インフルエンザワクチンも一苦労

2021-11-30 00:00:56 | 市民A
早期に主治医を見つけなければならない気持ちになったのが、インフルエンザ予防接種の件。

コロナワクチンほどではないだろうと、たかをくくっていて、コロナで冷ややかだったものの毎年インフルワクチンを打ってもらっていた年配の医院に電話をする。と、「ワクチンがないので打てない」の一点張りのわけだ。今までの親切な投資が無駄になったわけだ。そもそも自分よりも年配なので、主治医にはふさわしくないとは思いつつ、あまり病院に行かなかったつけが回ってきた感じだ。

とは言っても、今年は、「主治医探し」よりも「インフルワクチン探し」を優先課題として電話をかけはじめ、やっと耳鼻科の先生で予約が取れた。数か月前に「めまい」で診てもらったときの診察券が役に立った。人生、何が救いになるか予想もつかない。

もっとも、耳鼻科の先生って腕に注射とかしないのではないかとの一縷の危惧を持ったのだが、予約日に定刻15分前に受付をすます。腕まくりでは難しいかもとシャツを全部脱いで肩に打ってもらった。「慣れてないので耳に注射します」と言われないように万全を尽くしたわけだ。


マイナンバーカードの保険証扱いもいいけれど、データ収集するなら医者ごとのワクチン拒否事例とか、ABC評価とか入力できるようにしてほしい。

ガソリン5円引き作戦はうまくいくのか

2021-11-29 00:00:34 | 市民A
全国平均のガソリン価格がリッター170円すれすれまで上昇し、政府は元売り会社に5円の補助金を渡して店頭価格を5円下げようとしている。

この全国平均の「平均」ということだがサンプル店が密かに決められていて調査が行われるのだが、各店がどれだけの量のガソリンを売っているかが不明なので単純平均値になる。実際には価格の安い店は販売量(つまり消費者の購入量)が多いので加重平均にすると、この数字より少し安いはずだ。

一般に価格と数量の関係で、価格の変化と数量の変化の比率を価格弾力性というが100円の商品を10%値上げして数量が10%減の90%になると10/10=1となり価格弾力性1となり平均的だ。必需品は上がっても買わないといけないので10%値上がりしても5%しか需要が減らないとしたら5/10=0.5となり弾力性は0.5。ところがガソリンはどこで買っても同じなので価格弾力性が非常に高い。2円高いと20%減るという説もある。2円は1.25%なので、20/1.25=16。通常値の16倍。つまり価格敏感商品の最たるものだ。

価格競争があるから5円渡せば、5円安いところに落ち着くだろうというのが政府の読みだろう。

ところが激戦区と過疎区との格差も激しく10円ほどはあるだろう。それが廃業スタンドの多い理由の一つだ。経営が苦しいと値段を下げられない→客数が減る→オイルやタイヤの押売を始める→さらに客が減り金策尽きる。という図だ。

それで今回の補助金作戦。元売りに出すのがネットの5円分なのか消費税10%込みの5円なのかが定かではないので、税込み5円(ネット4.55円)として考えると、170円を超えた場合、全国にばらまくのかその県なのかということもある。元売りは特約店や代理店と取引するので県別取引していないので県別バラマキは実行不能なので全国一律5円配ったとする。

そうなると、全国的に165円周辺に店頭価格が収れんしてしまうはずだ。政府公認価格が170-5=165ということで、172円とか怖くてできないだろう。せいぜい170円。つまり10円ほどある価格差が5円になる。したがって儲け過ぎるスタンドと赤字になるスタンドができてしまう。

儲け過ぎても会社はつぶれないが、赤字になると会社がつぶれるわけで、さらにスタンド数が減っていく。


一方、ガソリン税の問題。約54円の揮発油税の上にさらに10%が消費税になり、「タックス・オン・タックス」と言われているが、正確には掛け算なので「タックス・バイ・タックス」だ。

式で書くと、税抜き100円とすると
(100+54)×1.1=169.4となるが
100×1.1+54=164 ではないかということ。

この二重課税は酒類にも適用になっている。

酒類と言えば、そういう高い酒を客に飲ませた飲食店もさらに1.1を掛けるし、ぼったくりBARはなんでもかんでも掛け算を続けていく。

もともとは、ガソリン=マイカーは贅沢品という思想からだろうが、現在ではクルマが不要な人たちは都心や駅周辺の裕福な生活者で、地方在住者は一家に何台も必要だし、通勤に使っていても税制上少しの不利がある。

税単価はガソリンは54円だが、軽油は32円。タクシー燃料のオートガスは17円である。団体としての政治力の差だろうか。

上の算式でみてもわかる通り二重課税になっている部分は54×10%=5.4円と、ばらまく単価とほぼ同じだ。当面、これを改善すればいいはずだ。

しかも、そもそも揮発油税には大問題があるわけだ。エンジンの改善や軽自動車化、ハイブリッド、電気自動車の拡大などでガソリン需要が劇的に減っていて、近い将来、税収入はゼロに近づくわけだ。これを機に考え直す時期だろう。

備蓄原油放出の影響

2021-11-28 00:00:37 | 市民A
各国共同で備蓄原油を放出して原油価格を抑えようとしている。特に米国のガソリン価格の対策らしい。その量は7000万バレル程度と報道されている。世界需要の約1日分。

これで、各国の石油会社が買っている原油価格が下がりガソリン他の製品価格が下がるのだろうか。

その前に、WTIとかブレントとかドバイといったSPOT価格が報道されているが、これらの価格で実売買をしている会社というか個人というかはほとんどいない。NY、ロンドン、東京の取引所でトレーダーが先物価格を取引したり交換したりして裁定日に差額決済している。トレーダーの後ろには投資家がいて勝ったり負けたりしているわけだ。

そして、原油の種類は非常に多い。油田によって異なり、あまり成分調整しない国もあれば、集約して比重調整したりしてくれる国もある。

原油からは、ガス、ナフサ、灯油、軽油、重油などいくつかの製品がとれるわけで、価格の高いナフサや灯油・軽油分が多い原油は値段が高いし、重油ばかりの原油は売れないのでバーゲンになる。奇妙なことにカロリーの少ない軽質油の方が高いということになる。

そもそも産油国が個別の原油の価格を決める方法だが、例えば中東原油なら、大まかに言うと数量は年間契約の月割りで月別の価格はドバイ価格に任意の調整をした上、ガソリンなどの市場価格(スポット)と製品種別イールドの加重平均値から精製費などを差し引いて決定する(ネットバック)。簡単に言うと、スポット価格に少しは調整するが、製品の市場価格も大きな要素ということになる。市場と言うのはアジアではシンガポール市場で、中国の需給状況が影響する。したがって、数量の大きな産油国はアジア向け、欧州向け、アメリカ大陸向けに別価格を適用している。

つまり備蓄原油を購入した会社が、原油処理を増やせば、製品在庫が上昇して製品価格が下がることもある。これは石油会社は最悪なので、原油の供給量が増えても生産量を上げることはないだろう。

石油会社は月別の契約数量を引き取らないわけにはいかないので、備蓄が崩された場合、製品生産を増やさなければ、原油在庫を積み上げることになる。実際には国内の国家備蓄が減った分、国内の民間在庫が増えることになり、産油国に痛痒は及ばない。そもそも産油国の論理も二分されていて、赤字国家は地下資源をどんどん現金化したいが、黒字国家はそう思わない。長期的最大利益を目指している。石油需要が壊滅しない程度に減産したいわけだ。

日本の場合、様々な理由の結果、国家備蓄はテレビで紹介されているような備蓄基地(海上タンクとか半地下構造とか、コンビナート計画が頓挫した場所とか)から搬出するのは無理が多い。一例だが大型タンカーには日本船籍がほぼないので外国籍タンカーを使うわけだが、外国籍船の国内転送はタンカーに限らず御禁制になっていて、抵抗勢力がいる。

一方で、石油会社の使っていない原油タンク(あるいは隣接地のタンク)を石油会社から借り入れて国家備蓄に使っている。それならば、放出は簡単でパイプがつながっていることが多いだろう。あるいは、パイプがなくてもタンクの賃貸契約をやめればそれだけで民間に売却と言うことになる。問題は入札価格だが、事実上、その石油会社以外は買えないので押売り価格になる。

その場合、物質的には原油の所有者が変わるだけで、何も変わらない。その後、また民間から国家に名義を変えれば旧に復し、石油会社は産油国から睨まれることなく従来通り取引していればいい。

もっとも、備蓄放出という手を安易に使うと、産油国がさらに減産を強める可能性もある。消費国の備蓄を吐き出させようという考え方だ。


そもそも石油時代終焉モデルの一形態がこの原油価格上昇シナリオだった。陸上の古典的油田はすでに開発されていて、海底下とか超深度、極地といった高コスト原油しか追加供給がないのだから100ドルまでどんどん上がっていき下がらなくなる。それによって代替エネルギーの供給採算ラインも上がってきて新規投資がそちらに向かうという図である。金欠国はエネルギー不足になり、停電多発国になる。

ところで、世界需要の1日分の在庫放出というのは、ソーメンを茹でる時の「差し水(びっくり水)」のような感じだ。調べてみると、鍋をカマドで熱していた頃の習慣で、現代では「ガス」あるいは「電力」を弱めるということで十分ということだ。いずれにしても茹で上がるしかない。

「将」「棋」の日

2021-11-27 00:00:32 | しょうぎ
将棋の日の記念行事がささやかに将棋連盟で行われ、いただき物があったので出席した。



JR千駄ヶ谷の駅構内には11月17日が将棋の日であることが掲示されていて、さすがに将棋連盟公認の駅だ。以前は唯一無二の駅だったが、その後、大江戸線国立競技場駅、副都心線北参道駅も最寄り駅となった。

江戸時代に徳川将軍が江戸城黒書院で御城将棋を見学した日を「将棋の日」と決めた。それが11月17日(旧暦)だった。ただ、最大の問題は将棋だけではなく、同時に囲碁も打たれていた。しかも上座は囲碁だったはずだ。

では、なぜ「囲碁将棋の日」ではなく「将棋の日」になったのか。

おそらく将棋連盟が先に「将棋の日」を決めたのが1975年。囲碁に人気の遅れをとっていたのだろうか。なお、囲碁界が「囲碁の日」を決めたのは2013年のこと。1月5日とは語呂合わせだ。

江戸城黒書院の跡は現在は下々の下流市民でも自由に散歩ができる。一度は見に行ってみたらどうだろう。伊藤宗看や天野宗歩など有名な棋士がその場所に座っていたわけだ。



ところで、いただき物だが、「棋」というバッジ。以前「将」のバッジはいただいているので、熟語が完成した。


さて、11月13日出題作の解答。







短い手筋ものだが、3二の玉型の桂は2手目の変化を消すための配置だが、桂以外の駒を置くと余詰めが発生するので、力が余った方は確認してみたらどうだろう。


今週の問題。



たまたま小学生の将棋教室で大盤で詰めのパターンを教えているときに、ひらめいたので即興で作った。難易度は低い。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

勝手にしやがれ(1959年 映画)

2021-11-26 00:00:12 | 映画・演劇・Video
ヌーベルバーグの代表的作品。映画の実験室のような手法が次々と登場する。

監督は、ゴダール。原案はフランソワ・トリュフォー。主演はジャン=ポール・ベルモンドとジーン・セバーグ。

ベルモンドは20世紀の代表的男優で、よくアラン・ドロンと比較されるが、実際は比較しようにもまったく異なるキャラのわけだ。意外にもゴダールはベルモンドとよく仕事をしていた。器用なのだろう。

本作は、自動車泥棒を稼業にするミッシェル(べルモンド)が警察に追われ、警官を射殺し、パリの市内で逃げ回ることになる。アメリカ人のガールフレンド(セバーグ)に匿ってもらいながら、逃走資金の金策に走り回るが、なかなか資金が手に入らず、ついにガールフレンドに殺人犯であることを知られてしまう。そして、やっと逃走用の車を手に入れて、一緒にイタリアに逃げ込もうと提案するが、彼女は断るだけではなく警察に居場所を連絡する。

警官が現れ、もはや逃げる気力のなくなったミッシェルは警官の前で銃弾を浴びることにする。末期の一言は「最低だ!」。何が最低なのかは観客に任されたわけだ。

もしかすると「最高だ!」といっても映画は成り立つような気がする。

つまり、この映画はアメリカのニュー・シネマ、たとえば10年後に公開された『明日に向って撃て(1969年)』と対にして考えても許していただけるだろうか。

人気店と知らず「かつ」を食す

2021-11-25 00:00:43 | あじ
箱根強羅に着いたのは金曜の夕方。チェックインのあと、再び曲がりくねった道を運転する気にはならず、もともと強羅の駅の周辺のレストランで夕食をとることを予定していた。もちろん予約なし。

宿を出ると、すぐそばに「銀かつ亭」という店があり、名前からしてトンカツ(あるいはビーフカツ)だろうと推測。わざわざ、箱根でトンカツもないかなとスルーして、駅の周辺を歩いたが、開店しているはずの飲食店は、なぜか準備中。さらに箱根登山鉄道の駅の反対側を強羅公園まで歩いたが、この方面も全部閉店中。事前チェックで地域唯一と思われるコンビニ(ヤマザキ)で翌朝の食事を購入し、Uターン。結局、最初の「銀かつ亭」しか開いていないことが判明。まだ、比較的早い時間だったので、テーブルにありつくことができた。



ほぼ満席で、どこかで見かけたことがある職業、氏名不詳(私が知らないだけ)の人物が関係者男女と思われる人を相手に映画談義をしていて、うるさいなあと思ったが気にしないことにする。さっそく「カツ重」と地元の箱根雲助麦酒を注文。



そのうち、多くのテーブルで銀豆腐を使ったカツを注文する人が多いことに気が付く。それが、この店の「ウリ」だったようだが、後で知ってもしょうがない。ただ、みかけはあまりかわらないような感じだし、「豆腐でもカツと同じだねえ」というような声が耳に入るので、安心する。肉を大きく超える豆腐ということではなさそうだ。



また、ビールのお通しがすばらしく、ビジュアルも十分という感じだ。

そして、翌日の土曜日、夕食後に宿に戻るときにこの「銀かつ亭」の前を通ると、長蛇の列ができていた。昨日の店の道の向かいには姉妹店まで開店していて、こちらも長蛇。姉妹店の方はメニューは豆腐カツのみとなっていた。

旅行終了後に調べると、超有名店で箱根中から人が集まっているようだ。もっとも平日と週末の客数の大きな違いから推測すると、観光客様のみご用達なのかもしれない。

こういった「有名なことを知らずに、後で驚く」という例を考えてみたが、あまり思いつかない。NYで道に迷って、コンビニの前で日本語がわかりそうな女性に道を聞いて、後で、そういえば「MAKO-SAN」だったかも・・・とか。

海賊船に乗る

2021-11-24 00:00:57 | たび
海賊船といっても芦ノ湖の海賊船。区別するために箱根海賊船と自称しているそうだ。

この話の前に、本物の海賊船のこと。ソマリアに基地があり、主に紅海付近でスエズ運河を通過する船舶が狙われている。この海賊、実際はソマリアの正規軍だったそうだ。政府が二つに分かれて内戦を始めた時に、海の上の軍隊は放置されてしまった(給料未払い)。そのため、海賊を始めたらしい。武器一式は本物なので、商船には勝ち目がないので、狙われる。

知人が、大企業の船舶部門部長を退職後に英語力を生かそうと中規模船会社の顧問を始めた時に、所属船で人質を取られた事案があって、大忙しだったようだ。日本の会社で海賊対策を経験したような人はめったにいないのだから、困難を極めただろう。さらに解決方法は他言無用となり、自慢もできない。

箱根の遊覧船の海賊船だが、本物とは違うのは大砲が進行方向に向いていること。スペインや英国の海賊は獲物の船に横付けして横から大砲を撃ち込んだはずだ。箱根の大砲は前に向かって砲弾が飛んでいくタイプだ。それではバルチック艦隊には勝てない。もっとも海賊船は獲物の船をいきなり沈めるわけにはいかないのだから強力過ぎる武器は使えない。



箱根湖尻のロープウェー桃源台駅の前から海賊船は航行するのだが、コロナ禍のはざまの一瞬の春状態で、箱根一帯が旅行に飢えた人々の集積場になっているため出航時刻より前なのに、満席。臨時船が出ることになった。やってきたのは「ロワイヤル号」。ロワイヤルは日本語ではロイヤル。王様の船だ。海賊に船が襲われるショーが行われるのではないだろうか。

おそらくは、燃費が悪いのかもしれない。



そして、周りの雲が低く漂っていてなおさら、火山の噴火口に水がたまって奇跡的なバランスで湖を形成しているのが怖く見える。富士山が爆発した場合の予想困難な副作用の結果、湖が崩壊して、大洪水という可能性も、うすうす感じる。要するに重苦しい天候が気分も重苦しくするから、こんなことを考えるのだろう。



そして、そろそろ夕方、元箱根観光も一段落し、再び帰りの海賊船に。今度は「ビクトリー号」。これは海賊向きの船名だ。観客が途絶えそうな時期には、ビクトリー号によるロワイヤル号襲撃ショーをすればいいだろう。あと一隻の船は「クイーン号」といって3隻体制だそうだ。襲撃ショーの最初は様子見で、勝ちそうな方に味方するというのが選挙同様、令和のショールールだろうか。



そして、往復乗船のお礼だろうか、はっきりと富士山が姿をあらわした。大勢の人が右舷側甲板に集まったので、危険を感じたが傾くことはなかった。

この富士山だが左側中腹(宝永火山?)だけ円形に雪が被ってないように見える。誰かが「マグマが上がってきて地熱が高いから。もうすぐ爆発だ。」と言い始めた。こういうコメントが画像付きで拡散されて「日本沈没騒動」になるのだろう。でも少し不安だが。



ビクトリー号はそのまま芦ノ湖北側の湖尻に向かうが、到着直前に突然大きく右転回避した。観光客用の足こぎスワン(あひる)が直前を横断していたわけだ。

箱根恩賜公園は、予想以上に広い

2021-11-23 00:00:14 | たび
箱根恩賜公園(略して箱根公園というようだ)は戦前、皇室の箱根離宮だった。外国要人が来日して、ここにあった洋館や日本館で時を過ごしたようだ。記録では米英要人もドイツ要人も来訪しているようだ。

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ただ、関東大地震、箱根地震の際にそれぞれ大きな被害を受けていて、その都度、建物が小さくなっているそうだ。

昭和二十年に皇室から神奈川県に下賜されたとなっている。それで恩賜公園と言われる。皇室財産は戦後、大幅に削減されたのでその一貫だろうか。



場所は箱根関所の元箱根側の隣。関所は京口と江戸口があるので、江戸口を出てすぐのところに小さなボタンのような半島があるが、その全体である。芦ノ湖は胃袋のような形なので、ついでにいうと、胃の下部にあるポリーブのような形だ。



庭園内は高低差もあり、見晴らし台が数カ所にあり絶景である。当日、空は曇っていたが、にわかに風が吹き始め、雲が流れて富士山の一部が姿をあらわして、しばらくしてまた姿を隠した。



公園から旧東海道(1号線)に戻るには二百階段と言われる結構スリッピーな石の階段を下り、東海道の三名橋といわれる芦川橋を渡るのだが、国道一号線は歩行者が歩くのは、やや危険感がある。バスに乗った方がいいだろう。

駅伝の聖地へ

2021-11-22 00:00:23 | たび
芦ノ湖のほとり、箱根港に近い場所に駅伝選手の銅像が立っている。いや、立っているのではなく走っている。いや、やはり銅像だから「走る」ではなく「立つ」が正しいだろうか。



あまり美しいフォームではないのは、疲れ切った選手が倒れ込む寸前だからだろうか。なんとなく、「走れメロス像」に近い感じだ。(もし、あれば。)

さらに、最近、駅伝ミュージアムがオープンしたのは知っていて、入館料とJAFの割引も調べてはいたのだが、もっと有名なミュージアムに行かないのに申し訳ないような気がしたので外観を観るだけにした。駅伝は、沿道で見るかテレビで見るかが一番だ。しかし横浜市民だが居住は選手の走る国道一号線とははるかに離れた北側の246号線の近くなので、結局テレビ観戦になる。



近くの歩道には一本の碑が立っていて、往路のゴール地であるとともに復路のスタート地であることがわかる。

実は、この駅伝だが地図の上でコースを見ると、ほぼ直線に近いことがわかる。そもそも五街道の一つである東海道そのものを走っているわけだ。もっとも古くは東海道の単語の中に「海」が入っていることが名残なのだが、鎌倉のあたりから三浦半島を横断して金沢八景のあたりから船に乗って、千葉県の中部に入り、そのまま北上して東京に入らずに茨城県に行くのが東海道だった。

コースの中に海岸があったり山岳があったり、趣があることが今日まで隆盛を続けている理由なのだろう。

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ところで、この人気スポーツ競技会には一つの欠陥がある。女子が参加していないこと。さらに、最近は高速レースになってしまい、団体競技ではあるものの個人の力量が大きく結果に影響すること。

ということで、もう一つの箱根駅伝を考えてみた。いわゆる箱根裏街道から乙女峠を越え、御殿場に出るコース。そのあと、東名高速は使えないだろうから並行する国道246号線をひたすら東京に向かって走るコースだ。三宅坂と渋谷の間は青山通りと呼ばれている。距離はみた感じは4割増しぐらいだから、選手をあと片道2,3名増やす方がいいだろう。従来のコースは女子に任せて、新コースは男子が走る。246は自宅の近くなので沿道の応援も簡単だ。

「箱根ガラスの森美術館」の「森」の字で一味違う術館」

2021-11-21 00:00:24 | 美術館・博物館・工芸品
ガラス工芸の美術館といえば、小樽とかが有名だが、全国には20ほどあるらしいが、経験的には建物の中にイタリアのガラス工芸が並べられて、それをみて感激することになっている。

あまり古いものは見てなかったし、箱根にある「ガラスの森」は名前は知っていたが、そういうものの一種だと思って、行ってなかった。



箱根の美術館といえば彫刻の森美術館、そして少し前に開館した岡田美術館が有名だが、どちらも数年前に行っているので、次に行くのはポーラ美術館と、日本の中世の陶器を収集している箱根美術館、そしてポーラ美術館から近いガラスの森美術館と考えていた。



そして、「箱根ガラスの森美術館」は、まず駐車場が有料と無料とわかれていることから始まる。徒歩5分のところに無料駐車場がある。おそらく社員の通勤用なのかもしれないが、タダはうれしい。



最初に気付いたのが、美術館の英語表記。「Hakone Venetian Glass Museum」。つまり、ベネチアグラス美術館である。多くは15世紀から17世紀にかけてのベネチア製のガラス製品だ。



しかも、展示品は室内だけではなく屋外展示品も多い。ガラスの花のバラ園、ガラスの木、このあたりの名物のススキもガラス製が混じっている。

屋外展示の間を歩いていると、急に雲間から太陽が現れる、屋外展示のガラス製品がキラキラと輝き始める。

箱根にも駒

2021-11-20 00:00:17 | しょうぎ
元箱根から湖尻方面に車で10分ほどの箱根園から背後の箱根駒ケ岳の頂上付近までロープウェーがある。大型の箱に一度に大勢乗せて上下している。距離が長いので大涌谷のような少人数で次々と運送するようなタイプのロープウェーとは方式が変わるのだろう。

週末の特別企画として夕方から頂上に上がって天体観察をするというBIG PLANがあったのだが、午後になって天候は急変、雲が流れてきて、さらに寒風が吹いてきた。頂上で雲海の中で凍結してしまうのは困るので、撤退。翌日、芦ノ湖の船中から見上げると、狂暴そうな山頂が見えた。

ところで、駒ケ岳というのは全国にいくつもあるようで、例えばwikipediaには20カ所の駒ケ岳が並んでいる。箱根駒ケ岳は高さでは12番目なので真ん中ぐらいだ。

ところで、駒というのは大きく二つの意味があって、一つは馬を指す。特に子馬のことである若駒という言葉がある。年を取ると古駒ではなく古馬というのだから駒は若い馬に使う言葉だ。

もう一つは、将棋に代表されるゲームで使う木片。その他、琴とか三味線、バイオリンのような弦楽器で使う小さな木片状のものにも駒という言葉が使われる。

ゲームの駒と楽器の駒、そして馬の駒、どういう関係なのだろう。

少し考えるため、全国の駒ケ岳の画像を調べてみると、ほぼ山の形状が二分されていることがわかった。

第一類の駒ケ岳だが、馬の背にのせる鞍のように両サイドが高く中央がくぼんだ形。ポテトチップス型ともいえる。特徴はダブルトップ型。

第二類の駒ケ岳は、単に馬の背を横から見た形状。肩が高く、尻に向かってなだらかに下がっていく。



箱根駒ケ岳はこの第二類だ。芦ノ湖から見上げて右に頭があるような形である。

そして、この第二類の駒ケ岳群の頂上の形状というのが将棋の駒の上の部分の傾きに近いように見えるのである。

もっとも、馬に乗った時に、上から馬の頭を見ると、駒の形に見えるので、これが駒の形のルーツなのかもしれない。


さて、11月6日の出題作の解答。







金の中合。その金を水漏れ防止の栓にしながら移動して詰める。


今週の問題。少し前半を付け足したのが余計だったかもしれない。



わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ、正誤判定します。

箱根で食事するなら

2021-11-19 00:00:23 | あじ
箱根のグルメといえば、一に「黒たまご」だろうが、二は「そば」だろうか。箱根湯本に下れば蒲鉾屋があるが、あれは小田原の延長だろう。あえて対抗を探すと「自然薯」らしい。つまり「とろろそば」というのが複合2位ということ。

ところが、とろろそばは好物だが、そのあと腹が張ってきて苦しくなることがあるので、あまり食べないことになる。さらに、生涯最高のとろろそばを三重県の伊賀上野城内にある蕎麦店で食べたことにより、想い出を崩したくないというセンチメンタルがある。

ということで、強羅公園正門近くにある「山路」という和食店で蕎麦を食べたのだが、「とろろそば」ではなく「鴨せいろ」を注文。和食一般の店らしいが、多くの人が蕎麦か親子丼を食べている。後で調べると、「親子丼が美味い」という口コミを見つけた。「美味しい」という口コミを読んで、それを頼むというのは随分お手軽な思想だ。



ということで、「鴨肉が大量に入っている鴨せいろ」は、「鴨せいろ」としては生涯最高の味と思った。「生涯最高の味」にたどり着くと、その後、食べないことにするという奇妙なセンチメンタルルールに従えば、「最後の鴨せいろ」ということになる。このルールを厳密に行うと、いずれ食べるものがなくなるので、ルールの有効期間は2年間ということにしておく。


ところで、東京都内、特に小田急線沿線の駅の多くには「箱根そば」という駅そば屋がある。略して「箱そば」というらしい。小田急の関連会社の箱根登山鉄道が箱根に路線を持っているからだろう。箱根で作った蕎麦ではないだろうから、ネーミングには問題があるかもしれない。箱根そば株式会社の本社が箱根にあれば問題はないはず。実際に食べたことがあるが、好き嫌いは別だろうが、蕎麦のチェーン店の中では、口の中の蕎麦の感触がもっともしっかりしているように感じた。

箱根関所

2021-11-18 00:00:52 | たび
箱根と言えば江戸時代は「関所」として有名だった。西日本から江戸に行くには東海道か中山道かということになる。日程的には東海道の方が近いが物価が高いとして中山道ルートを選んだ人もいたようだが、もちろんそちらにも関所はある。

古くは奈良時代、平安時代でさえ箱根越えに関所があったらしく室町時代は通行するのに有料だったそうだ。スエズ運河みたいな話だ。戦国時代には北条氏の山中城が同じような行為をしていたようだ。



そもそも箱根と言う場所があるから、日本を東日本、西日本と分けることができるわけだ。箱根がなければ東国武士という概念もなかっただろう。





ともかく江戸時代には「入鉄砲と出女」という言葉があったように箱根関所は江戸に武器を持ち込むことと人質として殿様の江戸屋敷にいる正妻が逃げ出さないように厳重な警備をしていた。



吉宗の時代に、関所破りは「はりつけ」と決まったようで、後で行った資料館の資料では江戸時代を通じて関所破りは5人見つかっていて、時代が下った方は、男女の差なく磔にされたようだ。ただ、関所破り5人と言うのは、捕まった数であり、捕まらなかった者の数字はわからないわけだから統計を簡単に信じるわけにはいかない。



ただ、江戸時代も安定期になると江戸に入るもののチェックは甘くなっていたようだ。

数か月前に日光江戸村に行って、まだ時間が経っていないので、なぜかリアリズムと虚構の区別が怪しくなっている。

箱根神社と九頭龍神社

2021-11-17 00:00:43 | たび
箱根の町は芦ノ湖の東南側にある元箱根とその西側にある箱根港の間が商業地域で、その間に関所があった。もちろん、現在の関所は単に観光資源に過ぎないが、江戸時代には全国の関所の中の関所であった。関所をはさんで東が元箱根で西には宿場があった。三島と小田原の間で箱根の山越えと関所での取り調べと言う二大イベントがあった。

箱根の神社と言うともっとも有名なのが箱根神社。元箱根のシンボルだ。奈良時代に遡るそうだ。現在は神話の中の三神をお祀りしているそうだが、多くの神社がそうであるように、山とか土地とか大河とかを敬っている原始的な宗教に神話が合体したのではないだろうか。何しろ、神社の全面には芦ノ湖、背後には危険そうな山肌をみせている箱根駒ケ岳という環境だ。

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そして、まずいったのは分社的存在の九頭龍神社。湖には九つの頭をもった竜がいて、この竜が嵐を招いたり、雷、噴火などの大技を使うといわれていたそうだ。直接村人をパクパク食ったわけではないので、濡れ衣だろう。萬巻上人という坊様がこの九頭竜をやっつけたそうで、今でも湖水祭というのが行われているそうだ。

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本来は、西武系の箱根園からロープウェーで駒ケ岳の頂上に昇って箱根の夜景と星空を眺める予定だったのだが、天候が急変。寒風が吹き始め、空は厚い雲に覆われ、箱根園から徒歩30分、植物園の中を歩いて九頭竜神社に到着。海の中に鳥居がある。

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そして翌日、元箱根の箱根神社に行く。元箱根の街中に巨大鳥居が立つ。

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少しだけ坂を上ると本宮だが、工事中のブルーシートが興ざめである。

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こちらも海中に鳥居があり、鳥居を背景に撮影を希望する人たちが長い列をなしていて、一瞬の隙に割り込み撮影に成功。

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なにしろ、人出が多い。

箱根最大の観光資源は、大涌谷

2021-11-16 00:00:52 | たび
箱根の宿泊地を強羅にしたのは、今やはるか昔感のある五輪の頃。五輪かデルタかとか宗教的論争が行われていた。とはいえ、香港系のリゾートチェーンの予約は全国的にほどよく埋まっていて、世の中は人の通らない道を進む人も大勢いるということなのだろう。



11月に予定通り行ったときには、料金は旧に復し、観光客は大勢いるものの、商店などが結構準備遅れでまだ時短や閉店になっていた。一方で、開店していた飲食店には長蛇の列。マラソンでもいうように、上り坂の時に1メートルでも前に進んでいると、下り坂になった時に先にスパートして、その差を10メートルに広げることができるということだ。



さて、箱根の魅力は基本的には箱根火山と芦ノ湖と温泉だが、それらはすべて火山に由来する。いつ噴火するかもしれない危険な火山イメージを実現しているのが大涌谷(おおわくだに)。つい数年前は実際に噴煙をあげて脅かして見せた。



一方、乗り物マニアには垂涎物なのが箱根路。特に箱根の奥にある大涌谷までなるべく真っすぐ進むという方針で様々な乗り物が続く。東京駅を出発点とするとこういうことになる。

東京-小田原  新幹線
小田原-箱根湯本 小田急
箱根湯本-強羅 箱根登山鉄道
強羅-早雲山  箱根登山鉄道ケーブルカー
早雲山-大涌谷 箱根ロープウェー

大涌谷の先も 色々と楽しめる

大涌谷-桃源台 箱根ロープウェー
桃源台-元箱根 遊覧船(二社)
元箱根-箱根地区 バス(二社)

その他にも、モーターボート、ヘリコプター、足漕ぎのスワンもあり、早い終バスに乗り遅れればタクシーもあるし、高級旅館では送迎バスも用意している。新宿のバスタからは高速バスもある。



とりあえず、横浜からはクルマできたのだが、突然始まった空前の箱根観光ブームで大涌谷には車ではとてもいけない状況なので、「日本のサンモリッツ駅」と自称する強羅駅からケーブルカーとロープウェーで行くことにする(運賃は高いが)。ロープウェーの眼下には長蛇の車の列が伸びる。一本道で分岐の道もないので、どうにもならない。逃げ遅れたアフガン難民状態だ。

実は数十年前、神奈川県で営業していた時に、箱根に顧客会社が二社あって、集金に行っていた。振り込まないので毎月、小切手を回収に行っていた。二社のアポ時間が合わないと、長時間のロスタイムが発生するが、いちいち横浜の事務所に戻るわけにはいかないので、よく大涌谷で時間をつぶしていた。駐車場代がタダだったからで、よく「温泉まんじゅう」を買って食べていた。



いつも蒸したてだったので、あまりにも美味かったので、今回も探してみたが、現存しない。絶滅してしまった。「黒たまご館」という建物があり一階がジオミュージアムで二階が大型の土産店。売っているのは黒たまご。



ゆで卵はそれほど好きではないのだが、記念に食べてみる。実は黒たまごを食べたことはなかったので、中まで黒いものと勘違いしていた。おそらくピータンから連想していたのだろう。



殻が黒いだけなのか、別の効用があるのかはよくわからない。あるいは殻も食べるべきだったのだろうか。