調べたら、例外があった龍馬

2024-08-17 00:00:15 | しょうぎ
将棋を教えていて、初期段階で困ることの一つに、竜と馬がある。それぞれ、飛車と角行の裏側だが、駒の裏には「龍王」、「龍馬」と書かれている。龍王を竜といい、龍馬を馬という。

片方が二文字の上を使い、片方は下を使う。将棋の駒は二文字で書かれているが、「桂馬」は桂、「金将」は金と、すべて上の文字で呼ぶが、「馬」だけが下を読む。もっとも「龍馬」の上は竜なので、飛車の裏側に使われている、「龍王」の王を使うわけにはいかないので、結局、「龍馬」は「馬」となるのだが、さらに文字が読みにくい。崩した書体だからだ。

ただ、だいぶ前から気付いていたが、龍王の「龍」と龍馬の「龍」の字は、どの書体でも違いがあって見分けられるようになっている(と思っていた)。

具体的には、飛車の裏側の「龍王」の「龍」は書体の一番右下の跳ねが、上を向いている。そして角の裏側の「龍馬」の「龍」の最後は、馬の文字に繋がるように、下の方に向いている。つまり、竜のシッポは様々な想像の絵画と同じように上を向いている。一方、馬の尻尾は地球の重力により下を向いているわけだ(と思っていた)。入門コースのお子様にも馬の尻尾は下向きと教えていた。



ということで、そこのところを再確認してみたのだが、思わぬ結果がわかった。

実は手元にある、「錦旗」は馬の尻尾は下だが、同じく「山華石」という書体では。龍の尻尾も馬の尻尾も上を向いていた。



ということで、ネット上で様々な書体を調べてみた。

一応、メジャーと思われるものが多いが、水無瀬、巻菱湖、源兵衛清安、金峯、鵞堂、淇州。すべて馬の尻尾は下向きである。

では山華石とはなんだろう。読み方は「さんかせき」。山崎華石という昭和の書家の方の書体だそうだ。書家の足跡は、まったくわからない。早世した天才駒師の宮松影水(1928年生)も愛用した書体ということで、同世代かそれ以前、あるいはさらに上の世代かもしれない。書は通常は紙に書かれるものだが駒に書けば、広くさらに永く人々の目に留まることになる。書家の本望だったのだろう。

ただし、あくまでも角の裏側に書かれている文字なので、角を成らせることもできないヘボにとっては、もったいない限りだ。「馬」という字を覚える必要さえないかもしれない。


さて、8月3日出題作の解答。







今週の問題。



解ったと思われた方は、コメント欄に総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (さわやか風太郎)
2024-08-17 18:22:46
1五金まで7手詰。
窮屈な王様。
金の動きが面白い。
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Unknown (おおた葉一郎)
2024-08-18 09:20:06
さわやか風太郎さま、
正解です。もう少し複雑化したのもあるので、そのうち・・
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