「先行するものたちへ」関根直子展

2012-09-30 00:00:55 | 美術館・博物館・工芸品
第一生命ビル南ギャラリーで開催中の関根直子展へ行く。第一生命ビルとは終戦後、マッカーサーの執務室があったことで有名だが、現在では建て直され巨大金融センター風の立派すぎる生保ビルになっている。南ギャラリーは現代美術の展覧会が行われている。

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今回は、関根直子さん。

ただし作品は、われわれ凡人には、なかなか理解しづらい。全作品がモノクロ画である。さらに、使用した画材が、おもに鉛筆とボールペンだ。

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一方、関根直子さんだが武蔵野美術大学で油絵を専門にしていたようだ。1999年の卒業制作でこれらの作品群を仕上げたようだが、油絵を専門にしていたのに鉛筆と黒色のボールペンを用いて線を何重にも重ねていって、その意味をわれわれに問うわけだ。
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白いキャンバスに果てしなく一筆書きで線を重ねる行為は、ある意味我々の人生と似ているわけだ。生か死か。そういえば、第一生命ビルであることを思い出させる。

将検2級の例題で考察

2012-09-29 00:00:06 | しょうぎ
10月21日に予定されている将棋文化検定(以下、将検と略。)の2級の例題が難しい、と友人の一人からメールあり。

四題の例題がHPに掲載されていた。

A.現在の将棋における禁じ手(二歩、行き所のないところへの着手、打ち歩詰め)をルール化したのはだれでしょうか。
(1)大橋宗桂一世名人 (2)大橋宗古二世名人 (3)伊藤宗看三世名人

B.木村義雄八段が実力制の第1期名人に就位したのは昭和何年のことだったでしょうか。
(1)9年 (2)11年 (3)13年

C.中学在学中にプロ棋士になったのは何人でしょうか。
(1)2人 (2)4人 (3)6人

D.A級在位のまま亡くなった棋士は4人います。花田長太郎九段、山田道美九段、大山康晴十五世名人と、もう一人はだれでしょうか。

E.A級順位戦での全勝達成者は今までに3人います。中原誠十段(8連勝)、羽生善治二冠(9連勝)と、もう一人はだれでしょうか。

で、Bは13年である。Dの縁起の悪い問題は村山聖。Fは森内俊之(俊雄とか俊行とか書くと×を食らう)。

で、Aは難しい問題なのである。普通に言われているのは二代名人大橋宗古が1636年に著した『象戯図式』の巻末に、将棋治式三ヶ条として、

1.二歩を打つことの禁。
2.千日手の禁
3.逆馬にゆき処なき駒を打つことの禁

を示している。

この他、別の場所で「打歩詰の禁」も示していて、「将棋治式四ヶ条」として伝えられている。また「打歩詰」については、宗古は打歩詰打開問題をいくつか残している。

ところが、禁手のうち、千日手、行きどころのない駒の禁、打歩詰については、将棋の根幹を為す反則ではないのだが、「二歩」については将棋ルールの基本的部分に該当するわけで、もっともっとずっと前から禁止されていただろうと推測できるのである。


それと最大の疑問はCの中学生棋士のこと。加藤、谷川、羽生の三名は正解だが、渡辺明現竜王はどうだったかと、四段昇段パーティを思い出してみる。さらにデータをひもとくと面白いことがわかった。

渡辺竜王が奨励会を卒業したのが中三最後の3月。つまり中学卒業後、高校進学前の4月1日が四段認定された日なのである。しかも彼は中高一貫校に進んでいたため、この問題をかみ砕いてみると、15歳の4月1日は、中学生なのか高校生なのかということに収斂するのだろう。


ところで、友人たちの中に検定を受ける人がいるかといえば、ゼロである。反米主義の人が多いようだ。


さて、9月15日出題作の解答。

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▲2四銀 △同玉 ▲1六飛 △5七桂成 ▲1四飛まで5手詰。

動く将棋盤はこちら


今週の問題は、軽めとなった。

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昨日(28日)の午前7時に完成の、デキホヤである。手数のヒント。

手数=Xとすると 823,523 823,543は、ある整数XのX乗である。(こちらの方が難問かも)


わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

きびだんごのひみつ

2012-09-28 00:00:01 | あじ
岡山名物の手土産といえば、一に「きびだんご」。二、三がなくて、四に「むらすずめ」、五に「調布」といったところだろう。特に「きびだんご」については、日本名作昔ばなしの一つである「桃太郎」でも、桃太郎の子分であるキジ、サル、イヌを手懐ける小道具として登場するくらい有名である。

また、和菓子の研究家によれば、だんご類は、日本古来の菓子であり、その後中国各地から中国菓子が伝来し、さらにポルトガルなどの欧州から洋菓子が渡来し、茶文化の隆盛などもあり、和菓子が発展してきたということらしい。

つまり、「きびだんごは、和菓子の原点」ということができる。

ところで、岡山のきびだんごと言えば、もっとも有名なのが、「廣栄堂本店」。岡山駅、岡山空港。地元デパートの天満屋でも、もっとも目立つ場所にお土産として各種のきびだんごが詰み重ねられている。

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そして最近、きびだんごの箱の中に入っている栞を、読んでみると・・

きびだんごの発祥が書かれていた。

きびだんごの誕生は安政三年(1856年)です。

備前池田藩の筆頭家老であり大茶人でもあった伊木三猿斉翁のご指導により、初代武田浅次郎の手によって創製されましたが、明治十八年
「日の本にふたつとあらぬ吉備団子むへ味はひに名を得しや是」
という御製を賜る光栄に浴しました。

その後、日清・日露両戦争に於いて、鬼退治の演技のよいお土産として全国に名を知られるようになりましたが、桃太郎のお伽噺とともに大切なお子様たちの健やかな成長をお祈りして安全で健康なお菓子として皆様のご愛顧を賜っております。


ということだそうだ。

つまり、桃太郎の登場は、幕末にペリーが日本に来てから後ということになる。

さらに、きびだんごは日清・日露戦争の時の縁起物となっていたということは、両戦争を「鬼退治」と捉えていたことになる。時節がら、厄介な解釈だ。

となると、現代の鬼退治は、瀬戸内海の鬼が島ではなく、日本周縁部の別の島で行わなければならないのかもしれない。

胴体着陸も気にせずに・・

2012-09-27 00:00:37 | 市民A
モンゴルの航空会社と言えば、MIATモンゴル航空が有名なのだが、実はモンゴル国内に限れば、「エズニス航空」が75%のシェアを持っているそうだ。ほとんどが国内便で、中国、ロシア、カザフスタンなどの限られた近隣の都市にチャーター便を飛ばしている。

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ところが、唐突に今年の7月に、ウランバートルから静岡空港にチャーター便が飛来。突然といっても、領土紛争の仲間入りをしようというのではなく、日本で組まれたモンゴルツアーの乗客を運ぶための御役目である。なけなしの1機だけのB-737 機である。

ということで、海外進出に向けてやる気満々というのは、過去の全日空(ANA)と同じようなポジションなのだろう。昨年は、ANAと戦略的パートナーシップ契約を締結している。

そして、最近のニュースでは、リース会社からボンバルディア社のDHC8-400型機をリースし、運航することになったということである。拡張路線まっしぐらである。

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ただし、この機体だが、2007年3月13日午前8時40分頃、大阪発高知行きの全日空(ANA)1603便・DHC8-400型機として高知空港へ着陸の際、前輪がどうしても降りず、結果として胴体着陸を強行することになった機体であることが、わかっている。

5年間、どこにいたのかも明らかになっていないのだが、まあ、いざとなれば草原や砂漠が豊富な国なのだから、ノー・プロブレム、ドント・マインドということなのだろうか。

売茶翁のこと

2012-09-26 00:00:06 | 書評
sentya自宅に茶道具が、いささかの量で存在する。質はたいしたことはない。親戚筋からの寄贈であるが、茶はまったくやらない(今までのところ)。

とはいえ、茶道と言えば千利休ということくらいは知っているが、もう一つの茶と言えば、「煎茶」である。これは、いわゆる普通のお茶である。

普通のお茶を飲むにしても、流儀があって、いきなり湯呑茶碗にゴボゴボと注いで、ぐびぐびと飲んではいけないわけだ。抹茶と同じで、茶を嗜むまでの工程表がある。その工程表は、実は膨大な量になっていて、茶会のホストと言えば、大部屋、小部屋各種を用意し、茶の前に、自慢の掛け軸やら茶道具を展示する部屋を設け、さらに茶の前に、手の込んだ懐石料理を客人の前に並べる必要がある。

そしてたらふく飲んだり食ったりした後に、ついにほんの少量のお茶を飲むわけだ。

茶を飲むにしてもシキタリがあったり、道具をほめたり、まあそんなところだ。茶会一席で約100万円が必要といったところだ。

それらのシキタリなどを書いてある「煎茶全書」なる書物もあって、何ヶ月かかけてコツコツと読んでいたのだが、その中で、この煎茶道の中興の祖といわれる人物のことが書かれていた。

人呼んで「売茶翁」。本名は柴山元昭。1675年、佐賀県で医師の家に生まれたが、11歳で出家し、病と闘いながら禅を追及していった。

そして61歳になって、突然、茶売り行脚を始めることになる。ついでに茶道具の取次もだ。どうみても、坊主のアルバイトなのだが、本書では、生活に窮して茶の販売業者となったというような書き方になっている。一方、売った茶をお客と飲みながら世間話をするのが好きだった、という説もある。おそらくはどちらも正しいのではないだろうか。一石二鳥。

そして、全国行脚をし、茶を飲み過ぎていながらも88歳(米寿)でグッバイとなる。なお、81歳の時に、所有していた茶道具は、一足先に本人が火葬にしてしまっていたので、私の手元にある一見古そうな茶道具が、実は売茶翁が使っていたものだ、などということはまったくないわけだ。

インフレ率>GDP成長率 だと

2012-09-25 00:00:09 | 市民A
熱しやすく冷めやすい国との領土問題の方は、さっそく冷めてしまったが、もう一つの問題は、C国の内部で抱える問題と同時並行的に、深く発酵していきそうな状況にある。

まず、発端の「島の国有化」だが、そもそもC国には私有地は存在しないわけ。全部国有地で期限付きの賃借権を人民同士で取引しているだけ。だから見当外れのことを言うのだろう。その賃借権を担保にして銀行は高利でローン貸付しているわけだ。私有地だろうが国有地だろうが、領土問題とは関係ないわけで、北海道でC国人が自国崩壊後の資産確保のため(あるいは水資源投資)に土地やマンションを買っているようだが、K国人が対馬の土地を購入するのと同じで、領土問題には何の関係もない。

それで、現在の状況を言えば、リーマンショック後から続く、世界金融不安の結果として、世界同時不況がゆっくりと拡がってきているわけだ。一方、高成長率と高インフレ率をバランスさせてきたC国経済は、インフレ率7%を超えるGDP成長率を続けられるかどうか、いかにも怪しい状況になっている(GDP成長率は各省別に計算して合計して全体成長率を計算するため、各省が正直に計算しないで、責任追及をおそれ、消しゴムで上方修正したくなる性質のものである)

で、何よりもインフレが止まらずに、成長率が落ちていけば、今でさえ激しく拡がる貧富の差の拡大や、若年層の失業、年金不足、人口構成の老齢化、エネルギーや食糧の不足、銀行・大企業の破綻などが次々に始まる可能性がある。

ちょうど、成長経済が行き詰まった1930年代の欧米や日本のような状況と似ている。

それで、行きつくところは国家崩壊ということだが、大国の崩壊というのはいくつかの類例があって、過去のC国では、前国家の崩壊、革命、大粛清というような救いようのないような事態が多い。

ロシアはソ連になった時は散々だったが、ソ連からロシアになる時には、江戸開城の時のような穏健な手順を踏んだ。ブレジネフ死後、共産党政権が弱体化していきながら経済も崩壊していた状況を、ゴルバチョフ、エリティンと国民の支持を受けた大政治家がリードしたからだろう。

ドイツや戦前の日本が崩壊したのは、拡張主義をとり、さらに戦線拡大したため、乏しい資源を使い尽くして自壊した図である。

ではC国がどういう過程を辿るのかということだが、まず大政治家が現れることは考えられない。日本と同じように二世だ、太子党だとかやっている。よって、ヒトラー型もいないだろうと考えられる。C国にとって最善のパターンは、共産党以外の政党を認め(国民党とか)、選挙によって民主主義国へ鞍替えする方法だろうが、政権を譲った途端に共産党員の多くが汚職で逮捕されるのかもしれないし、このシナリオがあるとすれば、全土を民主化のデモの並みが包み込むようなパターンだろう。

しかし、民主化したC国が現れれば、逆説的にいえば、日本にとって巨大なライバル国が現れることになり、本音では歓迎できかねるところである。

できうれば、過去のC国歴代王朝崩壊劇のように、内部抗争によってゼロからの出発みたいになるのが望ましいと言えるし、「近いうちに」たぶん、そうなるだろう。

「非まじめ」思考法(森政弘著)

2012-09-24 00:00:57 | 書評
himajime非まじめとは、まじめと不まじめを統合するような概念だそうだ。なんというか、考え方というのは多面的でなければならないとし、絶対的に正しいものは存在しないというような論理である。著者はロボット工学の第一人者である上に、仏教にも詳しく、そういう科学と哲学の交差する部分を、例を挙げて様々に考察する。

本書は1984年に刊行されたものだが、それ以降、彼が予測したロボットに関する人間の感覚で非常に面白い未来予測があるのだが、「不気味の谷」という考え方がある。ロボットが、徐々に人間に近づいていくと、徐々に人間はロボットに親しみを感じていくのだが、ある段階までそっくりになると、急に嫌悪感を感じるだろうという予測である。たとえば、スイッチをoffにすると、人形ではなく死体のように感じるとか、人間そっくりの考え方をするのだが、感情を感じない宇宙人みたいな気持になるとか、そういう不気味な感じが増してくる。しかし、さらにロボットが人間そっくりになってくると、再び親しみの感情が生まれてくるだろうということ。

なんとなく、チンパンジーより犬の方がペットにふさわしいというのと似ているかもしれない。

それで、本書の中に機械の効率という話があって、たとえば自動車の設計で、エンジンだけの性能がすばらしくても、ボディの寿命が先に終われば、エンジンは無駄な頑丈さということになるし、タイヤの交換回数にしても、タイヤは何回か交換するものだが、交換してすぐにクルマの寿命が尽きるというのは無駄がある、といったことが論じられる。

ここから先は、私が続きを考えてみたのだが、人間の寿命を考えると、不老不死というわけにはいかず、全身の筋肉、骨格、内臓・・と、老化は進んでいくのだが、すべての老化がXデイに向かって衰えていくのかという謎がある。

もちろん、毛根とか生殖器とか、寿命全体からいうと早々と失われる人もいる(根源的に生物は生殖適正期を過ぎたら、集団のゴミということかもしれない)。

ただし昨今は80歳程度の方は大勢いるわけで、よく考えれば、脳とか心臓というような重要部品は、先にガタが来るように思える。まあ、心臓が動かなければそこまでなのだろうが、脳が動かなくなって体だけ動くのは認知症ということになり、脳が動いても体が動かないのが寝たきり。いずれも具合がよくない。まあ、酒ばかり飲んでいれば、全部一緒にダメになるから案外効率的ということなのかもしれない。

ところで、森先生だが、1927年生まれ。この本は1984年の刊行なのだから、67歳の頃。現在は2012年なので85歳ということである。効率的にやっているのだろうか。

東洋の白いやきもの(出光美術館)

2012-09-23 00:00:11 | 美術館・博物館・工芸品
hakuji丸の内の出光美術館で開催中(~10月21日)の『東洋の白いやきもの』展。

白いやきものといえば、白磁ということになる。今や、赤い共産党の旗を喜んで振り回しているC国で、尊ばれているのが白磁であるというのも皮肉なものだが、ちょっとしたわけがある。

元々は、中国磁器は青味がかった青磁を基本としていたのだが釉(うわぐすり)の中から鉄分を除去することにより、白い磁器ができることが知られていた。実際には、青が好きな人もいるし白が好きな人もいるのだが、好みが白に代わっていった背景には、漢民族を支配した「元」帝国の皇帝たちが、白磁を特に好んだことがある。

強いものに巻かれるというのは、よくあるはなしだが、元が王朝を維持している間に、漢民族も白い磁器が大好きになってしまった。

ところで、日本でも、白い陶磁器はある。たとえば美濃焼や京焼。ただし、中国陶器は、日本産と異なり、美しい左右対称をもって良とするが、日本産は、わざわざ歪んだ状態をもって、喜ばれる。

中国に比べて国土が圧倒的に狭い日本で、陶磁器は多種にわたる形をもっていることは、奇跡的といっても過言ではないのだろう。

幼き真剣師(沖田正午著 将棋士お香 事件帖3)

2012-09-22 00:00:45 | しょうぎ
時代小説に「将棋」を取りこむことは実際に簡単ではないだろう。

将棋人口が減っている現在、金とか銀とか書いても、何の事かわからない。一方、将棋を知らない人にもわかるように、簡単に書き過ぎると今度は底が浅くなる。また、時代小説の舞台を江戸時代に設定すると、本物の江戸の将棋家元のことを勉強しなければならない。

ところが、本著の著者の沖田正午氏だが、家元制、女流棋士、真剣師(かけ将棋士)を巧みに組み込んだライトノヴェルの主人公に「お香」なる女性真剣師を設定している。将棋高段者を目指していたにも関わらず、国法により禁止されていた賭け将棋のバイトをしていたことが見つかり、破門となった元女流棋士が活躍するわけだ。

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本著では、やはり修行半ばで引退した兄弟子のこども(三兄妹)が、大人を相手に賭け将棋で巨額な勝負を挑んでいるという、まったく救いのない世界を描いている。

ただし水戸黄門の子孫が登場し、決着をつけるわけだ。

ところで、沖田氏だが1949年生まれというので、63歳なのだろうか。最近までグラフィックデザイナーだったというのだが、元奨励会という噂もある。真偽のほどは不明。


さて、9月8日出題作の解答。

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▲3五角成 △2三銀 ▲4三玉 △1三玉 ▲4六馬 △同馬 ▲1二飛打 △同銀 ▲2二飛成 △1四玉 ▲1五歩 △同玉 ▲2五竜まで13手詰。

まあ、いやな変化が多すぎるような気もする。

動く将棋盤は、こちら


今週の出題。

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特にすばらしい手はない。案外、こういうのが実戦型詰将棋というのではないだろうか。

手数のヒントは、いい表現を思いつかないので、今回はなし。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数を記していただければ正誤判断。

天照大神ではなく天照梅

2012-09-21 00:00:21 | あじ
古事記の解説書を読んでみると、古事記の中での重要人物とは天照大神、大国主、神武天皇ということなのだが、その一人である天照大神の神話と関係はあるのかないのかわからないが、和歌山から梅干しが送られてきた。というか、転送されてきただけだが。

その商品名も、・・・

 天照梅。

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いわゆる南高梅だ。普通の中国産の梅の2倍の大きさがあるとのことだ。

本当は、どうやって食べるものかよく知らないのだが、さっそく、きょうのオカズにしてしまう。

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なにしろ、木箱に入っていて、さらに一粒ずつに包装されている。

味の方は、かなり甘みがあって、もったいないという感じだ。

椎名誠「ぼくがいま、死について思うこと」

2012-09-20 00:00:36 | 書評
新潮社の自社出版物書評誌『波』の9月号で、椎名誠氏の連載「ぼくがいま、死について思うこと」が完結した。当然ながら、いずれ書店に平積みされ、その後、縦置きされ、その後、文庫本で平積みされ、その後、縦置きになり、いずれ「椎名誠エッセイ全集」みたいになっていくのだろうか。

この連載だが、最初は椎名誠氏が死生観を語るのだろうかと思っていたのだが、当初は世界各国の葬儀のしきたりが比較されていたわけだ。風葬とか鳥葬とか・・

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その後、過去に自分が死にかけたことが何回かあるという話題になり、「運がいい」のか「それなりに簡単に死なないような準備があるから必然に近い悪運」というようなところに落ち着く。で、生と死は隣り合わせであるということになり至り、最終回は身近な葬儀の話になる。

知人に、「自分の葬儀として希望のスタイル」をアンケート調査したわけだ。

しかし、・・・

いくら友人とはいえ、突然、そんなアンケートを送られた方も、戸惑ったのではないだろうか。なにしろ、そのアンケートに答えれば、流行作家のこと、そのまま出版してしまうのではないか(事実、そうだ)。これは、くれぐれも熟考して記入しなければならないのだが、葬儀は自分で行うのではなく家族が行うのが通常だ。書いたことを家族に確認しなければいけないが、「急に何を突然言い出すの?それよりも今から遺産を貯金して頂戴!」と怒られるのが関の山だ。

で、彼の悪友である木村晋弁護士、イラストレーターの沢野ひとし氏、北上次郎(目黒考二)氏などの意見を聞いてみたようだが、実はそんなに驚くようなものはないようだ。まあ、「静かに消えていきたい」ということを、いくつかの表現方法で実行したい、ということに集約されるような気がする。

もちろん椎名誠氏もその延長で、海辺で死にたい、とか葬儀の時の音楽のカテゴリーとかこだわっている程度のようだ。

多くの日本人って、死ぬ時は仏教徒になるのですね。きっと・・

FAX交換

2012-09-19 00:00:55 | マーケティング
8年以上使っていた自宅のFAXが不調となり、交換が必要となった。いまさらFAXとは原始的なのだが、ちょっとした事情がある。今、勤務している会社の仕事で、何らかの事故があった場合、保険会社に速報をいれなければならないのだが、その仕事をやっている関係で、深夜とか休日の時には自宅で情報収集をして、保険会社の24時間コールセンターへ連絡をしなければならない。もちろん自宅にいなければ別の人間が担当するのだが、事故の種類別に契約している6社の保険会社(うち二社は近々合併するが)に適切につなぐことが必要となる。

で、そういう緊急情報というのは、手書き文書で送られてくるのだが、そうなるとFAXに出番である。それなのに、FAXの受信がうまく行えない。どうも紙がうまくフィードできないわけだ。送信は可能である。

それで、緊急事態が発生する前に、近くのヤマダに行って新型を購入しようと思いつく。

newfax


FAXは家電なのか、IT機器なのかもよくわからず家電コーナーを探すも、見当たらず。結局IT機器のコーナーで最も原始的な機械ということになるのだろう。売り場ではすでに別の顧客が、あれこれ悩んでいた。最も安い9950円の機種とそれより2000円から3000円高い機種の間を往復運動している。よく見ると9950円の機種は、1台だけの在庫である。

で、先着のお客が別の機種に気を取られているうちに、9950円の機種を横取りしてしまった。

組み立てて、できあがりである。

oldfax


ところで、給紙機能に故障があったFAXは、お役御免となったのだが、少し動かしてみると壊れていたFAXも作動するではないか。

旧機種はSHARP製。新機種はPANASONIC。どうも破綻しそうな会社の家庭内でのシェアはどんどん下がっていくものだ。

古事記1300年

2012-09-18 00:00:26 | 書評
高野山ではまもなく空海の開山から1200年ということだが、古事記も編さんから1300年が経つそうだ。

で、原書を読めればいいのだが、読める訳でもなく現代語の解説書を購入してみたが、簡単に書かれているのだろうが、かなり難しい。

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元々、編さんの目的の一が、日本の神話の体系化である。その二は国家統一を達成した大和朝廷の正当性を記載するためである。なんとなく、証拠集めと調書偽造という感じを受けてしまう。

そういう観点で読んでみると、大きな疑問が「大国主(おおくにぬし)の大冒険」。

出雲の王様である大国主が、周辺地域を領土拡張しているのだが、大部分の成功例を書くも一部、失敗例も書かれている。

そして、出雲とは関係ない大和朝廷が統一化を決めたわけなので、そこで大規模な戦闘があったはずなのだが、何も記載はない。邪馬台国との関係も不明である。

そして、神話の世界から何気なく大和朝廷の世界になだれこみ、例の雄略天皇が登場する。

なんとなく、リアルで残虐な日本の過去の歴史を、マイルドにまとめあげ、先人を美化して、後世に新しい日本史を伝えたということなのだろうか。その後1300年。古事記以前に起きた歴史とその後の歴史は、本当は、ほぼ同じほど醜いものなのかもしれないと、うすうす感じるのである。

ある病院へ

2012-09-17 00:00:01 | 市民A
少し前に、避けがたい理由により、某所にある結核病棟を訪問した。

言うまでもなく、以前は患者が多数いて完治するまで長い期間入院するため、交通辺鄙な場所に設置されていたのだが、患者数が漸減したことにより、病院経営的にも他の診療科目も受け付け一般病院として、その中に隔離棟を併設するという形をとっている例が多い。さらに、登るのが困難な高台の病院の周りにも住宅化の波が及んで行ったため、住宅地の中に病院があるということになっている。

そのため、病院の中に入って、その隔離棟に入る前に特別なマスクを購入して、鼻の周りから結核菌が侵入しないようにワイヤーで隙間を塞ぐわけだ。市中ではあまりみないスタイルだが、嫌がる面会人はいないだろう。

そして、棟内だが、パジャマであることだけが、入院患者と訪問者の違いであるように、ごく普通に、ソファーに座って本を読んでいたり、テレビを観たり、中庭を散歩したりしている。つまり投薬を続けることにより熱が下がれば、あとは待つだけ。細菌を体外に出さなくなれば退院してさらに投薬を続けることになる。だから今は3ヶ月ほどの入院の場合が多いそうだ。


ところで、ちょっと驚いたのは入院されている患者さんたちの年齢。たまたまなのかもしれないが、若い人と、年配の人の両極である。

20歳前後と65歳以上の方が多いように思った。男女を問わず。

まあ、ここにいる以上しょうがないという諦めがあるのだろうが、特に若い人には気の毒だなあと特に思ってしまう。65歳以上の人って元々ヒマなのだが、たとえば学生とか入社すぐの会社員とか、結局、数ヶ月入院することっても、1年遅れるようなことになってしまいがちだ。ただし、たぶんその方が本人にもいいのだが。

また、実際は長いスパンで考えれば、悪いことではないのかもしれないが、細菌の性質上、その後の人生で、健康上の制限事項が増える訳だ。体の中で、長い期間、結核菌は生き続けている。体力を酷使するような職業は向かない。糖尿病になると、かなり危険度は増してしまうので摂食が必要。タバコや過度の飲酒もハイリスクである。

といっても、病気の性質上、本人に何の過失や不注意がなくとも、罹ってしまうわけだ。負の宝くじみたいなものなので、要は、個人の気持ちの持ち方なのかもしれない。そして、社会的な偏見もありそうで、確かに病院の近くの交差点の表示も、正確な病院名ではなく、「県立病院前」という、いかにもアバウトな表示になっているわけだ。


そして、現実の日本の結核患者数だが、毎年25000人が発症し、2000人の方が亡くなっているそうだ。レバ刺し中毒どころではないわけだ。対抗策は、ほぼ唯一無二なのがBCG接種。以前は3回接種が義務付けされていたはずだが、現在は一回だけ生後3ヵ月から6ヵ月の間に接種することになっているのだが、それも「任意」である。おそらく、そのあたりが若年層の発症数と影響があるのだろうが、政策担当者のミスが明るみに出ないように因果関係は調べないのだろう。

この政策の大きな問題は、「任意」といってもこども本人の任意ではなく、親の任意なのであって、これをもって自己責任制度というのは、こども自身の人権を守るという観点からいえば大きな見当違いと言わざるを得ないだろう。

天空都市、高野山へ

2012-09-16 00:00:39 | たび
8月に高野山に行った。一応、真言宗の末席なので、空海が開いた天空都市を見学。来年が高野山1200年記念だそうだ。

真言宗は空海の教えが難し過ぎたため、その後、多数の派に分かれていき、おおた家は「御室派」に所属している。京都御室にある仁和寺が、その中心である。仁和寺には数年前に行ったものの高野山は初めてである。

実は、高野山に行かずして比叡山などの他の宗派の総本山に行ってはまずい(ばちが当たる)のではないだろうかという後ろめたさがあり、一度は行っておかねば、と思っていた。なんとなくメッカ巡礼みたいな話だが、砂漠を歩かなくても電車がある。

新大阪から地下鉄御堂筋線を利用し、難波で南海に乗換える。特急券と山中のバスフリー券と帰りの乗車券のセットを買う。そして、電車は特急といっても速度は遅く、やっと坂道を登りきって極楽橋というそれっぽい駅に到着。そこからケーブルカーが始まる。おそろしく急なこう配である。ケーブルカーは平行四辺形の車両であるが、実際の傾斜は少しずつ変わるので、視覚的変調をきたす。

そして、登り切ったところが高野山である。実は、8月だが地上900メートルは涼しいかと思ったが、そんなこともなく、暑い。


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で、金剛峯寺。大きな寺である。無数の部屋が金屏風に取り囲まれ、豊臣秀次が切腹させられたと言われる部屋もある。

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京都竜安寺の石庭とは、いささか趣の異なる豪快な石庭もある。


そして、高野山中をバスで移動し、奥の院に行く。

奥の院そのものは撮影禁止である。さらに奥の森の中に、まだ空海が生きていて、毎日、食べ物が供えられているとのことである。もしかしたら森の中で、次々に他の生物に輪廻転生を続け、食事を召し上がられているのかもしれない。だから小さな虫といっても山中での殺生はまずい。

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奥の院の周りには数万と言われる墓柱が並んでいて、織田信長、豊臣秀吉の墓まである。神戸の某組織の家元もここに墓地があるという情報もある。さらに有名大企業もOB社員の霊を鎮めるために記念碑を立てている。

しかし、手入れの行われていない寂びれた一区画があると思ったら、破綻した千代田生命だった。そういう無念仏がある方が墓地らしいともいえる。話題の関西系テレビメーカーの霊感ゾーンもあるが、将来、再訪する機会があれば、チェックをしてみたい。

さらに浄土真宗の開祖である親鸞の墓がある。宗派違いじゃないかと疑問を持ち、後日、知人の「なまくら」に聞いてみると、高野山は真言宗だけのものではなく、他の宗派に対しても寛容である、ということだそうだ。聖地の問題を巡って戦い続けているエルサレムのようなものだろうか。

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最後に、奥の院の観光バス駐車場の近くにあるのが「しろありの墓」。日本しろあり対策協会が、大量殺戮の被害者である「しろあり」たちを供養している。ついでに「藪蚊」の供養もしてもらえたらよかったのだが、殺生はいけないと思ってはいても、つい体にとまった蚊を見るや、条件反射的に手で叩いてしまう。

あっ、弘法さまが・・