろうが、寄り道情報とか全部会社のホストコンピューターに記録されてしまうわけだ。

少し、憲法に規定されている基本的人権に抵触するような感じが漂うわけだ。

しかも、位置情報を知られたくない社員たちは、コソコソとパチ屋や悪所通いなどに興じている小心者から、もっと巨悪をたくらむ企業犯罪者に至るまで、こういう小賢しいワナに嵌るとは到底思えないのである。

携帯をデスクの引き出しに入れておけばいいわけだ。

あるいは、携帯を持たないで外出した場合、あるいは電波の届かない場所に行った場合は、欠勤扱いとかになるのだろうか。

「アリバイ作り」用に、携帯電話だけを分単位で預けておける「携帯パーキング」とかできるのではないだろうか。

Y150。電話で、おいおい

2009-07-23 00:00:33 | 美術館・博物館・工芸品
会場内のブースの一つが『横浜ものがたり』。ペリーの食べた日本食フルコースのメニューも公開されている。



全12品。いきなり水引がかけられた『長熨斗』からだが、干しアワビを薄くのばしたものだが、食べたのだろうか。よく結納に使うものだが、結納の儀でも齧ったりはしないだろう。

魚介類を中心に煮魚、焼き魚、刺身など。肉はでないし、飯も出ない。米国軍人から
すれば、「いつ、パンは出るのだろうか」など思ったかもしれない。

天ぷらが出ないのは、徳川家康が天ぷらに当たって死んだという説があるからだろうか。

現在価格で言うと、3万円位ではないだろうか。


そして、日本初の電話機が紹介されていた。受話器を取ると声が聞こえてくる。

「おいおい」

おっと・・。電話でいきなり「おいおい」とは、あなたの会社の社長くらいかもしれないが、どうしてかというと、電話システムには長い間、「交換手」という職業の方がいたわけだ。

そして、その職業は、当初は男性の仕事だったわけだ。だから、「おいおい」だった。

しかし、そのうち交換手は女性の仕事になって、「もしもし」ということになったそうだ。だから日常的に使っている「もしもし」というのは、相手に対しては話すことばではなく、交換手に対してしゃべることばであるわけなのだ。


どうして、交換手が女性になったかというと、電電公社は男性の方は大量採用して電柱電線担当(ある侮辱的なカタカナもあるが)にしたため、女性社員の方を交換業務に従事させたという奇説もある。結果として数十万人の巨大会社になった。


ところで、電話の「おいっ」で思い出したのだが、国土交通省の大臣秘書をしていたことのある女性と飲んでいた時に聞いたのだが、「おいっ、カメイだ。大臣いるかっ!」という電話が、よくあるそうだ。

カメイという名の偉い先生は三人いるそうで、「どのカメイ先生からの電話なのか」を、声の違いだけで聞き分けなければならなかったとのこと。

Y150。リアルに危険なラ・マシン

2009-07-22 00:00:41 | 美術館・博物館・工芸品
「横浜開国博 Y+150」略してY150が開かれている。1859年にペリーが横浜の海岸に上陸し、日米修好通商条約を締結し、ついでに相撲見学や、日本料理フルコースを食べた時から150年が経過したことを記念している。

そのあたりの史実は、かなり克明に記録が残っているのに、「昭和の歴史の方が謎が多い」というのは、薩長政権とそれをひきずったこの150年の政治後進性を示しているようだが、きょうは省略。



横浜市民なので、巨額の税金をつぎこんだはずのこのイベントに行かない手はないが、市民だからといって無料チケットが配布されるわけでもない。まず、ベイサイドエリアの第一会場に入るべきところ、親切な地図がないために、第三会場から入ることになる。そして、第二会場、第一会場と逆コースを歩くことになる。実は、この逆コースの方が、徐々に盛り上がっていいかもしれない。

で、第一会場「Y150はじまりの森」には、ある動物が住んでいる。

『巨大くも』だ。“La Machine”。ラ・マシンとフランス語で読むようだ。昨年から、フランスやイギリス各地で、路上パレードをしてきたパフォーマンスマシーンである。

このラ・マシンがY150の花であるのは、だいたいわかっていたのだが、横浜の町のどこにいつ出没するのか、よくわからなかった。なにしろ横浜で路上パフォーマンスといえば、『野毛パントマイム』というような、お祭りもある。

ところが、この第一会場の中央に、どかっと座っていたのだ。祭りの神輿みたいなものだろうか。

しかし、近くで見ると、まったく事前イメージと異なっていた。



日本に住んでいると、こういうものは、「電気仕掛けで、それ自体が動く、ロボット」のようなものをイメージするわけだ。電気自動車のようなものだ。動きをよくするために、手足はプラスティック製で、危険防止のためにセンサーがついていて・・

ところが、電気自動車は第三会場に日産が出品していて、夢でも何でもないわけ。

ラ・マシンは蜘蛛の形をしている部分と、その蜘蛛を太い鉄骨で起重操作する車両本体とに分かれていたわけだ。簡単に言うと「シャベルカー」である。しかも、足は8本あるのだが、その1本ずつに足の根元に操作員(捜査員ではない)が座っていて、各自適当に足を上げたり下ろしたりするわけだ。本物の蜘蛛の場合、脳みそは一つなので、合理的に動物的な動きになるのだが、ラ・マシンの動きは、足が勝手に動くので、きわめて不気味である。

さらに、足は鉄製で、ガッチャンガッチャンと路面にぶつかるのだから、危険この上もない。時々、水や霧を吹きかけるのだが、そんなの怖くはない。

しかも、だんだんわかってきたのだが、この蜘蛛は、この第一会場の中を動くだけで、フランスやイギリスでのように道路を歩くことはないわけだ。

国土交通省の頭の固い役人が、許可しなかったのだろう。

広場で暴れまわる方が危険だが、広場の管轄は横浜市であって、国土交通省ではないのだろう。実際には、広場の中で蜘蛛の子を散らすように逃げ回る見物客に水を吹きかけて追い散らしている。テヘラン市内の放水車みたいだ。



見物の特等席は、広場の中にある「黒船レストラン」である。ここは、逃げ回らなくてもいい。広場に面した席に陣取り、カメラ片手にビールを飲む。チャーシュー丼を注文したら、ごはんとチャーシューとザーサイが別盛りででてきたので、盛り付けを直したら、うまそうになった。事実、これの方がうまい。



ところが、ラ・マシンはその黒船レストランの天井のテントを止めている細い鉄パイプの上も鉄の足で踏みつけるのである。本当に危険だ。まだ、会期は9月27日まであるのだから、会場のあちこちが金属疲労で崩壊するかもしれない。たぶん、まちがいなく犠牲者が出るだろうと予言しておく。というか、確信している。



小説作法ABC・島田雅彦著

2009-07-21 00:00:44 | 書評
sahou小説家が、「小説の書き方読本」を書く、というのは案外、例がない。「文章読本」を書いたのは三島由紀夫や谷崎潤一郎。ただし、小説と文章というのは、森と木の関係であり、木の育て方と森の育て方はまったく異なるのだから、文章読本は小説読本とは別物である。

小説読本と言えば、むしろ江藤淳・坪内逍遥のように評論家の手になるものが多いような気がする。

なにしろ、作家が小説の書き方を披露すると、その本の内容と同じような小説家の卵が、カマキリのように大量発生し、いずれ作家が誕生し、元の作家のファン層、つまり飯の糧を食い合う可能性があるからだ。

さて、島田雅彦と言えば、当代一とは言い切れないが、当代二・三を争う人気作家である。と書くと、本人から火炎放射攻撃を受けそうだが、例えば村上春樹。

『1Q84』BOOK1とBOOK2の抱き合わせ販売で、ぐんぐんと売上を伸ばしていて、たぶん他の作家は、羨望と嫉妬と怨嗟の気持ちでいっぱいだろう。この不況では、個人の書籍購入費には限度があるだろうから、ある本を買うとある本を買わなくなるということが想定されるわけだ。

実は、この『小説作法ABC』にも村上春樹(&村上龍)が度々登場し、あまり良い評価は受けていない。

例えば、

村上春樹も最も成功したグローバル商品です。グローバル商品を作る秘訣は誰も傷つけず、万人を心地よくすることにあります。それは、作品のディズニーランド化を図ることだといってもいい。・・・・・村上ワールドは理想化された日本の箱庭でもあり、いかにアメリカを日本に取り込み、無害化するか、そのノウハウを示すモデルになっています。・・・・ロシアや中国で、村上春樹が流行るのはそうした事情によります。


というようなことで、本書は「初心者のための小説の書き方」として読むのではなく、「小説家が同業者のことを、内心ではどう思っているか」という観点で読むと、かなり面白いのではないかと思うわけだ。

さらに、本書で絶賛されている作家は古井由吉氏。島田雅彦氏とは、マーケットが異なるわけだ。また、女流作家についての記載は、非常に少ない。やはり、別マーケットなのだろう。


ところが、本書のことは、2009年3月に初版が出た時から新潮社の新刊書紹介雑誌『波』で知っていたが、書店でいくら探しても見つからなかったわけだ。

結局は、新潮社に注文することになったのだが、皮肉な話だが、別の意味で、一時、入手が難しかった『1Q84』BOOK1、BOOK2と同時に頼んだところ、三冊同梱され送られてきたわけだ。呉舟同越。

ただし、島田氏の名誉のために書いておくと、一番上に重ねられていたのは『小説作法ABC』であったわけだ。(一回り小さい新潮選書だったからかもしれないが)

パインワインは新酒に限る

2009-07-20 00:00:14 | あじ
旅行の思い出というのは、写真とか記念品といった長期固定化される物体によって記憶されるものと、旅行へ行った時そのものの記憶によって大脳に固定化されるものがあるだろうが、その中間が、現地で調達した食べ物としてのお土産だろうか。

4月の沖縄旅行の時に、大量に買ってきた食材も、残っているのは黒糖が少し(一気に食べ尽くすと病気になるだろうから)と、名護のパイナップル園で試飲してから買ったパイナップル・ワインだけになる。

pinewine
3連休に、パインワインを開栓して飲んだのだが、・・

ちょっとね、・・・・・。

パイナップル園で試飲したのは、できたての新酒だったのかもしれない。

そして、新酒の常として、もっともフルーティなのは、できたての時ということなのだろうか。

一言でいうと、パイナップルの芯の味がするわけだ。

日食観察グッズ

2009-07-19 00:00:13 | マーケティング
nisshoku2こどもの頃に、濃色のプラスティックの下敷きを使って、日食を見た記憶があるのだが、いつの頃だったろうか。

最近、眼を傷めるから専用のグッズを使わないといけないという話になっている

「下敷き」という商品が消滅しているのかもしれない。そもそも、小学校の机は木製であって、表面は傷だらけで平らじゃなかったから、下敷きがないと字を書くことができない状況だった。木製の机は、刑務所製と決まっていたようなもので、団塊世代用の粗製乱造方式が、老朽化して生き残っていたのだろう。ナイフで「バカ」とか彫られていたような。

そのうち、金属製の机に置き換わっていき、下敷きは、その用途を失ったのだろう。

下敷きを使って鉛筆で文字を書くと、どうしても字が巧く書けなかった。


ということで、日食観測だが、このメガネが相次いで売り切れてしまったようだ。どうも、関東が梅雨明け宣言してから、急に日食の話になって、在庫が払底したようだ。

インフルエンザのマスクと同じである。

調べると、525円のサングラスというのが人気商品だったようだが、それが売切れてしまう。

その後、「公認・日食メガネ」というのが登場する。世界天文年2009日本委員会から公認太陽観察用具としてお墨付きになる。1500円。これも売り切れてしまう。

そして、次に現れたのが,amazon特製の日食メガネである。「公認」ではないが、1500円。思い切りamazonのロゴ入りであるが、ついに注文クリックをする。

suncatchそして、二日後に到着。

その後、この商品も売り切れる。

ところで、これ、自分で使うのではなく、ある施設のこどもたちに寄付することになる。普通の学校なら、日食の時間には校庭で理科の観察ということになるのだろうけど、世間はいろいろと広いわけだ。まあ、自己欺瞞と言われたくないけど。


関東では、午前10時頃から食がはじまり、ピークが11時過ぎで12時30分頃終わる。太陽の4分の3ほどが欠けるのだが、太陽の光は偉大なので、このグラスを使わないと、日食が起きていることすら、はっきりわからないだろう。

もちろん、このグラスは、仕事が終われば何の役にも立たないだろう。ゴルフのパターの時、ラインが良く見えるとかあれば、人気再沸騰商品として再利用できるのだけど。

ところが、新しい情報である。

配布の日食観測グラスに欠陥=失明の恐れ、注意呼び掛け-科技機構

22日に全国で観測される日食を前に、科学技術振興機構(JST)が全国の小中学校や科学館などに配布した日食観測用グラス約4万8000個の一部に、遮光プレートが脱落する欠陥があったことが17日、分かった。遮光プレートなしでの観測は失明の恐れもあるため、JSTは「異常のあるグラスは絶対に使わないで」と呼び掛けている。(時事通信)

amazonブランドも同じメーカーのようだ・・・・


さて、世界的にみても皆既日食が見えるゾーンは限られていて、インド西部から北部を通り、中国南部の武漢から上海、そしてトカラ列島から奄美北部、屋久島、種子島。そして、かなり離れて硫黄島からマーシャル諸島だそうである。

このうち、スモッグのきつい上海と雨の多い屋久島、上陸禁止の硫黄島を除くと、トカラ列島、奄美あたりが絶好の観測ポジションであるようだが、別の問題があるそうだ。

トカラ列島の日食観察者は火山に注意を 気象庁が呼び掛け
配信元サンケイ 09/07/16 18:37

気象庁の桜井邦雄長官は16日の定例記者会見で、22日に皆既日食を観察できる鹿児島県・トカラ列島の諏訪之瀬島などで活発な火山活動が続いているとして「日食の観察に訪れる人は、火山情報に十分注意してほしい」と呼び掛けた。


suncatcherx眼を焼かれないように注意していても、全身が焼けてしまう可能性があるわけだ。大雪山の低温から、やっと生還したのに、ヒグマに襲われるようなものだろうか。

全国詰将棋大会は、欠席ということに

2009-07-18 06:16:15 | しょうぎ
7月19日の第25回全国詰将棋大会。色々と調整したけれど、欠席することにする。簡単な単語がある。「多忙」。

3連休の中日であるのだが、前と後ろに所要があって、さらに、最近、色々と用件に追われているし、夏のゴルフがいくつかあって、体力も途切れがち。

それと、うっすら感じているのが、「プロ将棋界の分裂・混迷状況」の影響が、詰将棋界にも底辺に漂っているような気配を感じていて、「虎穴に入らずんば、虎には噛まれず」ということである。事前には参加を予定していた北尾さんが、その後、LPSAを退団した後でも会場に現れ出演料を手にするのかどうか興味もあるのだが、行かずとも後で誰かがレポートするに違いないだろう。

二次会の懇親会の席で、詰将棋パラダイス誌の担当の方々に、金十封とか渡して、掲載確率を高めるということも頭をかすめたが、逆効果だろうし。


さらに、当日行われる「どうぶつ将棋トーナメント」に備え、頭の中だけで「目隠しどうぶつ将棋」でトレーニングを続けていたのだが、いつまでたっても10手超で先手が負けてしまう。



せっかく、詰将棋作家が大量に集まるのだから、「即興握詰選手権」でも開けば、高名作家の製作過程がわかって面白いのではないだろうか。

(ついでに、場所中の大相撲名古屋場所の8日目にあたるので、8連敗で負け越して引退を表明する横綱・大関陣に野次をあびせようかと思っていたが、どうも今場所も互助会が鉄板のようだ。日馬富士も「長寿大関の会」に逆戻りだろう。)



後記:詰将棋大会には無関係だが、様々な意見の多い連盟のHPのトップページだが、棋戦情報では「王位戦五番勝負」と記載されていた。

確か以前は七番勝負だったはずだ。7番勝負のつもりで、最初に3連敗してから、油断させて、4連勝しようという「ワタナベ式作戦」を考えていると、3連敗した段階で、突如「シリーズ終了」ということになる。まあ、どっちでもいいのだが。HPに限らず、作業をシステマティックにできる人が少ないのだろうか。

*第一局が終わった翌日には7番勝負に修正されていた。


さて、7月4日出題の詰将棋の解答。



▲4三香 △同銀 ▲4二飛 △3一玉 ▲4三飛成 △2一玉 ▲3一角成(途中図1)△同銀 ▲2三竜 △2二銀(途中図2) ▲3三桂 △3一玉 ▲3二銀 △4二玉 ▲4一桂成まで15手詰。



途中図1と途中図2のところがポイントになる。

総手数15手の割りに、強烈な決め手が少ないように思える。どちらかというと、流れる小川のせせらぎのようなイメージである。

小川の長さを長くすることはできても、しょせんは長い小川が続くだけなので、まあこんなものかな。

動く将棋盤は、こちら。




今週の問題も、なんとなく「未完成感」が漂う感じがある。いつものように「派手」な展開。

わかったと思われた方は、コメント欄に、最終手と手数と酷評をいただければ、正誤判断。

スーパーパナソニック(3)

2009-07-17 00:00:55 | マーケティング
まず、この日から、何日たっても次の連絡がこないわけだ。普通に考えれば、製品がパナソニックの倉庫からA電器に納入され(あるいは納入日が決まり)、直ちに設置日の日取りが決まり、納品&設置工事。本来は見積とかあるのだろうが、どうせ、定価から1、2割引でその分が工事費と同額になって、結局カタログ価格を払うことになる。ナショナルルールである。

ということで、連絡がこないのは何のことなのか、さっぱりわからなかった。

真相は、パナの機械では表面のパネルの色が合わないので、システムキッチンの会社であるサンウェーブからシステムと同じパネルを取り寄せようとしていたためだった。しかし、新品の色というのも、使い古したキッチンの中では、合わないものである。さらに、パネルを組み込むには、追加のおカネも必要である。たぶん、今度買う食洗機の寿命が10年とすると、他の部分は20年物になるので、その時は、たぶん大改修ということになるのではないだろうか(その時、大貧民になっていなければだ)。

ということで、パネルはなしで、メーカーの既製色のグレーということにする。

そして、壊れてからやっと1ヵ月後、5月末にとうとう、新型の幅45センチ、ディープ型を持ってA電気店が工事にくる。

そして、1時間の工事で、快適さが戻ったのである、と書きたいところだが、実は、超超超巨大問題が発生したのだ。

shokusen2工事は、当然ながら、現在の壊れた食洗機の撤去から始まる。基本的には、システムキッチンにはめこまれているだけだから、電気配線と水回りの給水と排水の管を手順に沿ってはずすだけである。比較的簡単に終わる。

そして、新型45センチ型のディープ型を段ボールから取り出そうというのだが、ちょっと気になることがあった。

大きさが違うように見えたわけだ。

新機種の幅の方が、旧機種をとりはずした空間より小さいように見えたわけだ。

「大きさ違いませんか?」と聞いたのだが、A電気の方で耳を貸す雰囲気はゼロだ。だいたい45センチと60センチと二種類に決まっているのに、45センチに入らないわけないじゃないかということだ。

そして、段ボールの梱包から取り出した食洗機を取り付けようとすると、これが入らないわけだ。サイズ違い。

そして、そこから、A電気とパナソニックと私の三者の間で、それぞれ真相の究明ごっこが始まるわけだ。

調べているうちにわかったのだが、パナソニックは、カタログに書かれている幅60センチと幅45センチの他にも、幅41センチという特別サイズ品を販売していたのだ。つまり、カタログは45センチと60センチの二種であるのに、それ以外の41センチがあったわけだ。

しかも41センチ品には、買い替えの目玉だった「ディープ型」は存在しないそうだ。

結局、それしか方法はないので妥協の末、41センチのディープでない型を頼み直すことになる。いったん箱から出した製品の運命は、知らない。

shokusen4その後、待つことさらに1か月。工事はやっと終わることになった。


しかし、「町の電器店」って、今後、儲かりそうである。各種の家庭用省エネ機器は、多くが大型機器で、取り付け工事、補修工事が必要になるだろう。例えば、デジタル放送について、最近周りの人に聞くと、「ケーブルテレビではなく、アンテナを立てる」という人の方が多いことを知る。

現在契約しているケーブルテレビは格安で、デジタルを見るだけなら月間1,000円程度なのだが、関東地区各地のケーブル料金を聞くと、月間3,000円以上のところが多いようだ。アンテナ工事費は高いが、その後は無料である。


つまり、屋根に上る技術と勇気と体力さえあれば、老後の第二・第三の人生で、「町の電器店」を目指すのもいいのではないだろうか。

(おわり)