鬼の住む町

2015-05-14 00:00:19 | たび
鬼といえば、恐いものである。しかも、邪悪の象徴でありながら、人間の形をしている。人間の形なのに、角が数本生えていたり、肌の色は赤とか青とか。つまり、人類の近縁種であり、肉食性で、さらに人肉が大好物ということだ。

実際にはヒグマの方がこわいはずだが、基本的にはヒグマは山の中にいるが、鬼はもっと町に近い所にいて、さらにめったなことには人間に捕まらない。鬼を捕まえた猟師も、あまりいない。桃太とか金太とかいう山賊の首領が鬼の居住地を襲って、略奪行為を果たしと言う民話が伝わっている。

民話の基になるのは、大和朝廷の異民族駆逐作戦の一環なのだろう。

幕末に未来から来た使者「ペリー提督」の似顔絵もどうみても角の生えていない鬼の形相に似ているが、彼の場合、写真でみても鬼のような形相なので、絵師に悪意はなかったのかもしれない。実際には幕府にコケにされたら、鬼のように暴れる気だったらしいが。


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それで、町のいたるところに鬼がいる町、登別に行ってきた。

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駅前や、ICの出口や、地獄谷の入り口などで大勢の鬼が見張っている。町に入ったら、金何万円か、使わないと、帰してもらえないようだ。

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これは、鬼=先住民族=アイヌ系日本人。ということで、少数民族迫害の証なのだろうと、勝手に連想していたのだが、実際には、昭和の後期に、地元復興策として、名所「地獄谷」に住むといわれていた鬼を利用して、地獄まつりのメインキャラクターとして起用したのが最初らしい。といってもまだ、先住民族迫害の疑いは晴れないのだが。

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ところで、人間に近い姿の鬼ではなく、人類の一形態としての鬼というのもいる。「仕事の鬼」とか「鬼コーチ」とか「鬼軍曹」とか。要するに、人間のココロを失って鬼のような餓鬼道を突き進み、仕事を成功させる場合が、「仕事の鬼」コース。同じく非人道的に餓鬼道に従い他人を意のままにこき使う場合が「鬼軍曹」コースだろう。

まあ、どっちも嫌いだ。仕事の鬼だけじゃなく、仕事の虫も嫌いだ。