愛人(藤沢周著)

2009-09-30 00:00:11 | 書評
aijin『愛人』という題名の本は各種ある。有名なのは「愛人・ラマン(マルグリット・デュラス)」だろうか。映画は、小説よりも美しく、ナイーブに仕立てられ、エンディングで突然にショパンのノクターンが流れる。また、渡辺淳一にも同名小説がある。

ところが、中国語では、「愛人」は日本語の「妻」を指す言葉でしかない。「妻」とか「ワイフ」といった題名の小説は原理的に存在しない。小説は、刺激的なストーリーを求めるのであり、読者は、「愛人」という言葉に、主人公の男の演じる、「本人は必死だが、はたからみると滑稽な」不倫関係を、ハラハラしながら読み進みたいのである。

そして、藤沢周の『愛人』も、大かたの予想通り、何種類かのパターンの思考方法、行動様式の女性達が登場し、主人公の中堅風俗作家と、しょっちゅうベッドに潜り込む。

そこに、別れたのかそうでないのか不明な本妻や、野球のグローブを欲しがる長男。さらに、中年でくたびれた中堅の変態同業者や変態編集者などが登場。

要するに、人生は愚かだ、ということを、テンポよく書いたのかもしれない。愚かなものを愚かに書くと、しかしこれが、本人たちの必死の図になる。


shufujisawaしかし、最近、藤沢周の作品をだいぶ読んでいるのだが、あくまでも個人的見解としては、「作品にバラツキがある」ということができるだろう。本作は、ちょっと、はずした方ではないだろうか。

書かれた時代順に読むと、何か彼の作家としての苦闘がわかるかもしれないし、そうではないのかもしれない。初期の名作とされる『ブエノスアイレス午前零時』を探しているのだが、なかなか書店では見つからない。結局、amazonに注文して、個人情報を自ら流出させることになりそうだ。

カバーの裏側に写真があったが、想像とはまったく違う顔だった。文豪風。たぶん写真顔と作風は、永井荷風を強くイメージしているのだろう。名前は藤沢周平(時代小説家)と似ているのだが。

首都圏に3番目の空港、まもなく開港

2009-09-29 00:00:58 | 市民A
ibarakiダム問題とも似ているし、JAL問題にも関係がありそうな問題が、まもなく世間に登場する。

茨城空港

登場するのが何年も先というのではなく、いきなり来年、2010年の3月には開港になるそうだ。

では、自ら「首都圏の空港」と名乗る茨城空港は、どこにあるかというと、霞ヶ浦の北側である。航空自衛隊の百里基地の中に併設されるわけだ。軍民共用空港である。

ただし、普通は霞ヶ浦の北側を首都圏とは言わない。が、首都圏で唯一の戦闘機を配置した防衛軍ではある。入間基地には、今のところ戦闘機は配置されていない。

とはいっても、東京が航空機で攻撃されたのは、65年前のこと。それ以来、東の空からの敵機はあらわれていない。


そして総工費220億円(内70億円が茨城県の負担)でまもなく開港する茨城空港だが、ホームページが既に完成している。

おどろくことに、空港設置者が「防衛大臣」になっている。さらに事業主体が「国土交通省」になっている。国営そのものの空港である。

滑走路は2700メートルが2本。平行滑走路である。普通は、長い滑走路と短い滑走路の2本とかだが、中途半端である。(中途半端というのは日本の公共事業の特徴の一つで、そのうち追加工事が始まる)事業の途中までは、茨城県も事業に参加していたのだが、なぜか途中で国交省の専属事業になった。

空港へのアクセスは、バスとクルマ。かなり不便だが、そもそも自衛隊の基地があるような人口の希薄な場所で、誰が利用するのか、静岡空港よりもさらに大きな疑問がある。

空港側の発表では、予想利用者数が年間80万人となっている。1日2,200人となる。実際は1,100人が乗り、1,100人が降りればいいことになる。

ところが、静岡空港や神戸空港からのJALの撤退もそうだが、地方空港に無理に運航すると、赤字になる。上場会社が、わざわざ赤字路線を運航するには、それなりの株主説明責任があるのだが、合理的説明は見出せない。

ということで、9月末の段階で、この空港への発着を表明した航空会社は世界中で1社だけである。

アシアナ航空(韓国)のソウル(仁川)便が週6便(A-320)。ブサン(釜山)便が週3便である。1日平均1.3便。国内線はゼロである。

さらに、コストかけ過ぎ批判をあらかじめ予想しているかのように、大きなケチケチが行われている。

ボーディング・ブリッジ方式ではなく、タラップ方式だそうだ。

総理大臣が特別機で到着したときのように、タラップを降りて、雨の中をターミナルビルへの連絡バスに向かうことになる(もしかしたら、バスではなく『歩き』かもしれない)。


では、なぜ、ここに空港ができたのか。
 (推測理由)茨城県にも空港が欲しいと、時の県知事が言い出したのではないだろうか。

では、なぜ、国交省の専属事業になったのか。
 (推測理由)民間を排除すれば、空港まるごと天下り先にできるためではないだろうか。

では、なぜ、韓国の航空会社が、茨城空港に路線を持とうとするのか。
 (推測理由)成田(千葉県)や羽田は、入管が非常に厳しいため、仁川空港経由で、多国籍の観光ビザ短期就労者に期待されているのではないだろうか。

*(推測理由)は文字通り、個人的な推測である。

金色ネクタイの男

2009-09-28 00:00:37 | 市民A
necktie金色ネクタイの総理にあやかり、金色のネクタイを締めてみた。さらに、古来より高貴とされる紫が入っている。

しかし、平凡な一日だった。ネクタイの価格がユッキーの数十分の一(推定)だからか。それに金色ネクタイは一般に、不評だ。金持ち趣味。

ところで、総理と外相がいない間に国内であれこれと問題が起きている。明治初頭に岩倉使節団が米欧視察に行っている間に東京に残る西郷が、あれこれと勝手に制度改革を進めていたことに似ているのだが、当時と違って、飛行機に乗れば、すぐに首相官邸に戻れるわけだ。さらに、現代の西郷である小沢一郎は英国視察に行ったまま帰ってこない。多くの懸案は、総理帰国を待ってからになる。(帰ってきて、すぐに両国に行って、朝青龍に優勝カップを授与した。モンゴルを味方にしようというのだろう。「遠くと交わり、近くを攻める。」有名な中国の諺だ。)

まず、「八ツ場ダム。

まず前原流の「はじめに、工事中止ありき」方式。

いかにも乱暴風だったが、案外正解かもしれない。要は、不要なものは作らない。

建設続行の意見の中心は「もったいない精神」だろうか。既に3200億円を投じ、残る費用は1400億円。さらに地方自治体から集めた費用(2000億円)は返還するというのでは、作った方が安いのではないか、という説。

しかし、変換する2000億円は、別に無駄になるわけじゃなく、地方自治体の財政に組み込まれるだけで、その分、地方自治体の債務が減ることになる。だから、費用ではないわけだ。

さらに、画像で見る限り、7割も費用を使ったにもかかわらず、ダム本体はまだ建設されていないのである。おそらく、道路や橋の建設や墓地の移転、旅館の移設建て直しなどに使われたのだろうが、それならそれでいいじゃないだろうか。(でも3200億円は何に使ったのだろう)

100年に1度の洪水のためと言いながら、すでに工事は50年を超えているわけだ。


次に、「JAL

個人的には、MBA用の教科書の「破綻企業」の題材として使えるな。と思っていたのだが、ついに再生チームが登場。前原大臣も便利な人脈を知っていた。というか総理大臣になった時に登場させるはずだったのだろうが、ずいぶん手早い。

これじゃ、竹中路線の継承ということになりそうだが、そういうことなのだろう。ただし、かつて、産業再生企業が手がけた大物案件は、「元の姿で生き残る」ことにはなっていない。

大臣へのインタビューで、「JALを破綻はさせない」と報道されているが、よく聞くと、「JALという企業体を破綻させない」とは言ってなく、「JALの事業を破綻させない」と言っているわけで、依然として、破った株券が宙を舞うリスクは続いているのだろう。事業としては、国際線と国内基幹路線(千歳-羽田-関空-福岡-沖縄)のみとして、残りの国内線はANAのシェアを60%以内に抑えることにしながら、他社に開放するのだろうか。それでも便数が確保されなければ若干の運賃補助に税投入か廃止。

場合によっては、民事再生法+経営者交代ということだろうか。

次に、「モラトリウム

亀井式の「かわいそうだから、ゆるしてあげよう」というのは、結果としてもっとかわいそうなことになるのが世の常である。

モラトリウム(たとえば3年間、元利返済猶予)というのが、通ってしまうと、意図とはまったく異なるのだろうが、リーマンショックの原因になった「サブプライムローン」と同じ効果になってしまう。

サブプライムローンは、借りた当初(たとえば5年)はまったく返済しなくてもよく、期間が過ぎると高い金利と圧縮された借入金返済に追いかけられるのだが、モラトリウムの場合は、約定期日になると、払わなくてもよくなるのだが、それで中小企業の赤字が消えるわけではなく、さらに3年後に積み重なった借金の山に押しつぶされることは間違いない。

確実につぶれる企業に対する金利は割高になり、さらに破綻企業やゾンビー企業だらけになり、どうにもならなくなる。処方箋が間違っている。ヘボ医者方式だ。

だいたい、国民新党は、前回選挙で国民の支持を得ていないのであるから、内閣に加えればもめごとを起こすに決まっているわけだ。早めに谷垣氏のところにお帰りいただくのが妥当な線ではないだろうか。

築地市場の移転
赤松大臣が、YESとかNOとか言わないのは賢明。だいたい都民の問題に国が口をはさむのは行き過ぎだろうし、「危険ならNO」というのは、あたりまえの話だからだ。それより、五輪誘致の都知事の応援に鳩山首相がコペンハーゲンに行くべきかどうかだが、「行った結果、オリンピックはずした」と黒星付けられるのが嫌なのだろう。勝ちそうだったら行くのではないだろうか。


その他、民主党の総意でもないような変な政策が、様々に動いているようだが、一刻を争わないようなもの(夫婦別姓とか死刑執行)は、そんなに焦らなくてもいいのではないだろうか。その前にインフルエンザのワクチン問題とかアフガンPKOの検討とかが先だろう。

ムーティの40番

2009-09-27 00:00:47 | 音楽(クラシック音楽他)
muti1モーツァルトの交響曲40番をリッカルド・ムーティで聴く、というか観る。DVD版。18年前、1991年のザルツブルグ音楽祭でウィーンフィルを指揮。

モーツァルトの『40番』は、ベートーベンの第五『運命』と並ぶ交響曲の双璧であるが、奇妙なことにニックネームがつけられていない。この件は、クラシック音楽の謎の一つとして、古来よりいくつもの説があるが、はっきりしない。以前にも紹介したので、重複する気はないが、左脳的論理性で考えずに右脳的に考えれば、『40』という数字で十分だったのではないだろうか。何しろ、40も交響曲を書いた人間は、ほとんどいないわけだ。

有名な作曲家では、ハイドンの104曲というのがあるが、ベートーベンはじめ、ほとんどの大作曲家でも10曲前後である。「40」と言えば「モーツァルト」ということだったのではないだろうか。

ただし、では38番が「プラハ」で、41番が「ジュピター」というのは、なぜなのだろう、といわれると、とたんに窮する。


しかし、DVDというのは恐ろしいもので、CDを聴いているだけではわからない指揮者のパフォーマンスが楽しめるわけだ。イタリア人のムーティの指揮は、なかなか見ものである。


muti2
何しろ、よく腕を動かすわけだ。このあたりが指揮者のスタイルなのだろうが、例えば一世風靡のカラヤンは直立不動で、両脇を締めたまま、あくまでも五十肩の患者のように指揮棒を肩の線から上にあげない(もちろん、たまには、振り上げることもあるだろうが)ような省エネスタイルだが、ムーティは大違いだ。

腕の振り方が妙だ。上下に振るのではなく、腕を横に広げて肘を起点にして腕を横に回す。それも内回りや外回りと多彩である。空を飛ぼうと羽ばたくニワトリみたいだ。興奮すると、指揮棒をグルグルと振り回す。回転型だ。


ところで、イタリア人指揮者といえば、他にアバドがいる。こちらも派手だが、どっちかというと上品なだけ好きだ。ムーティとアバドは犬猿の仲らしく、それぞれ贔屓の政治家まで異なるようで、音楽界の話題からはみ出しているそうだ。日本では、小林研一郎の指揮は大暴れ型で下品だが、上品ぶらないので好感がある。ムーティはちょっと好みじゃないかも。たぶんオペラの指揮とか、この派手なスタイルがいいのだろうか。


ということで、指揮者ばかりに目がいってしまうのがDVDの問題なのかもしれない。


自宅に、「40番」のCDはかなり多数あるのだが、よくいわれる「ワルター/ウィーンフィル/1952年」よりも、「バーンスタイン/ウィーンフィル/1984年」のバージョンが、何度聴いても気持ちがオーケストラの中に沈んでいける。バーンスタインはDVD化がかなり進んでいる指揮者であり、ウィーンフィルでもニューヨークフィルでもモーツァルトが観られるが、「40番」は、まだ見つけていない。

鬼王座

2009-09-26 00:00:17 | しょうぎ
7月13日に始まった王位戦7番勝負では、木村八段が3連勝したあと、深浦王位が3連勝して3対3になり、まだ終わらない。

一方、今月始まった王座戦(日経主催)は、あっという間に羽生王座が3連勝して終了。1992年以来、18期連続防衛である。18期の間、勝率は8割4分。特に最近の5期は全部3勝0敗。

なぜ、王座戦になると鬼のように強いのか。

今まで、はっきりとした説明を聞いたことがないのだが。私の説を披露すると、

「日経新聞を購読し、熟読しているから」ではないだろうか。

自分の勝局を新聞で見るのは嬉しいものだ。そのうち、嬉しい気持ちになるために、ことのほか気合いが入るようになった。

とか・・


9月12日に出題した詰将棋が、長いので、今回は、詰将棋の解答に重点を置く。



棋譜も略式にする。

37角 19と 33玉 25玉 24龍 36玉 26龍 45玉 46龍(途中図1) 54玉 43龍 65玉 63龍 56玉 67龍 45玉 47龍 54玉 44龍 63玉 64龍 52玉 44桂 41玉(途中図2) 42歩 51玉 53龍 61玉 52桂成 71玉 62成桂 81玉 51龍 92玉 93歩成 同玉 91龍(途中図3) 92金 83歩成 同玉 92龍 同玉 84銀(途中図4) 98飛成 82角成 同玉 83歩 92玉 82金まで49手詰。



初手は、逆王手逃れの手。玉が動いて逆王手か角の移動合か。玉移動は一手遅らせる。ただし、3手目以降、37角と38飛の関係で、角が動けなくなる。まだこの段階では、それで不便はしないのだが。

そして、9手目の46龍(途中図1)で方針がはっきりする。龍追いで持ち駒の充実をはかる。といっても桂と歩を得るだけだ。龍追いは1回転半で、今度は玉を下段に追うが、中盤のハイライトが24手目の41玉の次の手。

単に61龍、51合、52桂成で詰みそうだが、合駒に角を打つと逆王手になる。必然的に52歩と打つと、なんと打歩詰の図である。これが、ヒントに書いた「強制打歩詰」の図である(失敗図1)。



そのため、仮釈放中の被告のように、少し自由に玉を泳がせ、裾払いで攻める。35手目に93歩成で釣り上げて竜を91に回ると、金を合駒に打つしかない(途中図3)。ここで、37角が82角成と突っ込めればいいのだが、角を82に移動させる前に、38の飛で33の自玉を先に取られてしまう。そこで、次の細工。

95銀を活用するために84歩を成り捨てるのだが、龍で金を取るのよりも前に捨てなければならない。玉が92にいる状態で、ついに84銀と開き王手に成功(途中図4)。98香を38飛で取るしかなく。ついに82角成と角のV字活用に成功。同玉に83歩で簡単だが、悪戯心で83金と打つと、92歩、同龍、同金、同玉、93飛、81玉、83飛成、91玉で詰まない(失敗図2)。



実は、この問題、いくつか洗練さにかける部分があり、「さわやか風太郎さん」のご援助を受け、脩正作も完成。未来のある時期に披露する予定である。

なお、動く将棋盤はこちら





今週の問題は、途中に、ある課題が待ち受ける。詰将棋では、よく課題となる場面である。めずらしく、駒が徐々に減っていく問題である。詰むとホッとする図である。

わかったと思われた方は、コメント欄に、最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

現代、ガソリン泥事情、そして盗電の時代が・・・

2009-09-25 00:00:36 | 市民A
どっちもどっちという話題がある。

ガソリン盗んだはずが水…エンストして逮捕

ガソリンを盗んだつもりが水だったため、車が動かなくなり、乗っていた男が捕まった。

埼玉県警川越署に23日、窃盗未遂などの疑いで逮捕されたのは、住所不定、無職H容疑者(56)。

発表によると、H容疑者は23日未明、川越市の園芸業者男性(56)が所有するビニールハウスに侵入し、容量18リットルのポリタンクからガソリンを盗もうとした疑い。園芸業者は半月前に農機具などに使うガソリンを抜き取られる被害に遭い、1週間ほど前に水に入れ替え、警戒していた。

H容疑者はタンクの中身を軽乗用車に入れて発車、約200メートル先の雑木林でエンジンが止まって動かなくなった。

タンクが空になっていることに気付いた園芸業者が、車内にいたH容疑者を見つけ通報した。H容疑者は「金がなく車内で生活している。以前にも同じ場所からガソリンを盗んだ」と供述しているという。(2009年9月24日11時05分 読売新聞)


ガソリンを盗まれた男が、水とガソリンを入れ替えて、犯人を捕まえたということになっている。奇しくも、どちらも56歳。

 泥棒を捕えてみれば同級生

ちょっとせつないところだ。容疑者の唯一の財産が車だったのだろうか。おしゃかになって、文字通りの無産階級に墜ちた。


ただし、・・・

もちろん盗んだ方が悪いのだが、間違えて水を盗んだ男のクルマがすぐに止まったから、何事も起きなかったものの、高速道路で事故でも起こしたら、かなり、寝心地の悪い話になる。捕まえるつもりではなく、個人的私怨からではなかっただろうか。

第一、ポリタンクでガソリンを保管するのは、消防法違反である。大火災の原因となる重罪だ。


一方、H容疑者だが、家を失い、クルマで生活していたのだろうか。農家や園芸業者の納屋にはガソリンがあることを知っているのだろう。餌場の場所を知っている野良猫みたいだ。

ただし、猫以下なのは、盗み方。全部盗んじゃ、すぐに発覚する。半分ずつにするべきだった。

以前、ボトルをキープしていた赤坂の飲み屋で、行く度に少しずつ、ウィスキーの残量が減っていたことがあった。銀行出身者が、自分が担当していて経営破綻した飲み屋の権利を買い叩き、脱サラで始めたとのことだった。店による抜き取りを疑っていたのだが、ボトルに残量目盛りをこっそりつけて、暴露させる。あちこちに言い触らしたところ、まもなく閉店。



ところで、今までは「ガソリン」というのが盗みの対象だったのだが、今後は車も電気の時代。電気自動車やプラグインハイブリッド車は充電が必要になるのだが、そこで狙われるのが屋外に無造作に置かれている飲料系の自動販売機。

個人の家の前などにも置かれているが、電気代はその個人持ちで、売上と仕入の差の利益の中から電気代を払うのが一般的だが、夜の間に自販機の前に駐車され、コンセントから盗電される危険があるわけだ。

そんなことを話していた会社の同僚が、秋葉原で大量に二口コンセントを買っていたという情報もある。さいたま市方面で調べると、すでに盗電用に二口コンセントがあちこちの自販機に取り付けられていたりするかもしれない。

ナシゴレン(にせもの)

2009-09-24 00:00:46 | あじ
nashigoren連休で忙しく、チャッチャッチャとチャーハンを作ろうかと思ったが、勤務先の部下たちの顔を思い出して、もうちょっとだけ高級なものにしようと思った。(余りもの社員ばかりなので、仕事の分担をいかように変えても、チャーハンみたいな結果にしかならない)

ナシゴレン。

レシピを大脳のひだの奥の方から引っ張り出して、ナスとピーマンと玉ねぎと牛肉を刻んで、若干のカレー粉を加え、強火で、ごちゃごちゃになるまで炒める。

皿にレタスを千切ってから適当に敷いて、炊きたての白いごはんをのせて、炒め終わったごちゃごちゃの塊を上に置いて、周りにトマトの小片を散らす。以上終わり。

ところが、

このエントリを書くためにwikipediaで確認したら、びっくりしたこと。

1.インドネシア料理だった。

 アフリカ方面と思っていた。


2.まったく違うものだった。

 原料も違えば調理法も違う。まったく何の関係もない料理だ。ナス???ピーマン???カレー粉???牛肉???

 インド人が日本で『インドカレー』を食べて、「日本料理も少しインド風ですね」と言うようなものだろうか。あるいは、日本人の話す英語を聴いて、「日本語も少し英語に似ていますね」と英語で言うようなものだろうか。


3.本物はチャーハンだった。

 「ナシ」はごはんを意味して、「ゴレン」は炒めることを指すコトバだそうだ。



honmonoチャーハンをやめにしてチャーハンを作ろうとして、一体、何を作ったというのだろうか。自民党をやめにして、安易に民主党に投票した結果、何が起こるのだろうか、ということだろうか。

でも、ニセモノの方が、インドネシア風に見えるのではないかと思う。

庄野潤三、老衰で逝く

2009-09-23 00:00:25 | 書評
shonoj小説家の庄野潤三氏が9月21日に亡くなる。88歳。老衰ということだそうだ。

だいぶ前になるが、彼の小説を読みこんでいて、文学全集まで買って初期の作品を読んでいた。『プールサイド小景』『静物』『絵合せ』など。文学全集は、本人が亡くなると、中古価格が上がるのだろうか、あるいは下がるのだろうか、などと不埒なことは考えない。

作風は、どこにでもいる小市民の心象を、軽いけれどもしっとりと適度な湿り気で描く。文学の印象派である。米国のニューヨーカーに似ているようで似てないような。(勝戦国と敗戦国の精神的な差がある)

なんとなくだが、この人と古井由吉に限っては、老衰で亡くなるような予感を持っていて、一人は当たり、もう一人はまだわからない。

文学史的には「第三の新人」というカテゴリーの真ん中にいて、その前の世代が、太宰治、坂口安吾、高見順などの「戦後派」と呼ばれ、第三の新人のあとの世代が、大江、石原、倉橋、公房といった個性の強い作家群である。

「第三の新人」の中には、小島信夫、島尾敏雄、近藤啓太郎、安岡章太郎、吉行淳之介など。戦争に少しだけかかわって、生き延びた口が多い。すでに多くが他界して、安岡章太郎氏も89歳である。


shono若いころから、毎年一作のペースで85歳まで執筆していたようだが、最後の単行本が2006年の『星に願いを』。

肉体的に書けなくなったのか、あるいは筆を置いたために心に梁がなくなったのか。

愛読作家が亡くなるのは、ちょっと感傷的になる秋の始まりだ。

連節バスに躊躇

2009-09-22 00:00:42 | マーケティング
bus1恐竜展はJR京葉線の「海浜幕張駅」の近くにある『幕張メッセ』で行われるのだが、駅前のバスロータリーで、見慣れぬバスを見つけた。

連結されたバスである。

海外では、確か中国で見たことがある。まあ、人口が多いからバスも巨大になる。中東のどこかの空港にもあった。

しかし、日本で見たのははじめてである。

さっそく、カメラを構えたのだが、車体の全部を写すのは難しい上、動いているのだから、うまく撮れない。そんなものを写そうという人も他にはいないので、カッコ悪い。

思わず、乗ってみようかと思ったが、バスは近隣の総武線『幕張本郷』行きである。まあ、やめておく。

bus2それで、自宅に帰ってから、wikipediaで調べると、『連節バス』というれっきとした固有名詞があるそうだ。昆虫みたいな名前だ。世界でも非常に例が少ないようだ。世界中のどこにでもあるようなものではなく、徐々になくなりつつある物体のようである。

日本では、この幕張メッセ←→海浜幕張駅←→幕張本郷駅で京成バスが運行している例と、厚木及び藤沢で神奈川中央交通が運行している合計3路線のみだそうだ。


おそらく、乗客が車内で移動する時間も長いだろう。ワンマンバスなら後ろから乗って、前で降りるのだろうか。やはり、乗り込んで見るべきだった。中で、わざと転んで運転員にインネンつけるとか。

また、バス停の構造も違うだろう。運転だって、他のバスとはかなり違うのだから(どちらかというとトレーラーの牽引に近いのだろう)、普通のバスとは別のチームが必要かもしれない。車庫だって問題だ。右折や左折も大変で、横腹に車が突っ込んでくるかもしれない。

一方、高速道路が無料化されると、長距離バスという大型メリットを生かす路線も考えられるが、どこのインターチェンジでも回りきれるのか不明だ。特に首都高は通れないかもしれない。

keisei京成バスのホームページを見ると、導入後10年が経ったということらしい。どうも、普及しないままに終わりそうである。


ところで、お客さんの方から見て、自分が「荷物」になったような気にならないのだろうか。どう考えても、乗客1名あたりの人件費削減効果を狙ったようにしか見えないわけである。小コスト大量輸送方式。

上にも書いたが、全国でも運行地区は、千葉市の幕張と神奈川県の厚木及び藤沢である。藤沢では、小田急湘南台駅から、慶応大学湘南藤沢キャンパス(いわゆるSFC)の往復区間である。SFCは、帰国子女で英語が話せれば、誰でも入れると言われていた時があって、その時代の卒業生は、大量に旧東京銀行に入行して、その後名刺は、東京三菱から三菱東京UFJになったのだが、依然として『お荷物』扱いになったままという説もある。(まったく、バスとは関係なく恐縮だが)

恐竜2009 砂漠の奇跡

2009-09-21 00:00:54 | 美術館・博物館・工芸品
makuhari3幕張メッセで開催中の恐竜展に行く。メッセでの恐竜展は毎年恒例になっているそうだが、初めて行く。テレビ東京から、なぜかタダ券もらったからだ。

夏休み中には、メッセの巨大展示スペースで展示会をすることもないだろうし、巨大な場所が必要という恐竜展の宿命みたいなものと、ちょうどいい企画なのだろう。

しかし、何しろ大きいわけだ。まじめに見て回ると大変な時間と体力が必要になる。なんで、こんなに大きいんだ!と腹立たしくなると同時に、恐竜時代の異常さを思い知ることになる。




makuhari1現代から考えると、恐竜の発掘は、最適ポイントが何箇所あり、砂漠や荒地といった、死体が風化しにくい場所ということになる。とはいえ、そこに住んでいたわけではなく、地球上のどこにも恐竜が住んでいて、空も陸も海も、支配していた。

1億3000万年前から6500万年前までが恐竜の時代と言われるが、草食系と肉食系に分かれるのは、哺乳類と同じだ。草食系は巨大化し、肉食系は、それよりも小さいながらも大きくなる。草食系の恐竜の首の長さから考えれば、数十メートルの高さの植物が群生していたのだろうか。そして、その草食恐竜を捕食する肉食恐竜。

恐竜は、現代の爬虫類と同様に、生涯、成長を続けていたと思われる。案外、寿命は長かったと考えられる。とはいえ、数十年から100年を生きたあと、死にかけて動きが悪くなったところを肉食恐竜に襲われて生きたまま食われてしまうのだろう。嫌な最期だ。



makuhari4恐竜が滅びた理由は諸説あって、最近は巨大隕石衝突説が幅を利かしているが、本展では、巨大火山爆発説だった。火山爆発で、大気中に吹き上げられた火山灰で日光が遮断され、草食恐竜の餌であるシダ植物が全滅し、草食恐竜が餓死して、肉食恐竜も餌がなくなる。というシナリオが正しいとすると、腹を減らした肉食恐竜が肉食恐竜同士の死闘を演じて、最後に残った一頭が餓死して絶滅することになる。嫌な最期だ。

この恐竜が絶滅した6500年前は、ちょうど霊長類が地球上に現れた頃とされる。原始的な猿の仲間だ。この後、サル類は各種分化し、その中から類人猿があらわれ、さらにヒトの先祖があらわれるのだが、このあたりが、結構、わかっていない。




makuhari26500万年前の世界で霊長類は、恐竜を代表とする爬虫類と死闘を繰り広げていたのだろうと予測することができて、陸海空どこにも肉食恐竜がいただろうから、見つかり次第、パクパクと食われていただろうし、反対に、サルの方は、地面に生みっぱなしの恐竜の卵を、夜中にかっぱらって栄養源にしていたのだろう。

いまや「ワニ・トカゲ・ヘビ・カメ」の四種類しかいない爬虫類をみると、ゾクっとするのは、パクパク食われていた先祖様からの霊界電波のせいだという説もある。

よく、恐竜展や各種の想像図に鮮やかな色彩の恐竜が登場するが、いまだに肌の色や模様はわかっていないのだが、今回はミイラ化した恐竜の化石が展示されていた。恐竜の肌の模様がわかるそうだ。



makuhari6ダコタと固有名詞が与えられた固体の実物化石が展示されていたのだが、見る目ができていないので、なんのことなのか、どこがどうなっているのか、わからないままとなった。

会場で観たビデオの影響で、悪夢で目が覚めることがある。ティランノサウルスに追いかけられて、やっとの思いで木の上に逃れたところをプテラノドンにさらわれて、空中飛行中に、バリバリと咬み裂かれて、ゴックンされる夢だ。


makuhari5さらに、最近、歩き方が、妙に怯えたトカゲ的になったような気がして、ちょっと困っている。

将棋ツアー2009inTOKYO

2009-09-20 00:00:17 | しょうぎ
lpsa9月13日に東京某所で開催された、『LPSA将棋ツアー2009inTOKYO』に、知人と一緒に行く。女子アマ王位戦の東京地区代表を決める大会で、同時に、いくつかの企画が併催される。詳しくは、LPSAのホームページに掲載されている(写真に写らないように努力した甲斐があって、どこにも自分の姿は見えない)。

大会を見ていると、特に女性だからとかいうような指し方は見えず、攻撃型の人もいれば守備型の方もいる。ただ、予選会という公式な対局にしては、周りの一般対局の人や、販売コーナーや指導対局のエリアと近く、騒がしくて落ち着いて指せないのではないだろうか。

何メートルかでいいのだが、公式対局中の人たちの周りに、空間を設けたほうがいいのではないだろうか。

以前はよく出場していたアマ名人戦などの県予選でも、対局者の周りに人だかりができることがあり、本来、個人戦なのに、グループ化した人たちに取り囲まれて指すことになり、助言まがいの咳払いとかされたことが何度かあったことを思い出す。


行ったついでに、一般参加のトーナメントに出場してみた。個人戦に出場するのは久しく覚えがないのだが、どうも賞品とか、何らかのターゲットがないと、気力が出ないものだ。

高美濃の相手に居飛車穴熊という普通の展開で、面倒臭くなって、角損でも飛車が成り込み、7三の地点を突破したので楽勝雰囲気。さらに穴熊の金銀を操って、攻め駒の角金銀あたりを質駒にする。質駒を全部回収してから、詰めに取り掛かるが、遠くにいた相手の角の存在を見落として、詰ましたはずの銀を取られてしまい、無念の投了。知人の話だと、私に勝った人が優勝したらしい(負け惜しみ)。

盤面を広くみるためには、この人の詰将棋で勉強しなければならないだろう。

言い訳を一つ考えれば、うっかり対局時計を右側に置いたため、右隣の対局時計とくっついてしまい、どちらの時計から秒読みの音が出ているのか、聴き取れなかったこと。

慰安戦トーナメントもあったのだが、そういうのは「負け犬の匂い」が漂うことが多いので遠慮する。


さて、9月5日出題分の解答。



▲3五玉 △4六歩 ▲同飛寄 △同香 ▲6一馬 △3四金 ▲同馬 △同桂 ▲1七歩 △1五玉 ▲2五金まで11手詰。

あまり評判は良くなかった。合い駒二回で、最初が突き歩で二回目が金の限定。うっかりすると跳ねた桂の効きに金を打ってしまうという、きわめてチマチマした筋だった。

作るのに、色々と大苦心するも、その苦労が誰にも伝わらないような感じだ。第一次鳩山内閣のようなものだろうか。

動く将棋盤は、こちら



今週の出題。

先週が大作仕立てだったので、今週は軽薄作。

久しぶりに玉が実戦的な場所にいる。難しいところなし。解読者の錯覚を期待するだけだ。

わかったと思われた方は、コメント欄に、最終手と総手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

エール大学殺人事件

2009-09-19 00:00:50 | 市民A
LE日本では、酒井被告の覚醒剤事件に、テレビ報道が集中しているが、米国ではエール大学薬学部大学院生のアニー・リーさんの殺人事件に特にテレビ報道が集中している。

もっとも、米国で覚醒剤事件などは記事にもならないだろうし、一方、日本では押尾事件をみても殺人事件では記事にならないようだ。

リーさんは24歳で、同じくアイビーリーグの名門コロンビア大学の大学院生と結婚式を挙げる5日前の今月8日に行方不明となる。

その後、警察犬の調査などで、研究棟地下室の壁の中から発見される。

日本語の報道では、「壁に塗り込められた」となっていて、いかにも、米国の怪奇小説家、エドガー・アラン・ポーの『黒猫』を思い出す話で、気味悪いなあ、と感じていた。

ポーの『黒猫』は、町で拾ってきた黒猫を可愛がっていた男が、毎晩、猫が男の体に乗ってきて不眠症となる。面倒になった猫を殺そうとしたが、あやまって止めに入った妻を殺してしまう。死体の処理に困って、事情を知る猫とともに自宅の壁に壁土で塗りこめてしまう。そこに警察官が訪れ、塗りたての壁を不審に思われ、「ただの壁ですよ」といって、「ポン」と壁を叩くと、「ニャン」と聞こえて・・・

壁に塗りこめるとは、どういう表現かと思って調べていると、ついでに色々なことが書かれていた。

多くの報道は、「found in a wall」とか「found in basement wall」とか書かれているが、やはりよくわからない。“壁の中から発見された”じゃねえ・・

こういうのが、少し真実に近いのだろう。「stuffed in wall」、「stuffed behind a wall in building」。“壁の後ろに押し込まれた”ということだ。ただ、上から押し込んだのか横から押し込んだのか、いったん壁をはがしたのかは、よくわからない。

FBIただ、壁に押し込まれた婚約者の事件は、容疑者確保までは長くかからなかった。発見された地下室に入れる人間は限られていて、DNA検査の結果、24歳の技術者(テクニシャン)が浮上し、自家用車の中から証拠品多数が見つかり、17日に逮捕される。

このあたりまでが日本で報じられている内容だが、向こうの報道を読むと、例えば、容疑者の時給は約20ドル(時給1800円)だったことがわかる。

潔癖症で、仕事がきちんとしていないと、アニーさんとトラブルになっていたこと。飼い犬を可愛がっていたことなどが明らかになっている。

では、薬学部研究棟の地下室で、彼は何の仕事をしていたか、ということになる。

laboどうも、ややあいまいに書かれていることが多いのだが、マウスやウサギやネコといった実験動物の処理をしていたようだ。

ここからが推理。

冷静に考えれば、見つかればすぐに嫌疑が自分に向かうような場所に遺体を隠し、放置すれば、いずれ短期間に露見するはずだ。しかも、自分が日頃働いている場所である。隠したとするなら最悪である。

rat地下室にカギをかけ、密かに実験動物とともに処理をしようとしたのではないだろうか。

何か、エドガー・アラン・ポーの『黒猫』と大差ないような気がする。

たたみ蛍烏賊&三田村

2009-09-18 00:00:46 | あじ
fukui291青山に所用があったついでに、福井県の東京アンテナショップの『ふくい南青山291』へ行く。「291」で「ふくい」と読むのだろう。青山通りから骨董通りへ曲がって、その途中をさらに左に折れて、・・・と、行き着くのになかなか大変な場所である。もともと福井県の所有地を商業開発した一画の中にあるが、いずれ、もっと人通りのある場所に移転するだろう。

実は、福井県というと、私の母方の先祖の遠い昔の出身地である。2005年10月18日「朝倉家の下っ端Aの遍歴」に書いたのだが、要するに戦国時代末期に、趣味と武道の両道に生きようとした朝倉義景の家来だった。

それが、同じく文武両道追求型の浅井長政とタッグを組んで、自己チューで無神論者の信長と戦う。しかし、花や茶を愛でる人たちと、首から飛び出す血の海を見るのが好きな人たちの戦いでは、まったく勝ち目なし。福井市に流れる足羽川上流の一乗谷中腹の朝倉館に立て籠もるも、谷の下から上へとすべて焼き尽くされ大虐殺。僅かに生き延びて、谷の上流にたどり着いたものは、既に待ち伏せされていて一網打尽になった。

つまり、現地調査した結果、私の先祖は、一乗谷に立て籠もる前に、敵前逃亡したに違いないのだが、それを「意気地なし」と批判するのは、無論、やめておく。


話をアンテナショップに戻すと、店内左側は、福井が誇る工業製品の「オバマ箸」と「サラ・ペイリン副大統領候補も愛用していたメガネ」が大量に展示販売されている。

そして、右側が食品コーナー。

話題の『大福アンパン』は210円と手頃だが、食べなくても味が推定できるので、珍味を探すと、初めて見るものがあった。

たたみ蛍烏賊。

見るからに珍味である。たたみイワシは、イワシの身を平たく重ね、天日干ししたものだが、たたみ蛍烏賊は、蛍烏賊を平面状に並べて、そのまま干したもの。するめは開いてから干すが、これはそのままだ。

hotaruika25枚で1,400円が高いのか安いのか、実際よくわからない。価格を比較するにも、同等の商品が何なのか、検討つかない。


で、うっかり、食べ方(調理法)を聞き忘れてしまい、帰宅後、ネット上で必死に調べるも、この商品についての情報は、皆無である。


一日目は、グリルで焼いたのだが、たぶん失敗作だろう。あっという間にカリカリになる。慌てて取り出すも、スナック菓子みたいになる。ビールがどんどん進むわけだ。しかし、革新的過ぎる食べ方だ。


hotaruそして二日目。

こんどは、たたみイワシのように、直火で炙ってみる。こんどは、あごにハードな酒のつまみになる。烏賊を開かずに生干しにしているので、身が固い。スルメよりもずっとイカ臭い。身の中からは、赤い血のようなエキスやイカスミが染み出してきて、指先がベトベトになる。

やはり、「炙り」が正しい方法だ。「アブリをやりました」。

もちろん、日本酒の飲み過ぎには、要注意。

そして、酒は『三田村』。

福井の地酒のブランドは一つも知らないので、たくさん並んでいる中から、あてずっぽに一本選んだ。

(実は酒造元が、「寿喜娘酒造」という響きがいい。「スキムスメ」である。)

mitamura香りは薄いが、口に含んだ最初の味がいい。古典的な酒の味。しかし、喉を通るときにはさっぱりした最近風の清清しさに変わる。一口で二通りの楽しさが味わえるわけだ。何か企業秘密があるのだろう。


後記:これを機に、『47都道府県の東京ショップ攻略シリーズ』を始めたりはしないので、念のため。

あるマスカットの事情

2009-09-17 00:00:22 | あじ
mascut田舎の農業地帯に、先祖から伝わる土地があり、自分で耕すような状況にはなり得ないので、その土地の隣地の方に、管理をお願いしている。管理というのは、文字通りの管理で、農地を有償または無償で貸すということではない。

その隣地の方は、稲作を行うとともに葡萄栽培を行っていて、ハウスで何種類かの高級葡萄を育てている。付き合いもあり、シーズンには、各種大1枚ずつということで、その何種類かを送ってもらっている。

今年も、2種類の宅配。マスカット・オブ・アレキサンドリア。

アレキサンドリアとは古代エジプトの商都である。クレオパトラはこの街を舞台にジュリアス・シーザーを篭絡し、いずれコブラに喉を咬ませ、長い長い古代エジプト史の最終章最終ページを鮮やかな紅色に染める。(少し前に、『海のエジプト展』で勉強したばかりだ)

mascut2本当に、古代エジプトで、こういう水分の多い生食用の葡萄があったのかどうかは、いささか疑問だが、議論の前にまず一口。味は例年と変わらないが、見かけが少し悪いようだ。天候不順のためということらしい。農家は大変だ。


そして、その臨家でも、今年から稲作を止めたそうだ。まず、高齢化。そして、一年前には、貯水池の堤防工事のため、1年間、稲作ができなかったそうだ。そして、あらたにコンクリートの堤防ができたのだが、休んだ一年が、米作への意欲を削いだのだろうか。

ハウスでの葡萄栽培にしても、葡萄棚の高さは、高からず低からず。腰が曲がる年齢になると、もうだめだ。作業できなくなる。

ということで、あれこれ農村(村ではなく市ではあるが)では、問題が山積している。

民主党の新政権に期待するものは、

1.農業人口を国民の3%から5%に引き上げる。
2.遊休農地の有効活用のため、農地法の見直し
3.農家の株式会社化(あるいは株式会社の農業への参入)を認めること

あたりだろうか。

10日間もつかな?

2009-09-16 00:00:39 | 市民A
この原稿を書いているのが9月15日22時半頃。鳩山内閣の組閣が大詰めの段階。

弊ブログ9月11日「郵貯国営化は世界破滅への第一歩か」の中で、社民党福島党首を少子化担当大臣、国民新党亀井党首が防衛大臣、と書いたのが、ほぼ当たりそうだったのだが、最後にずれた。

福島党首も、消費者行政担当ははずれると思っていたが、少子化対策、男女共同参画、消費者行政、食品安全の4部門を担当するようだ。

少子化と男女共同は、さまざまな細かな努力の積み上げによって政策を実行する分野だが、消費者行政と食品安全は、「不心得企業による人災」ということがほとんどで、「厚労省と農水省の大臣や役人をどなりちらす図」が見えてくる。なかなか見物である。

そして、亀井静香党首の方だが、なぜ防衛大臣がとりやめになったのか。党内や有識者の意見であるなら構わないのだが、米国政府へお伺いを立てた結果、「NO」と言われたとしたら、少し悲しい。

そして、郵政・金融大臣という恐ろしい椅子が用意された。

大きな不安を感じるのが、まず16日以降の株価。15日夜のシカゴの日経先物は小動きであるが、東京市場で、どう受け止められるか。

メガバンク主導で、グイグイと急降下しそうな予感がある。メガバンクから預金が流出し、国営銀行に資金シフトが始まるのではないだろうか。その結果、メガバンクの貸出余力の減少が起きる。そうなれば、中小企業は資金ショートに追いやられる。それに、すでに国有銀行になっている「りそな銀行」はどうなるのだろう。

現在10、200円程度の株価が、8、000円に向かって下落を続けるような予感もある。

しかも、経済縮小化が始まれば、民主党の政策を実行するための税収も減少し、結局、国債発行による、国債の金利上昇、長期金利上昇、企業収益の悪化、というような、あまり例のない「金融スタグフレーション・スパイラル」にはまるのではないだろうっか。


そもそも、社民党はまがりなりにも全国政党と言えるが、国民新党は一部の地区と亀井家の政党。総選挙では議席は減らすや、党首と党代表の二名が落選。要するに国民に支持されていないわけだ。

その政党に大臣の椅子まで用意する必要があったのだろうか、という疑問を感じる。