万引き家族(2018年 映画)

2020-06-30 00:00:03 | 映画・演劇・Video
一家総出で万引きをするほど貧乏な国の窮状を訴える映画ではないわけだ。もちろん6人の一家が、不思議なことに家族のふりをしていながら、血縁関係なし。大人4人は、それぞれ小悪事を生活の足しにしているが、もっと重い罪を犯している。

6人には、うっすらと貸し借り勘定があって、家族的な温かさは感じられる一方で、打算的な損得を引きずっている。

つまり、家族とは何か。重すぎるテーマだ。

困窮しているのだから小さな罪は許されるべきだ、という論理では、どこまでが許されるのか。いや、許されることはないと思うのだが、奇妙なことに映画を観てしまうと、許されるような気がするが、ほぼ許されないレベルの犯罪が次々に明らかになっていく。

リリー・フランキーとか安藤サクラとか、いかにも小悪党役をやらせれば絶品だろう。

徳川吉宗(井口朝生著 歴史書)

2020-06-29 00:00:09 | 歴史
調べたいことがあって、徳川吉宗の時代の江戸を調べていた。といっても家系調査の結果、先祖を辿ると吉宗に行きついたということでは、まったくない。それなら、いまどき、「德川」の名を利用しまくって巨万の富を得ているか刑務所にいるか二択だろう。

単に江戸の街のことで調べたかったことがあった。



ところが、読んだ本は、どちらかというと、裏話的なことが多く、それなりに面白い。戦国時代という混沌の時代の結果、徳川政権になったのは、現代につながる大イベントで、そうならなかったら、違う国になっていた可能性が高い。あるいは崩壊かもしれないが。

江戸になってから、日本の方向を変えた(あるいは変えない)人物の最大級が吉宗ではないだろうか。結局、政権として、吉宗の時に、新秩序ができて、その後、波風はあったものの幕末まで耐え忍んで、力尽きた。(こんなことは、本には書いてない。)

ニセ役人とか天一坊とか結構、時代劇的な事件がたくさんあった時代であり、その結果、大岡忠相というスターが生まれたといってもいいだろうか。

これも本には書かれていないが、現在の国立公文書館の前身の一つである紅葉山文庫は、そもそも将軍の学習用の資料室のような性格の場所で、勉強好きの吉宗は、生涯に大量の蔵書を読んでいたそうで、それを記録に残していた。その結果、後代の将軍は、吉宗と比較されるのが嫌なもので、ほとんど書物を読まなかったそうだ。

これは本に書かれているが、実際の吉宗は、最も好きなことは「鷹狩り」。二番目が、「大勢の側室との夜伽」。そして三番目が「勉強」だったようだ。

現代で言うと、ゴルフ、フーゾク、カルチャーということだろうか。

明治・大正・ハマの街

2020-06-28 00:00:14 | 美術館・博物館・工芸品
横浜市歴史博物館で会期変更の結果、現在開催中の展覧会に行く。副題が「新市庁建設地・洲干島遺跡」となっている。



どういうことかと言うと、まず横浜市の市役所を立て直したわけだ。正確に言うと、建て増し。日本で一番立派な市役所ができたわけだ。現在は関内駅の近くだが、一駅ずれて桜木町駅に近い場所に移転。

その建設移転地が「洲干島」と言われる場所だ。「しゅうかんじま」と読むそうだ。いかにも干潟地だったような地名だが、開国後は開発され、洋館などが立ち並ぶ街であった。

関東大震災などで壊滅した場所なので、こわれた建物を片付けて上に建物が再建されたのだが、多くのものが地中に埋められたままになっていた。



そして、結局大開発で地面に巨大な穴を開けたわけで、数多くの発掘物が陽の目を見ることになった。

ビール瓶をはじめ食器類や建材、土管などが発掘されたようだが、パンフレットには書かれていないが、かなりの面積をとって展示されていたものがある。



便器。

さすが文明開化の発信地だ。装飾便器が数多く出展されていた。撮影可だったので、何枚か写してみたが、現代ではあまり見ないような便器芸術だ。

陶器だけでなく磁器製の便器もある。装飾も派手で、早い話が壺や大皿と同じだ。

染付もある。染付古便器と言われるそうで、古便器の芸術性を研究する人もいるそうだ。学会はないそうだが、出版物もあるようだ。

まあ、何を研究するのも個人の自由だが、自分的には抵抗感がある。それも縄文時代の便器なら研究結果は重要な文化発掘だろうが、明治や大正の便器では、なんとなく生臭い感じがある。大腸菌を採集して乳酸飲料を作るとかできるのだろうか。

タイトル戦で必要なもの

2020-06-27 00:00:48 | しょうぎ
藤井聡太七段が棋聖戦五番勝負と王位戦七番勝負の挑戦者となった。

ところが、タイトル戦が続くのに、藤井七段は和服を二着しか持っていないそうだ。師匠の杉本八段からのプレゼント品だ。師匠からすれば、あと二着は藤井七段が買い揃えて、合計四着あれば、どうせ負けないのだから七番勝負でも足りるだろうということだろうか。

とはいえ、既に遅すぎるかもしれない。いかに効率的に戦ってもダブルタイトル戦では、3+4=七番は指さないといけない。すでに一局は終わっているので、残りは6番。二着ではいかにも足りない。三着はほしい。もちろん全勝できなければ対局数は増える。

名案がある。

ベテランといわれる元タイトルホルダー、永世名人たち、元強豪棋士たちは、もう着用することもないだろうから、彼に和服セットを寄付(あるいは低額譲渡)したらどうだろう。ベテランといえども、「来年こそは復活してタイトル戦登場のチャンスはあるかもしれない」と希望を持ち続けたいのなら、とりあえず1年間和服レンタル貸しという方法もある。


さて、6月13日出題作の解答。





初手は銀。角は残さないといけない。飛車を捨てて▲8二角の王手のあと、香を取って、離し香。全部手筋の組み合わせなので、迷わなければ一気に最後まで見えてしまうだろうか。

動く将棋盤は、こちら。(flash版)

gif版。



今週の問題。



詰将棋パラダイス本誌の今月の課題応募作として『ストレート』というお題が出ていて、なんとなく作ったものの、その概念や手数が、選者の意図とまったくかけ離れているのは確実のため、恥ずかしながらこちらに出してみる。

題して「疾走」。

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見を記していただけば、正誤判定します。

最中(さいちゅう)なのか最中(もなか)なのか

2020-06-26 00:00:14 | あじ
最中という漢字を、「さいちゅう」と読むか「もなか」と読むかは、日本語の難問題の一つだが、あえて混同した菓子がある。



岐阜市の柳ヶ瀬といえば、今年はウイルスで話題だが、本来、織田信長の出世城である岐阜城のお膝元だ。柳ヶ瀬にある「起き上り本舗」という和菓子店の看板名菓が『起き上り最中』だ。

由来は信長に関する史実に由る。

岐阜城に登るのは一苦労なのだが、天守閣は山の上にあり下界には長良川が見下ろせる。いかにも難攻不落の城である。しかし、地理的に信長の本拠地の清洲から天下統一のため京都に向かうには、どうしても斎藤氏を打破して突破しなければならない最初のバリケードだった。東京駅からディズニーランドに電車で行こうとすると、最初の難関が予想外の場所にある京葉線のホームに辿り着くことであるのと同じだ。

実に5年間で7回も攻撃し、そのつど失敗していた。家来には、失敗したとは言わず、「我まさに、起き上がり最中なり」と言っていたそうだ。つまり七転び八起きの途中だ、という意味だ。もちろん大将だから言えるわけだ。途中で討死にした家来は文句が言えないし、生き残っている者だけを励ます言葉だ。

そして、ついに八度目の戦いで、岐阜の地を手に入れることができた。

という故事に基づき、「さいちゅう」を「もなか」と読み直して菓子にしたわけだ。

実は、伝統的には「もなか」よりもずっと以前から、「ダルマ」として商品化されていたそうで、故事→ダルマ→モナカと変異したようだ。



大粒の栗入り最中で、実はダルマのように起き上がるかどうか、何度も実験しているうちに外皮が破れてしまい、浅野内匠頭由来の東京銘菓「切腹最中」のようになってしまった。



なお、栗入りではなく、小豆、抹茶、金団といった製品もあるので入手の上、転がしてみたらどうだろうか。(実は、180度回して逆立ち状態で指を離すと、元の状態に戻る。たぶん完全起き上がり最中は作れるのだと思う)

十代の少年の指に全員が乗っかる図

2020-06-25 00:00:20 | しょうぎ
藤井聡太七段が棋聖戦に続いて王位戦の挑戦者に決まる。8つのタイトル戦のうち、早くも二つを手に入れる可能性がある。

そもそもデビュー以来29連勝という信じ難い記録を打ち立て、勝率は8割を超えているのだからいずれこの日が来るだろうと思っていた(当たり前だが、全棋士の平均勝率は5割ちょうどだ)。コロナ禍の中で、対局係が英知を絞って彼のためのスケジュールを作ったのだろう。



たまたま、少し前に所用で千駄ヶ谷の将棋会館に行った時に、敷地の入り口にポスターが二枚あって、一枚は江戸初期から続く伝統ある名人位を争う名人戦のポスターだが、もう一枚は藤井七段の写真が用いられた子供用の将棋練習グッズのポスター。要するに、彼の写真が玄関前にほしかったのだろう。ここに対局に来るプロ棋士は、すべて写真を拝んで入館することになる。

つまり、彼のお陰で、新しいトーナメントや解説会や、棋士が関与している将棋センターの実入りが良くなったり、波及効果が絶大なはずだ。

男性棋士、女性棋士、将棋連盟社員、関係者を含めれば250人ぐらいの所帯だが、その存亡の命運を最も年齢の若い十代の若者の指にたくしているわけだ。

あまり、そういう先例を知らないが、確かフランスとか長崎県にそういう史実があったような気がするが、縁起でもないので忘れておく。

ラ・ラ・ランド(2016年 映画)

2020-06-24 00:00:11 | 映画・演劇・Video
映画を観て、いろいろと評論的なことを考えたり、ストーリーに一部に無理があるとか非現実的とか思いつく人には向かない映画だと思う。

とにかく楽しいミュージカルと割り切ればいいのだろう。おそらく監督のデイミアン・チャゼルは楽しいミュージカルを作ろうとしか考えなかったはず。映画界の人間ではなかったから、「ミュージカル」という陽の当たらなくなったジャンルを選んだのだろう。

ただ、ふと思うと、この映画、ミュージカル仕立てにしなくても普通の映画でも撮れたはず。主演の二人(エマ・ストーンとライアン・ゴズリング)とも、歌やダンスがきわめて上手いということでもないわけだ。案外、上手くないから主演になったのかもしれない。完璧主義が成功するわけでもないわけだ。

それと、歌やダンスや夢のシーンがないと、結構、シリアスな結末なのかもしれない。もしかして続編あり?

なお、主演のエマ・ストーンよりダンスが上手なルームメート役を演じているソノヤ・ミズノさん。この映画の後、徐々に大作への主演が増えている。日本でも昨年からCMへの出演で有名になっているが日本生まれで英国育ちだそうだ。日本語が上手ではないので日本映画には出演しないと思われるが名前を記憶しておいたほうがいい。


ところで、『LA  LA LAND』の意味だが、撮影がロスアンジェルス(LA)で行われたからだそうだ。日本で言えば、大船撮影所ならオフ・オフ・ランドだ。蒲田ならカマ・カマ・ランド、京都にはウズ・ウズ・ランドもある。

去年の今ごろ

2020-06-23 00:00:20 | スポーツ
もう、一年も経ってしまったのだが、昨年の今ごろ、五輪のチケット抽選があった。第一回目。

一回目では3種目、二回目で2種目。残念ながら(当時はそう思った)、室内ではなく屋外競技だった。当選後、VISAカードでの支払いを行い、私の銀行口座から引き落とされた現金は今どこにあるのだろうか。



森氏の組織?小池氏の組織?というか東京都?IOC?

総額はよくわからないが900億円という説がある。東京都の持っている現金が9000億円からほぼゼロになるとの報道もあるのだが、チケット代金900億円が残高に含まれているとしたら大問題だ。

座席数の間引きが必須のようだが、屋外競技であるので屋内競技よりも間引き率は低いと思うのだが、どういう基準で決めるのだろうか。しかし、間引きということになれば、間引きされた人のチケット代を返さないということにはならないだろうが、東京マラソンの例もあり、「次の五輪の時に優先的に使えます」というようなことにはならないでほしいが、なんとなくあるような予感もする。

輝ける闇(開高健著)

2020-06-22 00:00:41 | 書評
闇シリーズ三部作といわれるが、直接的にシリーズとして書かれているわけではないように思う。しかし、著者が「闇、闇、闇」と三作に使ったのだから、内面では繋がっているということかもしれない。「輝ける闇」と「夏の闇」の二作は平成7年頃に読んでいて、再読である。再読してもまったく覚えていない本もあるが、本作はかなり記憶に残っている。

何しろ従軍記者であり、かつ戦況を現地の支局で書くわけではなく、戦場やサイゴンの市街の毎日の生活の視点で、ベトナム戦争を描くというスタイルで活動していたため、危険でも街中に出て、街の裏側の情報を探し回らなければならない。戦場にいっても、前線をうろつき回る。

ただ、あくまでも南ベトナム側からの取材であり、いわゆるベトコン側からの取材ではない。アメリカは第二次大戦後も朝鮮半島、ベトナム、中東と、徐々に目的のはっきりしない戦争に突き進んできた。折しも現大統領が世界から引き揚げるようなことを口に出し始めているのだが、ベトナム戦争で亡くなった兵士たちに同情したくなる。

文学なのかルポなのか。本作や横光利一の「上海」といった作品についての評価は、いつまでも定まらないような気がする。

本作の中に登場したマーク・トウェインの「アーサー王宮廷のヤンキー」、開高健は英語で読んでいるようだが、日本語版で読んでみたくなった。

江戸から東京へ、浮世絵にみる「時」の移り変わり

2020-06-21 00:00:15 | 美術館・博物館・工芸品
川崎市の浮世絵コレクター斎藤文夫氏のコレクションを展示する小型の美術館が昨年12月に新装なったのだが、運悪く開館のすぐあとにコロナ禍となり臨時閉館を余儀なくされ、当初の予定より2ヶ月間延長されることになり、足を運んだ。(6月14日に展示終了)。

斎藤氏は参議院議員を二期務めるなど、市政、県政でも活躍され、一方で集めた浮世絵コレクションは4000点、時価7億円ということで、91歳にもなり寄託先として川崎駅そばのリバークビルに川崎浮世絵ギャラリーが新設された。

edo


幕末(1840年ごろ)から明治維新をはさんで明治中期までの代表的絵師の作品を鑑賞できる。

国芳、北斎、国貞、広重などが江戸の街を美しく描いている。実際、今の東京と幕末の江戸、どちらが美しい町だったのだろう。

suruga


特に気に入ったのが、歌川広重『東都名所 駿河町之図』。三越の前からは富士山と江戸城が見えたそうだ。付け加えると江戸城の天守閣は1600年台に焼失したままになったので、江戸城の矢倉とかが見えたということだろう。江戸城再建計画は宙に浮いたままになっているのだが、都知事選挙では誰も触れていない。都庁が立派過ぎるから江戸城を作る気にはならないのだろうか。(江戸城に住んでいたのは将軍で、都知事にあたるのは、南北の町奉行)

ところで、広重だが、以前は安藤広重と呼ばれていたが、現在は歌川広重と呼ばれる。そもそも本名が安藤重右衛門、号が広重で師匠が歌川豊広なので、歌川広重が正しいということになる。安藤広重では本名と雅号が混ざっている。

北斎の描く富士もいいが、広重の富士もいい。較べるようなものではない。

飛散防止シールド

2020-06-20 00:00:17 | しょうぎ
休止中の将棋教室の再開準備開始ということで、新様態の研究をしている。一般的な消毒とか換気ということの他に、将棋特有の問題が、対局時の相互距離が近いことによる飛沫感染と用具の消毒、それと感染者発生時の濃厚接触者(≒対局者)の特定。

その中でももっとも難しいのが、飛沫感染防止策。マスクの効果は限定的なので、必要なのが対局者間の距離と飛沫防御策。

まず距離だが、2mは物理的に無理で、将棋道場によってはマスク+1mという方法のところもある。実は、これは大人でも限界的なのだ。1mを確保するには1mの机(50センチ×2でもいい)だが、盤の縦幅が36センチなので机の中心(=50センチ)より18センチ先まで盤があることになる。つまり68センチ手を伸ばす必要がある。一方で、両手のスパンは身長とほぼ同じということが知られていて、170センチの人は肩幅が40センチとすると、手の長さは、(170-40)÷2=65センチということで、同じぐらいだ。

小学校1年生の身長は平均で120センチ。肩幅25センチすると、手の長さは47.5センチ。60~70センチのテーブルが限界。

となると、ビニールシートなどで区切らなければならないが、完全に区切ると手が相手側に入らなくなる。ということでどうするか。NHK杯では口の高さから下が全開のシールド装置映像が流されたが、観た人はどう思うのだろうか。

zairyo


ということで、プロトタイプを百均用品で作ってみた。一回作ると、改良点がいくつも見つかるのだが、恥ずかしいので画像は見せないが、A3サイズの透明シートを適当な高さ(例:10センチとか)で立てることができる。メリットは安いことと透明シートの大きさを任意に拡大することができること。

並行して外部製品の調査をしていて、少し嵩張るも、よろしそうな製品も発見した。

もっとも、第二波がくれば、教室に来る子はいなくなるので、休講が決定的なわけだ。

将棋教室分校(など)です。問題更新。Please Click! ↓




さて、6月6日出題作の解答。

0620k


0620kk


いかにも合駒選択させたうえ、合駒が動き、きれいにさばけて終わるということだが、毒も薬もないとも言える。もっとも薬がない場合、毒がないのがなによりというのが現実なのだからそれでいいのかな。

動く将棋盤は、こちら(flash版)。

gif版。
0620g



今週の問題。

0620m


手順がすべてなので、逃げられないように気を付けて。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ、正誤判定します。

ラーメンシンフォニー状況

2020-06-19 00:00:25 | あじ
最近、調査のため少し街を歩いている。暑い中を歩いても調査結果ははかばかしくなく、何をやっているかすら怪しい。成果がないので、目的を書きようがないのだが、川崎に行った時にちょうどお昼だったので、久しぶりに駅地下(アトレB1)のラーメンシンフォニーに行ってみた。シンフォニーというのは駅のそばにシンフォニーホールがあるからだろう。美しいホールだ。

全国から5店のラーメンチェーンを選りすぐっているとのことだが、実は一点が閉店になっていた。コロナのせいなのだろうか。

入ったのは静岡県に本店がある大山(だいさん)という店、3回目かな。

『ぶしとんこつらぁめん』という鰹節と豚骨スープ味のラーメン900円を注文。

席は一人ずつあけて座るようになっているが、これでは売り上げ半分にしかならないし、そもそも列もなく、席の半分しか埋まっていない。つまり売り上げは1/4ということだろうか。まあ、再出発の第一歩と考えるしかない。

busitonk


客数が少ないからか、ラーメンの盛り付けは非常に丁寧で、従業員の方はフェースシールド着用。実際にはマスクよりも楽なのだが、飛沫を飛ばすのは防げるが、空気を吸い込むことに関して言えば、効果は少ない。

鰹節はスープを取る時には使われず、ラーメンの上にパウダー状の鰹節が盛られ、自分で混ぜて食べることになる。麺は細麺で固め。豚骨スープは、濃厚で塩辛さも抑えられている。あまり早食いして店を出ると、店頭が寂しくなるので、ゆっくりと食べてから店を後にする。

隣にある閉店と書かれた貼り紙を見ると、「取材拒否の店」として有名な「いちや」だった。後で調べると(有)アールズダイニングというチェーンに所属しているのだが、社のホームページを見てもこの川崎店は閉鎖とは書かれていない。閉鎖の事実を記載しているのはラーメンシンフォニーのある川崎アトレのホームページだけで、6月1日から閉店と書かれているだけ。少し不思議だ。取材拒否の店だけある。

必死剣 鳥刺し(2010年 映画)

2020-06-18 00:00:35 | 映画・演劇・Video
なんとなく題名から、アニメの原作焼き直しかなと思ったのだが、そうではなく、かなり重いテーマの映画だった。なにしろ、次々に殺人鬼のように斬りまくったりはしないわけだ。

東北の小藩海坂藩の藩主は美形の側室に骨を抜かれ、さらに経済破綻しているにもかかわらず側室の言うなりの華美な生活を続けていた。そもそも正妻は江戸にいるわけで、良家の子女ということで殿も堅苦しいし、小藩では江戸での肩身も狭い。本領に戻った時に羽根を伸ばし、側室は品が悪く脳も弱い美形を選ぶというのが、よくあるパターンだ。海坂藩には限らない。幕府もそういう関係で生まれた諸藩の馬鹿息子が跡取りになることで、藩の弱体化がはかれるということになる。

藩内は荒れ果て、ついに藩士兼見三左エ門は側室を殺害することにした。剣の達人である兼見は一突きで絶命させる。

つまりなんとなく陰惨な感じでスタートする。そして、死を免じられた兼見は底流に陰惨さが流れる中で、藩内の陰謀の中に組み込まれていくわけだ。

主演は豊川悦司。どうもこういう運命にもてあそばれるような役に選ばれることが多いような気がする。私生活でも酒を飲んでも乱れないような雰囲気があり、付き合いにくいのだろうか。

結論的言うと、エンディングで観客の気持ちを慰めるようなものがないわけだ。悪が勝ち善が負ける。救いのないシナリオだ。原作は藤沢周平ということだが、原作とあらすじが異なるのだろうか。

なお、将棋にも「鳥刺し戦法」というのがある。将棋愛好家でも知らない人が多いと思われる。「雀刺し戦法」というのは立派な定跡があるが、「鳥刺し」は実戦で見ることはほとんどないレア戦法で、盤の端の方に攻撃勢力を集中させて突破する作戦だが、成功しても盤の端の攻撃なので、勝負に勝てるかどうかは別問題だ。そういう意味で本映画と同じだ。鳥刺しには成功したものの・・

船長!またですか

2020-06-17 00:00:57 | 災害
横浜港大桟橋に停泊中だった「飛鳥Ⅱ」が6月16日に出火し、同日午後鎮火した。原因はまだわかっていないが、新型コロナ対策中ということで、工事関係か、消毒用のアルコールに関係するかもしれないという説もあるようだ。

ところで、このクルーズ船には通常の船長の他に、もう一人名誉船長という方が決まっている。

加山雄三氏(83)。

10年ほど前に名誉船長に就任し、毎年「若大将クルーズ」といってディナーショー付きの3日間のショート・クルーズが行われていた。

2020年も7月20日17:00から7月22日の09:00までの3日間(40時間だが)。横浜発横浜行の旅であったが、5月7日に中止になっている。

氏は、2年前には、自身の終の棲家と考えていた光進丸を船火事で失い、高級ケアハウスに移住しているそうだが、またガッカリ事件が起きてしまったということかもしれない。

今現在、今回の火事について氏のコメントは出ていないようだ。


ところで、この飛鳥Ⅱだが、船齢は非常に古いが「電気推進船」という革新的な構造の船なのだ。船は船尾にプロペラ(スクリュー)があるため、伝統的にその回転軸の延長上にエンジンを置いて、直接エンジンの動力を機械的にプロペラに伝える必要があった。自動車の動力も長い間エンジンの動力をシャフトを使って直接にタイヤの回転に伝えていた。電気自動車が現れて、常識が一変した。

電気推進船とはエンジンで発電機を回して、その電気でモーターを使ってプロペラを回すという方法で、発電機とモーターの間は電線で繋ぐため、場所が直結ではなく離れていてもいいということで、古くは軍艦。最近はクルーズ船に積極的に使われたわけだ。軍艦の場合は、そもそも戦闘目的優先の設計が必要だし、原子力潜水艦に限らず潜水艦はモーターとバッテリーで動く。クルーズ船は上級な客室ではエンジン音が聞こえないようにするために、エンジンは客室から離れた場所に任意に配置できるわけだ。

問題としては、船の機関士はエンジンには詳しいが、モーターにはあまり詳しくないという点だが、今回の火事とは関係ないと思う。長期停船の時は、船内で発電しないで、陸上側から電気を買うのが一般的だ。

一日仕事が三日かかる状態とは

2020-06-16 00:00:31 | 市民A
C国の首都の卸売市場で陽性患者がクラスターになったことで、市場内にいる無関係な人間ごと鉄の檻で取り囲んでしまった画像が流れていたが、その少し前に、一応の収束があったとして、規制が大幅に解除になっていたと報道されていた。が、その裏側に各種の規制があって、結局は相当の制限があったらしい。

それは監視社会だからこそだが、どこかに感染者Aさんが見つかるとすると、その行動履歴が洗われて、翌日にはAさんの濃厚接触者全員に通知が回って、公安当局が2週間隔離してしまうそうだ。

このため、仕事でAさんと面談した人(Bさん)がいると、乗り合わせた新幹線や飛行機の乗客だけでなく、Bさんが翌日うっかり会社に出かけると、事務所の全員だけでなく、会社が入っているビル全体が強制隔離されることもあったらしい。

このため、アポをとっても、その前日に近くのホテルにとまり、当日Aさんが隔離されていないことを確認してから面談し、さらに勤務先に出勤するのは1日自宅でテレワークしてからにするという三日間コースになるそうだ。

結局、直接会わずにネット上で商談することになりがちになるのだが、うがったみかたをすれば、なんらかの謀略というのは、決して監視されているネット上では準備されないだろうから(ネット上で集めた強盗団というのはあるが、だいたいうまくいかない)、面談行為そのものを規制したいということなのかもしれない。

一方で、再クラスター対策だが、実際、C国でも集団免疫を獲得しているのはほんの一部の地域だろうから、第二波が大都市を襲うようなことがあれば、人心も経済も逆回転をはじめることだってある。一部ではなく全部をロックダウンすることなんてできないからだ。