期限付き乗車券融通男?、4コマに登場か?

2005-07-31 19:33:02 | 書評
8851c02a.jpg沖縄の海の水を北海道に捨てに行く男 キン・シオタニ

まず、この本を読んだのは勘違いから始まる。環境破壊行為の本を探していたのだが、題名からいって、沖縄の海の水を海生微生物ごと北海道に放出して環境破壊する行為への「警告の書」かと思ったわけ。特に、タンカーなどで、空船航海中のバランスをとるためにタンクに張る海水の放出規制は、すでに世界各国で実施されているが、なぜか日本では和歌山県だけのようで、そういうイメージが残っていて、この本を読んだら、まったく違った。

東京都吉祥寺の路上で自作の絵葉書を売るという、超はじっこ文明型生活を送る36歳の男性が、ケチケチ旅行をする旅日記なのだが、集英社という大新聞社がついていながら、そんなに面白くない(あっ、批判的だ)。いい年して、あまりに人生や、社会に対する責任感が欠如していて、気持ち悪いなあというところで、読んでいて自己没入できない。そして、一々、旅館や食事が「高いの安いの」とヒガミッポイ書き方をしているが、貧乏なのは自分のせいという自覚がない。

九州まで行って、自分の不注意で周遊券を無くしてしまい、しょうがなく沖縄から石垣島へ行き、さらに竹富島の牛車に感動してしまうが、あの島は「全部観光地」なのだ。喜ぶ人はいても心から感心するかな?

そして、困ったことに、周遊券や、青春18キップという、期限付き乗り放題券の有効期間が短くなると、残存期間が長いが使われなくなりそうな人たちにキップの譲渡や交換をお願いしたりして、セービングにつとめているが、ちょっとした犯罪擬似行為の紹介だ。「期限付き乗車券の個人間融通」というのは法律に抵触しそうだ。あるいは、購入者以外による乗車券の使用は「詐欺」かなあ?。あるいは臨時所得として確定申告の義務ありか?さらに、本に書く行為は、同種犯罪行為の「教唆」だろう。さらに集英社は作者と「共犯関係」か。全部ひっくるめて「共謀罪」適用だ。

そして彼は、沖縄でペットボトルに詰めた水をなぜか、稚内まで捨てに行くという、よく解らない目的で北海道に向かうのだが、途中、根室で保険のセールスの女性外交員から、こういうことばを投げかけられる。「そんな浮浪者みたいなことして、全国まわって、あたしが親だったら悲しいわ」まったく同感。親でなくても悲しい。さらに、「保険のおばちゃん」という差別用語を使っているが、自分と同じ歩合制の収入体系であることを忘れている。かたや保険を販売し、かたや絵葉書を販売している。無意識下の差別精神の表出だ。

最近、読んでいる経済学の読み物からの概念を援用すると、人間には「社会に富を追加する人」と「社会の富を減らす人」がいるということになる。もともと生きるという行為は、消費行為なのだから、それより多くの財を社会に残さないと、「マイナス人間」ということになる。マイナス人間ばかり多くなると、世界は退化・没落に向かう。彼は、まさに典型タイプのような気がしてならない。

そして、本の終わりに自分のURLが記載されていた。開いて読んでみると、なんとこの本は7月10日に初版になっている。さらにライブドアのトップページ右下に登場した4コマ漫画のlivedoor デイリー4コマに登場するそうだ。作者は約30人らしく、交代で登場するのだが、7月30日は彼の出番。なんということ。「プラス型」を目指すのだろうか。しかし、支払いの遅いライブドアからの原稿料が到着したら、また浪費型の旅に出るのだろうか?原稿料は現金ではなく、ライブドアポイントで払えばいいかもしれない。

ところで、若干の心配があるのだが、もしかして、沖縄の水の入ったペットボトルを稚内で放水したあと、空容器はどうしたのだろうか?本には何も記載されていない。水どころかペットボトルまで海に捨てたのではないだろうか。「国定公園法違反」および、「海洋汚染防止法」違反容疑で・・。ただし、残念ことに、共犯者はいないだろう。単独犯。共謀罪の適用は難しい。

筝曲を聴く

2005-07-30 19:41:28 | 音楽(クラシック音楽他)
41cc321d.jpg日本古来の楽器など聴くことはないだろうと、以前は思っていたのだが、千代田城の三の丸尚蔵館で雅楽の音を聞いてから、なんとなくもっと聞いてみようかなと思っていた。

そして、例の無料コンサートであるJTアートホールでの音大生アフタヌーンコンサートへ行く。

最初に、親切にも解説してもらう。筝曲には、山田流と生田流があるそうだ。演奏中に「うた」を挟むのが山田流ということだ。演奏するのは東京芸術大学の3年生の方々。始めて聴くので緊張したが、思ったより大きな音が出る。そして、かなり体力が必要そうに見える。全身を使って演奏するのだが、結構見栄えがある楽器だ。

山田流で3曲。「初夏の印象」「向日葵」「ひぐらし」。

にぎやかではあるが、まだ理解したという域には達しない。足のケガのあとが疼くのがいけないのかな・・まあ、のんびりと、夏の暑さは乗り切ろうかな・・

マクドナルドは価格破壊か味覚破壊か?

2005-07-30 19:38:03 | マーケティング
134320ef.jpg日本マクドナルドが経営に苦しんでいる。7月28日の経済ニュースを見ていたら、早朝の時間に「藤田家」が25%の持株を香港の投資会社ロングリーチに売却と書いてあった。夕方の正式発表では、レイクヴューリミテッド(ケイマン法人・代表者マーク・チバ)が購入したとなっている。(チバ)というのが日本人風の名前なので気になるが、少なくても私は知らない。132,960,000株のうち、約25%の33,210,000株を約750億円で購入したらしいが、そんなにいいのだろうか?この株で痛い目にあった人は大勢いるらしいのだが・・

公表された財務諸表を見ると、何しろ債務超過だ。そして、短期的な問題ではなく、利益率が非常に低い。さらに、特別支出が多いという特殊要因がある。2003年度には「経営役務契約解約金(要するに藤田田氏への手切れ金)に62億円。早期退職金36億円。2004年度には、狂牛病と鳥インフルエンザのために、食材の廃棄で9億円。泣けてくる。

しかし、よく見ると利益率が低いように思える。粗利で10%とは、設備産業的で、レストラン業としては低すぎる。そして店舗数と売り上げの推移を見ると2000年の段階で3,598店で4,389億円(1.2億円/店)が2004年は3,774店で3,959億円(1.0億円/店)と下がっている。驚くことに、1990年は776店で1,749億円(2.3億円/店)、1995年には1,479店で2,528億円(1.7億円/店)ということなので、店舗あたり売上高が下がり続けていることがわかる。現在の1店舗1億円/年というのは、日販で28万円であり、コンビ二以下であり、一方、従業員数はコンビ二以上だ。では、何が問題なのか。さっそく、マックへ行く。

ご存知のとおり、マックは価格政策が猫の目のように変わる。7月22日には500円セットに加え、530円セットを作ったのだが、ますますメニューは解読しにくくなる。そして、あいかわらず100円メニューはある。メニューの二極化で、中間がない。そして、都心のマックには金持ちは絶対に行かないから100円サイドの一極化になる。私は、チーズバーガーとチキンバーガーとコーヒーという変な組み合わせで300円払うのだが、最近の流行は、チーズとチキンのバーガーを200円で買い、缶コーヒーを買って、公園のベンチで食べることらしい。マックには200円、自販機(コンビ二)に110円。実は、これがマックには最悪のパターンだ。

原価はわからないのだが、バーガーとフライドポテトとコーヒーを比べると、利益率はコーヒー、ポテト、バーガーの順ではないかな。100円バーガー売っても儲からないだろうが、ついでにポテトとコーヒーを買ってくれると、さまになるはずだ。とすると、私のバーガーX2+コーヒーもあまり嬉しくないかな。

では、なぜ100円のメニュー(さらにシェークも100円)が売れるのかというと、それが100円の味だからなのではないかというところに行き着くのではないだろうか。

実は、かなり以前、あるハンバーガーのフランチャイズチェーン(マックに粉砕された)の仕事をかじったことがある。当時、日本マクドナルドは、妙なことで差別化をはじめていたのである。(といっても、例の「スマイル=0円」の話ではない。)

まず、3大メニューである、バーガー・ポテト・コーヒー(ジュース)をセットにしたことである。次に、バーガーのバンズ(パンの部分)を限りなく柔らかくして、「前歯で噛み切れるよう」に規格化し、大手の製パンメーカーに特注品を要求したのである。今でも、奥歯で食べると、バンズが溶けて奥歯の横に張り付くはずだ。ごく幼児からこの柔らかさに慣れるように仕向けたのだ。そして次にポテト。これをポテトというのは本来ちょっと違うかもしれない。ポテトをドロドロにして、搾り出して、本物風にしているが、もちろんどこを食べても同じ太さで同じ味。そしてとても柔らかい。さらにコーヒーは香りがなく、味だけにしている。喫茶店ではなく、あくまでもバーガーの付録という存在だ。そして、1990年ごろにマックを大量に食べ始めてから、実はこどもだけでなく、大人も、老人もみんな15年から20年経ったわけだ。

ずっと柔らかいものを食べていると、それ以外食べたくなくなる、というのは実は一つの真実なのだが、あまり実証されていない。食べ過ぎて、突然、嫌いになるというのも聞く話だ。案外、今までのマックの味に国民全体が飽きてしまったのではないかとも考えられる。柔らかいものばかり食べてきて、突然、堅いものが食べたくなったのかもしれない。味もそうだ。バンズが柔らかいせいかもしれないが、生ぬるい味だ。以前、シンガポールのバーガーキングでとった朝食は、完全なエスニックだった。それと、缶コーヒーに負けるようなコーヒーでは100円も払ってもらえないだろう。

それで、批判ばかり書いてしまうが、香港の投資法人は何が狙いなのかよくわからないが、ふと頭をよぎったのが株主優待券だ。Yahoo!の株価掲示板で日本マクドナルドは、優待券の話題で盛り上がっていた。普通郵便で郵送するのはおかしいとか、まだ届かないとか・・そんなに魅力的なのか。たまたま手元に雑誌ZAIの9月号の特集で、優待券の特集があり、探すと書いてあった。100株で、「バーガー・ポテト・ソフトドリンク」のセットシート6枚(1冊)。

1セット500円とすると、3,000円分か。しかし、とすると33,210,000株の株主には332,100冊(約10億円)の優待券が渡され、ほとんどが金券ショップへ持ち込まれるのだろうか?
まさかと思い、読直すと、500株以上の人は5冊となっているので、要するに33,210,000株の方にも5冊だけしか渡されないのである。やれやれ・・

ヘルシーハウジングは不可能なのか?

2005-07-29 19:42:46 | 書評
b0978959.jpg「安心して住めるヘルシーハウジング」手塚純一著

家を建てようというのではない。

アスベストの問題を少し踏み込んでみると、建材の安全性というのは重大な問題になっているというのがわかってきた。もともと石綿は、燃えない、丈夫、安価というのが長所だったわけだ。以前の概念には「健康」というテーマはなかったわけだ。それで問題を単純に考えると、燃えなくて、丈夫で安価でも健康被害があるものは、やめよう。ということになるのだが、そう簡単なものではないわけだ。もちろん石綿を追放するくらいは物理的にも簡単な話なのだが、住宅と健康というのは色々とトレードオフが複数発生するやっかいな問題のようだ。

で、このエントリはアスベストの問題に限定せず、もっと先の「健康」のところに進む。さらに著者には申し訳ないが、主に自分の意見を書くことになる。著者自体、住宅問題は難しいことを認められているので、許してもらえるだろう。

まず、健康住宅の概念も二通りある。まずは消極的健康住宅。つまりホルムアルデヒドなどの有害物質を低減させた住宅だ。シックハウス対応というか。さらにバリアフリーなども入れていいだろう。次にステップアップすると、積極的に健康になる住宅というのがある。(ただし、精神的健康というのは多分に建築問題ではないので別問題。やっと戸建を買った、とか、あこがれのログハウスを手に入れた、というので精神的満足を得るのは、ちょっと問題の本質が違う。)たとえば有害物質を自動的にとりのぞく住宅とか、フィルターと換気機能で、空気をきれいにするとか、湿度を50%に抑えるとか。

そして、現代日本で住宅に求められる要素は多い。不燃性、耐久性、だけではなく耐震性、省エネ性、健康性、防犯性、高齢化対応、そして価格については、初期投資額も重要だし、維持保全費も重要。ということになる。が、早い話が、すべて理想通りは無理だ。物理的な素材の問題以前に、例えば、頑丈で、防犯性ということになると、窓の小さな2×4住宅のようになるが、窓が小さいので、通風性が落ちる。暑いので、エアコン頼りになる。エアコンといえば通常25度から28度の間に設定するのだろうが、一つの家には何人もが共同生活しているのが普通だが、人によって好みの温度や湿度が異なるので簡単ではない。吉田兼好は徒然草の中で、「家は夏向きをもってよしとする」といったが、どちらかというと現代の家は「冬向き」対応で夏はエアコン使用になってしまう。

さらに、冬向きにするためには、壁や屋根裏にグラスウールを使うのだが、これも健康被害は心配だ。石の繊維ではなく、ガラスの繊維ということ。床下に小石を敷き詰め、保温対策にする例もあるが、夏は石焼き芋になる。結局、日本は、夏と冬と大きく気象が違うため、どうしてもうまくいかない(うまくいくのは農業だが)。

さらにシロアリ退治に使われていた薬品の中には数年前に、業界が自主規制して中止したものもあるが、あくまでもきちんとした業者に限るし、過去に散布したものの始末はどうなのだろう。また、トイレの温度は室内と同じにすべきといっても簡単ではない。浴室は使用中は高湿度がいいが、使用後はただちに乾燥させるべきだそうだが、これも大変だ。バリアフリーで玄関の段差をなくすと、ごみが室内に上がってくる。布団でなくベッドの方が床からの高さをキープして睡眠中の空気はきれいだが、反対にベッドの下にはほこりはたまりやすい。

住宅の寿命が長くなれば、本来はいいはずだが、その分、住宅価格が高くなり、ローンの期間が増えているだけだと誰のためなのか何のためなのかもわからなくなる。建材用の木材需要がなくなると、森は整備されず、逆に荒廃しそうだ。

ということで、できることは、「有害物質を排除するのが関の山」ということも言えるようだし、「ある程度であきらめてしまうしかない」のかもしれない。というのも、一歩、家を出れば、家の外は、もっとリスクの高い危険地帯だらけ、危険人物だらけ、そして危険組織だらけなのだから。

台風接近の午後(日記風に)

2005-07-28 19:44:04 | 市民A
東京港区にある中小企業の集まる雑居ビルは、いまだに先週の地震による被害の点検を続けていて、見た目にはわからないが、エレベーターが予想外の動きをするので、乗る前には必ずトイレを済ませている。そして、次に台風が来た。

昼休みは、傘なしで近くのマックに行けたのだが(実際は傘を持っていたが)、3時ごろから雨が降り始めた。いくつかの天気予報を総合すると、本格的な雨は、夜になってからということだが、今ひとつ信じきれない。AMEDASなどの雲の状態を見ても、雨雲は台風の南側にあるのだが、しょせん台風は「気圧が低い気流の渦」であり、風や雨はその結果であり、いつ雲が発生して、いつ雨や風がひどくなっても誰も面倒見てくれない。

すると、机上のパソコンに社内メールがあり、総務部長殿より、「仕事に差し支えなければ、早く帰っても結構です」とある。要するに、ぐずぐずしていて、帰れなくなっても、会社は宿泊費やタクシー代は負担しません、ということを暗に宣言しているわけだ。それに、重要な話は、”放送するか自分で通告すればいいのに”、と思って総務部長の席を見ると、もう帰ってしまった。女性社員や足を捻挫している故障社員の帰途を見届けてから帰るべきなのにと思うが、21世紀は「自己責任の時代」であることを思い起こす。

そして、順次、社員は帰り始めたので私も社を出る。4時半。寄り道しようかと思ったが、やはり帰路につく。急行電車は混んでいる。みんな同じパターンだ。

東京と神奈川の間には、多摩川がある。普段は歩いて渡れるくらい水量は少ないが、大雨だと一気にあふれる。すでに大河と化し、ゴミが浮かぶ。浮かばないゴミや砂は川底をごろごろとしているはずだ。翌朝になると多摩川の橋が通行禁止かもしれないが、そうなると神奈川から東京へ向かう方法は99%なくなるので悩む必要もない。残る1%の方法は、アクアラインで川崎から木更津へ行く方法だが、その方法で会社に行くと、ほめられずに、ある病院を勧められるだろう。

濁流になるつど、多摩川は浚渫業者がやってきて、川砂の利益と、国庫からの臨時支出である浚渫料の利益を享受するのだが、怖い人たちの仕事なので誰も文句はつけにくい。浚渫工事自体はクリーンな仕事なのだから・・

東急電車は多摩川を最徐行で渡ったため、遅れを取り戻そうと、猛烈な「回復運転」を始めたので、車内が緊張する。「おいおい」だ。きょうの私鉄の目標は、時間厳守ではなく、「完走」のはずだ。風で揺れる架線を切ってしまったらどうするのだろう。

そして、雨の中を自宅近くまで歩くうちに、行くべきかどうか迷っていた「超党派議員の呼びかけによる共謀罪反対の市民集会」のことが頭に浮かぶ。千代田区内で夜6時半からだったのだが・・忘れていたわけではないのだが、超党派といっても、民主・共産・社民だったので、一方的なアピールになりそうなのと、その3党の議員は貧乏なので遠隔地に住んでいて、台風の前にあえなく「中止」するのではないかと勝手に判断してしまった。

帰宅後、連絡先の福島みずほ議員事務所に電話してみると誰も出ない。秘書給与疑惑を防ぐために事務所には人をおいていないのかな?次に隣に書いてある井上哲士事務所に電話すると、男性が出た。
葉一郎:「台風でも、市民集会は開かれるのですか?」
男性 :「集会・・開くのですよ。いえ、集会は時間通り決行します!」決意に火をつけてしまった。まさか本人か??よく考えると、今は国会会期中。みなさん議員会館にいるわけだ。帰りの足を気にする必要もない。

ところで、自分の不埒はさておいて、なぜ、ジャーナリズム各社が「治安維持法そっくり」の「共謀罪」に積極的反対をしないのか不思議に感じていたのだが、邪推すれば「本当は反対していない」のではないかとも思っているのだ。

何しろ、新聞のニーズは「報道」にあるのだが、報道の裏には、「事件」や「犯罪」が必要であり、「犯罪」の中でも「組織的謀略の一斉検挙」ほど「ニュース性」の高いものはないだろう。そして、そういう気持ちを持って新聞各社の歴史を考えてみると、毎日(1872年創刊)、読売(1874年)、朝日(1879年)と三紙は明治の時代から、営々と新聞事業を続けている。幾多の弾圧の時代も軟体動物のように生き抜いてきたわけだ、そして強く抵抗した新聞は、現存しないのだから口無しだ。

そして、残る大手二紙、産経と日経はどちらも、中小規模の全国の産業新聞を集約して現在の母体を作ったのだが、自主的に集約したわけではないのだ。どちらの新聞社の統合も昭和17年(1942年)11月の新聞統合令によるものなのだ・・・・・

千葉県の爪あと

2005-07-27 19:44:52 | 市民A
c0d646a5.jpg(画像をクリックすると拡大します)

先日の地震の震源地の周辺を「Google Earth」で鳥瞰しているうちに、奇妙なものを見つけた。地表に鳥の爪あと状の引っかき傷が大量に発生している場所があった。南房総である。

実は、地球上の「奇妙な自然物体」の中には、宇宙飛行士が空から発見したものもある。近くではわからなくても、大きな視野で物をみると発見できる。Google Earthは、誰しも宇宙飛行士の気持ちになって、地球を考えることができるツールだ。スペースシャトルの打ち上げは7月26日に延期にされているが、運良く打上げに成功した場合、日本人飛行士の野口さんは、仲間の飛行士から、南房総の奇妙な爪あとについて、「正しい説明」を理解してもらえるだろうか?

要するに、経済学的合理性の結果、千葉県南部に30ものゴルフ場が乱立したことを理解してもらえるかどうかだ。

別に、個人的には、たくさんゴルフ場ができても、一向にかまわないのだが、問題は健康被害のことだ。実は、芝を良好にキープし、雑草を排除するには、「農薬」が有効だ。もちろん農薬の使い過ぎは、毎日勤務する従業員には有害だし、もちろんゴルファーにも有害だ。現在は、かなり最小限度に使用量を抑えているはずだ。

ただし、それは個別の1箇所ずつの話である。かなり薄く希釈すれば、一ゴルフ場あたりの被害は限定的だろう。ところが、南房総には無数のゴルフ場がある。そして、その全箇所で使う量はかなりのものになる。さらに、千葉県には、高い山がない。最高で408メートルの愛宕山、次が377メートルの清澄山といったぐあいだ。低い大地に昼間は太平洋からの海風が吹く。東から西だ。そして夜になると風向きは逆転する。つまり、ゴルフ場群の東西には、各ゴルフ場から風に乗り集約された農薬が降り注いでいることになる。もちろん健康被害が発生すると思われる。

では、農薬にはどういう種類があるかというと大別すると、
1.除草剤
2.殺虫剤
3.殺菌剤
4.植物成長調整剤
なのだが、除草といっても草の種類によって異なり、虫の種類で薬も異なる。下手なゴルファーが剥がしてしまった芝生を修理するため成長調整剤も必要だろう。それらの薬はすべて人間に害があるのだが、ゴルフ場ごとに使用濃度の制約を守っているはずだ。しかし、この南房総のようなゴルフ場集中地帯では、地域合計の農薬総量規制のようなルールが必要ではないだろうか。まとめて風で飛んでいくはずだ。

よく、シックハウス症候群ではないかとの患者さんを調べていると、室内には原因物質が見つからない場合もあるそうだが、案外ゴルフ場が近隣にあるケースもあるそうだ。

そして、この地区の多くのゴルフ場は経営が困難になっていて、会員権が紙くずになっている。どうみても、合併したほうがいいと思えるほど空いているのだが、全部のコースが隣と合併すると、ゴルフ場も半分は閉鎖になり、農薬使用量も1/2になる。そうなると、農薬製造メーカーは困ってしまうので、生物兵器でも研究するしかないかもしれない。

さらに、南房総は温暖化もいいとこなので、フェアウェイの跡地には数年で亜熱帯性の樹木が生い茂ることになるだろう。ただし、ワニとアナコンダとサソリだけは、あと10年は待ってほしい。

Major Debut 直前!The Loose Dogs

2005-07-26 19:48:02 | 市民A
b99538fc.jpg知人から電話がきた。インディーズを長くやってるグループがメジャーデビューするのだが、自宅近くでキャンペーンするので行ってくれないか。50人集めないといけないので・・・

というので、近くの「横浜市営地下鉄、センター南駅」に行くと、広いコンコースの一角にステージができていた。地下鉄コンコースと言って笑うなかれ、何しろ金満横浜市の地下鉄の最大の駅だ。日本の私鉄の中でも、地上に単独で存在する駅では一番立派かもしれない。地元では「核シェルター」と呼ばれている。では、なぜ、地下鉄の駅が地上に建っているかというと、工事代金が高くなりすぎた結果、計画変更になったのだが、それならなぜ、最初から地上駅の計画ではなかったのかと深堀りすると、それは誰にも答えられないのだが、本題と無関係なので省略する。

恥ずかしながら、”ルーズドッグズ”のことは何も知らなかった。というより、知人からの電話を聞き間違えて「ルーズソックス」かと思っていた。ステージに男が4人現れた時は、がっかりして、天井つり看板をよく見るとLoose Dogsと書いてある。

グループ4年やって2005年8月3日に「ラジオガール」というシングルを発表するということ。駅のコンコースで全8曲を演奏。”ラジオガール”だけは複雑な編曲が入っていることがわかるが・・

なんとなく、「GRAY」をイメージしているようだが、ちょっとそういう「地方対都会」とかの強いモティベーションは感じない。なんだか、「うまへた系」。もちろんチャンスはどこからやってくるのか誰もわからないから、彼ら自身も含め、世界の誰も彼らの一年後のポジションは予測できない。未来は「夢でもあり悪夢」でもある。「うまへた系」を批評することは困難なので、単に感想と言うか予想なのだが、「4人は多すぎないかい?」って思うのだけど、ユニットの最小単位といえばそれまでだが・・

GRAYやSMAPよりずっと下の年代って人口が少ないわけだ。なんか2人か3人くらいの方が落ち着くような気もしないでもない。というのと、彼らの音楽の基本リズムって「PUFFY」に似ている。4人を2:2にわけて「男PUFFY一号」と「男PUFFY二号」にしたらどうなのだろう。何か日本では当たらないようなノンビリロックだから。

で。書いていて気がついたのだけど、PUFFYの亜美ちゃん(大貫亜美)は、ここから徒歩15分の県立江田高校卒業だったことを思い出す。ついでに思い出すのはずっとずっとずっと前に横浜駅で来日直後のマルシアがデビューキャンペーンしていたこと。もちろん今は別人と化したのだが。

アスベストの先に見える、未成熟ジャーナリズム

2005-07-25 19:51:36 | 市民A
アスベスト禍が大きく報じられている。ひどく嘆かわしい事実が明らかになっている。

ところが、建設会社に以前勤められていた方と話をすることがあったのだが、建設現場で囁かれている話として、「問題は、アスベストに係わらず、建材一般にある。」というのがあるそうだ。個別の建材の名前をあげることは避けるが、多くの建材には、疑わしい物質が使われているとの疑念を感じているとのことであった。一応、業界団体の調査では、発ガン性なしといわれる素材であっても、国交省と経産省は合同で、直接、建材調査すべきとの意見をお持ちということだ。

また、あまりにも、省エネ重視型住宅を求めるがため、ロックウール、グラスウール系の素材を多用し、換気が二の次となった結果、少量の化学物質も室内に滞留しやすくなっているとのことだ。

もちろん調査の結果、何かが見つかれば大きな問題になるのだが、身勝手な業界団体の持ち出す御用学者による「安全論」と業界団体の自主検査による安全性の認定では危険だということだ。

もう一つ苦言を話されていたのは、マスコミの問題。A新聞もY新聞もどちらも、信じられていない。記事の表層的なつまみ食いをするだけで、その根本的な背景を無視して、簡単に善悪をつけようとするのものだから、取材拒否を受けているとのことだ。電話を会社にかけてきて、「何人死んだんだ!」と無感情に言われても、誰も答えないだろう。

新聞社が部ごとの縦割り組織になってしまい、複雑系の現代社会を解析する機能を失っていることを見抜かれている。まだ、新聞社の能力に期待できるのか、手遅れなのかはよくわからない。(部分的には再起できるだろうが、全体としてはダメであろうというのが私見)

今回のアスベスト禍の問題もそうだが、企業の内部に籍を置く社員からはなかなか告発しにくいものがある。また、現場で起きているのはもっと陰湿な話なのである。たとえば、会社側は気に食わない人間を、社内で「危険」と暗に考えられている作業環境に追いやって、退職を迫ったりすることがある。

そういった、社会の裏側に起きている、不正義を洗い出し、次の被害者を防ぐような記事を書くことこそ、A新聞もY新聞もめざすべき道なのだろうとは思うのだが、どうしても大衆紙になりたいというならしょうがないのかもしれない。

ロンドンの大衆紙「SUN」がニューヨーク進出での成功に続き、日本にもサテライトをつくればどうなるのだろう。A・Yの目指す大衆紙化路線も間違いなく粉砕されるだろうと確信できるのである。

関東小地震

2005-07-25 19:49:13 | 市民A
f9d0a213.jpg7月23日に千葉県北東部を震源として地震が発生した。震度5強はなぜか足立区。結構、室内で被害があった話も聞くが、自宅は2×4住宅であったからかどうか、奇妙な揺れ方だった。揺れるというよりも、建物自体がブルブルと震えるような感じだった。建物がサイコロのように動くようなイメージだ。

そして、関東一円の親戚に電話をしようとすると、電話も携帯も一瞬つながらないのだが、たまたまPHSは問題なく繋がった。利用者が減っている恩恵なのだろう。もうちょっと解約は延ばそう。どこにも被害なし。

実は、個人住宅でのアスベストや、今後、発覚するはずの物質の本を読んでいるところだったので、日本では住宅資材の公害問題は「ひとすじなわ」にはいかないことを感じていたのだが、実は地震問題もその一つ。頑丈な2×4住宅にすると、今度は密閉性が高くなり、通風性が悪くなり、別の問題が発生する。

というようなことから、ぼちぼちといくつかのエントリをするつもりなのだが、まずは、さっそく日本周辺を「Google Earth」で鳥瞰する。「Google Earth」の一つの特徴は、海底の隆起を美しく表現していることだ。単に人工衛星からの写真を使った場合、平らな海面にしか見えないが、日本周辺に存在する深い海溝がはっきり認識される。

実は、日本近海には4つのプレートが拮抗している。太平洋プレート、北米プレート、ユーラシアプレート、フィリピン海プレート。東からの太平洋プレートの押しと南からのフィリピン海プレートの押しをユーラシアプレートが受けるというのが基本構造だが、日本列島自体は東日本は、北から突起した不安定な北米プレートに先端に乗っていて、中、西日本はユーラシアプレートに乗っている、という複雑怪奇構造のため、地震の巣になっている(現首相が就任してから日本が北米プレートの上に乗ったわけではない)。

豊臣秀吉が小田原城を攻め落とす際、石垣山の陣地で徳川家康と並んでツレション中に「江戸開拓」をリコメンドしたのが、現在のTokyo cityの原点だが、二人がプレートテクトニクスを知っていれば、ちょっと違った選択をしたかもしれない。が、五十歩百歩かな?

共謀罪の審議が始まる

2005-07-24 19:52:11 | 市民A
第162期通常国会中である。郵政民営化ばかりに目が向いているが、6月末から急に動き出した法案がある。「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」といわれるものだが、その中の一部に、いわゆる「共謀罪」というのが含まれている。

内容が戦前の「治安維持法」に類似しているため、反対の声も大きいし、ブログ上でも多くの専門家の方が声を上げているし、「共謀罪反対バトン」というのもあるようだ。私は、今までのところ刑法とは付き合いがなく、もとより素人ではあるが、国会の議事録などを追いながら考えてみた。おぼろげに見えてきたのは、治安維持法と同様、当初の主旨と違う目的で運用されるのではないかとの疑惑が消えない。さらに、本案については、今のところ与野党とも議員レベルでは懐疑的になっているように見える。

まず、よってくるところが、国際条約の批准のためというところにあるため、日本の法体系と不一致が多いという性質があるのも馴染めない一因だ。一部の例外を除けば、日本の刑法では、「犯罪を計画した」段階では、まだ罪にはならない。実行段階で、とりやめるかもしれないからだ。しかし、犯行を実行すれば罪になる。多くの議員が主張しているが、焼き鳥屋で3人で飲みながら上司の悪口を言って「あいつをバラしてやろう!」と口走っただけで、懲役5年になる可能性があるわけだ。しかも宴席をちょっとはずして、携帯で警察にチクった一人は、無罪になったりするのだ!まるで時代劇の世界だ(鹿ケ谷の謀略とか最後の晩餐とか)。

もう一つ、国際テロの防止を目的にあげているのだが、もともとの国際条約は1990年代に議論していたものなので、どうもテロ対策を隠れ蓑にして、個人の主権を制限するような法律を作ろうとしているのではないかと疑っている人が多い(というかほとんど)のだ。

それで、法案審議はどこまで進んでいるかと言えば、昨年6月の通常国会の際、議案提示されただけで、今国会にスライドになっている。そして、今年6月24日の衆院本会議で南野法相から主旨説明がなされ、現在、衆議院法務委員会で審議が行われている。7月12日には9時30分から17時45分まで9人の議員が質疑を行っている。自民党4名、公明党1名、民主党4名。自民党の中の1名はこの共謀罪について、ほとんど触れなかったのだが、残りの8名はかなり疑念を持った質問をし、不明確な回答を聞いただけになっている。前に書いたように、既存法令や日本の法体系と異なっていることで、こういう法務委員会という専門的な委員会で検討すればするほど矛盾が出てくる。

では、法律の原案と主旨について調べてみる。

法令の名前は、「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」というのだが、冷静に考えると、「国際化」と「組織化」と「高度化」という3つの要素があげられている。このうち「共謀罪」に対応するのは主に「組織化」のところだろうが、推進派はテロの例を挙げ、「国際化」対応であることを強調するのだが、それは違うだろう。あくまで犯罪の「組織化」に対応する法案であるのだ。

次に原案だが、以下のとおりだ。刑法を以下のとおり修正(カタカナはひらがなに書き換えた)。

 第六条の二 次の各号に掲げる罪に当たる行為で、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者は、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

  一 死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪
     五年以下の懲役又は禁錮

  二 長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている罪
     二年以下の懲役又は禁錮

つまり、特定の犯罪(たとえば国家転覆とか要人暗殺とか)に対して適用するのではなく、犯す罪の重さにより、共謀罪適用か否かを決めようということなのだ。そして、それは懲役4年以上の罪なのだが、日本の法令では、懲役4年以上とすると600以上の犯罪が対象になる(結果として、有名な犯罪名はほとんど引っかかる)。つまり凶悪犯罪でなくても、共謀罪が成立してしまうのである。

そして、あくまでも謀議をめぐらす段階では、犯罪は実行されていないので、「既存法では犯罪と認定されていない段階」から有罪とできるのである。

実は、もう一つ気がかりなのは、現法務大臣の資質である。質疑をみても南野現法相の発言は、意味不明が多い。さらに副大臣は郵政民営化に反対票を投じるために辞任してしまったため、空席のままだ。警察官僚主導型の議事運営になっているようで危険を感じる。

そして、7月12日の委員会の議事録を読むと、表に出てなかった話も次々にでてきて、国際条約というのが、難しい問題を抱えているというのが見えてきた。

まず、この法律の経緯は1988年まで遡る。G8を中心として、国連レベルで国際麻薬取引を規制しようというところから出発している。その後、1994年にマフィアの本拠地に近いナポリで国際犯罪組織に対処しようというナポリ宣言を行い、さらに1998年から国連での協議が始まり、2000年11月に「国際組織犯罪防止条約」という形でまとまり、147国が署名し106国が締結済みということだ。

内容は、答弁を読むと、締結国に主に6つの義務を求めている。
1.重大犯罪の共謀を罪とするか、犯罪組織への参加を罪とする(この部分が共謀罪、または参加罪となる)。
2.犯罪収益の洗浄(マネロン)。
3.腐敗行為。
4.司法妨害。
5.犯罪収益の没収。
6.犯罪人の引渡。捜査、司法協力。

項目だけみれば、当然の話かもしれないが、これを国家間でやろうとするので、難しい問題が噴出してくる。国によって、刑法の罪の軽重が異なるし、犯罪者にも一定の国民としての人権は存在するのも当然だからだ。

そこで問題を「共謀罪」に絞って考えると、「共謀罪」を規定するか「参加罪」かということになるのだが「参加罪」というのは、まったく国内法には存在しない概念ということらしい。日本にもいくつかの犯罪行為を専らとする組織(グループ)はあるだろうが、その組織に入るだけで有罪にするというのは、法的類例がないらしい。一方、共謀行為というのは、いくつかの類例があるそうだ。「凶器準備集合罪」とかかもしれないが、実際にはあまり多くない。

そして、一つの問題は、「重大犯罪の共謀」というのが何を基準にするのかというところだが、「懲役4年以上の罪」ということが国連で決まったわけだ。日本は5年以上、あるいは特定の罪に限定しようと主張したようだが3年以上派とか色々あったらしく、結果として4年以上と決まり、ほとんどの刑法上の犯罪が対象になったということだ(国会議事録から読解)。背景としては、国際犯罪の場合、犯罪行為が分業化されて、各国別には、犯罪の一要素だけが行われるようになり、最終的な犯罪効果の凶暴性にくらべ、一つ一つの犯行の重大性が少ないために一網打尽にできないということだろうか。(多国籍企業の活動とそっくりだ)

7月12日の議事録を読む限り、質疑時間の7割ほどは、この「共謀罪」に対する懸念に向けられている。それは、提出された議案をどう読んでも、国際犯罪防止のためのみにこの共謀罪が適用されるというようには解釈できないからだ。たとえば偽札作りは、重大犯罪であり最高刑は無期懲役だが、実際にはどの段階からが犯罪かどうかは微妙な問題だ。おそらく、犯行の研究をするだけではまだシロで、紙の調達とか画像の作成とか試作段階がグレーで、完成品ができた段階はクロだ。となると、共謀罪が存在すると、二人以上で「偽札でもつくらないか」と相談した段階でいきなりクロになってしまうということだ。たとえば、暗殺とかにしても、暗殺の相談をはじめた時に犯罪が成立し、ただちに密告した人間が無罪になり、その場に呼ばれただけで、まだ迷っている人間が有罪になることになる。「犯罪行為を処罰する」だけでなく「ココロに縄をかける」法律といわれているのはその犯罪成立時期が時間的に早いところにある。

そして、すでに国会での共謀罪の議論は、「国際麻薬取引」からも「国際テロ」からも離れたところの「一般犯罪」へ適用することを前提に行われている。かつての悪法と同じを踏んでいるわけだ。当初の目的から離れて、警察官僚が独走の気配である。要注意であり、国民の監視が必要だ。

そして、実は、当初、言い出したG8各国の反応もバラバラだ。国内に既に共謀罪という法体系を持つ、米英両国は、まだ締結していない。専門家の意見を読むと、「共謀罪」は、普通の犯罪に対する抑止力はあると考えられている。数人で行うような犯罪は、事前連絡がやりにくいということらしい。しかし専門家たちの大勢の意見は、「大規模犯罪の抑止力は少ない」ということでもあるようだ。テロや麻薬取引の場合は、どこかの犯罪ブレーンが練り上げた計画の一部が、犯罪行為の手足の部分に「命令」として流れてくるのであって、「共謀行為」ということにはならないからだというのだ。

私見であるのだが、この国会で、審議がどこまで進むのかよくわからないのだが、まだ十分に論議の時間は必要だろうと思っている。


そして、おまけの話ではあるが、議事録を読んでいて一つ驚くべき発言を見つけた。KM党のA議員の発言の中にある。

我が党のある議員に、この共謀罪を話したら、「犯罪実行行為が必要でなく、合意だけで犯罪になるんです」というふうに言ったら、その人は実は主観説の論者なんですね。主観説は、もちろん「犯罪は心のあらわれだ」という徴憑と見るわけですから、心そのものを「本来、悪い心を処罰するんだ。」こういう考えですよね。その主観説の我が党の議員は、「いよいよ主観説が刑法の原則になったか」と言って喜んでおられたんですが、とんでもないことを言うなと私は思っております。

さすが、他の政党とは気合が違うな、と思うと同時に、そんな怖い事を考えている人間が党内にいる、ということを正直にバラしてしまったA議員が、次の選挙で公認を得られるかどうか大変心配になってしまうのだ。なにしろ共謀罪と密告無罪が成立するのは、あくまでも犯罪行為に対してだけなのであり、党の幹部達が公認を決める時の密談は法律の対象外だからだ。

ブルーカードは何のため?

2005-07-23 19:53:04 | スポーツ
68636aa7.jpg日本サッカーミュージアムは、お茶の水にある。JRの西口を出て、お茶の水橋を渡る。外堀通りを水道橋方面に左折し、東京医科歯科大学と順天堂病院の間の細い道を右に入ると、細い通りに名前がついている。「サッカー通り・Football Avenue」と表示されている。

ところが、この道がなぜ、サッカー通りなのかは、まだわからない。駅から500メートルほど歩くと広い本郷通り(旧中仙道)に出る。道を渡るとサッカー通りは狭くなり、不安になるがさらに歩くと青いデコレーションのついたサッカーミュージアムの前に出る。1階と地下1・2階がミュージアムで地上2階より上が、財団法人日本サッカー協会の事務所が入っている。ビルの名前が「サッカー協会ビル」となっているが、協会がビルを持っているわけではない。借り物である。なぜ、通りの名前が「サッカー通り」かというと、名前がついていないと、初めての人がたどり着けないからだろう。

青いデコレーションの意味は、日本代表のユニフォームの色で、日本をとりまく海の色をあらわしているそうだが、海の範囲がどこからどこまでなのかは、国際問題のタネになりそうなのか、書かれていない。少なくとも東京湾は日本領だろう。

館内は無料エリアと有料エリアに分かれているのだが、無料エリアだけでは物足りないと思う。500円を払い、地下の展示ゾーンへ入る。

展示は、「日本代表とワールドカップ」というコンセプトの部分と、「日本サッカー史」というコンセプトの部分とに分かれるが、やはり近年になってやっと歴史を語れるようになったということなのか、残念ながら過去の記録は薄い。ただ、新しいミュージアムだけにコンピューターを多く使った展示が使われていて、飽きることはない。

ちょっと気が付いたのは、日本代表チームが今までに獲得したカップが並んでいるが、アジアの大会で贈られるカップは「非常に形が大きく、金ピカ」だ。早い話が、優勝したという記録は永久に残るのだから、巨大なカップなど地域の後進性をあらわすだけのような気がして気恥ずかしいが、別にその場に外人がいるわけでもないし、単にアジアの大会なのだから、どうでもいい話かもしれない。拝金主義の国ばかりだからしかたないか・・

映像類は相当量用意されていて全部見ようとすると、半日以上かかりそうだが、そこまでの余裕もないので、一覧して出口に向かう。(できれば、キックターゲットでもあればもっと楽しいかもしれないが、骨折した足を引きずりながら回っている人間には、不愉快かもしれない。あるいは、将来、日本代表監督を解任された外国人監督が怒りのケリを炸裂させるかもしれないし、)

そして、今だけなのかも知れないが、ブルーのカードをもらった。日本代表を応援する時とか使うのだろうか?よくわからない。むしろ、いつも胸ポケットに入れておいて、部下が、仕事で成功したときとか、そばにいって青いカードを高く掲げて祝福したりすればいいのだろうか?(仕事に成功するということは、他の会社が同額の損失を出すということと同義の場合が多いのだが)

ただ、よく考えると、部下といっても、年配者ばかりで、隙をみては、サボろうというのが多いようにも感じている。したがって、ポケットから取り出すべきカードは、ブルーカードではないような気もする。そういう人のためにサッカーミュージアム1階の売店コーナーには、公式サッカーグッズが売られているのだ。このブログの読者の中で、気が弱くて部下を口頭で注意できないという人には便利なツールがある。650円。

赤いカードと黄色のカードだ。ただし、ついでにホイッスルまで買うのは、少し行き過ぎかもしれない。

「白魚橋」って、Do you know?

2005-07-22 19:55:20 | 市民A
7b329413.jpg(画像をクリックして中央の地名を確認できます)

港区の教養講座で「江戸学」を学んでいるのだが、「都市農村関係史研究所」の渡辺善次郎先生の話を聴く。「江戸は循環型社会だった」。

「循環型」というので、臭い話(し尿の肥料利用)を聴くのかな?と思っていたのだが、それはちょっとだけであった。

まず、驚いたのは、講義のマクラが「ワンガリ・マータイ」さんの「MOTTA-I-NAI」からだった。またもだ。この「しょーと・しょーと・えっせい」では、彼女のことは、ノーベル平和賞受賞の時からおさえていて、彼女が日本でこの「魔法のことば」を発見する前から注目しているのだが、ついに新橋の港区生涯学習センター3階第五教室にまで「モッタイナイ」がいきわたることになった。まさか、彼女も日本発の言葉が資源浪費国の米・中ではなく、出発点の日本国内で盛り上がるなんて予想もしていなかっただろう。ブーメランか?この建物自体が児童のいなくなった区立桜田小学校のリユース品であるところもニクイ。

で、講義時間の大部分は、江戸が循環都市になった事情というような、ちょっと深層的な経緯を欧州の都市との比較で論考する。オールジャパン向きの検定教科書とは中身が違って、東京人から見た江戸の評価といったところが中心的観点だ。そうすると、明治以来の公式的歴史観とはかなり違う風景が見えてくる。つまり、東京は近代日本の首都でありながら、近代日本と敵対する江戸文化の中心地でもあるわけだ。

江戸と東京の時間的境界は「明治維新」であるのだが、明治時代の近代人から見て、江戸の歴史は「忘れ去りたい風景」だったらしい。国策としての洋風化である。しかし、江戸末期から明治初年にかけて来日した外人の目には、江戸や長崎の町は、欧州と比べてかなり先進的で豊かな町のように見えていたらしい。欧州と較べると、貧富の差が少なく、大名から農民まで同一の法令が適用になり、資源大国で農地の生産性が高い。さらに教育水準が高い。そして、外人の目からみると、「税金が驚くほど安い」ということである。

それに対して、日本人が見た日本は、植民地がない、家が木造である、蒸気船や鉄道が無いといったネガティブコンプレックスの固まりだった、ということである。(私見では、つい20年ほど前まで、このコンプレックスはつながっていたのだろうと思っている。近日中、別稿)


要するに、検定教科書による歴史では、封建制の武士社会を平民である薩長が倒して、近代国家として、産業革命を進めて、重商主義に進んでいくと書いてあるのだが、江戸側から見ると、自給自足で自己完結型社会を、外圧を利用した薩長が拡大再生産型経済を持ち込んで乱開発を進めた結果、国内だけで収まりがつかず、大陸進出に向かった、ということになるのかもしれない。

確かに、開国に踏み切ったのは、大老井伊直弼であり、薩長は英仏と一戦交えてボコボコにされていたりする。結局、イデオロギーや経済体制の改革を目指していたわけではなく、維新も成行任せになっていたのかもしれない。やはり歴史を正悪二元論でとらえるのには慎重でなければならない。


もう一つの重要点だが、江戸時代270年間のうち、享保年間までの前半は、各藩が藩内の財政改善のため、積極的な新田開発、産業開発に突き進んでいったのだが、そのうち、山が荒れ果て、「諸国山川掟」という開発禁止令が幕府から発せられることになる。また、江戸初期には、金、銀、銅、鉄の産出量は世界最高であったらしく、それらの工業資産を、人口3,000万人を保持しながら循環して利用していたということなのだ。つまり、江戸後半は農業生産力の増大がないのに商業資本が集積していき、物資不足を補うために、鎖国下では必然的に循環型社会に到達したということだろう。

そして、江戸とパリ、ロンドンとの最大の違いは、水利だそうだ。ロンドンではテムズ川は常に臭気を発生させ、「Great Stink事件」では、テムズから突然ひどい臭気が発生し、ロンドン中の市民が逃げ出した記録があるらしい。伝染病の原因は臭気だと思われていたそうだ。パリはセーヌ川の水を飲用に使っていたと同時に、排水もセーヌに流していたそうだ。

また、あちこちに銭湯があって、毎日、風呂に入るのは日本人だけだったそうだ。現在でも欧州には、バスなしシャワー付のホテルがあるが、日本でバスのないホテルを作れば、間違いなく、1週間でつぶれる。その事情はカップルズホテルでもなおさらだろう。


そして、ここから先は自主学習の世界だが、江戸では舟遊びが盛んで、白魚を釣っていたとの話がある。寿司屋で白魚を5~6匹まとめて軍艦巻きにしてもらうと、あまりの美味ゆえ、よだれだけでなく目からも涙がこぼれてしまうような透明な魚だ。非常にきれいな海でしか生息できないはずなのだが、江戸前(江戸湾とは言わず、「内海」という。)で獲っていたらしい、という情報を頭の片隅において、「江戸-東京重ね地図CD-ROM」を動かしていると、偶然にも、こんな地名を見つけた。

白魚橋
なんと、海ではなく、市中の堀切にかかる橋に「しらうお」の名がついている。海から上っていたのだ。

しかし、現在の東京で、CD-ROMなしに、この「白魚橋」の所在を突き止めることは、まず、困難と考えられるのだ。なぜかといえば、橋どころの話ではなく、堀切自体もすっかり埋め立てられてしまっているからなのだ。そして、その橋があった場所には、現在では消防署が存在するのだ。白魚橋消防署ならぬ京橋消防署である。

仮名口座の過去・未来

2005-07-21 19:57:28 | MBAの意見
f8a5d6f9.jpg数日前のブログで、「太田と大田」という、点が一つ違うだけで、死亡した夫の銀行預金の相続ができなくなり、裁判になった話を書いたら、bunさんから、以下のコメントがあった。こんな他愛もないエントリにレスポンスがあるとは思いもしなかったのだが、さらにTBまでされた方もいるのだが、このニュースは、「なんとなく、居心地の悪い部分」があるのだろう。それで、考えてみると、やはり居心地が悪い感じだ。

まず、bunさんのコメント
60代くらいの女性に本名にない「子」の文字を通称につけている方が結構いるのです。本名「○○」を「○○子」のごとし。多分かのお方のご成婚のときに小中学校で生じたと聞くいじめの回避が理由なのではないか、と思っています。同様の問題が生じるのではないでしょうか。まとまった調査があったら読みたいなと思っていますが見たことがありません(暗にリクエスト(笑))。

通称で「子」をつける理由の「かのお方のご成婚時の小中学校でのいじめ」というのは、よくわからないが、確かに「子」をつけるのが一般的だった時代もあった。そして現代は逆だ。現代では、逆に「子」をとって通称にしている女性がいるかもしれない。「美智子→美智」とかか・・

大田と太田、美智と美智子とか問題は複雑そうだが、要するに「仮名(かめい)問題」と捉えてみればいいのだろう。旧植民地国籍の方の、日本風の通称とか、欧州系外国人のカタカナ名口座とかも含んで考えてみる。消極的仮名の例としては、結婚後の旧姓名義の口座もある。

1.まずは現在
 現在、口座を作ろうとすると、かなり厳しく本人確認と住所確認が行われるのはご存知のとおりだ。公的証明書+公共料金の請求書などで確認している。
  目的は、およそ三つ。
  A.テロリストの送金用の口座封鎖
  B.振り込め詐欺に口座が使われないように
  C.銀行破綻時の1000万円補償のための名寄せ

 ところが、実際には、なんらかの合理的理由で仮名を使う必要がある場合がある。たとえば、芸能人の場合、たいがい名前が違う。大きく違う場合もあり、小さく違う場合もある。「濱崎歩=浜崎あゆみ」などは、「太田と大田」「斉藤と斎藤」程度のような気もする。それから、韓国籍の方などの通称もある。正々堂々と和風の名前を使っている人もいるし、意に沿わずに使っている人もいるのだが、いずれにしろ通帳は必要だ。「デーブ・スペクター」なんていうカタカナだって通称といえる。そういう本名でない通帳はどうするかというと、銀行に「通称名義に関する届出書」という書類を提出することになっている。しかし、あくまでも、本人確認書類の他に、この「通称届出書」が必要であるので、「本人」の確認はしっかり行われることになる。したがって、「太田=大田問題」は、銀行員の不注意でしか起こりえない(はずだ)。

2.ルーズだった過去 過去、仮名口座がルーズだった時期がある。事実上1980年代までは、預貯金に「マル優制度」が存在していたからだ。現在は「老人マル優」という制度でかすかに生き延びているが、来年廃止になるし、何しろ金利が存在しないほど少ないので、どうでもいい制度になっている。が、80年代は高金利時代だった。10年の定額預金で7%位ではなかったか?5年物の「ワイドかビッグ」も7%、国債が6%程度だったか・・(数字には、あまり自信なし)

 そして、お金持ちはこの銀行、郵便局、国債のマル優枠各300万円(合計900万円)を使い切ったあと、どうやって枠を確保するかと悩んだわけだ。それには、およそ3つの案があった。

  A.仮名口座を作る。
   家族だけでなく、飼い猫の名前までつけたらしい。おおたポンタとか・・
  B.気にしないで別の銀行で次の(本当は無効な)300万円枠を使った。
   要するに、税務署に名寄せ能力がなくサンプル調査だったので見つからない確率が高かった。
  C.低率の税額を先に払っておく「無記名割引債」を買っていた
   金丸先生も金庫にためていた。

結果として、所得税減税とパッケージにして、1988年4月にマル優は廃止になったのだが、それまでにばらまかれた仮名預金口座は、相当数存在する。そして、少なくとも名字が正しい預金口座は、名寄せしても本人名口座として十分に利用可能な状態になっていると思うし、たとえば結婚前の旧姓口座も使用は可能だ。

3.事実上、回収不能な仮名口座 「覆水盆にかえらず」ということわざがある。ばらまいてしまった仮名口座の多くは回収困難と思われる。何しろ、ある程度稼動していて、銀行合併のおしらせというような郵便物も届く状態で、さらに名寄せまでしても弾かれない口座は、当面、銀行としても放任してしまうのだろう。それより、銀行の支店そのものを廃止して、宙に浮いた口座を自ら作っているのは、銀行の方だからである。

4.相続の時の問題
 「太田=大田事件」に違和感があるのは、むしろ、「表沙汰」になったことである。普通は、本人死亡とともに預金口座は、すぐに裏から手が回って「封鎖」になってしまう。そのため、危篤になると家族は、本人の印鑑を持って葬式費用を慌てて引き出しにいったりする。となれば、みつからないはずの別名口座が表に出てきたのは不思議な感じがする。本名美智さんがなくなっても、美智子さんの預金口座はずっと生きているはずだ。

裁判になったのは、珍しく正直者の「太田あるいは大田」だったからなのだろうか?そして、残された妻は、今後はどちらの「太田あるいは太田」を名乗るのだろうか?まさか、ひらがなの「おおた」では・・

ところがそれは、・・・登録商標で先約済みなのだから・・

毛利藩邸が六本木ヒルズに・・

2005-07-20 19:58:47 | 地図
ac5f54d3.jpg地図の話から。
先日、購入した「江戸・東京・重ね地図CD-ROM」。江戸といっても幕末の安政3年の地図と現代の東京の地図が、重ね合わせて見ることができる。では、使ってみる。

少し前に、六本木ヒルズに行った時、地下鉄六本木駅とは反対側に緑地があるのを発見。表示では、毛利庭園となっていて、毛利藩邸があったとされている。

そして、この場所を地図で調べると、まさに、六本木ヒルズもテレビ朝日も、長州毛利藩の藩邸内になっている。そして、毛利藩邸で有名なのは、四十七士が奇襲に成功し、自首した後、幕府から彼らの一部を預かることになり(押し付けられた)、さらに彼らには切腹が言い渡され、この藩邸内で、腹を切ることになってしまったのだ(介錯の首切りまで毛利藩で行ったかどうかは不勉強)。

ようするにヒルズの裏庭は、大量殺人(自殺?)の現場であり、不動産取引では「訳あり物件」になる。現代の毛利庭園内にも首を洗った場所とかの記録がうっすらとわかるような記載がある。


ところで、毛利といえば関が原の戦いでは一応西軍だったが、郵政民営化法案の衆議院での投票ではないが、戦闘からは、「棄権」したため、お取りつぶしは免れ、長門の国を与えられることになったわけだ。そして、下関は交通の要所であることから、常に幕府に監視されていたわけだ。幕府を無視していた薩摩藩ほどの豪快さはない。

しかし、長州と薩摩を歴史上で考えると、一つ謎がある。今まで聞いたことのないつまらない謎なので恐縮ものなのだが・・

現在、東京では、六本木の「毛利藩邸跡」、三田の「薩摩藩邸跡」と呼ばれている。かたや大名の名称(毛利)、かたや国の名称(薩摩)で呼ばれる。ところが、これが、上方(京都)では長州藩邸、島津藩邸と呼ばれているようだ。

ちょうどねじれている。これは、地図をみてもなかなかわからない。各藩邸跡を地図で読むと○○国○○○○とキチンと藩と大名を併記してある。

NETで検索しても、この謎に近づく記載は見つからない。あえて私見だが、歴史上の事件が先にあり、事件の名前として、現地で世間に流布してしまった場合は通称優先となるのだろうか??

誰か、この呼称の東西ネジレ現象の原因をお教え願えないだろうか・・

ゲーミング・マーケットって・・

2005-07-19 20:01:10 | MBAの意見
0d88fc0e.jpg帰宅して、郵送されてきた雑誌や郵便、メール便に目を通していると、新潮社の雑誌「フォーサイト」が届いていた。そして、特集が「カジノビジネスが世界を変える・アジア、日本を席巻するラスベガスモデル」なので、びっくりしてしまった。なにしろ、中国に強い証券会社のセミナーで「マカオ・サクセス社」の会社説明会に行っていたからだ。変な話だが、記者(大学教授)が取材したものよりも、「カネのことしか頭にない金持ちと貧乏人の60人の集団」が、当事者に厳しい質問を浴びせかけて聞く方が、リアリティがあるようだ。

まず、なぜ、マカオ?ということだが、中国政府がギャンブルを公認しているのは、マカオだけなのである。もちろん、マージャンとかその他、国内で賭け事が行われているのは確かなのだが、大規模な公認カジノはここだけ。逆にいうとポルトガルから中国に変換された1999年以前には、中国にはカジノは存在しなかったわけだ。

そして、今やその規模(5,288百万ドル/年)はラスベガス(5,300百万ドル)とほぼ同規模である。マカオ・サクセス社の副社長の話では、飛行機で2時間以内の人口が10億人。3時間以内の人口が20億人の巨大市場で、どんどん流入が進んでいくとのことである。そして、「ギャンブル」と言ってはいけないそうだ。「ゲーミング・マーケット」と言わなければならない。

このマカオのカジノだが、以前はホー一族が独占していたのだが、政府が商権を3分割したそうだ。そして、その分割された利権の先に世界各地から資本が群がっているというのが現状だそうだ。この「マカオ・サクセス社」というのは、現地資本なのだが、株式上場していて、株式市場で調達した資金で、あちこちの投資案件に参加しているとのこと。その中の最大の目玉が、2007年完成の「PONTE16」と呼ばれる、VIP層を狙った、総合ゲーミングホテルの建設だそうだ。

実は、マカオは細い海峡一つ隔てて、中国の珠海(ズーハイ)市と隣接している。現在はトンネルは1本だけなのだが、この「PONTE16」から珠海まで地下遊歩道ができるそうだ。また、現在は香港旅行のついでに来る人がほとんどで、滞在は平均1.5泊だそうだ。これを総合エンターテインメント施設を作ることにより4泊位に延ばし、ドルを吸い上げようということだ。

そして、ここで役に立つのが、例の「Google Earth」。なぜか「macau」で検索すると、アメリカ中部の町に着陸する。調べていてわかったが、Googleは中国には遠慮していて、現地読みでなければ検索できないようになっている。hongkongも駄目だ。やっとの思いで、建設予定地を探し出し、衛星写真を見ると、住宅が立ち並んでいる。いかになんでも、立退料が高そうだ。結局、説明会の目的も「資金問題」ではないかとの可能性が頭をよぎるが、断定はできない。まあ、株に投資して儲けるよりも、いきなりテーブルに座ってカードを手にしたほうがいいかもしれない。

フォーサイト誌では、マカオにラスベガス資本が一気に流入するようなことが書かれているが、マカオとラスベガスの最大の違いは、人気ゲームの種類が違うことだそうだ。ラスベガスはスロットマシーンが最大の売り上げをあげているそうだが、マカオではテーブルゲームの方がずっと人気が高いそうだ。

説明会の話は以上だが、後背にある珠海市だが、ちょっと前に集団買春事件があったところだ。西日本の会社の約300人の男に対し、現地女性500人が派遣されたという事件だが、これだけ組織的にホテルに送り込むような国は、世界中のどこにもないだろう。まあ、買う方も問題だし、放任する方もどうなっているのだろう(男一人あたり女性1.7人というのも気になるが・・)。その他にも、タクシードライバーが10人以上殺され、タクシーが奪われ転売された事件(犯人たちは銃殺)とか一説には中国最悪の犯罪都市だ。その珠海とマカオを結ぶ新しい地下遊歩道とは、本当は何の目的なのかよくわからない。ちょっと一人じゃ歩けないだろう。


さて、一方で冷静な意見もある。証券会社の方の話だが、中国の株式市場(深セン、上海、香港)は以前、投機的なギャンブル市場だったのだが、マカオ返還に伴って、「ギャンブラー」は、株式ではなく本物のカジノに行ってしまったので、市場が正常化した、という珍説だ。

となれば、東京にもゲーミング施設は必要なのだろうか。現都知事はお台場に誘致したいらしいのだが、もっといい場所を私は知っている。それは兜町にある建物だ。大型ビルでもある。かつては大勢の労働者が立ちっぱなしで仕事をしていたのに、ITのおかげで現在は誰もいなくなった空間。そう、東京証券所そのものなのである。