一番長い日が近づく

2015-02-28 00:00:10 | しょうぎ
名人挑戦者を決めるA級順位戦の最終局が3月1日に開催される。

ケーブルテレビの囲碁将棋チャンネルで完全生放送されるのだが、最大の問題は、放送開始時間の番組表が配布されるのがちょうど月末から1日だからどうしようと悩んでいたのだが、完全生放送なのだから、朝からやっているに決まっているということに気付く。

現在までのリーグの星取表を調べると、名人挑戦可能性があるのが4人(6勝2敗が二人と5勝3敗が二人)。この関係が全5局中3局。そして降級二人枠のうち、すでに阿久津八段が全敗中で決定済みだが、残り一人の可能性は3名にある。結局5局のうち4局は重要対局で、一局はお気楽戦だが、こういうのが長くなったりして「味悪し」ということになることがある。

ところで、全敗中の阿久津八段だが、今年度の成績は11勝16敗。順位戦を除くと11勝8敗ということになる。今期順位戦全敗者はB1の飯塚八段でこちらは0勝11敗と記録的だが、今年度の通算成績は10勝19敗。順位戦以外は10勝8敗。もう一人はC2の内藤先生だが、こちらは2勝18敗なので、まあ引退やむなしということだろうか。

さらに全敗者の塩調査をしてみると、今までにA級全敗者は4名。昭和22年の村上八段。昭和35年の松浦八段。昭和55年の木村八段。昭和56年の石田八段。実に34年ぶりとなる。そして、この4人の中で、後にカムバックしたのは石田八段だけである。実に10年が必要だった。(上がるまでに苦闘し続けた反動からか、一期で逆戻りすることとなった。

そして、最終局に勝って全敗を免れるケースも数回あるのだが、その1勝が次期の成績に繋がるという結果にもなっていないようだ。


さて、2月14日出題作の解答。

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合駒2回探し。

動く将棋盤はこちら


今週の出題。

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手数は一桁台。もっとも、最終手と称する手には異論がありそう。詰将棋の仲間に入れてくれない人も多い。

わかったと思われた方は、コメント欄に、最終手と総手数と酷評を記していただければ正誤判断。

伊予柑?

2015-02-27 00:00:29 | あじ
コンビニで昼食のパンを買おうとすると、妙な商品が目に入った。

伊予柑(いよかん)。

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口に広がる愛媛県産伊予柑の酸味。と書かれている。しっとり丹念熟成という言葉もある。

一方、「パン」という単語はない。しかし、みたところ、どうみてもパンだ。

ということで、確かめるためにも買ってみる。メーカーは神戸屋。

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まさか伊予柑がそのままパンに入っていることはないだろうと思っていたのだが、そのとおり中に入っているのは、「ママレード」。

実は、伊予柑ではないが八朔を大量にママレードにしたことがあるが、もともと蜜柑類はすっぱいため、ママレードにするには大量の砂糖をつかう必要がある。ということは肥満のもとかもしれない。

そして、このママレードパンだが、最大の問題は、ママレードの原料がどの種類の柑橘なのか、わからないことである。

さらに、アンパンにもこしあんと粒あんの二種類があるのだからママレードにも、粒入りとこしママレードの二種類があってもいいのではないだろうか。

007第3話&第4話

2015-02-26 00:00:40 | 映画・演劇・Video
第三作はゴールド・フィンガー。1964年公開。

この三作目から、「恐怖」というテーマが加わる。全身に金箔張りにされ亡くなる美女、原爆爆発の危機、そして飛行機の中の銃撃戦で破れた機体から空中に吸い出される者・・・

そして、ボンドの秘密兵器は、ますます手が込み、さらにボンドカーは進化する。

フレミングの原作の順と映画の順は異なっている。といっても原作を読んだのは2作(ムーンレイカーとロシア)だけなので何とも言えない。

米国政府が秘匿する大量の金塊について原爆で汚染してしまい、結果として金塊の価格を暴騰させ、自分の金塊の価値を高めようという高等作戦を狙うのが犯罪組織スメルシュ。スペクターと別の犯罪組織。こんなにたくさん犯罪組織があるのでは大変だか、実際には犯罪組織は砂浜の真砂ほどある。

そして、1964年に原爆で金塊が汚染されていると、58年後までは金の価格が暴騰しているはずだから、2022年になると暴落するはずだ。もうすぐである。

そして、この作品は、かなりの部分を空中で展開するのだが、次作は海だ。

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第4話 サンダーボール作戦 1965年

 製作費は前作の3倍に膨れ上がる。また奇抜な仕掛けが多発。実は、これは観ていなかった。なにしろ、海中で戦闘が起きたり、人食いザメが暴れまわるし、たぶん1000人ぐらいが、あの世行きとなる。ヒューマニズム度はゼロパーセントだ。毎年のように新作が出るため、たぶんショーン・コネリーは1年中、働いていただろう。ボンドガールの数は前作より多いような気がするが数えきれない。敵も味方も次々に死んでしまう。

前作と同様に原爆テロである。実際に、いままで原爆テロは世界のどこでも起きていないが、実は、原爆よりも原子力発電所の方がもっと危険という現実がある。

しかし、二作まとめて書こうとすると、二作続けて観ることになるが、早く文章にしないと、どちらがどちらの話なのか、つい解らなくなる。まあ、基本構造は同じだからだ。

陶磁の道(三上次男著)

2015-02-25 00:00:43 | 書評
tojinomichi「東西文明の接点をたずねて」という副題が付いている。1969年の書である。題名からして、中近東から極東にわたる陶器文化がどのように互いに関係していったかが書かれているのだが、ちょっと現代の感覚と異なるのは、「すべて中国がナンバーワンで、他の国はその影響を受けている」という方向で書かれていること。

まあ、半分は当たっているのだろうが、現代中国をみて、あまり過去の栄光を尊重しているようにも見えないし、50年前もそうだったはずだ。

もちろん、エジプトにもシリアにもイラクにも土地の陶磁器があり、価値は高い。さらに本書には登場しないが、日本でも縄文時代にはきわめて個性的な土器が焼かれ、その後、中国の陶器とは独立した形で全国各地で美の追求が行われていた。

たとえば、土色の素朴な古備前焼など、どうやっても中国陶器とコラボは難しいだろう。

そして、本書を読むもう一つの楽しさは、中近東各地で陶器片を探す(拾う)こと。エジプト、シリア、ヨルダン、イラクと歴史上の古都市をめぐる。

それらの国は、今や荒廃とテロが支配する地球上で最悪の地となってしまった。ある意味アラーは平等感を持っていて、遺跡などの観光資源を持っていない地からは石油が産出されるし、石油資源の乏しい国は観光立国になれるはずだったのだが、いままでは石油の方が巨額の利益を生んできた。

いまさら、壺を焼いたり絨毯を織ったりコツコツ働く気にはならないのだろうね。原発補助金でやりくりしている町のような話だ。

時価何億円?

2015-02-24 00:00:53 | 市民A
東京駅から数分のところに、巨大な空間があることを知っている人は少ないだろう。

といっても、地下の秘密防空壕というようなものではなく、某ビルの一階。といっても、ビル一階のホールスペースということでもないし、テナント料が高過ぎて借り手の見つからない空き室ということでもない。

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なにしろ、いつも誰もいないわけだ。

なんのための場所なのか不明だ。

あまり有名じゃないのは、紹介しようにも、その場所を他人に伝えようと表現することが難しい。この空間は、何か?

単なる通路?

芸術?

設計ミス?

1年ほど前にこの場所を見つけたのだが、ここが今後どういうことになるのか、楽しみにしているのだが、現状よりスリリングなことが起きるとは、とても思えない。

「芭蕉という修羅(嵐山光三郎著)」連載完結

2015-02-23 00:00:34 | 書評
新潮社の書評誌に長らく連載中だった『芭蕉という修羅(嵐山光三郎)』が、ついに完結した。

松尾芭蕉という武士であり隠密であり水利工事家であり俳諧のドンである複合人物を一から掘り返した怪書であり、これから一冊の本として発行されれば、何らかの話題になり、そして批判もされるのだと思うが、著者のかなり鋭い分析が陽の目をみることがうれしい(芭蕉ファンとして)。

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ただ、全体の連載の中のページ数の読みが甘かったのか、最終回は、どうあれ詰め込み過ぎだ。芭蕉の最後の1年をまとめて詰め込んでしまった。この部分は、単行本にする時には、書き加えというか書き直しとなるのだろう。

特に、この最後の1、2年に病気をはじめ身の周りの不運が続き、さらに「奥の細道」の刊行について思い悩んでいたようで、やっとそれらの手はずが整い、自らの没後に「奥の細道」が世に出る仕組みを作り、そして思いつのる形で、長崎をめざして旅に出る。長崎は弟子の去来の故郷ではあるが、果たして弟子の故郷に行きたくてしょうがなくなるようなことがあるのだろうか。

著者は唐突に、「俳諧は危険な文芸で、芭蕉の本能は都市をめざす。」と書く。そうだったのだろうか。芭蕉の修羅は都市の中にあったのだろうか。「都市と農村の対峙」というのは近代日本の韻文学の中で、石川啄木や寺山修司はじめ多くの詩人を悩ませてきた問題だが、芭蕉は単に「都市が好きだった」ということなのだろうか。では、長崎に何を期待していたのだろう。50歳の旅の途中で力尽きた天才にあと1年の猶予があれば、・・

*本連載には南伸坊氏の挿絵が入るが、隠密であり心に修羅を抱えた芭蕉一生の書にはちょっと似合わないような気がする。描き直しか、消去ということになるかもしれない。

笠岡市立カブトガニ博物館

2015-02-22 00:00:46 | 美術館・博物館・工芸品
実は、岡山県の西端にある笠岡市の小さな博物館にはそれほど期待していなかったが、行ってみると、地元に生息している生きた化石といえる「カブトガニ」を十分にアピールするすばらしい場所だった。

ただ、大きな疑問は、「博物館」と命名されているが、「水族館」ではないだろうか。生きたカブトガニが水槽の中で泳いでいるわけだ。さらに飼育も。もちろんイルカやアザラシじゃないので、ショーをしたりはしないのだが。

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で、生まれて初めてカブトガニを見るのだが、まず建物自体がカブトガニの形になっている(後で気付いたが)。そして、入口のそばの水槽ではカブトガニが遊んでいて、裏返しになったり、立ち泳ぎを披露している。腹の方からみると、まったく気持ちが悪い姿だ。蟹ではないので蟹と比べるのはおかしく、クモの一種と考えられているようだが、足の動きはクモ的だ。えらがついているが、えらは下半身の方にあるので、他の動物のどれにも似ていないと言える。目は甲羅側に二対あるが、複眼式と単眼式と2セットになっている。

血液はしっかりと心臓からインとアウトの二系列になっていて、この血液は医薬品に使われるために、強制的に献血させているそうだ。3分の1を抜き取っても問題ないそうだ。

生まれてから約14年で成体になる。寿命は約25年。大人になってからは短命だ。そして世界にカブトガニは4種類しか残っていない。北米(フロリダの方)に1種類。東南アジアに2種。そして日本に1種。日本のカブトガニが一番大きく体調はメスが60センチ、オスが50センチ。

日本のカブトガニとアメリカのカブトガニの生態はかなり異なっている。というかアメリカのカブトガニはメスに比べてオスがかなり多く、産卵期には海岸に向かうメスに対し、大挙してオスが群がるというワイルドな男女関係が見られるが、日本のカブトガニは、産卵期でなくても(つまり、いつでも)、特定のオスとメスが対になって行動している。

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だから、捕獲されるときも一対になっていることが多いそうだ。しかも「対」というのが、人間の夫婦のように観念的なものではなく、物理的にメスの背中にオスが乗るというような形になっていて、オスはメスにつかまるために足の爪がカギ型に特化しているし、うまく密着できるように甲羅の前側が凹んでいる。

ただ、水槽の中を観察してみると、しじゅうくっついているというのではなく、すぐ近くにいて、くっついたり離れたりしているようにみえる。オスはメスの上に乗って、食べ物を探したりする場合にはメスに行き先を指示しているようだ。ただし、餌を食べるのはメスが先だそうだ。オスが太ったら上に乗れなくなるからだろうか。だから、産卵に行くのも対でいくのだから、争い事は起こらない。

で、2億年前の化石と現在のカブトガニの形態はほとんど変わっていない。地球上のその他の生物は、微生物を除けば、すべて進化したり滅亡したりしている。なぜ、カブトガニだけが進化しなかったか(あるいは滅亡しなかったか)というのは、この生物の最大の謎とされているのだが、博物館側の見解は簡単だ。

「完全な生物だから」。

ということらしい。強固な外敵からの防御システム、逃げ足早く、砂に潜って隠れるし、なんでも食べる食の弾力性、そして食べてもまずい感じだ。調査団は東南アジアの魚市場を探索するも、食材にはなっていないようだ(海辺にはもっとうまいものが沢山ある)。

なんとなく、日本の特徴に似ているような気もする。専守防衛の自衛隊。日本食の多様性。食えない日本人。

人狼名人たち

2015-02-21 00:00:00 | しょうぎ
本年1月3日「今年の応援」の中で、順位戦復帰をめざす熊坂五段と異色の作戦で戦う糸谷竜王、医学と将棋の両立で苦心している伊奈川女流初段を取り上げ、さらに2月7日「今年の応援の続き」として勝星を一つ積み上げた熊坂五段と、相手の駒台に駒を置いた糸谷竜王に触れたのだが、その時に伊奈川初段の「人狼」の話を書くつもりだったのだが、その時に起きていたIS-STATEによる人質事件に配慮して自主的に後回しにした。

なにしろ、人狼は、人間と人間になりすました狼=人狼の戦いがテーマになっていて、「二つのチームに分かれ」、「毎日一人ずつ消す」とか、相手の真意やウソを見抜いて人狼を見抜いたり、人狼側はなんとか一般市民に紛れ込もうとする、というアブナ過ぎるゲームだからだ。元々はロシアで「市民とマフィア」という構想で発生したらしく、たぶんプーチン大統領なんかチャンピオンクラスだろう。「市民とマフィアとKGB」とか。プレーヤーはそれぞれ占い師や霊能者、背徳者、妖狐、狂人とか役割を与えられる。将棋の駒と同じだ。

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で、ニコ動でも将棋棋士が参加する人狼は人気らしく何回も組まれている。そして、その不動のメンバーの一人が伊奈川さんのようだ。観ていると将棋棋士側は「伊奈川、中田功、香川、村中、門倉」の5人だが、何ゲームか見ていると、伊奈川、中田功の二人が横綱級。香川=大関、村中・門倉=幕内か十両という感じだ。どうも伊奈川、中田功、香川の3人が常連のようだ。そして、横綱二人は、あまり発言をしないで他人の話を聞いて分析を続けているようだ。そして、かなり早期にゲームの方向性を捻じ曲げてしまうような発言で場を誘導している。

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そして、YouTubeでは伊奈川さんが羽生名人とタイトル戦の解説の場で、ずっと「人狼のルール」を名人に説明し続けているのがわかる。「ウソをつくとき緊張します。」ということを言っているのだが、勉強中の医学の世界では、時々患者にウソを伝える時があるはずだが、そのつど緊張していたら患者に見破られるのではないかと思ってしまう。

患者「あとどの位・・・」
医師「(秒読みです・・と言いたいが)病院出られるのはもうすぐですね」

で、伊奈川さんは、羽生ファンだそうで、タイトル戦の解説は全く行わずに、二人で将棋以外の話をするだけして退席してしまった。どうも数十年前に起きた男女名人同士の事件のプレイバックが起きる予感がないわけではないが、一方は女流名人になったわけじゃないし、一方は相手が医学部生であることすら知らないようだし、まあ何も起きないだろう。

しかし伊奈川さんが羽生ファンであることだが、2006年11月19日「伊奈川新女流棋士誕生パーティへ」で書いたように、プロになった時の披露パーティの席で、男性ファンの一人から「昔、八王子道場で羽生少年にやっつけられたカタキをいつか討ってくれ」という内容のスピーチがあったことを、覚えている。

仮に女流タイトルをとれば男性棋戦への参加もあるだろうし、さらに勝っていけば、いずれ羽生さんと対局することになる。つまり、ファンではなく、ライバルであるべきということ。

どうも人狼名人になってから、将棋も強くなったと言われているのだが、たとえば故大山名人は全然手を読んでないように見えると言われていたのだが、ひたすら相手が何を考えているかを推測して、その対応だけ考えていたのではないだろうか。そうなると省エネ思考法になるわけで、結局終盤に体力や気力を残しておけるわけだ。あるいは、対局中にあやしい口三味線でも打っているのか。

医学と将棋と人狼までやっている多忙人間には合理的なやりかたなのかもしれない。


さて、2月7日出題作の解答。

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▲1四飛 △2二玉 ▲1二角成 △同歩 ▲2四飛 △1三玉 ▲2三銀成まで7手詰

動く将棋盤は、こちら。簡単すぎた。


今週の問題。

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手数は長いが、・・・

わかったと思われた方は、コメント欄に、最終手と総手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

七段仕込みの清酒

2015-02-20 00:00:41 | あじ
nanadan倉敷の平喜(ひらき)酒蔵の酒は、「喜平」という。創業者が喜平さんだったのか平善之介という名前だったのかよくわからない。

喜平という酒の中にグレードがあるようで、高いのと安いのを飲んだあと、あまり口に合わないので、中ぐらいのを飲むと、これがもっとも口に合った。中流階級だからだろうか。

で、「七段仕込み」と書かれていて、「従来の日本酒は『添、仲、留』の三段階で仕込むがこの酒はさらに四段から七段にかけて、・・・・長い時間と手間をかけて仕上げた」となっている。私も将棋は六段だが、やはり長い時間が必要だった。七段にあやかりたいと思うわけだ。最近は高級車の変速機も六段というのが増えているようで、やはり七段は難しい。

原料米は、山田錦ではなく、岡山に多い雄町米でもなく、あけぼの米。地元の食用米だが、近年、牛丼チェーン店で使われているらしい。

ただ、飲んですぐ感じたのが「大関」に近いな、という感じ。このように「越の寒梅」とか「菊正宗」とか、○○に似ていると感じさせるのがメジャーブランドというのだろう。こういう社を代表する味に辿りつくまでが苦労の連続で、あれこれと、手を変え、品を変え、商品の種類を増やしていって自滅するのが日本企業の癖といえばそれまでだ。

実は、喜平はそれほど高い酒ではないが、倉敷の居酒屋ではあまり飲めない。居酒屋は高い酒だけを用意して、一夜限りの旅人から搾取を図るのがご当地流になっている。だから喜平は好まれない。

ただし、喜平ばかり飲める店があって、酒蔵が自ら「喜平」という居酒屋を営業している。いずれ飲み倒して、それを機に、全国居酒屋めぐりを始めて「おおた葉一郎の居酒屋五十三次」でも書いてみようかと思うが、困ったことに「太田」という別人が居酒屋放浪記を書きまくっているので、兄弟か子どもと勘違いされないように、その際は「織田葉一郎」と、有名な元スケート選手の苗字を借用することにしている。

東京駅開業に関する小話

2015-02-19 00:00:29 | 歴史
東京駅開業百年記念行事が数々行われているが、ちょっと角度を変えた話。

まず、開業したのは大正3年12月20日。その頃の日本はかなり鉄道網が充実していて、新橋から下関まですでに開通していた。また、東北方面にも上野が拠点駅になっていた。そして、なんとなく新橋と上野をつないで、その真ん中に東京駅をつくる話になった。

とはいえ、日本はロシアと戦争をすることになっていたわけだ。となると、おカネもないし、鉄材も不足。ということで、戦争終結後、ついに東京駅が完成した。

そして、今、東京駅に行くとさまざまな記念行事が行われて賑やかなのだが、かわいそうなのは、鉄道の主役であった新橋駅だ。

なにしろ、新橋駅は、「新橋」という名前すら奪われ、「汐留貨物駅」に格下げ。飲酒運転が発覚し三階級降格となった人事発令みたいだ。

一方、旧新橋の次の駅だった「烏森(からすもり)停車場」が「新橋駅」に昇格となる。ただ、一部では、元の駅に遠慮して、「新新橋」と言う人もいたようだ。

さらに駅長の話。元の新橋駅の駅長は高橋善一氏という方だった。新橋駅第三代駅長だった。この方の運命は?

東京駅初代駅長である。つまり、古い駅を捨てて新しい駅に向かったそうだ。

現在の感覚では、それほどおかしくない話なのだが、当時の社会での感覚は異なるようで、「椅子を担いで東京駅に向かった」とか「新橋から優秀な駅員だけ選んで東京駅に連れて行った」というようなことを新聞に書かれている。軍艦の艦長が船と運命をともにするように、駅と運命をともにするのが筋と思われたのだろう。

そして、駅長椅子の引越しがすんで、翌朝、東京駅発の最初の列車は朝5時20分の始発である。

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行先は、結構マイナー。横須賀行きだった。

しかし、東京駅には今と同じようにマニアが押しかけたようだが、この日、東京発の乗客が最大数下車した場所は、隣の新橋駅だったそうだ。

一方、前日おわかれとなった旧新橋駅にも懐古趣味のマニアが集まっただろうが、残念なことに記録は残っていないようだ。

今後、東京駅が廃止になる時には、集まるだろう鉄道ファンの声も大きく報道されると思っている。

007第1話&第2話

2015-02-18 00:00:46 | 映画・演劇・Video
BSジャパンで「007シリーズ」の放映が始まった。といっても全23本プラスおまけ2本の25本を全部放送するのかどうかはわからない。とりあえず、一月に2本ペースみたいだ。1年続けば完結する。

それほどこだわるなら、全編セットの箱モノを買ってしまえばいいのだが。あとで邪魔になるだけだし、実際観たのは半分ぐらいかな。初期の頃のは観ているような気がするが、自信はない。なにしろ、極端に言えば、全部ストーリーは同じとさえいってもいいかもしれない。1960年代から50年経ちながら、なぜかこの映画関係者は長寿を誇る人が多く、ほとんどの関係者が生存しているようだ。一方、スクリーンの中では毎回100人以上1000人以下の死体が転がる、もっとも体力があって元気でないと出演できないだろう。

で、1本ずつ感想を書いていると、007だらけになるので、とりあえずまとめて2本ずつ。

まず、ドクター・ノオ。1962年制作。冷戦構造が定着した頃だ。朝鮮動乱とベトナム戦争の間というべきか。米ソで宇宙開発をしようとしていた時に、妨害しようとするグループが現れる。シリーズ第一弾ということで、予算が少なく、殴ったり蹴ったりという格闘が多い。第一作はまだ方向性が定まらず、人が一人なくなるだけで大騒ぎになる。

大ヒットし、第二弾からは巨額予算が使われることになる。

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第二話、ロシアより愛をこめて。

第一作の成功で大予算がつき、世界中で撮影が行われる。本物の米ソ直接対決があるため、スペクターという犯罪組織が登場して、KGBの身代わりになる。当時のロシア人は映画を観ることができたのだろうか。個人的にはシリーズ中、好きな1本である。今回から、特殊兵器(装置)がテーマの一つになる。まだ小道具の類だ。

イスタンブールからイタリアに向かうオリエント急行をテーマにするとは、なかなか凝っている。これと、ムーンレーカーは原作を読んだこともある。本作以降、ストーリーはほぼ同じになる。

本作のボンドガールはシリーズ中ナンバーワンと言われる。本作では人権尊重されているが、以降、セクハラ対象と化していく。英国紳士の本音だろう。ショーン・コネリーはおいしい役を続けて、さらに老年になって、モデルチェンジして、名老優となった。稼ぎ過ぎだ。

流星ワゴン(重松清・書籍)

2015-02-17 00:00:13 | 書評
日曜夜のテレビドラマの結末を早く知ろうかと思って、読み始めたわけではないのだが、そういうことと同じになってしまった。ということで、次の展開を知りたい人もいるでしょうから、あらすじをダラダラ書くわけにはいかない。

ドラマの設定が、広島県福山市の鞆の浦(とものうら)であるのだが、実は、数週間後に鞆の浦に行って、イベントに出席(というか当事者)することになっているため、ドラマが話題になることを予測して、あらかじめ勉強しようと思ったわけだ。そして、現在、ドラマ放映が進行中なのだ。

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以前、鞆の浦には行ったことがあり、ドラマの中の永田家のあたりは、海沿いできわめて細い道で土産店とか坂本竜馬がいろは丸衝突沈没事件の賠償交渉を行った場所などが並ぶ。有史以来の天然港であり、一方で、海岸道路の設置で地元の意見が「観光か生活か」で分かれている。

そして、一冊読んで、本の内容には、少しショックを受けたのだが、もっと大きなショックを受けたことがある。

ドラマでは鞆の浦が舞台なのだが、原作では鞆の浦の「と」の字も出てこない。

だいたい現在第六話あたりを進行中だが、そのあたりは原作にはないことが多い。

原作は、永田家の祖父と父、父と息子、橋本家の父と息子の3組5人の男の物語なのだが、うち二人は幽霊で二人は幽霊もどきである。幽霊はホンダのオデッセイというワゴン車を自由に運転して時空間を移動し、男たちの自分史上の失敗をなぞっていく。そして、タイムマシンの様に過去の中に永田一家をおきさりにしたりする。

で、タイムマシン小説の定めである「未来を変えてはいけないが、一つくらいは例外がある」という方向に進んでいくわけだ。

なぜ、オデッセイに乗るかということだが、ギリシア叙事詩であるオデュッセイアにつながるからだ。海外の戦争のあと勝者であるオデュッセイアは、さまざまな複雑な事情が起きて簡単に故郷に帰ることができず、長い長い旅路の末、へとへとに消耗して帰還する。車種に名前が付いたのも、へとへとの旅をイメージしてのことだろう。本作はタイムマシンの旅。

そして、原作では、ちょっとパッとしない結末に進むのだが、それではTBSの視聴者は怒り狂って次のドラマを観てくれないだろうから、巨大な不幸か巨大な幸運を予感させるように書き直されるのではないかと思うのだが、巨大な不幸で終わるテレビドラマというのは基本的にありえないのだろうと推測する。

ところで、重松清氏は岡山県出身ということだ。倉敷に近ければ実家の撮影にでも行こうかな。県内出身の三人目の有名小説家(小川洋子・あさのあつこ・重松清)ということになる。

17ヶ国語共通マニュアル

2015-02-16 00:00:26 | 市民A
ニコンの望遠ズームレンズを新調する。今までは、オート非連動のレンズでデジカメなのに、絞りとシャッター速度を頭の中で計算していたのだが、やはり面倒だ。しかも、望遠系となると、手ぶれを防ぐために三脚などが必要だったのだが、最近は手ぶれ防止機能が搭載されているレンズが主流だ。そして、ネット上で信用できそうな店舗を探して注文すると、翌日配送である。

そして、本来は、このレンズの使いやすさをレポートすべきなのだが、夜なので、自宅の窓の前のラブホテルくらいしか被写体が見つからないため、別のことを書いてみる。

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使用説明書である。表紙を見て気付いたのだが、1冊の中に17ヶ国語で描かれている。かなりの手抜きだが、まあ、メーカーにも都合があるのだろう。

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そして、この17ヶ国語だが、何語だかわからないものもある。ということで、何語で使用説明書が書かれているかを解読してみようと思い立つ(実際、何の意味もないのかもしれないが、こういうつまらないことにも真理が含まれることがある)。

右端に上から並んだ略号が言語を意味している。

まず、すぐにわかるもの。

Jp=日本語、En=英語、De=ドイツ語、Fr=フランス語、ES=スペイン語、Ru=ロシア語、It=イタリア語、Gr=ギリシア語、Cz=チェコ語、Kr=韓国あるいは朝鮮語

この10ヶ国語は簡単だ。

この段階で、ギリシア語というのが、まるで仲間はずれなことがわかる。そしてロシア語。ギリシアは欧州の故郷と言われるが、・・


不明なもの。

Sv、Nl、Sk、Ro、Ua、Sc、Tcの7か国後が不明だ。
で、捜索の結果、Svはスウェーデン語、Roがルーマニア語、Sk=スロバ二ア語、Nl=オランダ語まで到達。あと3ヶ国語。

UaとScとtcである。

Uaは、ロシア語に似ている。もしかしたらロシアの代弁者と交戦中の国かな。

このあたりで、国・地域コードとか言語コードというのがあるのがわかる。

http://onlinehelp.microsoft.com/ja-jp/bing/ff808526.aspx

これで、未解決の問題はすべて解決かと思うが、ウクライナ語はuk-Uaとなっている。
なぜ2種類あるのだろう。もう国家が分割してしまったと宣告されたのか。セルビア語もsr-CSと二連型だ。この型落ちのレンズが発売された頃はUaだけでよかったのだろう。

そして、ScとTcの二つ。どちらも漢字であるが、Scは簡体字だ。そしてTcは繁体字。だいたい、このややこしい話が見えてきた。Scは中華人民共和国、Tcは中華民国。Sino-ChinaとTaiwan-Chinaだろう。

そして17カ国が解明できた時に思った疑問だが、アラビア語圏をはじめ、インドネシアやマレーシア、アフリカ諸国のようなイスラム国家が除かれていること。もしかしたら、このレンズ自体が何か宗教的問題を持っているのだろうか。あるいはカメラ自体に何か不愉快な意味が・・

少し調べてみるも、よくわからない。女性を撮影することはマズイらしいが、望遠レンズというのがいけないのだろうか?

プライベート・ユートピア ここだけの場所

2015-02-15 00:00:29 | 美術館・博物館・工芸品
岡山県立美術館で開催中(~2/22)の『プライベート・ユートピア ここだけの場所-ブリティッシュ・カウンシル・コレクションにみる英国美術の現在』と超絶的長さのタイトルの美術展に行った。カウンシルとは議会みたいな言い方で、国会図書館みたいなところが美術を集めているのだろうかと思ったが、どうも文化評議会みたいな組織らしい。日本にも、官民いくつかある。つまり、簡単にいうと「英国現代美術展」ということだろう。

現代美術は世界のあちこちにあるのだが、思うに日本もかなり先進的かつ大量に発信しているのだろう。多くの作家をカテゴリーにはめて総称するのは愚かであるが、各国別の雰囲気は、米国=商業主義の香りが強い。日本=多様性があり、立体アートが得意。さらに芸が細かい。中国=原色的で、ビデオの使用が多く、うるさい。欧州=成熟の反面、ちょっと暗い。といったところだろうか。

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英国は、もちろん正統性を重んじる国なので、なんとなく落ち着いている(岡山の人は、あまり現代美術をみていないだろうから、そう思わないかもしれないが)。空間を使った超巨大作品は出展されていない。妙な音を発する装置はある。

ということで、どうも英国人の考えは理解できないのだが、歴史を重んじるといっても、代表する文化といえば、シェークスピア、ビートルズ、007と、まったく伝統とは違うものである。

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案外、伝統主義のカウンターカルチャーが一流なのかもしれない。日本の場合は、最初からすべての芸術がカウンターカルチャーでできあがっているような気がする。

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そして、岡山での特別企画として、『忘れられた器たちの棲家』という作品が人気になっている。どうも、自宅から古い(あるいは、自慢の)器を持っていくと、ある期間、この棚に展示されるようだ。ちょうど、小学生の少女が、自分の器の展示期間が終わってしまい、残念!というリアクションを演じていた。

もうすぐ、終わってしまうのだが、何か展示できるものが自宅にあったかと思いめぐらしてみたが、以前、市民講座で焼いた(ニセ)縄文土器に思い至ったのだが、高さが60センチもあるし、地面に差し込むように先が尖っているので棚には向かないだろう。下津井海岸で拾った破損している蛸壺も、どうみても、そのまんまにしか見えない。器としては仲間外れになるのだろう。

将棋魔法陣3回目の補正かな

2015-02-14 00:00:41 | しょうぎ
二上達也氏の『将棋魔法陣』が発売。限定1000部の予約である。買いたい人が多数いるようなので、予約は遠慮したのだが、『将棋魔法陣』は、1953年(昭28)に発表されている。1932年生まれなので、まだ21歳の頃だ。

その後、1974年(昭49)に、いわゆる野口文庫(野口益雄氏発行)で再版をなしていて、さらに2年後の1976年に第二版。44歳である。この時の第二版(つまり三回目)を持っている。

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あとがきの中で、「(原本には)三割五分に及ぶ不完全作、キズ物の山また山である。・・・全く新題に入れ変(ママ)えようかと思ったところもあるが、・・・」となっていて、結局は、原作を生かした修正を行ったと書かれている。

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重ねて付記として「2題および番外2題の計4題にさらに余詰があったので再修正」という内容を書かれている。

今回の修正では、修正困難作もあったという話を聞いている(買えばわかるわけだが)。

ところで、昭和51年版には裏表紙に鉛筆で1200と値段が書かれている。39年後の新刊は税抜きで4800円である。ちょうど4倍だ。39年で400%になるには複利率を計算すると、年利3.7%となる。アベノミクスのインフレ目標値よりもずっと高率である。

そして『魔法陣』のこと。実は、『魔法陣』と『魔方陣』と似ている言葉がある。さらに混用も見られる。まず最初に数学的魔方陣。正方形のマス目の中に1から順に数を入れ、縦横斜が同じ数字になるパターンである。案外『将棋魔法陣』は1問から81問まで初型の玉配置が全格になっているので、数学的魔方陣になっている可能性があるかもしれないと、今、これを書きながら推定している。

もう一つの魔法陣は、魔法を使うための図形、あるいはその図形が置かれた空間を意味する。もちろん魔法陣だけではなく呪文も必要だ。占い師や、宗教家がよく利用する。小学生の頃、数学的魔方陣も魔術的魔法陣も一生懸命作っていたことがある。どちらも詰将棋創作と同様に、「作ればいい」ということではないわけだ。二上先生の書籍は「魔法陣」になっているのだから、全81格をイメージする必要はなく、それなら「魔方陣」の方がいいようにも思える。


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と、ここまで書いてから、心配になって将棋魔法陣の番数と初型玉位置を書きだしてみた。というか、書き出してから本書に書かれていることに気づいた。タテヨコナナメがすべて369になっている。やはり魔方陣になっている。しかも本文の中で、魔法陣に配置したから本書を魔法陣の名にした、というように書かれている。すると、二上先生の魔法陣と魔方陣の混用は当初から発生していたようである。

さて、1月31日出題作の解答。

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17手詰。

飛車の限定打がある。

動く将棋盤は、こちら


本日の出題。

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見るからに合駒選択問題。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数を記していただければ正誤判断。