ていぱーくで30分

2005-01-31 21:45:03 | 美術館・博物館・工芸品
6b244688.jpg大手町で、仕事の合間に30分のアイドルタイムができたので、ていぱーく(通信綜合博物館)へ寄る。あと10日くらいは本当に忙しく、昼夜小刻みに時間を使っている。大手町の一等地のこの博物館、数十年前に世界の切手を見るのに行った記憶がある。確か、入場料が安かったような。そして、入口の脇の自販機で入場料を払うのだが、110円。コーヒーより安い。この変な価格は、100円だったものを消費税アップで値上げしたのだろう。税率10%の先取りだ。

それでこの博物館、守備範囲が広い。要するに、民営化でもめる郵政公社(郵便、貯金、保険)、これまた色々揺れるNHK(放送)、既に民営化したNTTの3事業が1-3階に展示されている。

そう考えると、郵政民営化とかNHKの政治介入というような問題は、案外、主管官庁の権力の問題のようにも見える。3大事業が全部民営化して、規制を緩和、廃止すると、郵政ということばも死語になる。

もちろん30分では、全部見ることはできないのだが、突然館内放送で、ハガキ自動仕分けシステムの実演があるとのこと。あわてて3階にある大型のはがき仕分け機の前に集まる。実は、弊ブログ1月3日号「年賀状で2題」の中で、「サイズの違う郵便物」の記載を行い、その中で、封書は定形と定形外のサイズを明確にHPに記しているのに、ハガキのサイズは定型の範囲をきわめて発見できないように隠しているということを書いた。1ヶ月もしないうちに、仕分け機の前に立つとは夢にも思っていなかったのだが、何と言う幸甚。説明のガイドさんが束ねた数百枚のハガキを東芝製の機械の左端にセットすると、ハガキが縦長の方向にベルトに挟まれ1枚ずつ高速で読み取られていき、右側の全国の郵便番号別のボックスに仕分けられていく。

要するに、ハガキの縦の幅は誤差があっても構わないのだろうが、横幅が変わると、ベルトに固定されないのだろう。横幅が狭いとベルトに固定できず、逆に幅が大きいと横幅が引っかかるだろう。どうしても横幅を統一したいのなら、こそこそと規則を隠すようなことをしないで、理由を説明して、幅のアローアンスをなくせばいいのだろう。別にハガキの横幅に自由がなくなったからといって、「言論の自由の侵害」と怒り出す人もいないだろう。

機械で郵便番号を読みとると、見えないインクでハガキのはじにバーコードを印刷するとのこと。このインクは特殊で、紫外線で反応するようになっていて、長時間経つと、インク自体が消えるそうだ。そして機械の反対側ではこのバーコードに紫外線をあて、読み取り分類するそうだ。

実際に検証しようと思い、自宅で紫外線を多く含むスキャナーの光を年賀状にあててみたが、よくわからなかった。紫外線は白内障の原因なので、あまり何度も実験はしたくないので、検証できなかったが、単に信じることにした。

駆け足でNTTコーナーを見たが、既に国内に超過剰な投資を行っていて、それの多くがもうすぐ不要になるのではないかと大変心配になってきた。もちろん投資にリスクは付物だが、いいのかな・・・NTTはそういった設備投資を電話料金で回収するのだが、電話の利用者が減っているのは間違いないだろうから、ちょっと厳しい。

残り5分でNHKコーナーに行った。色々なタイプのテレビ受像機が展示されていたが、要するにコジマ電機のテレビ売り場の方が活気がある。NHKも良質な番組も作っているのに、どうしてこういうところでは、のど自慢、紅白、大河ドラマというようなものばかりを展示するのだろう???NHKコーナーの所要時間は1分だった

HIS社株主総会は平穏に終わる

2005-01-30 21:46:46 | MBAの意見
0abb9a4c.jpg全国第二位の旅行代理店HIS社の株主総会は1月29日に行われた。決算期が10月なので、このような時期になる。そして、株主が出席しやすいように土曜日に開催。泡沫株主ながら顔を出した。

朝10時に、新宿のある会場。前夜帰宅が朝1時半だったため、猛烈に眠い。会場は4割の入りか。100人はいない。40才くらいの方が多い。株価はともあれ、会社の経営は順調だ。売上げも利益も配当も増加し、遊休資産の売却も行い、金庫株を消却し、株式は1:1.5で分割。総会での質問も厳しいものはなく、むしろ、今後の経営方針への質問が多かったようだ。

おもしろい質問では、「役員の報酬が低すぎるのではないか」というのがあったが、「ずっと低いままなので、気にしない」とのこと。見習うべき企業は多い。

ネット販売の現状への質問では、ネット販売と店頭販売の比率は10:90だそうである。ネット経由の方が急成長しているが、利益率が低いそうだ。自由旅行の組み立てと言う観点から言うと、ネットだけではどうしても限界があるから、店頭販売のほうが優位なのだろうとの見解。

団塊シニアへの取り組みへの質問には、「彼らが30代、40代の頃から取り組んでいるので、特にシニア向け商品を作らなくても利用してもらえるだろう」と鈴木社長が話していたが、若干ずれているかもしれない。

ところで、創業者で30%近い株主である澤田秀雄氏の、創業した頃(25年前)の写真がスライドで流されたが、精悍な顔立ちだ。安売り航空券を手に入れて販売するという、厳しいビジネスをしていたからだろう。しかし、今でもまだ53歳。エイチ・エス証券の社長の方が楽しいのかもしれないが、HISの方にも、どんどん口を出してほしい。総会では一言も口を開かなかったが、結局、彼の会社という存在感を十分に出していた。

総会後、ハワイ旅行のパンフレットとQUOカード1000円分をいただいたが、1000円ではハワイには行けない。もしかして、子会社のスカイマークエアラインズをハワイまで飛ばそうと考えているのかと頭をよぎったが、やめたほうがいいだろう。航空券の販売手数料でもうけた上、航空運賃そのものでももうけようと思うのは危険だ。もう一つ気懸りなのは、オーストラリアでホテル事業を展開しているようだが、大京、ミサワ、ダイエー、西武といった暴走はやめたほうがいい。こちらも、ホテルの予約手数料で儲けた上、ホテルそのものでも儲けようと考えたのかもしれない。

まあ、泡沫株主は、いつでも株を売り払って撤退すればいいのだから気が楽だが、経営者は大変だ。

こんな会社で事業継続可能か?

2005-01-29 21:47:55 | MBAの意見
5b4b8e01.jpgかなり、不愉快になったことがあった。ノートパソコンの修理の件。

何台か使っているパソコンのうち4年前に買ったT社製のノートパソコンに若干の修理が必要となった。もっとも破損箇所はLANケーブルを差し込むPC本体側のカチッととめるストッパーがこわれて、ケーブルがスカスカになること。それと2年ほど前から、液晶ディスプレーを開くと、ある角度で接触不良となり画像が落ちること。いずれも注意して使えば問題はないのだが、やはり修理することにした。捨てるほどではないのは確かだし・・・

T社のHPをTOPページから延々と辿ると、修理センターの場所がわかる。T社の工場の何ヶ所かと、都内に1ヶ所秋葉原に修理センターがある。T社の自社ビル内だ。後で考えると、このあたりで若干の思い違いをしていたわけだ。

昨年のはじめ、富士フィルム社製デジカメの修理を都内の修理センターで行ったことがあった。浜松町駅の近く、劇団四季の隣のビルのワンフロアに修理センターがあり、受付にカメラを渡すと10分程度で故障個所が判明し、さらに30分待つと、その間に、修繕してもらえる。カード払いOKだ。まして、T社は大企業。場所は秋葉原、ビルは自社ビル。

最初、PCを持っていったのは1月4日。会社もヒマな日だし、昼休みに地下鉄で到着。しかしなぜか活気が無いビル。というのも年始休日。聞いてないって!HPには書いてない!退散。

次は6日。やっと業務開始。このビル、右と左が分かれていて、T社のユニフォームを着た技術者が10人ほどいるのは右側のドアの中、T社「PCテクノ工房」。お客はいない。どうもユニフォームの人たちを見ると、50代の管理職風。おそらくポストがなくなり、この場所がサラリーマンの最後の職場ということだろう。部分的には同情する。そして修理センターは左のドアだが、こちらは逆で、こわれたノートをかかえた人が多数と受付の男性が2人だけ。そして受付けている男性は、たぶん正社員ではない。ジーンズやシャツはすべてGAP製のような感じだ。そして、受付のその場で症状診断をする。バックヤードはあるが、使っていない。そして、やっと自分の番がやってきて、簡単な病状確認をしたあと、「PCを預かる」とのこと。LANケーブルのストッパーの爪くらい、当然その場で直すと思ったのが間違いだった。受付だけの場所ということだ。だいたい、ぼろぼろに疲れている受付の2人の男性しかいないのだから、修理は無理だ。部分的には彼らには同情。反対側のドアにはユニフォームが大勢いるのだが・・・

そして、いつ頃直るのかと聞けば、10日から2週間とのこと。よほど故障品が山積みなのだろう。しかたなく置いてくる。

その後10日間経って16日、日曜の夜、電話がくる。2ヶ所以外にもいくつかの不都合があるという。だいたい知っていたことばかり。ハードディスクの音がうるさい。ハードディスク交換で2万5千円、ファンの音がうるさいのを交換すると8千円。バッテリーのへたりで新品に換えると9千円。電源のカバーが無くなっているので新品が1000円。液晶を開くところの蝶番がきしむので取り替えると6000円。そして、LANの差込の交換は850円で、内部のケーブル交換は1500円。WINDOWSMeがフリーズしやすいので再インストールするのは無料だけど、既存データはすべて消えます。さて、何をやるのでしょうか?。ところで加工賃はいずれも12,000円で、今さら、何も修理しなくても4200円いただきます。さて、ご希望の修理は?とのこと。「余計なことするなよ」って言いたくなる。LANとケーブルだけでいいのだ。結局15000円位になる。

そして、5日経過しても直った連絡がないので21日にこちらから電話を入れると、既に工場から例の秋葉原のセンターには納品されているが、まだ確認検査前なので明日検査のあと連絡するとのこと。そして3日後に修理が終わった連絡がくる、そしてカード払い不可で現金払いだけと念を押される。何なの!確かにTS社は有利子負債が超過大で、かなり資金繰りに不安があるのだが、個人客からは早く回収するとは・・・富士フィルムとは大違いだ。

そして26日の昼休みに取りに行くと、なんと休み!水曜は定休日だそうだ。秋葉原の中で、水曜の休みは、このビルだけだ。工場じゃないし、ただの取り継ぎじゃないのといいたくなるが、入口のドアが閉まっているため、ぐちを聞いてくれる人はいない。往復電車代320円はまたも無駄になった(お昼を食べ損ねたので、実害はないのだが)。よく修繕請書を読むと、小さな字で水曜が定休日と書いてある。やれやれ。

そして翌27日に3週間振りに自分の手にとりもどすことができたのだが、前日の定休日に用意した現金15000円は、前夜、不覚にも飲み屋で使ってしまって財布に補充していないことに気付く。ところが秋葉原電気街の表通りには銀行もコンビニも無い。さんざん捜して東京三菱を見つけ、やっとの思いでたどり着く。今度は、受付は一人しかいない。待ち人がさらに増えている。修理完成品はバックヤードの開架式の棚に積まれているが、体系的に置いてないから、捜索するのも大変だ。さらに、ちゃんと動くか確認してサインしろというのだが、私の後ろには、列ができているのでそんなに時間をとることもできない。

そして、極めつけは、LANインターフェイスは新しいドライバーをアップデートするようにということで、フロッピーを渡されたわけだ。それくらいやっといてくれと言いたいではないか。それにフロッピーをもらっても、そのパソコンにはフロッピードライブは付いていないのである。おーい。おーい。おーい。


これだけ不愉快にしてくれたお礼にTS社のテレビの話も書いてみる。量販店で比較してみればわかるのだが、箱型テレビの場合、TS社のテレビは他社より5%近く安い。ただしデザインが重い。「1年前」のデザインと言う感じがある。これらは、1999年におきた「TSBクレーム事件」の流れを引き摺っている。ビデオレコーダーのクレーム電話に対して、クレーマー呼ばわりしてどなりつけたのがネット上で同時中継され、新聞紙上にも報道され、ユーザー離れを起こしてしまった事件だ。TSB社は、しかたなく安値価格戦争に打って出る。結果、収益減を引き起こしてしまった穴埋めとして、箱型TV事業は中国で設計、生産を行うことになる(要するに安易だ)。その結果、SARS流行で、中国の工場が一時閉鎖された際、日本向け出荷も滞ることになり、パンフレットそのものまで店頭から姿を消してしまう。一方で、TSB社は「テレビはすべて中国製」という発表ができず、結局ただの収益源で終わってしまった。そして、何となく、デザインから言うと、前年からの売れ残ったテレビのような感じがしてしまうのだろう。欧州にデザインセンターを持っていったサムソン電子とは大違いだ。

ところで3週間でやっと帰宅したパソコンだが、休養十分らしく、景気よくハードディスクとファンの音をたてている。カッ、カッ、カッ、カッ、ブイーン、ブィーン。

あたかも、誤って日曜日に賃借契約をしてしまった、製材工場の隣の木造アパートに住む、専業主婦の平日昼間のような気分だ。
  という比喩は適切ではないので言い換えると、
海外赴任地に連れて行ったら、現地空港の検疫所の収容所に隔離された愛犬と3週間ぶりに対面するようなものか。「よしよし、もう二度と修理には出さないからね・・」「ブイーン」

虎は死して皮を残すのだが・・

2005-01-28 21:49:18 | MBAの意見
商品先物取引業者、東京ゼネラルが、数々の不正行為の末、「先物商品取引受託許可」を取り消される行政処分を受けたのが、2004年1月13日。当然の帰結ながら同年4月に銀行取引の停止となり、4ヵ月後の8月6日に破産宣告を受けた。負債総額は約500億円程度らしい。事件の深淵にはなにか危険な臭いがするのだが、危険すぎて井戸を掘る気にはならない。数日前にある年配の女性被害者から聞いた話と、ネット上の情報、データバンクからの資料などで考えてみる。

そして、最近この事件で2つの動きがあった。

一つ目は、社長の飯田氏の裁判で、懲役1年10ヶ月の実刑判決。有印公文書偽造等の罪らしいが、その他にも罪状は複数あるらしい。難しい法律論は置いて、この社が何をやっていたかというと約5000人からの発注を、そのまま実行したのではなく、いわゆる「ノミ行為」を行い、勝手に運用していたわけだ。さらに一般のノミ行為なら商品相場内での取引なのだろうが、海外のホテルに投資したりしていたようだから、相当の大暴走だ。

記事を見ていると、最大債券者は情報労連という労働組合だ。なぜ、こんなことになったかというと、平成5年に組合が東邦生命から、預けていた積立金を担保に300億円を引き出し、東京ゼネラルに運用を任せたそうである。当初は5年後の平成10年に90億円の運用益を乗せ、390億円が情報労連に還元される予定だったらしい(年利6%)。しかし、実際に平成10年には破綻していて、金利分だけ85億円が戻ってきただけだった。そのため東邦生命に戻す分に穴があき、200億円以上をNTT労組が保証する形の追加借金で穴埋めしている。もし、この時に、東京ゼネラルの状況が世間に明らかになっていれば、後述の被害者はでなかったはずだ。しかし、関係者すべてが自らの無能を表面化することを恐れ、表に出ることなくズルズルと無法は続いた。

二つ目のエポックは(おそらく1月26日?)破産した東京ゼネラルの債権者(というか被害者)説明会が行われた。私が会った恰幅たる老女は、数十万円の被害と言っていたが、たぶんその10倍くらいだろう(人は本当のことは言わない)。その会合に出席したそうだ。

状況が悲惨なのは、山一證券の整理などと違い、まず分配すべき資産が無いということだろう。彼女の少額被害は無論のこと、3000万円や4000万円の人はもとより、4億円の債権者も切り捨てだそうである。要するに犯罪被害者のようなものだ。相場下落で損をするなら、諦めもつくだろうが、もともと商品以外も含めたノミであり、不都合は書類の偽造で帳尻を合わせる。
4000万円被害の方は、若干の知的障害をかかえていて、親が彼に残した遺産を持っていかれたそうだ(というのは被害者の妹の話だそうだ)。4億円の被害者はもう立ち直れない感じだそうだ。

もっとも、こういうのもサクラがいて、「4億円の人があきらめるのだから、私もあきらめるしかない」と思わせているのかもしれないのと疑う気持ちは必要だ。

私は、商品先物など興味ないのでやらない。というか「先物」は基本的にゼロサムゲームに過ぎず、誰かの損失の上にしか利益は生じないので、株も含め、やらない。現物だけだ。10年近く前、上場商品になっているある商品の大量売買の仕事をしていたことがあるのだが、一度、ある大手の商品取引の会社からコンタクトがあった。自分で口座を作って、商品の現物売買で相場を動かして稼いだらどうかという提案だ。彼らは、それに乗って儲ける。仮に発覚すれば、「特別背任」で捕まるのは私だ。彼らは裏でちょうちんを持っているだけ。もちろん固辞して終わり。そんなものだ。

ところが、くだんの老女だが、債権者説明会の後、別の投資話の説明会に行っている。電話中継機ビジネスだそうだ。まず、新型の(IP???)電話中継機を1200万円で購入するそうだ。そうすると電話回線が利用されるごとに利用料が発生し、平均的には月間80万円の収入があるそうだ。ただし、管理料金として胴元に月間30万円払うそうだ。こちらの方が東京ゼネラルより儲かる。1200万円の投資に対して、月間50万円、つまり年間600万円の利益だ。利回り年利50%。ただし、あなたの中継機を通る通話が一本もなけれが月間30万円の損。年間360万円のマイナス。もちろん1200万円がいずれ0円になる複雑なルールもあるのだろう。こういう話にうかうかと突入する人を見ると、「人間無くて七癖」ということばを思い出す。運悪く「一癖」が、こういう方面に突出している人が意外に多いのだろうと思う。

そして、東京ゼネラルは本店登記は福岡だが、本社は東京都港区虎ノ門4丁目から3丁目へと移転したことがわかった。そしてその4丁目のビルと最後に存在していた虎ノ門3丁目の高層ビル、城山JTトラストビルにカメラを持っていったのだが、そこにはもはやいかなる痕跡も残っていなかった。

虎は死して皮を残すと言うが、東京ゼネラルが残したものは、企業破綻が始まる約2ヶ月前、2003年10月17日付けの、2004年4月入社社員を勧誘するメッセージを含むホームページだけである。いかにも虚実混沌としたこの事件の忘れ物としては、ふさわしいではないか・・・

ニュース三題

2005-01-27 21:50:06 | 市民A
退職金をもらった野球選手?
中村紀洋選手に近鉄球団が4億円の慰労金を払うと報じられている。あまり聞かない話だ。しかし、これで彼がマイナー契約でドジャーズと契約しても、当面の糊口をしのぐことができるわけだ。(もちろん、今まで年間5億円もらっていて、貯えをどのようにもっていたのかは知る由もないので、アリなのかキリギリスなのかは知らない。ゴールドマン・サックスのeワラントにでもつぎこんで失敗したのかどうか不明だ。ところで、4億円の退職金だが、彼の近鉄在籍期間は確か13年間。よく、年数×月給が退職金とも言われることを考えれば13ヶ月分=約年収(5億円)と思えば、そんなものか。
しかし、彼の実績を見ると、ホームラン以外は新庄なみの成績であり、マイナー契約もおかしいともいえないだろう。彼自身、「守備の人」と謙遜しているが、まあ、ぶんぶん振り回して、結果を待つしかないだろう。彼も数ある日本のプレーヤーの中の1類型なので、成否は誰しも注目するのだろう。最近のメジャーの内野手はスペイン語が標準という感もあるのだが、2ヶ国語を同時に覚えるのもつらいかもしれない。

六ヒル回転ドアは試作品?
こどもの頭がはさまり、悲惨な事故をおこした、六本木ヒルズの回転ドアだが、当初は森ビルだけの管理責任との説があったが、ドアのメーカー側の証言では、ドア自体が試作品だったということらしい。真実を報道するのがジャーナリズムの責任だとするなら、こんなことも今までわからなかった節穴ぶりもヒドイ。事故には遠因があり、その遠因にもさらに遠因があるということは、事故分析の基本なのだが、ジャーナリズムではそういう事故分析トレーニングをしないのかな?事故のことばかり書いているくせにといいたくなる。

NHK会長交代!
以前危惧していた3点セット(早大政経、政治部、茨城出身)はすべて該当しないようだ。もちろんこれからは会長は実績で評価されるということになったことは良いことであろう。退職金も、そんなものかという感じ。
ところで、今回のNHK-朝日紛争は、「どちらがうそつきか」という論争に陥り、これはこれで、デスマッチでやればいいのであるが、気になるのは、NHKの主張の中心である、「公平な放送」という部分である。事実のみを伝えるのであっても、公平は難しく、さらに社の意見を加えようとするともうほとんど脳死状態になるのだろう。いっそ、公平とか中立とかやめてしまえばいいのではないだろうか。中立であるはずという虚構の中で、本来傾いた意見を中立的意見と錯誤することがもっとも危険だ。

米国では、民主党よりのCNNと共和党よりのFOXの間(少しCNNに近い場所)に3大ネットワークが位置し、ビジネスマンが出張でホテルを選ぶ基準にも、CNNが見られるホテルかFOX見られるホテルかというのが選考基準になっているようだ。
ただ、日本人の私の目から見ると、CNNは左よりでABCが中道より少し左と言われても、実感としては、CNNはNHKよりちょっと左くらい、ABCは日本では右側(サンケイ)くらいかとも思える。アサヒに至ってはアルジャジーラ扱いかもしれない(冗)。結局、米国はかなり全体バランスが右側にあるのだろう。かくしてテレビの中立とか公平などという抽象的な概念にはこだわらないほうがいいのだろう、民放も含めた中で読者がチョイスするようになればいいだけだ。

あくまでもストレートに

2005-01-26 21:50:55 | 音楽(クラシック音楽他)
47de63c8.jpg花粉症の季節に、不便していることの一つに「コンサート自粛」がある。もちろんくしゃみのせいだ。で、本格花粉シーズン直前の今は、無料コンサートを愛用している。港区では、会社の近くに3ヶ所で昼休みを利用して行われている。サントリーホールはオルガンコンサート。それから日本財団とJTアートホールではそれぞれ室内楽である。いずれも原則30分間で出入り自由なので、重宝している。もっとも、無料なので満足には限界もあるのだが、それはしょうがない。しかし、芸術の感動の半分は、自分の心がかもし出すものだから、自分で聞き込めば、それなりの満足は得られる。

そして、JTアートホールでは「期待の音大生によるアフターヌーンコンサート」シリーズで、1月24日は東京音楽大学の二名の男女による「R・シュトラウス」と「ラインベルガー」の協奏曲の小品2曲。ピアノとホルンである。

まだ20歳を少し超えたばかりの彼らの演奏は、あくまでも、そしてどこまでもストレートでクリアだ。スコアを忠実に表現して、音楽そのものを「快感」の側でとらえていく。空に雲ひとつ見えない。

二人の若いプレーヤーにはこれから、才能と若干の運をもって、長く続けてもらいたいが、これからがロングアンドワインディングロードになっていくはずだ。年を重ねるにつけ、感情は複雑に織り成されていくし、激しい個性が噴出す場合もあるし、何度もそういう変遷を続け、進歩か頽廃か訳のわからぬ泥沼にはまっていくものだ。

野球のピッチャーと同じで、若いうちはストレートだけでいいのだろう。年をとってやたらに変化球を覚えると、最後はストレートが投げられなくなるものだ。

自分がよく聴くCDもアシュケナージのラフマニノフのピアノ協奏曲とかバルトークとか、結構、正常と異常の境目のあたりが多い。住んでいる世界だって、虚言と虚構と虚像の世界なのだから、お似合いか、ああ・・・

ヒゲソリも世界旅行

2005-01-25 21:52:14 | MBAの意見
19de08cc.jpgさて、横浜は4月からゴミの分別収集ということで、最近は、各種ゴミを捨てる前に仮に分類している。プラと雑紙と燃やすゴミとかシミュレーション。それで、いつも使っているヒゲソリの包装紙を見ていると、「あれれ」があった。

私のヒゲは肌が弱いのに剛毛である。といっても男性ホルモンが多いわけではなく頭髪も不必要に大量に生えてくる。ヒゲも毎日、マニュアル剃りだ。あれこれ使ったあげく、現在は、シック社の使い捨ての2枚刃に行き着いている。使い捨てといっても、1本を10日位使う。そして、ほとんどのメーカーのたいていの製品は使っているのだが、シック、ジレットという海外の2社以外は切れ味が今一、今ニだ。やはり、日本人のやわいヒゲでは国際レベルの商品は開発できないのだろう。

で、話を「あれれ」に戻すと、ヒゲソリ自体は刃とボディ部分が一体化しているため、ゴミの区分では、どうも「危険物」というカテゴリになるようなのだが、包装紙の裏側の隅に、極めて小さな文字で、この使い捨てヒゲソリの生産国が表示されていた。こう書いてある。「生産国:刃:米国製、刃以外:中国製」。

シックもジレットも、会社のライフラインが「刃の切れ味」ということをよく認識しているわけだ。シック社は鋼の先を3段に尖られて削り、さらにクロムの分子を付着させて滑らかな切れ味を出している。ジレット社は、レーザーで刃先の凸凹をとばしている。一方、中国製を100円ショップで買うと、刃先が整ってないので、使う初日は顔が血まみれになる。3日目には切れなくなり、また血まみれになる。シック社は刃の製法をウルトラシークレットにしているのだろう。

ところで、シックの技術は、刃と刃のホルダーを一体成型することにもあるのだが、一体それはどこの国で組立てているのだろう。米国で作った刃を、中国に持っていき、そこで組み立てるのだろうか?あるいは中国で作ったボディを米国に持っていき、そこで刃をつけるのだろうか。その辺は、商品を見ても何もわからないが、いずれにしても太平洋を横断しているのは事実だ。

実は、中国といっても南北に長い。広東省から米国に向う貨物船は台湾の南を通っていくのだが、北部(例えば大連港)から米国に向おうとすると、まさに日本が邪魔になる。船舶航海上はない方がいい国だ。そして、米中航路は津軽海峡を通り抜けているわけだ。

では日本は単なる地理的な邪魔な国なのかといえば、「市場」という観点では優良な顧客国家として存在感を出した方がいい。ただし、ヒゲソリだけではどうもならない。

さて、このシックの2枚刃だが、ドラッグストアに行けば売っているが、コンビニには置いていない。コンビニにあるのは、この刃の上に横滑り防止のセイフティネットがついた絶対に血が出ないタイプだけだ。コンビニは商品回転率でアイテムを絞ることから考えれば、このネット付の方が売れているのだろう。しかしネット付は、出血しない反面、深剃は困難だ。朝剃っても、夕方は青カゲになってしまう。ヒゲソリまでセイフティネットに頼るようになるとは、「軟弱の時代」としかいえない。

1 ShotLog-11 現代的

2005-01-24 21:53:24 | PHOTO
051888da.jpg虎ノ門には現代自動車の販売店がある。たまたま。歩道を歩いていると、赤いスポーツタイプの新車が届き、店内に入れるところだった。エンジンを使わずに、大勢で人力で押していた。(遠目だと故障車のように見える)後で調べると、「クーペ」という車種だ。名前が簡単すぎて、一般名詞のようだ。定価は税込220万円だが、Yahoo!自動車ではこう書いてある。


  韓国の現代(ヒュンダイ)が送り出す、2+2のスペシャリティクーペ。最大の魅力は
  2.7LのV6エンジンを積むスタイリッシュなクーペモデルが新車価格200万円以下で
  手に入るというコストパフォーマンスの高さだ。


最初から20万円以上の値引きが決まっているような書き方だ。同じような国産車はそう多くないが、2割くらいは安いのかな。

既に、米国市場等での実績を見ると、ヒュンダイは日本でも売れそうなものだが、なかなか苦しいだろう。日本は自動車立国なので、ユーザーの見る目が厳しい。ただし、日本でも後10年経てば下位メーカーよりは売れるようになるかもしれない(第4位)。ダイムラークライスラーが株主だったが、三菱自動車に懲りたのだろうか、既に手放している。

そして悠長に構えていられないのは、このショールームのある場所は2年以内に道路用地(環状2号線新ルート)として供用されることになっている。後ろの高いビルからテラスのように突き出した構造になっている。逆にいえば、こういう期間限定の場所をよくさがしたものだ。

千兆の読みかた

2005-01-23 21:58:08 | MBAの意見
abb66dee.jpgうどんを食べに行き、680円のきつねうどんにレジで1000円札を手渡したところ、「いちせんえん、おあずかりします」といわれ、320円のおつりをもらった。1,000円を”いちせんえん”と言われたのは、生まれて始めてだったので、レジの女性を見ると、近くの大陸からの方だ。日本語は、さぞ難しいのだろう。いちせんえん、にせんえん、さんせんえん、・・・。

このように単位円の呼び方は、結構微妙だ。
いち円 じゅう円 ひゃく円 せん

いちまん円 じゅうまん円 ひゃくまん円 いっせんまん

いちおく円 じゅうおく円 ひゃくおく円 いっせんおく

いっちょう円 じゅっちょう円 ひゃくちょう円
そして、その上の単位だと、
いっせんちょう円と兆の前に”いち”をいれるのかな。

しかし1100億円だと”せんひゃくおくえん”と発音するように1100兆円は”せんひゃくちょうえん”と”いち”を入れない。どうも”いち”という発音は、強調を強めるための気合の一言のような感じであり、「桁が変わった」とか「端数がなくきっちりしている」というような特別な数字の時に使われるのかもしれない。ただの1000円の場合はキッチリしているが、気合が入らない小額ということだろう。

1000円札から急に1000兆円の話になったのは、この日常生活ではありえないような数字にここ数年、出会うことが度々起こるからだ。

その一つは日本国の借金である。主に3種類。日本国債、郵便貯金、地方債及び地方の借入金、である。どうも、既に合計が1000兆円になっているようである。670兆+230兆+180兆円である。さらに郵便局の簡易保険は外枠だ。ところで日本国債を外国人はほとんど買わない。利率が低すぎるのと格付けが低いことで、外国人の保有は発行残高の4%だけだそうだ。

もう一つの1000兆円クラスは個人金融資産、1400兆円である。

よく個人金融資産の残高分だけ国債を発行しても大丈夫と言われる(最後は個人資産を国家資産にかえればいいということだ)が、本当はそんなに大丈夫でもない。国債以外の借金ですでに1000兆円になっているのだから、1400兆円との隙間は400兆円。毎年35兆円の借金を増やすと、13年で空っぽになり、あとは国家の保証ではなく、国土を担保にした借金でも始めなければならない。最初は東京都が担保かな?それとも文化遺産の多い京都?

さらに、最近は個人資産も目減りをはじめているらしい。ただし、2006年から本格的に始まる団塊世代の退職金は80兆円程度にも上るそうだ。現金で払っても預貯金に回ってしまうので、10年間換金不能の国債で払うことを企業に義務付ければ、売れ残った国債も快調に消化できるだろう。

ところで、英語では数字の単位は3桁ずつ進む。
1,000=thousand 千
1,000,000=million 百万 
1,000,000,000=billion 十億
1,000,000,000,000=trillion 一兆
そして
1,000,000,000,000,000=quadrillion 一千兆
だそうだ。この単語はめったにみないだろう(と思うが)。

復興資金を並べてみると

2005-01-22 21:59:43 | 市民A
52df37d7.jpgスマトラ沖地震による犠牲者はインドネシアが突然5万人を上乗せしたため、22万人となった。一方、各国の政府や個人による援助額の総額は50億ドルを超えている。個人分が16億7800万ドルで、政府分は日本の5億ドルやドイツの5億ユーロ、EUの5億2900万ユーロ、オーストラリアは8億1500万ドルと言っているが、融資分も込みなので無償分は不明だ。そして米国は当初1000万ドルと言っていたが、F1レーサーのM.シューマッハと同額では恥ずかしくなったのか35倍の3億5千万ドルと上乗せしたが、どうやらまた下方修正して6000万ドルが上限とか言っているらしい。

そして、この政府分の金額表明はそのまま実行されるのではなく、被害状況から復興費が計算され、その額に対して、会議の末、各国別に決定されるものである。また、全体で配分する分と二国間だけで完結する部分がある。その中で、日本は既にポンと現金で2億5000万ドルを1月21までに支払うそうだ。当面の必要資金分としてだが、国連側は、そんなに早く払う例はないのにと驚いているようだ。

何しろ日本は外貨をたくさん保有している、どれだけ外貨を持っているかを調べてみると、外貨準備高が8,445億ドル(約85兆円)そのうち債券(おおかたが米国債だろう)が6,993億ドル(70兆円)。そして、現金や預金が1,249億ドル(13兆円)というわけだ。2.5億ドルなどささいなことがわかる。(横道にそれるが、それにしても日本は赤字国債を年間35兆円も発行するのに、その2年分の金額の外国債を持っているのも滑稽だ)

ところで、これから復興費の算定があるのだが、部分的には算定されている。インドネシア、アチェ州の被害は建物被害もあり45億ドル、スリランカが8.5億ドルとか言っている。タイは日本からの援助は要らないと言っている。全部合計すると100億ドルに届かないかもしれない。そして、支援金をもらおうという国もあれば、要らないという国もでてくるだろう。どの国もそれなりに既に工業化して自立可能な国だからである。さらに今回の被害の大部分が、海岸線被害であり、元の姿にもどすのは、そう困難ではないからだろう。(おカネを持っているからといって、本当は日本が一番貧乏なのかもしれない。国債乱発して、ほとんど国内でのみ国債を消化しているだけなのだから)

そして、今度の地震からの復興問題は、元の姿に戻したあと、津波警報システムのような対策を考えないと、観光客が戻ってこないということで、そちらの方が今後重要だ。

ところで、スマトラ沖地震の復興費が100億ドル(1兆円)として、中越地震の復興費はというと、どうも3兆円らしい。さらに阪神淡路大震災の復興までの10年間の復興費は16兆円という試算もある(国6兆、地方自治体5兆、JR・JHで5兆)。桁違いだけれど、他国が支援してくれるという話はまったくない。また、国内で巨大地震があっても緊急時対応の部分は除き、支援をするという国もいなければ支援を求めることもないだろう。奥の手が消費税率のアップだからだ。現在の5%税率で9.5兆円の税収なので税率1%で約2兆円となる。復興費用と増税期間が明示されれば、国民的合意は得られるだろう。

ところで、復興の原因が天災ではなく人災も場合もある。戦後復興だ。アフガンについては復興費が45億ドルと認定されたが、イラクは未知数なのであるが、派手に爆撃で破壊された結果が550億ドル必要といわれる。そして国連拠出金と同じような分担率と考えれば20%は日本が負担することになるだろう。さらにいえば1050億ドルが必要という試算もある。しかし、復興と言っても例えば古い病院を最新設備の建物に建替えたりしたら少しやりすぎだろうと思われるが、かといって古い設備の病院をたてるわけにはいかないのである。どこまでが支援分なのかはよくわからない。そして病院を壊した人はあまり払う気にはなっていない。

復興費の安い順に並べ替えると、下のようになる。スマトラ地震を1として比率も計算してみた。
アフガン45億ドル<スマトラ沖地震100億ドル<中越地震300億ドル<イラク復興550億ドル<阪神淡路復興1,600億ドル。
比率で言うと、0.45<1<3<5.5<16だ。

金持ち生活も大変だ。

第ニ東京タワー計画の不思議さ

2005-01-21 22:01:28 | 市民A
004c8285.jpg年末から第二東京タワーのことを調べているのだが、やはりおかしな話ばかりだ。にもかかわらす、年に一度は盛り上がってくるので死んだ話ではない。特に地方公共団体が関係すると、油断している間に第3セクターを仕立て、建ててしまうことは考えられる。タワーを作ってから、既成事実のように電波を誘致しようということだ。

今、計画があるのが(あったのが)、台東区2ヶ所、足立区2ヶ所、豊島区、秋葉原、そして、さいたま市だ。どこでも、イメージ図ができている。高さは600メートルから800メートルと現状の東京タワー(333メートル)から見れば豪快だ。足場の広い土地が確保できないため、どのイメージ図も細く長い。にもかかわらす、どこでも展望台付だ。そして秋葉原を除き、東京の北側だ。そして今度はとしまえんも参入計画を発表。問題の多い超地下海底水による温泉「庭の湯」で成功したので、強気だ。

各計画の趣意書を見ると、全部が全部、観光地誘致で波及効果が・・・億円と書かれている。そしてタワーの必要性は触れられていない。最近の再開発が、汐留、丸の内といった東京シーサイド側に偏っていることから、「こっちにも何か」という趣旨だ。

これらの計画がどこから来たのかなのだが、どうも公式な発表があったわけではなさそうだ。テレビのデジタル化に伴い、電波が弱くなる(UHF)ことから、もっと高いところから飛ばさなければということで、例えば600メートルということだったようだ。そして、東京タワーの立つ港区には既に200メートル超のビルが続々とできているので、確かにビルの陰になった地域には、ケーブルで配信されている(もちろんビルの陰にはいかなるタワーを建てても電波は届かない)。そして、デジタルテレビの問題以外の理由は移動体双方向受信であったらしい。簡単にいうと双方向携帯テレビというわけだ。割り当てられた電波帯が狭いため、ワンセグモバイルとも言われるのだが、これこそ、どうなるのかわからない。携帯テレビのことを考える前に、現在のテレビ界の実情を考えれば、そこまでして見るべきものがあるのだろうかと思ってしまう。歩きながら携帯電話をすること自体少し危ないのにテレビを見ながら移動できるのかという疑問もある。(ただし、テレビ局の中には、デジタル対応を引き伸ばすため、第二東京タワー建設を口実に使おうと考えている可能性があるそうだ)

そして、デジタルテレビにはゴーストなどの電波障害があらわれないことを考えれば、多少電波が弱くても構わないということもできる。もともと333メートルの東京タワーを基準としてデジタル化は考えられているらしい。そうすると新電波搭の必要性の根拠自体もなくなる。石原知事も「技術革新の時代だから、必要ない」という主旨の発言をしている。もっともだろう。今からタワーを作ろうとすると、少なくても5年はかかるだろう。そして50年くらい使わなければいけないのだろうが、当然ながら、光ファイバーによるケーブルかそれに類似したものになっているだろう。

そして、今、誘致に積極的な人たちは、地元の商店街や議員の方々で、要するにお金儲けのためなのであって、公共的目的とは無縁であるということである。そして、住宅のそばに600メートルのタワーが建つことになった住民にとっては、あらゆる面でマイナス効果しかないのは確かだろう。

もう一つ付け加えると、第二東京タワーができると、第一東京タワーは不要になり、観光客もいなくなるはずだ。日本電波搭株式会社は破綻するだろうし、手入れも点検も怠れば、赤錆だらけになって十数年後にポッキリということになるかもしれない。

さらに、付け加えると、電波搭の位置が変わると、受信者側が屋根に登ってアンテナの向きを調整しなければいけなくなるのだが、足を滑らして頭から地面に落下する時に一緒に割れた瓦代も自己責任ということなのだろう。

昨年、タイの航空会社の羽田着のチャーター便のパイロットが早朝に眠い目をこすりながら東京タワーの上空200メートルを飛んだそうだが、600メートルのタワーには今度こそ巨額な損害保険をかけなければならなくなる。なにしろビルでもないのに500億円という金額らしいから。

追記
電波による人体への影響について、ある方が、「東京タワーの見えるビルで勤めている会社員」のこどもには女子が多いのではないかとの身近な実例を書いてあった。考えられないでもないので数字に当ろうと考えた。「東京タワーの見えるビルで勤めている会社員」という統計をとりようがないので、東京タワーのある港区、東京都という統計を参考にしてみた。以前の弊ブログでも書いたのだが、人類の出生時の男女比率は女100に対して男105程度である。平成15年の出生数統計では東京都平均は47,730:50,804(100:106.4)、23区合計では31,424:33,391(100:106.3)と男性が全国比率より少し多い。
これに対して港区は675:702(100:104.0)である。確かに男性比率が僅かに少ない。しかし、結論を出すには、出生数が非常に少ない。男女合わせて1,377人なので、106と104の差は僅か7人である。影響ありとは言い切れないか。

三菱自動車と日産の危険な提携

2005-01-20 22:03:37 | 企業抗争
三菱自動車の再建計画(といっても何度も何度も計画は修正されているのだが)が各報道機関にリークされ、各社の報道には差があるものの、三菱3社(東京三菱、三菱商事、三菱重工)が資本出資と追加融資で合計3000-5000億円の支援を行うそうである(もっとも、3社とも株主への説明責任はあるわけだし、特に東京三菱はUFJとの合併を控えていて、不透明なことはできないだろう)。これが産業再生機構等の第三者機関が介入していたなら、カネボウのように後で粉飾決算が公表されたりしただろうが、三菱村の中で片付けようということなのだろう。当初の予定額より必要資金が増えたということは、何か隠された原因はあったはずだ。

もう一つの再建策の柱はOEM生産で、日産に軽自動車月間36000台とプジョーに年間30000台を供給するとのことである。日産には既にミニカワゴンを年間20000台供給しているので、合計56000台となる。しかし、この国内でのOEM供給についてみると両社ともに気懸りがある。まず、日産が軽自動車の販売に力を入れれば、他の軽自動車メーカーの販売台数がマイナスになるだけだということは、容易に予測される。日本の新車マーケットはすでに飽和していて、乗用車も軽乗用車も年間、数%のプラスマイナスをするだけである。乗用車が400万台、軽自動車が180万台である。そして、昨今の情報時代のこと、日産の軽乗用車と三菱の軽自動車が同じものだということは知れ渡るはずだから、日産の販売台数分だけ三菱の販売台数が減少することが予想される。

三菱が日産に渡す時の価格には、日産の利益分を割安に設定しなければいけないため、自社で販売した方が有利である。あくまでも自社台数が変わらず、日産分が上乗せになればいいと言えるだけだ。あるいは、将来的には全軽自動車を日産ブランドにしようと考えているのかと言えば、そんなはずはないだろう。単に足し算で考えているのではないかとの疑問があることと、工場の稼動が上がれば、それで良しとする収益無視の工場収益型発想があるのではないだろうか。赤字がでても三菱村の中で補填してもらえると考えているとしたら、危険だ。

一方、日産側の都合にはこういう声もある。「安易な台数の上乗せ」。中期計画「日産180」の中で2004年10月から2005年9月の販売台数を2001年比プラス100万台の360万台とするとの目標を掲げている。ゴーン社長はこれを最後として、ルノーへ戻ることになっている(正確には、日産の社長を兼務するのだが、COOは日本人になるだろう)。しかし、北米市場では好調でも、日本市場では完全に伸び悩んでいるわけだ。2004年の実績を見ると、日産は78万台から74万台へ減少(95%)。トヨタは171万台から174万台へ増加(102%)。ホンダも46万台から47万台へ増加(103%)。三菱が14万台が8万台(84%)と激減した分はトヨタ、ホンダに回ったことになる。全社平均が98%だから、日産の95%は完敗ということだ。しかも、すでにティーダ、フーガをはじめとする新車種のラインナップは出揃っている。軽自動車による台数上乗せの目的が、単なる目標達成のためだけだとすると悲しい。2004年12月の新車登録台数の前年比でみると、全体が102.6%に対し、日産は103.9、一方トヨタは112.8%、ホンダは109.1%だ。

コストカッターの作るクルマがユーザーの評価を得られるのかという点は、自動車業界にとどまらず多くの他業種の経営者や経営学研究者が注目していることである。株価もステイしたままであり、次期COO問題と国内販売台数問題はスッキリしないままだ。

日産、三菱自の株価の高低には責任もてないが、8、9月の日産車は超お買い得になりそうな予感は十分にあるといえる。

大甘が中甘に

2005-01-19 22:04:22 | スポーツ
MLB(メジャーリーグベースボール)で薬物禁止ルールが改正された。半分以上の選手が使用していると噂されるため、選手会側はまったく乗り気ではなかったのだが、あまりに甘い旧来のルールは「ザル法」化し、世論の非難を受けていたわけだ。何しろ今まで適用されて出場停止になった選手がいないのだが、ヤンキースのジオンビーのように自ら使用を告白した選手もいるのにである。

旧ルールは1回目の違反は「治療」、2回目が15日の出場停止、5回目で1年間出場停止だったのが、IOCルールに比べるとまったく甘いし、NFLルールでも違反があれば、即出場停止となるのだから、何と言うザルだ。昨年は共和党議員中心に相当の批判があったのだが、12月にブッシュ現大統領も野球選手の薬漬けにはクレームをつけていた。

そういうことで、今回の改正案では、年1回の定期検査のほか、無作為の抜き打ち検査もありで、1回目の違反で10日間出場停止、2回目で30日、3回目が60日、4回目で1年間。そして5回目の違反はコミッショナーが勝手に処分することになっている。それでもIOCなんかに比べるとずいぶん甘い。そして適用期限は2008年までで、ブッシュの任期と一緒になっている。

しかし、適用される薬はステロイド(アナボリック・ステロイド:筋肉増強剤)であり、コカイン、マリファナは規制対象外。また興奮剤も適用外とのこと。ステロイドは花粉症にも利くのであるが、薬の最終兵器のようなホルモン剤である。副作用はごまんとあるが、これを使うと、逆に男性ホルモンを自分の体内で作る機能が衰えてくると言われる。睾丸が萎縮していくとも言われる。つまりやめた後が問題なのである。ホルモンの自己生産能力が落ちると逆に筋肉が縮小する。ソウルオリンピックで金メダルを剥奪されたベン・ジョンソンも元の走りには戻らなかった。睾丸が小さくなるのは、本人にしかわからないだろうが、ホームランの本数が減るのは誰でも数えることができる。

今回、もう一つの薬物が禁止されるのだが、そちらは少し考えるものがある。ヒト成長ホルモン(HGH)だ。もともとは小人症の治療に使われる貴重なホルモンであったが、遺伝子組み替えで量産できるようになり、日本でも経口HGHが輸入通販で安価で手に入る(90回分5000円位)。何に使うかというと、アンチエイジング薬といって、老化防止のためである。特に老化が始まる30代に使い始めると老化が遅れるといわれる。スポーツ界でこのクスリを使い始めたのはプロレスのハルクホーガンだ。かなり以前から注射で使っている。ネットで調べると1953年生まれという説と1955年生まれの説があるが、いずれにしても50歳超だ。いまだ、バリバリでお肌つるつるの一流レスラーだ。

しかし、成長ホルモンの問題はまだ不明なことが多いことだ。細胞レベルの活性化が細胞の寿命を延ばすのか、逆に短くするのかわかっていない。ホーガンもまだ50歳だから、今後、超長寿になるのか逆なのか?。そして、この本来、脳下垂体で作られるHGホルモンも投与を続けると、体内生産が減少する。結果としては投与をやめた時、一気にシワだらけの醜態をさらすのかもしれない。ゾンビー野球リーグか。そして成長ホルモンは細胞を活性化させるため、初期癌の進行を加速させることになる。選手会は「そういうクスリを取り締まらないのがいけない」と主張しているらしいが。説得力はない。

よく、トレードの記事を読むと、必ず。「交渉がまとまったので、後はメディカルチェックを受けるだけ」と書いてあるが、身に覚えのある選手は困ったことになる。たぶん、あぶない選手はトレード対象にならないのだろう。日本のように性善説の国には、メジャーから、身に覚えのある選手が押し寄せてくるかもしれない。

しかし、中村紀洋がドジャーズとメジャー契約ではなく、マイナー契約の話が出ているのは彼に薬物疑惑があるからではないのだ。こんどのメジャールールは、単に現在マイナーで使われている規則と同一にしただけなのである(そういう点から言ってもメジャーリーグの今のルールはクサイ)。日本人の野手の評価がまだ決まっていないからなのだろう。上はイチロー・松井秀で、下は新庄で間がはっきりしないのだろう。ドジャーズはダイヤモンドバックスに4番の一塁手グリーンをトレードで出した状態なのだから、マイナーで契約しても中村には十分にチャンスはあるのだが、石井や野茂と一桁違う年俸では「プライド」が許さないのだろうかね。

男の涙

2005-01-18 22:05:07 | スポーツ
NHKディレクターの長井氏が記者会見で泣いたのは、「くやし涙」の方で、ちょっとカッコ悪い。「あなたの趣味もNHKか?」と聞きたくなる。「番組改竄疑惑」の方は、いささか、ツボを理解できないのだが、国会で予算審議の前に、有力議員からのアポイントがあった段階で総腰砕けになったのだろうが、NHKというのはそういうものだ。コンプライアンス委員会なんて、どんな会社でも機能なんかしない。いつか、体調不良で休みをとり国会中継を長時間視ていたことがあるのだが、数時間後のNHKのニュースでのサマリーは、かなり偏向していると感じた。
いっそのこと、国営テレビになればいいだけだ。それでもBBCがCNNと並ぶ地位を得ているのは、英語が世界支配言語で、良質な番組は世界中に売れるから、気兼ねなく作れるのだろう。

もう一つの男の涙は「うれし泣き」だが、こちらはめったに見ないが、かつて感動したのは、1991年のF1第2戦ブラジルグランプリでアイルトン・セナがチェッカーの後、右手のこぶしを何度も何度も突き上げ、少年のように泣いた彼の嗚咽をオンボードマイクが捉えた時だった。1984年にデビューしたセナは85年に初勝利、88年、90年は年間チャンピオンにもなっていたが、母国ブラジルグランプリだけは7年間、勝てなかった。そして、このレース、最後はギアボックスが壊れて6速ギアだけで最後の何週かを走っている。そういうのを見ると、日本人て負けるなあと思ってしまう。まあ、ブラジル人は「見捨つるほどの祖国はありや」とか悩まないのだろう。個人と国家が意識の中ではっきり別れていれば、悩まないのだろう。

F1の結果表を見ていると、セナが初勝利を上げた85年は、ニキ・ラウダが引退している。そして、セナがイモラで激突死した少し前92年に、M・シューマッハが登場している。とすればと、少し不吉な想いがよぎるが、たぶんそうはならないだろう。そのかわり、レギュレーション変更で05年、06年と今までの高速レースから、テクニックと頭脳中心のレースに変わっていくはずだ。排気量は下がり、オートマテッィクトランスミッションは禁止され、タイヤ交換も禁止、1台を2レース以上使わないといけないし、レース後半は燃費やタイヤ消耗に耐えるカメノコ競争になるだろう。おそらく06年にシューマッハの時代は終わるだろう。津波被害者のために寄付した1000万ドルは、彼の人生の頂点だったと10年後の自伝に書かれるかもしれない。


涙は、いつも突然に出てくるものだが、あまり医学的に解明されていないらしい。病気ではないので研究対象にならないのだろう。しかし、突然の涙は、いつも物議騒然となってしまうものだ。
単に、体から排出される体液の一つと思えばいいのかもしれない。人体はそれ自体が完結している海のようなものだから、涙も小さな海ということか。愛すべき寺山修司もこう詠む。

”なみだは人間のつくる一ばん小さな海です”(修司・人魚姫)

初詣、too lateか?

2005-01-17 22:30:44 | 市民A
9f170bca.jpg2週間遅れの初詣に行った。遅れた遠因は大晦日の雪なのだが、後ズレ後ズレとなって、もう後がない。行かないと節分越えになる。そして高速+ETCで厚木ICから寒川神社へ。神社の周辺では、私設駐車場が繁盛している。神社から遠いところは500円、近くなると800円になり、さらに近づくと1000円。毎年ながら、神様をネタに何とバチアタリなことだ。

去年のお札を納め、新たな気持ちで今年の祈願を申し込む。祈願料はtoo late,too small。寒川神社は「八方除」で有名な神社で、人生に平和と安寧を求める気持ちならちょうどいい。しかし、3年ほど前から、「八方除」と祈ることをやめている。そういう専守防衛的な考え方をやめたということ。で、何を祈願するかというと、「招福」だ。要するにお金儲け。馬齢を重ねるにつけ、「守りから攻め」という気持ちに変わっている。公務員は逆だろうね。

お守りではなく、招福クマデを購入する。そして、おみくじは「大吉」。こんなことが書いてある。「願望(ねがいごと)漸々吉運に向いて思わず早く叶う」「商売(あきない)ひそかにすれば吉」。しかし、総論としては注意が与えられる。「油断せずに信神して行い正しく、いささかも不義の楽しみに身をあやまたぬ様にせよ。」これは難しい。「不義の楽しみ」こそが遊びの究極ではないか。う~、刑法及び東京都条例違反で逮捕されない程度にということか・・・しかし、ひそかな商いが吉とは気になるな。

もっと気になることばがあった。「相場(そうば)無理すると大損」。スマトラ沖地震でも津波がくる直前に一旦、潮が引いたのだが、為替が102円から105円に戻り、再び102円50銭になった時、将来の円高大津波の直前にもう一回105へ戻すことを予測して、100万円投資したのだけど、どうも逆方向に動いている。一目均衡表の雲も消えかけている。為替はいつもうまくいかない。

ところでバブルの頃、勤めていた会社に副業で神主をしている男がいた。休日は、有名神社で結婚式やクルマのお祓いをやり、平日の夜は、銀座のクラブの開店式に飛び回っていた。彼の話では、クルマの安全祈願は、トラブルがつきものだそうだ。お祓いをした後、事故がおこると、文句がつくそうだ。「効果がない」と怒られるわけだ。その時はこう言うそうだ。「お祓いしていたから、怪我をしなかったのですよ」。運悪く怪我をしていると「お祓いしたから入院しなかった」というそうだ。入院してしまった人が怒りに震えていると、「死ななかったのは神様のおかげ」。そして、本当にあっち側に行った人からは、文句はこないわけだ。

もう一つ彼から聞いた話だが、鳩が増えると、晴着被害が増えてしまうため、毎朝、境内から鳩がいなくなるような方法を実行していたそうだ。その方法は聞いているのだが、ここにはちょっと書けないが、境内の玉砂利に関係のある方法だ。