電力不足を考える

2022-06-30 00:00:07 | 市民A
この夏の電力不足を理由に原発再開推進を目論む人たちがいるのだが、まず、見当違いだ。

足りないのは東京電力で、それもギリギリで少し足りないという話なのだが、東電管内の原発というと、「福島」と「柏崎刈羽」の二か所で、現実的には「柏崎刈羽」ということになる。実は10年以上停止したままになっている。再開したいのかどうかよくわからないような低次元のミスが続いていて、もはや、発電所としての組織体としての機能不全を起こしている。さらに7基の原発のうち三基は東芝製だが、二基が日立製、二基は東芝・日立・GEの共同ということ。東芝は大丈夫なのだろうか。

東電に限らず、もともと原発はよく止まっていて大騒ぎをしていたのだがバックアップが石油火力であって何事も見えなかったわけだが、原発が止まる原因のほとんどがパイプの水漏れ。電力会社の説明では、放射線物質を含んだ水なので配管が老朽化するので水漏れを防ぐことは技術的に無理と説明している。実際の理由は、現地で従業員数(人口)を増やすことが原発誘致の条件だったので、事故と修理のために水漏れ事故はちょうどいい理由になるとも聞いたことがある。

普通の会社なら、配管が腐食して水漏れするのなら、配管をダブルにして、水漏れしたら直ちに新しい配管に迂回するというような対応を考えるはずだ。


電力問題でまず手を付けるべきは、地熱発電。地熱についていえば資源大国のわけだ。反対しているのは温泉業者と国立公園を所管する文科省らしいのだが、説明不足のわけだ。地下から熱い湯をくみ上げて熱を利用したとしてもその湯(水)を川に捨てようというわけではないわけだ。また地下に戻すわけだ。だから米国のシェールオイルのように地盤沈下が起きることもない。そもそも温泉の湯温が高すぎる場合は、別に水井戸を掘って水と混ぜて温度を下げたりしている。地熱発電で使った後の湯を温泉に回してもいいわけだ。国立公園による反対派だって地熱発電所のイメージが違っているのではないだろうか。多くの施設は地下に作られる。

水力発電にしても、ダムをどんどん作るという話ではなく、昼間に余剰の太陽光発電を使って下流のダムから上流のダムにポンプで揚水して電力不足時に水力発電量を増やせばいいはずだ。

さらに余計な政策は、設置後10年で太陽光発電の電力の買取単価をタダ同然に下げること。48円/KWHを8.5円/KWHに下げることになると、電気を売るよりも「バッテリーに溜める」か、「どんどん使うか」の二択になる。しかもバッテリーの価格が高いため、結局はガンガン使って余ったら売るという行動が最善になる。

ショートレンジの電力不足に対応するなら「節電ポイント政策」は後回しにして、10年経過後の太陽光パネル利用者からの買取価格をピーク時間帯には引き上げて、節電行為への誘惑とすればいいはずだ。

そもそも長期的に考えれば、特にエネルギーについて無資源国の日本で、電力をたくさん使うような産業分野が成長するとはとても思えないわけだ。

これから国内の景気が上向きに

2022-06-29 00:00:08 | 市民A
証券会社のアナリストの言うことだから大幅に割り引いて考える必要はあるが、これから国内の景気が一気に上向きになるという話がある。その結果、株価が上がるかどうかはよくわからない。

景気が回復するには、いくつかの理由があるようだ。

1. 設備投資が活発になっていること
理由は、円安で輸入コストが上がったため、「国内で作るか」という気になったこと。
もう一つは、これから金利が上がるだろうから、金利が底の時に借入したいということだそうだ。どちらの理由も、少しネガティブな理由ではあるが。

2. インバウンド需要の増加
ついに外国人旅行客を招き入れることになった。外国人だって旅行に行けなかったわけだ。さらに円安。買い物ガンガンということだ。さらに日本人の海外旅行は難しいので国内で何かを購入する。

3. 防衛費の大幅増加
実際には防衛費を何に使うかははっきりしていない。多くは米国やNATO諸国から輸入するのだろうが、一部は国内の企業支援に使われると思われる。いわゆる防衛産業ではなく軍用トラックとかドローン用のカメラとか苦しい産業の救済みたいのもある。警察への監視カメラ納入でなんとかしのいでいる電器会社のようなものだ。

4. 暑い夏
そもそも暑い夏は消費を喚起するといわれる。ビール会社だけではないわけだ。外に出て遊んだり買い物したりする。旅行にも行き、ガソリンを浪費する。もっとも、暑すぎて人々が家から出なくなると、需要は盛り上がらないそうだ。

そして問題は、電力不足。

尼崎USBメモリー紛失事件

2022-06-28 00:00:52 | 市民A
尼崎市民46万人分のデータを暗号付きのUSBメモリーにコピーし、吹田市のデータセンターへ持ち込んだ後、飲酒して地面に寝転んだりして予備のコピーとともに鞄ごと失くしたという、考えにくい事件があった。

委託先の会社の下請けのさらに下請けの個人企業の人間のようだ。

もちろんデータ持ち出しは厳禁のはずだし、USBメモリーを届けたなら、すぐに削除しておくべきだ。逆にそのまま持ち帰るということは、返却前にさらにコピーしようとしたのではないだろうか。

データの内容について、発表では所得税を払っていない方や、生活保護を受けている人や世帯の情報が含まれていると余計なことまで明らかにしている。全世帯数の約7%が生活保護世帯ということで多いような気がする。ちなみにどの市でも生活保護世帯数を公表している。横浜だと3.1%、調べると大阪市も尼崎市と同レベル。

大阪市はこの問題を全国の政令都市との比でまとめていて、貧困は国の責任だから市町村の財源の外で払うべきとHPに記載している。

さらにUSBを持ち込んだ吹田市だが、市のHPを見るとUSBの話ではなく、住宅地で不発弾発見のニュースが書かれていた。来月に処理を行うことになっている。YouTubeでは見つかった不発弾と同型の爆発の動画があったが、半径500m以内にいると爆風で鼓膜が破れるそうだ。

終戦直前の時期(1945年6月、7月)に大阪市を中心に爆撃があったそうだ。

高野聖(泉鏡花)

2022-06-27 00:00:22 | 書評
電子書籍で泉鏡花の作品集を読む。最も有名な作品群は、「高野聖」「婦系図」「歌行燈」だろうか。この作品集は1巻、2巻と分かれ、発表時代別になっている。ということで、以下の作品が集められている。
 ・義血侠血
 ・夜行巡査
 ・外科室
 ・化銀杏
 ・照葉狂言
 ・女客
 ・高野聖

泉鏡花の作風は「ロマン主義」「幻想主義」「耽美主義」というように言われるが、デビュー当時の作品は、むしろ「怪奇」「ストーリー性」「精神的嗜虐」の色が強い。必ず殺人や自殺が作品のキーになっている。

文体も、まだこなれていないのか読みにくい。体言止めは鏡花の十八番だが、初期作品では多用しすぎている。『高野聖』に至って、強調すべき表現として体言止めをまれに使うようになっている。作品群の中で「高野聖」が最も読みやすいのは、作家の直接の語りではなく、高野山の僧が一般人に物語を語るという構造なので、話し言葉的な易しさがあるからだろう。

まだ電子書籍の読み方に慣れていないので、本の全体のどのあたりを読んでいるのか感覚的にわからないため、少し面倒だ。


余談だが泉鏡花は幼い時に母と死別しているのだが母の名前は「鈴」苗字が一文字、名前が一文字。後に鏡花が結婚した女性の名前は「すず」である。(名前のトリビアとしては、戦国武将の藤堂高虎の母の名が「とら」というのもある)

お不動様、発見

2022-06-26 00:00:34 | 美術館・博物館・工芸品
2022年6月7日付け弊ブログ『折田不動公園の不思議』で折田不動公園のお不動様が、「ふどうそんあと」になっていて、その行方がわからない、ということを書いた。

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その時には、すでに移転先の住所を検索して調べていた。公園からは広い道をはさんで300m位か。何丁目何番地まで書かれていた。そのあとの何号がなかったのに違和感はあったのだが、行ってみると、当該の場所一帯が数年前に住宅地に整地され、主に戸建て住宅が立ち並び、数棟のマンションも建てられていた。何号というのがあらたに決まったようだ。現在は表示された番地一体には、空き地は1平方メートルもない(ロシア風に言うと、1インチもない)。

つまり、転居先からまた転居したのではないだろうか。あるいは検索で見つけた住所が最初から違っていたとか。

しかし、この付近には、まだ空き地はかなり多い。農地になっていたり農地風になっていたり。出直して、昨今の気温からいって、天気の悪い時に歩き回ることにした。

そして、さらに200m位の場所に小さな構築物があった。まさかと思ったが、動物小屋のように木製で檻のような格子と鍵がかかっている。

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そっと覗くと、内部は暗いが三体の仏様がいらっしゃることがわかるし、白いお花が供えられている。つまり、折田不動公園だけではなく他の場所からもお不動様が集まってきて集合住宅のようになっているわけだ。

となると、この場所を管理し、お花までお供えされている方がいるわけだ。さらに土地は私有地のように見受けられる。そのあたりの事情も知りたくなるが、この辺で調査は終わりとなる。知らない方がいいような深い事情があるのだろう。

人間達の事情で、この世に形を得たものの、人間たちの事情で寺を失ってしまったお不動様ってかなり悲しい。

詰将棋の世界(齋藤夏雄著)

2022-06-25 00:00:18 | しょうぎ
2021年に発刊された詰手筋解説書。手筋といっても「頭金」とか「送りの手筋」、「逃げ道に捨て駒」といった簡単なものは書かれていない。あくまでも「大技」のこと。



ブルータス手筋とか回収手筋とか高木手筋といったもの。新幹線でいえば、グリーン車のようなもの。

難しいと言えば、玉方の手順が含まれる手筋の方がさらに高等なのだろう。「回収手筋」とか。

「ブルータス手筋」というのがよくわからなかったのだが、駒の動きと関係ない命名だったわけだ。

無駄合については、やはり釈然としないことになった。


6月11日出題作の解答。








今週の問題。



解ったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

ファンシイダンス(1989年 映画)

2022-06-24 00:00:46 | 映画・演劇・Video
周防正行監督で主演が本木雅弘で『ファンシイダンス』となれば『Shall We ダンス?』の前編かなと思っていたが、まるで違う。僧侶の修行時代の苦難がテーマだ。

実家が寺院の息子が、ロックバンドを1年間中座して山にこもる。山のモデルは福井の永平寺だそうだ(撮影は金沢の大乗寺)。曹洞宗。実は曹洞宗の寺院の所有者の息子を知っている。宗教系の科目の多い大学に行っていて、あとは永平寺と總持寺で少しばかり修行すればよかったのだが、実際には父親は親戚の僧侶に寺を貸していて、寺のない僧侶にしかなれないことにより、無益に50歳を超えているはずだ。

また、この映画と同じように寺院の息子でロックバンドに入っていた僧侶資格者もいるが、寺院経営では親子二人は食えないということで親が引退する直前にならないと住職になれないという事例もある。

ところで、この「Fancy Dance」というタイトルはどういう意味なのだろう。原作は漫画なので原作漫画家の岡野玲子さんに聞かないとわからない。

偶然か必然かわからないが、諏訪監督は1989年の「ファンシイダンス」、1996年の「Shall we ダンス?」そして2011年の「ダンシング・チャップリン」と15年程度の間隔でダンス映画を撮っている。次は2027年ごろのはずだ。

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星

2022-06-23 00:00:07 | 市民A
BS11チャンネルでディスカバリーチャンネルの再放送を見ていた。「解明・宇宙の秘密」シリーズの第10話が「彗星探査衛星・ロゼッタ」による「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星」の探査。

チュリュモフ・ゲラシメンコという名前は二人の天体学者に由来する。ゲラシメンコさんの方は別の天体の写真を撮影していて、その写真の端の方にあった小さな天体を見つけたチュリュモフ氏が様々な考察を加えて、別の彗星であると断定した。だからほとんどの功績はチュリュモフ氏の方と言える。



この彗星だが二つの小さな天体が寄り添うように合体していた。いかにも二つの物体が合体したような形だ(これらも近接したことでわかった)。仮に球形だとしたら半径1.8キロメートルほどの小さな物体だ。

太陽の周りを6年強で回っているようだが、回り始めたのはそう遠い昔ではないそうだ。そもそも太陽系のずっと外の方にあるカイパーベルト天体で原初宇宙の頃から静かに眠っていたらしい。しかし、おそらく木星の引力に起因する何らかの力の変化により、カイパーベルトから偶然にも太陽の近くまで引き寄せられてしまう。


そして、太陽の近くに行くと、天体内部に溜まっている原始的な物質が太陽熱で地表から宇宙空間に飛ばされてしまう。徐々に小さくなっていた。ということで探査衛星が打ち上げられたのは2004年3月2日。到達したのは2014年。

彗星には水分があったそうだが、地球の水とは異なる物質だった(重水の比率)。またDNAで必要なリンは含まれていなかったそうだ。


ところでチュリモフ博士だがウクライナ人。彗星発見当時はキーウ天文台所長だったようだ。2016年10月14日、ハルキウで亡くなっている。探査衛星ロゼッタがすべての観測ミッションを終え彗星の上に落下していった日(2016年9月3日)の1か月と11日後だった。

疾風ロンド(2016年 映画)

2022-06-22 00:00:44 | 映画・演劇・Video
東野圭吾の原作。

日本政府に無届で生物兵器を開発していた研究所から「人類滅亡級」の新型炭疽菌K-55が紛失した。持ち出したのは元研究員で、解雇された怒りを3億円の身代金という形で報復したわけだ。

スキー場の雪の中に埋め、目印のテディベアーを樹木に打ち付ける。ところが身代金の値引き交渉をしようとしていた矢先、元研究員は交通事故で死亡してしまう。プロの犯罪者ではないので、犯行の手順に気を取られてしまったわけだ。

ということで、阿部寛演じる研究員が息子と一緒にスキー場に向かい、乏しい手がかりからテディベアーを探し回るのだが、どうにもならない。少し嘘を交えたストーリーで現地の人たちを巻き込み、やっと所在を突き止めたと思った時に、横取りを狙う人物が現れる。

ストーリー的には元研究員が早々と死亡してしまったことで、少し単純化し過ぎてしまったかもしれない。

原作を読んでないので雰囲気がわからないが、映画は平和なコメディそのもの。もっともミステリーやアドベンチャーを低予算で映画化すると、たいていコメディのように見えてしまうものだ。

アジサイの鉢植え

2022-06-21 00:00:12 | 市民A
あちこちでアジサイの一斉開花になっているが、鉢植えのアジサイも花を開いている。というか、花のように見えるのは「がく」だそうだ。花は数ミリの大きさで、これも咲いている。自然界の不思議というか何のために「がく」が美しいのだろう。



案外、人間がそういうように品種を改良してしまったのかもしれない。

それで鉢植えのアジサイの種類がわからないので、調べ始めるとアジサイの種類は改良につぐ改良の結果300種類ほどあって、新しい品種は次々と登場しているらしい。
300種類の画像を見た結果、「千代女(ちよじょ)」という品種に似ている。齢1000歳の女性ということか。

しかし、花が終わった後の鉢植えのアジサイは一つの問題を残すわけだ。鉢のまま水やりを続けるのか、地面に下ろすか、抜いてしまうか。

アジサイは地面に下ろすと生き生きとして大繁殖することが多い。要するに手に負えなくなることがある。まあ、花が終わってから考えることにする。

胡蝶蘭再生プロジェクト

2022-06-20 00:00:01 | 市民A
地元の新聞販売店が始めたのが「胡蝶蘭再生プロジェクト」。胡蝶蘭というのは、もともと開店祝いとか企業の役員の昇進祝いとか、おめでたいと考えられるできごとで贈呈されるもので3万円ぐらいかな。温室の燃料費が上がったので1万円ぐらいは高くなっているかもしれない。もっともおめでたいと考えられても、開店は破綻の出発点とか役員昇進は借入金の個人補償の始まりとか不幸の入り口という場合もある。



そして、胡蝶蘭は数か月は置かれた場所で花を咲かせ続けるのだが、そのうち邪魔にされ、廃棄される。

それでは、成長までかけられた燃料代がもったいないということで、再生プロジェクトを考えたのが新聞販売店。仕立て直して、希望する新聞購読者に再配布をはじめた。さっそく申し込むと、忘れたころに届いた。希望者が多いということ、

協賛しているのが、神奈川県のテレビ局と神奈川新聞、毎日新聞、よみうり新聞ということで朝日新聞は参加していない。おそらく朝日新聞の購読層は供出すべき胡蝶蘭とは縁がないのだろう。

新聞販売店はどれだけ利益があるのか、まったくわからないが、部数×粗利-コストということだろう。推測すると1部1000円/月ぐらいだろうか。10万部と公称しているので1000万円。年間1億2000万円。なかなか苦しいのかもしれない。

ところで、胡蝶蘭だが、亜熱帯植物で、5、6月が成長期らしいが、1か月以上経って、二本のうち一本から新しい葉が出てきた。期待すべきなのか、これで終わりなのか見当がつかない。失敗しても鉢は返さないでいいようだ。

JR東、久留里線馬来田駅

2022-06-19 00:00:40 | 美術館・博物館・工芸品
久留里線の馬来田(まくた)駅の近くに行った。千葉県の内陸部なのだが、誤情報により駅舎の画像を撮影した。誤情報とは「今や珍しい木造の駅だから」ということ。

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確かに木造で瓦屋根で一部はトタン屋根。駅の中も少しペンキの禿げた板材で、オール木造(トイレは別棟)であることがわかる。駅の運営は地域のボランティアによっているようだ。実際、ホームも確認したのだが・・・

後で確認すると、「木造の駅」というのは、まだまだ沢山あるようで、千葉県下にも20弱あるらしい。全国なら1000近いかもしれない。珍しいとは言えない。内房線などは木造駅が大量に残っている。

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そして、駅に立つ石碑を写してきたのだが、万葉集の中の一首が刻まれていた。

馬来田の嶺ろに隠れしかくだにも 国の遠かば汝が目欲りせむ

石碑には現代語訳もあり、

馬来田(うまくた)の嶺々にさえぎられただけで、こんなに心苦しいのに、他国に出て、あなたの住むこの馬来田の国が遥かに遠ざかり、幾日も会えないでいたら、私はどんなにあなたに会いたくなるだろう。

万葉集巻14―3383となっている。相聞歌であり恋の歌なのだが、男と女はそれぞれどこにいるのか。

まず東国から徴兵されて九州方面の守備隊に送られたいわゆる防人(さきもり)ではないと思われる。防人の歌は巻20にまとめられている。巻14は東歌のグループになる。

石碑の側にある現代語訳では、女が馬来田にいて、男がどこか遠くに行く場合、あるいはもし男が遠くに行ってしまったら悲しいというように書かれている。

この馬来田だが以前は「うまくた」と呼んでいた。いまでこそ木造の駅だが、平安時代までは東日本の玄関だった。木更津、袖ケ浦から内陸は亀山あたりまでの広い地域を馬来田と呼んでいた。西国からは途中寄港しながら最終的には船で木更津付近に着桟し、あとは陸路で成田方面を経て鹿島神宮方面に行っていた。千葉県の中部を上総、北部を下総と呼ぶのは京都等に近いのが南部だったからだ。人の往来が多かったのだろう。

案外、作者の実体験ではなく都にいる文化人が架空のストーリーを作ったのかもしれない。

透明の棋士(北野新太著)

2022-06-18 00:00:09 | しょうぎ
将棋ライターの一人、北野新太氏の著作。本の発行は2015年だが、書かれている内容は2012年から2013年あたりが中心のように思える。今から約10年前。新聞等のメディアでは尺の長さとか、不文律的な「書かない事実」があるのだろうが、書籍という形で出版したくなったのだろうか。筆に伸びがある。


しかし、将棋界の10年前というのは、現在とはまったく違う世界だったことが今さらながらわかる。まず、棋士がコンピューターに負け始めた時期だった。まだ、人間が勝つこともあったわけだ。棋士は将棋を指し続けなければならないが、コンピューターは新型が出ると、用済みになり10年もすれば1万倍位強くなることは当時だってわかっているのに、なぜ無駄に戦ったのだろうという点は、この本を読んでもわからない。著者が企画したわけではないし。

里見女流名人がタイトル防衛した後、体調不良で休場を発表した時に羽生三冠がパーティに出向いて励ましたことや中村大地六段が鬼のように躍進してタイトルに手をかけていたことや、森内名人竜王が何かにつけ羽生三冠に気を遣っていたことなど、棋界の外にいる私でも「今や移ろいゆく夢の如し」といったことだろうか。

すべてが変わってしまった理由は、『鬼手連発棋士の登場』ということは、わかっているが。

神に近づこうと思っている人に対して「鬼手」はないか・・


さて、6月4日出題作の解答。








今週の問題。



解ったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

黒いトマト

2022-06-17 00:00:16 | あじ
ミニトマトの苗木を植えていた。本物のトマトの場合、整枝が重要だが、ミニトマトは整枝してもしなくても大して変わらないと言われる。

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それで、鉢の水を切らさぬように、といって水っぽい味にならないように育てていて、花が付き、結実を始めた。そして徐々に緑色の実が色づいてきたと思っていたら、赤というより黒っぽく色づき始めた。

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そして、驚いていろいろと調べていて、「黒いトマト」があることがわかった。そもそも苗の時の品種が「CFチョコアイコ」となっていた。チョコレート色ということか。CFってなんだろう。

この品種は「サカタの苗」で開発された黒っぽいミニトマトということだそうだ。

色はアントシアニンということだろうか。

一粒食べてみたが、味に差異は感じられず、少し皮が固いような気がしたが個体差があるので、もっと食べてから判定したい。

マイナンバーカードと健康保険証の関係

2022-06-16 00:00:13 | 市民A
国民の健康保険の濫用を防いだり、医療費無償の制度を利用する人の妥当性を検証するのが目的と言われるマイナンバーカードと健康保険証の紐付けだが、仕組み的によくわからないことが多い。

そもそも、究極的な使い方が、「マイナンバーカードを保険証の代わりに使うのか」、「(たとえば)指紋認証だけでマイナンバーと所属する健康保険組合または国民健康保険の番号が医療機関や薬局に表示されるのか」あるいは「マイナンバーカードに紐付けされた別の番号の健康保険証を使うことになるのか」。

簡単に言うと、医者や薬局に行くときにマイナンバーカードが必要なのかどうかということ。

というのは、私もそうだが、常に健康保険証を持ち歩いている人もいる。そういう人は常にマイナンバーカードを持ち歩かなければならなくなる。

一方、健康保険証がないからといって、医師は患者の診察を拒否することは法律で禁じられているのだが、だいたいは、健康保険証をもっていない人には、軽く聴診器で診察だけして、「専門のお医者さんに診てもらった方がいい」というような話でお引き取りいただいているように思える。そもそも腸閉塞などの急病に罹った時に、保険証があるのないので時間をかけていたら、どんどん悪化する。

自動チャージ機能のある交通系ICカードでもクレジット機能付きと別カード方式とわかれているのは、健康保険証を紛失するとクレジットカードまで紛失してしうということを考えてだろう。

そもそも、IT化が進んでも、カード一枚で用が済むとも全く思えないし、キャッシュレス決済のために何種類ものアプリが必要だし・・

結局、中国をモデルにしたような管理国家を目指しているように思える。