ウクライナとかマナーのこととか

2014-04-30 00:00:45 | 書評
隔週誌「プレジデント」は、それほど経営者に刺激的な雑誌ではないのだが、時々、光る記事が出る(失笑記事というのも、実はそれなりにおもしろいが)。

5月5日号で光る記事だが、ウクライナ問題について、佐藤優氏と大前研一氏という大御所のそれぞれの意見。切り口がまったく異なる。

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まず、佐藤優氏。「ウクライナの分裂は何を意味するか」。さすがにロシア情報の第一人者である。まず、ウクライナ東部やクリミヤ地区の人たちって、「ウクライナ人でありロシア人である」という意識が強いそうだ。ウクライナ西部の人は「ウクライナ人であり断じてロシア人ではない」と考えるそうだ。そして事実、第二次大戦では東側は連合国(ソ連)として、西側はポーランドの一部としてドイツ軍として戦う。しかも、西ウクライナ人は、積極的にホロコーストに加担した歴史があるそうだ。

それで、ロシアがクリミヤ問題の時に、言いまわっていた「ナチスの恐怖」というのも、現実に新政権の中に反ユダヤ主義のグループが含まれていることから、まったくのでまかせということではないそうだ。ただ、ロシアがウクライナの領土に手を出すことは考えにくいという背景として、氏は、ロシア国内に300万人のウクライナ人が住んでいて、彼らが民族問題を言い始めると収拾が付かなくなることを挙げている。


次に大前研一氏は「なぜオバマはプーチンに負けるのか」という、アブナイ記事を出している。こちらは、結局、プーチンの方が、頭がいい、という結論を出すために長い記事になっているということのように読める。あるいは、オバマは単に理想論とか原則論をしゃべっているだけで、プーチンは単なる実利主義者だということなのだろう。


そして、本号では「一流のマナー超入門」というテーマでアンケートをとって、組立てようとしたらしいのだが、働く男女に聞く「テーマ別一瞬で嫌われる言動」を読むと、要するに問題は表面的マナーじゃなく気配りなどの人間関係である、という結論になっている。中の記事の方向と結論が異なる場合があるのは、隔週誌や週刊誌の宿命。

「嫌われる行動」の1位は「責任感なく仕事を投げ出す」。2位は「上司にペコペコ、部下には威張る」。3位は「時間にルーズ」。4位は「ウソをつく」。

驚きは、時間にルーズの方がウソをつくよりも嫌われること。ウソでしょ、と思いたくなる。おそらく、会議に出席する人の大部分は、そこで決められる案件のことよりも自分のスケジュールの方が重要ということなのだろう。

で、アンケートの目的であったはずの「マナーの悪い人」は、嫌われる人のベストテンには登場しないわけで、そのあたりの分析としては、日本経済の変質というか、物をつくる人が日本にはほとんどいなくなって、サービス産業とかメーカーでも海外の工場に指示を出す人ばかりになって、必然的に人間を相手に仕事をする人が増えて、重要なことは「人間関係の構築」となったのだろう、とよくわからない苦しい結論に向かう。

そして、ビジネス上のマナー教室記事なのだが、握手の仕方とか名刺交換の方法、お辞儀のしかた、女性とエレベーターに乗るときの順番とか、パーティで有名人と話したいときは紹介者をみつけてから頼むというようなことなど、ほぼ全部が既知のことなのだが、唯一知らなかったことがあった。ドアをノックする回数。今まで誰も教えてくれなかった。

正解は4回だそうだ。「トントントントン」。大工の釘打ちみたいだ。ビジネスなら3回でもいいそうだ。もっとも1回では、ノックと認めてもらえないだろう。「トン」。

2回はダメだそうだ。「トントン」。これはトイレノックだそうだ。

これから、ドアを二回ノックされた場合、「入ってます」というべきなのだろう。

アシックススポーツミュージアムで靴のサイズの話を聞く

2014-04-29 00:00:24 | 美術館・博物館・工芸品
少し前に終わったのだが、神戸で断続的な仕事があって、中途半端な時間に少しずつミュージアム詣をしていた。(仕事といっても、日本で最も有名な女性科学者の勤務先の取材ではないので、念のため)

先日の「UCC」と、きょうと、あと一回だけ、書いておく。

「アシックススポーツミュージアム」。ポートアイランドにあり、日本で最も有名な女性科学者の勤務先に近い。館内は撮影禁止なので、外からの写真とパンフの一部を引用。

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まず、スポーツ用品の中でも、圧倒的に「シューズ」に特化しているといえるだろう。何しろ、東京五輪の時にマラソン金メダルのアベベ選手も旧社名のオニヅカシューズだった。その前のローマ五輪で優勝した時は、ハダシで走った。高橋尚子もアシックス。なんといってもイチローのスパイクを提供し続けている。彼のコーナーはかなりの面積だ。

有名選手のシューズが多数並んでいて、まず感じたのが、「足の大きさ」。どうみても、ほとんどの選手のシューズは私の足より小さいように見える。私より大きく見えるのはバスケット、バレー関係の長身選手だけのように見える。イチローの靴が大きめだが同じくらいに見えた。女性だけど、福島千里さんの靴なんて、小学校低学年のようにしか見えない。

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展示は2階スペースなので、一階に降りて、係の女性に、そのあたりの事情を聞いて真相というか自分の無知を知ることになる。

要するに、市販の靴は、多くの人のバラバラな足型に合わせて作らなければならないので、どうしても全体的に大きくなってしまうが、有名選手の場合は、特注で採寸して足型を作るので、足に密着した靴ができるので、小さく見えるそうだ。

そして、現物のスパイクを二種類持ってきてもらう。一つは、問題のイチロー選手のもの。足のサイズは28.5センチだそうだ。やはり大足だ。お金持ちにならなければ、満足に靴を買うことすら大変だったろう。そして、もう一回り大きい靴が登場。30.5センチ。作るのに牛一頭が必要だ(いや、皮じゃないだろうが)。靴の履き主は、ダルビッシュ。二人とも年棒にこだわる理由がわかったような気がする。


そして、私一人しかいないのに、一階にあるバーチャルビジョンを稼働してもらい、世界記録のスピードを体感することになる。目の前の空間でウサインボルトが走るわけだ。競技は三段跳びと100Mランとピッチャーの160キロのボール。

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三段跳び・・・驚愕。鳥人という感じだ。魔術的としか言えない。

急速160キロ・・・球筋はボーっと見えるが、体が動かない。

ボルトの100M・・・なんとなく、予感よりも現実的な速さのような感じだった。口に出すと笑われるが、自分でも肉薄できそうな気がするが、まったくの誤解なのだろうけど。

帰宅後、アシックスの格安軽量ビジネスシューズをネット購入。サイズは26.5。約5000円という質感の欠如は決定的だが、確かに足が軽く、どんどん進んでいくという感がある。「ビジネスシューズで走る50M走」という競技があったら、出場してみたいな。おやじ狩りから逃げる時には役に立つかも、だ。

始まってさえいなかった、と宣告!

2014-04-28 00:00:03 | 市民A
浜矩子氏が、THE21(2014/05月号・PHP研究所)の中で、アベノミクスのことを、こう宣告している。

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アベノミクスの失速が言われるようになっていますが、私に言わせれば失速も何も「そもそも最初から離陸していなかった」というのが本当のところでは・・・


そして、一時的に株価が上がったものの実体経済に反映されず、経常収支もマイナスになって、デフレ脱却するなら格差問題にメスを入れるべきですが、まったく手を付ける気配がなく、単に株価を上げただけ。結局、安倍政権の目指すところは「富国強兵」。結局は、世界史に学ばない時代錯誤の政策。「日本を取り戻す」とか「ジャパンイズバック」では浦島太郎ではないか。というようにこきおろす。(本文は、もっと過激表現。文中、経常収支問題は原発停止の影響も一因と私は思うが。)

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そして浜氏の歴史観の核になるコトバが、

なぜ我々は今、ここにいるのかを知る。それがわからなければ今も、これからもわかるわけがありません。


同様のことを考えたのが、タヒチ島まで行って画家人生の最高傑作(人類の宝物の一つ)を描いたゴーギャン。画家が選んだタイトルは、

われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか


余談だが、この絵画そのものについては、その転々とした所在地は完璧に記録されていて、アメリカ大帝国が没落するまでの間は、ボストン美術館から動くことはないだろうが、結局はアメリカよりは長寿を誇るだろう。


浜氏が読者に勧める三作品というのがある。

モンテ・クリスト伯(アレクサンドル・デュマ著 1845年)旧名「岩窟王」

運命の力(オペラ ヴェルディ作曲 1862年初演)

ドン・カルロ(オペラ ヴェルディ作曲)

オペラ好きだったわけだ。旧名「岩窟王」は十代の初めに読んだような気がするが、超訳だった可能性がある。「冤罪受刑囚脱獄後復讐物」という記憶があるが、本質を読み違えていたらしい。

UCCのミュージアムへ

2014-04-27 00:00:18 | あじ
UCCとは上島珈琲店。神戸のポートアイランドに本社と隣接して博物館がある。

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珈琲の博物館といえば、数年前にバリ島で行ったのだが、そこはかなりのアナログ博物館だったのだが、神戸のミュージアムは、いたってディジタル。気分的には博物館はアナログな方が好きなのだが。

まず、コーヒーの歴史から。原産地はエチオピアだそうだ。そして紅海をわたってアラビアにコーヒー飲料が伝わる。当時は、豆を砕いてから煮詰め、上澄みをすすっていた。現代でもアラビックコーヒーとして飲まれている。以前、アラブ諸国を訪問する時に、CAからさかんに飲むように勧められ、トライしてみたが、簡単に口には合わなかった。飲めないことはないけど。

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しかし、アラビアから欧州へ伝わったのは、ずっと新しい時代で、海路イタリアで飲まれ始めたのは16世紀。おそらく、その後、コーヒーや砂糖を目的として陰謀が渦巻いて、1万人位は死んだのだろう。アメリカでコーヒーブームになったのは、ボストン茶会事件で、お茶の輸入を米国民が行わなくなったから、茶の代替でコーヒー文化が隆盛となったらしい。

そして、豆の鑑定について。欠点豆の個数を数えて、ランクを決めるそうだ。代表的な欠点豆としては、「発酵豆」「カビ豆」「未成熟豆」「虫喰い豆」というように分類される。会社にも「発酵社員」や「未成熟社員」みたいのがいるのだが、同じような話だ。いらないからといっても、つまみだして鳩のエサにするわけにはいかない。

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そして、サントスNo.2を使って、欠点の多い少ない豆の飲み比べを行う。その差は歴然過ぎる。

たまたま、中国人のツアーと一緒だったのだが、飲み終わったカップを片付ける者は、ゼロ人だった。イライラ。

消えたスポンサー

2014-04-26 00:00:18 | しょうぎ
二週間前に行われた「第105回職域団体対抗将棋大会」略して職団戦だが、後で画像を整理していると、本部席の上に掲げられた横断幕の下にスポンサーの名前が書かれているのだが、「将棋連盟」「朝日新聞社」の横に、謎の空間がある。

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どうも、元々、そこに書かれていた、ある会社の(または団体)の名前が消されているわけだ。では、何が消された(スポンサーを降りる)のかと、画像を拡大してみたが、結局わからない(というか、わかったら大変だ)。なお、現代では、「東京都教育委員会」もスポンサーである。しかし、横断幕には記載されていない。

手持ちの古い画像を調べると97回の時にはすでに一社消されていた。しかし、結局、わからないまま。それよりも一人分4800円も会費を払っているのだから、幕ぐらい作った方がいいだろう。


さて、4月12日出題作の解答。

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途中、玉型迂回手順があることがわかる。最終的にはもとのコースに戻るのだが、日本で一番有名な女性科学者の論文みたいに、途中はどうでもいいが、結局詰むならばいいのではないだろうかとは言わないことにしておく。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

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職団戦の実戦図面から改造してみた。99%負けていた将棋だが、何度も詰みを見逃してくれた結果、トンで逆転することができた。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

都心朝風呂さがし、極めて困難

2014-04-25 00:00:00 | マーケティング
大忙しの日、夜行寝台車で東京駅に朝7時に着くものの、顔は洗わず、ひげも沿ってないし、昨夜のパーティのアルコールも若干残っているような気もする。朝食もまだだし、朝のトイレもまだ。会議まで2時間とちょっとなので、朝風呂でリフレッシュしようと、事前に脳内計画を立てたのだが、確か東京駅にあった東京温泉は、東京駅の改造でだいぶ前に消滅していたのは知っていた。

といっても八重洲口のごちゃごちゃしたところにサウナがあったような気がして検索すると、ホームページの痕跡はあるものの、つい最近廃業したようだ。有楽町にもあったような気がしたが、これも消滅。新橋のサウナは本格的だが、朝7時には入れない。

観点を変えて大型温泉施設といえば、後楽園にあるが、もとより1時間以内の入浴には向かない。

さらに、都内にはいくつかの古式銭湯もあるが、朝風呂をやっているところは、ない!と言い切る前に、一軒だけ、見つけた。

燕湯(つばめゆ)。

アクセス地図だと御徒町駅から徒歩5分。

東京駅から15分で到着する。入浴料は450円。結構高いが、確か、公定価格のはず。

さっそく、ヨレヨレ男がすでに出勤客が刻々と増えてきた東京駅の中を山手線に乗り換え。しかし、御徒町駅から道に迷い、徒歩5分のはずが15分かかる。

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そして、燕湯に入るが、久しぶりの銭湯で、もっとも基本的な掟を忘れるところだった。「女湯に入ってはいけない」。あぶない。もっとも、最近は、性別を二分割してはいけないことになっているのだが、こういうところではどうなのだろう。たぶん、そのどちらとも言い切れない人の分類は、「付いているか、いないか」ということでジャッジするのだろうと想像。

そして、よくゴルフ場の大浴場に書かれている「背中に模様のある人お断り」の張り紙がない。朝風呂ってそういうところなのだろうと緊張する。朝まで賭場にいて、身ぐるみはがれた元ヤとか背中に斜め50センチの刀傷ありとか・・

ところが、銭湯(男湯しかわからないが)は、大繁盛していたのだ。大混雑。傷者とか模様物はいない。サラリーマン20%、若者旅行者60%、正体不明10%。地元常連10%といったところだ。つまり、燕湯は典型的な「残存者ビジネス」の最終勝者になっているわけだ。

で、まったくの古式銭湯のわけだ。壁画は富士山ではなく、北海道の山(名前は忘れた。メモを取るわけにいかないし)。流し場の水栓の間隔は、狭く、私が座ると、隣の地元常連のおじいさんから迷惑そうな視線を飛ばされるが無視。地元の常連は入浴セット(石鹸、シャンプー、軽石その他)をプラ容器に入れて、銭湯に預けているようだ、たぶん、そういう地元の普通の人は朝7時によそ者だらけの湯には入らないだろうから、このおじいさんはどうして、ここにいるのだろう、と思うが、とりあえず、深く考えないことにする。みんな裸だし、考察する根拠もないし。

しかし、その後、この地元のおじいさんがなぜ、早朝に風呂にいるかの理由がわかるのだ。湯船に長くつかっていて、同じく湯舟に入る若い旅行者たちに話しかけるわけだ。

「おにいさん、どこからきたの。・・・・・・・」

つまり、話し相手がほしいわけだ。それも若い人と話したいわけだ。その気持ち、よくわかるなあ。

ちなみに、私は、彼の話し相手には選ばれなかったわけだ。

血行がよくなり、赤い顔に若干の石鹸の匂いを漂わせ、御徒町駅のホームに滑り込む山手線に再び乗ろうとするが、朝のラッシュで満員なのだ。

夜行寝台 “B”

2014-04-24 00:00:53 | たび
築地ランチなどで時間を潰しているうちに、どんどん仕事が溜まってしまい、倉敷(岡山県)のパーティの二次会出席後、翌朝の東京の会議に出席する現実的手段が二つしかなくなってしまう。新宿駅行きのバス(片道4,000円)と東京行きの寝台特急サンライズ出雲(約20,000円)。

バスは安過ぎるように思う。某沈没事故の高校は、飛行機かフェリーかを天秤にかけていた、との話もあるし、一度、東京発弘前行きのバスに乗ったことがあるが、なんとも・・

ということで、倉敷駅を22時過ぎに出るサンライズ出雲を選択。四半世紀ぶりの寝台車で、事情がよくわからず、いわゆる普通席にあたる「シングルB」にする。前日にネットを調査したらAとBの差は室内に洗面所があるかないかだけのような感じだった。乗ってないのでわからないが。

実は、寝台車といっても百万円もする「ななつぼし」のようなクルーズ・トレインに始まり、いまだに蚕棚のようなものもあり、サンライズのように車両が自走するものと、ブルートレインのように電気機関車が引っ張るものもある。自走する場合、うるさいということになる。で、乗車一日前に調べ始めたものの、ネットで全体像を知るためには、またしても1日位必要になりそうで、調査中止。調べてもしょうがないし。

で、四半世紀前に乗ったのは、開架式(カーテン付き)のベッドで、上下二段で、1ユニット四人で、朝になると、上のベッドをたたんで下のベッドを二人掛けの座席にするというような記憶がある。今度は個室ということで、少しは進歩したということかな、とやや大き過ぎる期待を持って列車の到着を待つ。


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そして、到着遅延時間0分で、サンライズ出雲はゆっくりと倉敷駅5番線に現れる。ようするに静かに走らなければならない。

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そして車内に入ると、いきなり階段があって上下に通路がわかれる。総武横須賀線のグリーン車と同じだ。二階建て。そして指定された一階の部屋に入る。(というか部屋ではなく、ベッドにドアがついているといった方がいい。調度品は、ハンガー1本。靴べらはなし。枕をどちらに置くか、悩む。というか好きにすればいいのだが、進行方向が頭だと、急ブレーキの時に、首が折れる可能性があるが、電灯のスイッチは操作できる。ただし、左足がわずかな玄関スペースに落ちる可能性がある。その逆に進行方向を足にすると、メリットとディメリットが、そのまま逆転するし、急に起きると頭が荷物棚に激突する。いまだに正解不明。

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で、乗り心地だが、要するに船に乗っているような感じで揺れるわけだ。車内放送は6時半までは行われないが、朝方になると、静岡あたりからいくつもの駅に止まるため、なんとなく目覚めてくる。

考えれば、二段向かい合わせ蚕棚を二階建てにして、個室のドアを付けたということにしたのだろう。列車の左右に配置し、通路を確保すると、このサイズになるということだったのだろうか。極限すると『走る棺桶』ということもできるが、以前のエジ○○航空(別名、flying tomb)のような不安はない(当たり前だが)。

そして、朝7時過ぎと早すぎる東京駅に着くが、予想よりも多くの人ですでに混雑が始まっていた。よく考えると、まだ顔も洗っていない。ヒゲも伸びている。朝食も食べていない。

仮に、もう一回乗る場合は、“A”にしようかと思うが、その時の経済状態いかんで、バスになるかもしれないが。

外国人街?

2014-04-23 00:00:08 | あじ
最近、3日ほど連続で午後から集まって仕事をすることが続き、連続して築地場外に行っていた。

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まず驚くのは地下鉄「築地市場前」駅の中からそうなのだが、外国人が多い。というか多過ぎると言うか、率にして外国人が90%以上ということ。国内でこんなに外国人比率が高い場所があるのだろうか。

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そして消費税率が上昇し、あやしい料金改定の嵐の中を歩きながら、まぐろ丼の店に入る。どうみても店内ではなく、歩道の一部である。

で、あきらかに言えるのは、この地区のすべての店に入って、味見することは不可能と言うこと。で、食べログなどで事前研究してから足を運ぶ方がいいのだが、何しろ味覚というのは個人差が大きいので。

一日目は、普通の寿司店で、握り寿司。なんとなく普通だ。カウンター席の隣のフランス語?を話す二人は、メニューの点検を15分もかけていたが、似たような握り寿司セットを頼んでいた。まあ、何を頼んでもパリの寿司バーよりはうまいだろうけど。

二日目は、カウンターでマグロ丼。これはCPが高い。ようするにマグロを食べるべきなのだ。路面に面したカウンターで歩道の上の丸椅子に座るのだが、地面が凸凹なので、安定しない。やっと丸椅子の四本の足が着地するようなポジションを見つけるのだが、あとから左隣に座った女性客が、自分の場所を安定させるために肘打ちを食らうことになる。椅子ガタガタのまま中腰で食べることになり、腹筋の運動になる。

三日目は、店頭で焼き牡蠣を食べた後、その店に入って、マグロ丼(極)を注文すると、右半分が赤いマグロで左半分が白いマグロ。白の味は極だが、赤は別方向の極か。そして、驚いたのが、「すししゃりロボット」。見えるところで大活躍している。店員同士の話が耳に入ってくるのだが、「ロボットの方が丼の盛りが多くなる」とか小声で言っている。むしろ、人間の方がケチなんだろう。

『夢の時間(金井美恵子著)』

2014-04-22 00:00:17 | 書評
金井美恵子の小説デビュー2冊目。『夢の時間』『奇妙な花嫁』『燃える指』の短編3部作。いずれも昭和45年に発表されている。

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冒頭は、

 
アイは眠りたかったし、空腹でもあった。夜明けから、ほとんど何も食べていなかったのだ。


なんらかの理由で、主人公アイが、あての不明確な旅に出たことが感じられる。ではアイはどこに行くのだろう、ということになると実ははっきりしない。つまりこの三作は、アイの親しい(たとえば同居人)男の不在によって、動き始める。といっても探偵物語ではなく、かなり純粋な文学的な実験ともいえる。

「奇妙な花嫁」では、逆にアイは同居人の不在に対し、あくまでも待ち続け、栄養失調になってしまう。

そして、「燃える指」の最後のページで、アイは親しかったP氏の変わり果てた姿に出会う。

わたしたちは、ずっと二人なのよ。いつも二人だったのよ。アイは震え声で喋りつづけ、男は黙ったまま身体中から膿を流しつづけ、不快な耐え難い悪臭を発していた。


というまったく奇妙な小説なのだ。

しかし、以前数十年前に読んだときに感じた、この小説の快活さにつき、まったく同じ感覚で読めるというのは、どういう生理現象なのだろう。たぶん、私が変わっていないのに、著者の方は、どんどんコトバの海を泳いでいってしまったということなのだろう。

伊東昭義美術館へ

2014-04-21 00:00:32 | 美術館・博物館・工芸品
新しい美術館である。海底の美を追い求めた伊東昭義氏が自作を展示している。場所は、東京目黒。落語「目黒のさんま」で有名な、目黒通り権之助坂を10分ほど歩くと到着する。



まず、驚くのが、海中の美しさである。海と太陽とサンゴや熱帯魚といった原色系のまぶしい色彩美。

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写真なのか、絵画なのか、あるいはその中間?。見当がつかないほどの見事な作品が並ぶ。3フロア分である。

このように美しすぎるものというので思い出すのが、島根県の足立美術館の庭園美。完成された姿は外国人好みの、落ち葉の1枚もない完成美。あまり日本的な余裕が感じられない。伊東昭義美術館にも、遊びはない。完成美100%である。

美しすぎるのも疲れるものだ、ということ。

外に出れば、目黒通りをはさんで向かいが、ある種有名な「目黒寄生虫館」だが、以前、行ったこともあるし、今夜はイタリアンを食べる予定なので、いかないことにする。

日本でも同じようなことはある

2014-04-20 00:00:09 | 市民A
SEWOL号沈没につき、世界中が韓国を見ているのかもしれない。色々ある。国民性、安全軽視国家、非常事態対策・・・。

例えば、造船業では技術的には日本に次ぐ二番目であり、日本製よりかなり安いため、総合的には世界一といえるかもしれない。(ただ、品質がかなり違うため、中古船市場では日本製の人気はきわめて高い。そのため、韓国も中国も15年超船の輸入を表向きは禁止している。)しかし、もしかしたら造船所で違法改造をしたのではないかと思われている。

また、船員の質では、間違いなく世界のトップで、日系企業のパナマなどの便宜置籍船でも、船長は韓国人で上級船員がフィリピンで下級船員がインドというような組み合わせが多い。しかし、今回の船長の質をみると、優秀というような感じはまるでしない。事故はともかく、総員退船(アバンダン)の時期を見失った、あるいは最低でも脱出に備えて船体下部にいた乗客に救命胴衣を着用させ、船体の上部で待機させなければならなかった。救助された後、財布の中の札を乾かしたようだが、乾いた札を使う日がくるのだろうか。若い時に、最初に乗った船が沖縄で転覆し、自衛隊に救助されたことがあるそうだが、危険感覚が悪いのかもしれない。

ただ、転覆の直接責任だが、「急に針路変更したこと」ではなく「荷崩れしたこと」ではないだろうか。さらに重量オーバー。台数が多いそうだ。(さらに、乗客名簿以外にフェリーなのでクルマが多く、全員が料金を払っているわけではないそうで、元々何人乗船したのか、あいまいらしい。操船している側は、荷崩れしないことを前提に操船しているはずなので、真の原因者は、貨物やクルマを固く固定していなかったことなのではないだろうか。警察が船舶管理会社を操作しマニュアルを押収したそうだが、貨物の固定に関する裏マニュアルの有無を探しているのではないだろうか。

そのあたりは、前回も書いたが、この船舶管理会社が、国際的な安全基準であるDOCとSMCの認証を受けているかということだろう。そして、利用者は安かろう悪かろう、でものを決めないことが重要だ。

どうも高校の教頭が自殺するのも変だなと思っていたのだが、この修学旅行は済州島で抗日の碑のようなところに行って、反日宣言する予定だったらしく、それで日本の支援を断ったらしい。さらに、事前に校内で父兄のアンケートを取って、7万ウォンの飛行機ではなく3万ウォンのフェリーにしたらしい。その差4万ウォン(約4,000円)が運命を分けた。安いものには、わけがあるわけだ。価格だけで安いものに手を伸ばせば、日本でも長距離バスが暴走したりした事故があった。


それにしても、韓国という国家自体が「漂流状態で針路を見失っていて」「このままでは沈んでしまう」というように見えてならない。

元の場所に近づく

2014-04-19 00:00:50 | しょうぎ
電王戦での人類最後の挑戦者が壊滅した最終局の翌日、第105回職団戦が東京の綾瀬で行われた。トイレの数が少ないので、いつも苦労する会場だ。男子トイレに長い列ができているのだが、それが、個室に向かう列なのか、単にオープンスペースに向かう列なのかはっきりしないので混乱する。最近は対局中に不利になると個室に駆け込んで、小型パソコンで将棋ソフトの意見を確かめる選手もいるのではないだろうか。ますますトイレは大混乱だ。

で、4月の中旬と言うことで、朝は肌寒いし、昼は暖かということで、参加選手の服装はさまざま。私は夏服ででかけたのだがチームの服装は、夏型4人、冬型1人だった。個人的には、「冬服の相手には負けたくない」というのを本日の絶対的目標とする。

で、第一戦の相手チームだが、全員が冬服。闘志があふれてくる。で、戦形は古典的縦歩取りの「おおたスペシャル」。あっさりと一歩得するも、相手は△3五歩と飛車の捕獲に成功したと錯覚し、私からの▲2二歩に長考。△同角しかないのだが、▲3五飛と逃げられるので、功を急ぎ△3三金と大悪手を指してもらい、▲4四飛△同歩と飛角交換し、▲2一歩成と桂を取る。以下バタバタと有利になり短時間で終了。

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第二戦、第四戦、第五戦は幸運にも30分内で終結。多くは、定跡から一歩踏み込んだところの変化の知識の差とか、相手が速度計算を誤認して自滅するパターンに起因。第三戦だけは攻撃失敗で99%負けていたのを、マジカルトン死で逆転。結局、全部勝ってしまった。なお、相手チームの冬服比率は、(100%、20%、100%、80%、60%)の順だった。

これで、来季は対局時計のあるクラスへ昇級。久しぶりだ。ネオジム磁石をバンドエイドで掌に張り付け、時計を狂わせるという必勝法を再練習しないといけない。


さて、4月5日出題作の解答。

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▲1三飛成 △同玉 ▲3一角成 △2二桂 ▲1四飛 △2三玉 ▲3四銀 △同桂 ▲1三飛成まで9手詰。

捨て駒+手筋。なんとなく平凡。

▲2三飛打 △1一飛 ▲1三飛成 △1二歩 ▲同竜 △同玉 ▲3二竜に踏み込んでいくと迷路入りする。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。



実戦ではありえない形の実戦型問題。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数を記していただければ、正誤判断。

SEWOL号の悲劇について

2014-04-18 00:00:33 | 市民A
韓国清海鎮海運所有のSEWOL号が何らかの原因で、横転・沈没し多数の犠牲者を出している。かなり専門的分野にいるので、乏しい情報をつなぎ合わせて考えてみる。

まず、船齢が20歳ということで老朽船ということを理由にあげているが、日本郵船の豪華客船「飛鳥2」は、24歳である。船体そのものは鉄板とエンジンでできているのだが、鉄板は古くなって薄くなると張り替える。エンジンは故障して止まっても船は沈まない。またエンジンは最後部にあるので、仮に爆発して船体に穴が開いた場合、船尾が沈み船首が上を向くはず。だから、内部要因ではないと考えられる。

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ただ、この船はもともと「フェリー波之上(6586トン)」という船名で、1994年から鹿児島と那覇の間を就航していたのだが、後継船が竣工したため、2012年10月に韓国に売却(中古船輸出)され「SEWON号(6825トン)」として、2013年3月から就航していた。問題は、売船時18歳なのだが、韓国は国内造船業保護のため船齢15歳以上の輸入を原則禁止している。ただし、特例として、条件が揃えば公的に例外が認められることになっていて、誰が何を基準に輸入を許可したのか、ということ。一方、NHKのニュースでは14年運航してから売船したと報道している。これだと15年ルールには合っているが、では竣工年が異なるのだろうか。

一部には、輸入後、定員増のため、客室を増設したのが、横転した理由とも言われているが、おそらくは総トン数が6586→6825トンと3%以上増えていることで、そう思われているようだが、見かけ上は、あまり大改造のようには見えない。トン数の基準が日本と国際トンでは異なり日本式の方が少し小さくなるので、誤解されているのではないだろうか。韓国の造船業は一流で、違法改造ということはないと思うが安定を欠く方向の改造であることには違いない。

もう一つ、報道によれば、出航遅れを取り戻すために、当初予定とは異なる危険航路を選んだと言われている。到着時間を稼ぐために、航路を変えるというのは、普通では考えられない(日本では危険な鳴門海峡を避け、遠回りでも明石海峡に回る場合がある)。それでいいなら、最初からその航路を走るわけで、危険があるから遠いところを走るということだ。山越えの曲がりくねった旧道をドライブするようなものだ。

ここからは一つの推論なのだが、「海図」がなかったのではないだろうか。

海図には、海の中の浅瀬や暗礁が記されているため、海面上から見えない危険を船長に教えることができる。というか、海図なき航海というのは、「ありえない」わけだ。ただ、すべての海図を揃えているかというのは大疑問であり、フェリーという性格上、いつも同じ航路を走るため、近道とか遠回りという海域の地図を持っていなかった可能性を強く感じる。

そして、何らかの理由で、船体にダメージがあってから2時間半もの間に、ダメージのチェックを行ったのだろうが、それを誰にどのように報告して、どのような指示が出されたのか、その点は明らかになっていない。救命ボート(救命いかだ)への脱出が遅れたのが致命的かつ決定的な誤りだった。買ったばかりの船なので沈んだら困ると思ったのだろうか。困ると思っても駄目なものは駄目である。

新たな報道では、急な右展開によって横転したとも言われるが、その場合、いきなり倒れるはずで、徐々に傾くというのは変な話だ。急旋回があったとすると、島影から漁船が現れて、急に旋回して逃げようとしたということだろう。原因の他船があっても、いまさら自分から公表する勇気はないだろう。


あと、代理船長という言葉が出ているが、船長というのは資格なので、まさか船長の資格がないのに操船したはずはないだろうから、いつもの船長ではない、というだけのことではないだろうか。一人が1年中働いているわけではないので、あまり問題じゃないような気がする。

問題は、世界的な安全基準であるISMの認証(会社に対してはDOC、船に対してはSMCという)を受けているかということで、特に客船については、先進国ではこの資格を取得していないと、相手にしてもらえない。避難訓練の回数とか細かく規定があり、韓国だとKR(韓国船級協会)という組織が認証するはず。

伝えられる状況では怪しいかぎりだ。修学旅行に使うなら、旅行会社か学校の先生が事前に確認すべき点だったような気がする。

それと、もともとこの会社は1隻を運航していて、2隻目ということなのだが、船員数を急に2倍にしたはずで、単に安い船員をかき集めたのではないかという点もチェック点だ。

さらに、クレーン船が到着するまで数日かかるとか救出する側の不手際というか準備が日本とは大分違うように思う。

気になるのは、高校生になって済州島への旅行って変じゃないかな。いつもの年は九州旅行じゃなかったのかと思わないではない。

近衛文麿(岡義武著)

2014-04-17 00:00:56 | 書評
最近、昭和史前半(戦争が始まり、敗戦で終わるまで)についての本を色々と読んでいる。動機は、最近の安部内閣が、結局は危険な方向に進んでいるのか、あるいは対して危険じゃないのか、そのあたりの見極めも必要だし、総理大臣としての器かどうかということにもつながっていく。

konoe


で、もちろん著者によって歴史の書き方なんて何通りもあるので、大量に読む必要があるのだが、おおむね昭和前期における、政治家・軍人そしてキングのいずれも優柔不断で、強硬に出たり、軟弱になったりしているうちに、ずるずると泥沼に引き摺られていってしまったわけだ。

とくに近衛。

実際には、対米戦争を避けるために閣内で奮闘したようだが海軍は沈黙、陸軍が反対を続け、結局近衛は投げ出してしまう。

ようするに、良家のボンボンであるがため、他人の気持ちが読めず、また人望が薄かったのだろう。若い時には、女色とゴルフにふけったということで西園寺から怒られていたようだ。

そして、終戦後には再び政界に戻る気があるのかなかったのか。ぼやぼやしているうちに、戦犯と烙印を押され、結局は自決することになった。市に損ねた東條のようにぶざまな姿をさらすことはなかった。

オープナー(=せんぬき?)

2014-04-16 00:00:02 | 市民A
前に、3回位、「よく道を聞かれる」ことを書いたことがある。千駄ヶ谷駅前で外国人に「渋谷まで歩いていく道」とか、皇居前で千葉ナンバーの車に新宿までの道を聞かれたり、難問題も時もあったが、説明しにくいので、自分で車を運転して連れて行ってあげたり・・思えばずっと以前からだ。それと、店員と間違われることも多い。デパートとか。美術館で学芸員と間違われることもあるし、将棋連盟の売店で故大山名人に職員と間違われたこともある。

opener


実は、最近読んだ「THE21」というビジネス雑誌の4月号に、そういうことが書かれていた。

「初対面」で使える心理学、という題目で心理学者の渋谷昌三先生が指摘している。

「よく道を聞かれる人」は第一印象のいい人、だそうだ。(あくまでも第一印象の話)

そういう、「よく道を聞かれる人」や「店員と間違えられる人」の総称を、「オープナー」というそうだ。普通、オープナーというのは栓抜きのことだと思っていた。宴会で乾杯のビールの時に大活躍する。「栓抜き男」。

外観に特徴があって、全身がリラックスしている。また表情は、口を軽く開いて、頬の筋肉が緩んでいる。ということだそうだ。

そういう人には、話かけしやすいということだそうだ。

いい迷惑なんですけど。