海軍電信兵戦記(大澤明彦著)

2011-08-31 00:00:30 | 書評
densinheiドキュメンタリーといっても分野は様々だが、極めつけは戦記ではないだろうか。要するに生きるか死ぬか。殺すか殺されるか。また、合理と非合理が混じり合う。

さらに、日本人が書いた戦記というのも、もう著者の年齢的な問題もあり、これ以上は増加しないだろうと思うのである。

さらに言うと、戦記を書き、そしてそれを読むというのは、「生き残った兵士」がいればこそ、ということになる。

まあ、そういうこともあり、毎年、8月には戦記を読もうと思ったのだ。

「海軍電信兵戦記」。

ごく普通の都内に住む青年がいわゆる赤紙によって招集され、海軍電信兵として南方戦線に送りこまれる。そこには、壮絶な悲壮感というよりも、国家存亡の危機という国民の背負った不可解な命題と、それでも生き延びたいという個人の人間的な気持ちが微妙に混じり合うのである。

一介の電信兵は昭和17年夏に召集され、約一年間の日本国内での研修を終え、ニューギニアの近くであるラバウルに向かう。

が、すでに南太平洋は激戦のさなかにあり、米軍機の急襲を受け、ラバウルの滑走路で被弾してしまう。そして病院戦によって帰還するも、再び戦局不利の中、パラオへ向かうも、時局は日本にとって好転せず、結局フィリピンの山中の秘密基地まで転進。

幸いにして、彼は軍隊生活では唯一の発砲はフィリピンで食糧不足に陥った時に、野生の鶏を食糧とした時だけ。

昭和20年8月15日の玉音放送も、通信機器が故障したままで、うまく聞こえず。陸軍からの伝令でやっと武装解除し連合国に投降。

本土に連絡をつけることはかなわないまま、復員船(帰り船)に乗り込む。その際、誤って戦犯容疑をかけられ無実の罪を着せられ処刑されたものも多いと書かれている。

そして、空襲で焼かれた東京で目指す実家で、電信兵は父母や兄弟と再会することはできたのだろうか。全体に押さえの利いた文章でつづられてはいるものの、読者の緊張は徐々にフィナーレに向かってたかまっていくわけだ。

なんとなく、戦記というのも、何冊かは読んでみたいなあと思うようになったのである。

ボルトと同じだった前原の焦り

2011-08-30 00:00:14 | 市民A
民主党の党首が変わり、たぶん総理大臣になるのだろう。もちろん、二日以内に、党が二つに分裂しなければ、ということだが。

選挙に、「馬」と「鹿」が出馬するというのも、笑えない偶然だなあと思っていたし、いまだにわからないままとなった疑問としては、同点二位だったら、そういう決選投票するのかな、ということと、一回目の投票の時にあった不在者投票だが、決選投票の時には、どうなるのだろうと思っていた。

noda


第一回目も第二回目も同じく投票総数は395票だったので、不在者投票の実行方法には何か工夫があるのだろうか。しかし、開票作業の手際の悪さは、この政党の実務能力の欠如を示しているようにしか見えない。どうせ派閥選挙になるなら、投票ではなく、各候補者のまわりに支持者が集合して、観光バスの添乗員のようにカウンターで人数を測ればいい。第二次投票で寝返る人間もよくわかるはずだ。

で、当初の本命だった前原だが三位失格。どうも直前に登場して動き過ぎていたような感じで、フライング一発退場のボルト選手と同じような感じだ。「自分に負ける図」。

海江田氏は要するに小鳩連合以外には票が伸ばせなかったというところだろう。一回目の死に票150票のうち、34票しか上乗せできなかった。

実際、前原より野田が好まれた最大の理由は、短期政権だろうと思われているからだろう。前原本格政権になると長期政権の匂いも漂うし、それじゃ困るというのが人情かもしれない。

もっとも、小沢グループには入閣させようにも、きちんとした人物が足りないようだし、多くは、次の選挙の先にはいないだろう。


ところで、前原とボルトの相似であると書いて思いついたが、紳助と原発の関係というのもあるようだ。

今まで、役に立つともてはやされていたのに、色々と社会の裏側が表沙汰になってくると、一斉攻撃を受ける。紳助だって原発だって、今まで関係者は大儲けしていたはずだ。知らんぷりである。日本人の得意技だ。

笹倉鉄平展

2011-08-29 00:00:42 | 美術館・博物館・工芸品
teppei3東急線沿線の某高級住宅地にある百貨店で笹倉鉄平展が開かれていた。

三十年ほど前に開発された場所で、当時から年収3000万円以上の方々を中心に分譲されていた。「限りなくブルー」というような題名の小説を限りなく売った小説家先生とか、盲目のピアニストの御実家の産婦人科医とかあったような気がする。

で、百貨店のギャラリーには、かなりの数の鉄平作品が並んでいるが、その大部分には、題の他に6ケタから7ケタの数字が小さく書き込まれている。そう、それは即金価格なのである。だから、展覧会というよりも展示販売会といったところである。

teppei2一枚の作品に、「売却済」シールが何枚もついている場合があるが、それは、この作品群がいわゆる版画類であるからだ。といってもそうは見えないところが現代的なのだろう。

ヨーロッパ各地の風景を題材にし、写実的であるとともに美しい精神に特化している。あくまでも描かれる街は美しく、街の裏側に潜む人間の怨念とかは省略される。

で、こういう純粋スタイルの画風に到達するというのも、ちょっとすごいなと思わないでもない。

teppei1ただ、美しい絵が好まれて買われているかというと、実際にはちょっと違うなという感じがしていて、「売約済」シールが集まっているのは、どちらかというと、心象的な題材を取り上げたものが多いように思う。心の不安や、未来の社会へのぼんやりとした不確実性というのが周辺住民(=高額所有者)の心にも芽生えているのだろうか。

最近のニュースの感想等

2011-08-28 00:00:21 | 市民A
バリ島の話ばかり書いている間にいくつかのニュース。その感想。

1.菅総理退陣&民主党党首選挙

 菅直人がやるべきだった最大の仕事は?

 菅:「小沢さん鳩ポさん、私も辞めるので、一緒に引退をお願いしたい」

 小沢:「君こそ次の選挙では落選だから、自動消滅だ!」

 海江田氏による安具楽牧場への投資推薦の過去は?


2.紳助グッドバイ

 今の仕事は、「ビジネスの衣を着たカツアゲ」みたいなことをやっている。
 最近、仲間内での会話。

 「おい。島田紳助みたいなやり方だなあ。」

 「おまえこそ、渡辺二郎みたいなやり方だなあ・・・」

  紳助式ならOKか? 二郎式でもOKか?

  「なんでも鑑定団(テレ東)」続行決定。今田耕司が司会。
  テレビ東京の株主総会で、「”やりすぎコージー”は下品なので中止してほしい」との株主発言を聞いたことがあるが・・


3.人間缶詰

 4年前に電動ノコギリまで使ってバラしたのに、その後、缶詰の処理方法を考えなかったのだろうか。
 完全犯罪までの最後のツメを誤る。


4.静岡新聞整理部

 静岡新聞整理部副部長のAが、痴漢行為。
 池袋まできて、性風俗店で遊ぶ金がもったいなくなり、代わって電車内で痴漢行為を行い、逮捕される。

 整理部副部長というのは、どういう仕事なのか説明がほしいところだ。

 今後はフーゾクライターへの道を歩むことになりそう。


5.川島へ「フクシマ!」と野次を飛ばしたゲルミナルとファン

KAWA


  在日大使を呼んで抗議すべき。

  動画をチェックしても、よく聞き取れなかったが、・・
  決して報道されないけど、海外の一部では、フクシマではなく「Fuckshima」と言われたりしている。

  ガンガン抗議しないと、将来、「Fukushima」という地名そのものを捨てなければならなくなる。竹島問題と同じだ。



前半戦男

2011-08-27 00:00:00 | しょうぎ
なんとなく浮世離れした夏休みが終わり、A級順位戦の結果表を見ると、羽生、渡辺、谷川と2連勝が3人である。渡辺竜王は今年度の成績が11勝1敗ということで、すこぶる好調といったところだ。このまま勝率9割で1年が終われば、今さらながらの2種類目のタイトル奪取ということになるだろうか。というか、羽生王座へのチャレンジマッチもあるし、A級順位戦第三回戦は、両者が当たることになる。

思えば、先の名人戦の第7局。敗れて名人位を失った羽生前名人が、必敗型で指し続けたことと、2003年の王座戦で、羽生王座を追いつめながら逃げ切られた王座戦第五局で、頭金を打たれるまで指し続けた渡辺青年のことが重なるのである。

なんとなく王座戦は泥仕合が続くような予感がある。

で、問題は谷川九段。ここ数年は、序盤のダッシュが目立つのである。4連勝、4連勝、2連勝(今年)。なんとなく、第8回戦の羽生戦で、棋士生命にトドメをさされるのではないかという雰囲気もあったが、この分では助かりそうである。元名人でも引退の時期を逸しズルズルとなったKATO123氏のようにはなってほしくないので、辞める時は、バサッといってほしいものだ。

懸案でもあった詰将棋集も創ったことだし・・


さて、8月13日の出題作の解答。

d12


▲2一飛 △同玉 ▲3一飛 △1二玉 ▲1一桂成 △2三玉 ▲3四飛成 △2二玉 ▲3三竜 △1一玉 ▲1三竜 △2一玉 ▲2二銀 △3二玉 ▲4三と △4一玉 ▲1一竜まで17手詰。

攻守双方が丁寧に対応をしていけば、最終手に到達するはず。あえていえば、初手と最終手に飛車を使うことでなんとなく雰囲気を出している。

動く将棋盤は、こちら

今週の問題。たまには左側展開。

0827


なんとなく、公式的な展開が多いので、嫌味に欠ける点がある。詰め上がりが少し重い感じになる。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数を記していただければ、正誤判断。

バリ島で駆け足(6)

2011-08-26 00:00:56 | たび
バリ島の観光というと、海と大自然ということになり、高原とか段々畑とかに行くのだが、僅かに時間が足りないので全部パス。食い物とマッサージ代に資金を投入。実は、島内にはシティバンクのATMが多数展開されているので、日本の口座に円普通預金があれば、全く不自由しない。また、各種ATMではクレジットカードでのキャッシングも可能なので、これも便利。

むしろ、ドル紙幣を入手することが不便なのと、日本円については、1万円札はニセ札が出回っているらしく、断られることがあった。千円札の方がいいかもしれない。ドル札だって20ドル札が基本だろう。

で、お土産ショッピング。

何と言ってもコーヒー。あちこちで売っている。

coffee


ジャコウネコの糞コーヒーは、高価なのでパス。本当はバリ島じゃなくてスマトラ産のトラジャコーヒーとか雄豆のピーベリーとかキンタマーニとか・・。余ったルピア札を空港売店でコーヒー豆にチェンジする。友人たちの中にコーヒー好きがいるかどうか定かじゃないが、深く考えず、この1年間に訳もなく頂いた数々のプレゼントのお返しに、帰国後、クロネコヤマトの袋に詰め込む。

そして、海塩。日本では多くの塩田が、魚の養殖場に業種転換したのだが、インドネシアでは塩田が健在。実は、買ったのではなく、実は日本だけで有名な某バッグ店のプレゼントなのだが、味見する前に他人にクロネコプレゼントしてしまったら、さっそく電話がきて、「これ、食用?」って。買ったんじゃないので、実は不明。(塩かどうかも不明。もしかしたらボディマッサージ用かもしれないし、粉石鹸かもしれない)。

ナシゴレンの素。要するにチャーハンの素と同じ。そのうち、味見の予定。

fruit


乾き物と言えば、ドライフルーツだが、実は帰り途のシンガポールのチャンギ空港で買おうと思って、最低限としたのだが、あまり口には合わない。ドライマンゴーには砂糖がまぶされている。

試食がないので、バナナロールというのを買ってみて、職場で毒見をしてもらったら、バッシング的。箱を見なければ、誰もバナナ製品をいうことには気がつかない。バナナの薄切りをロールにして乾燥させたものだが、味も食感も、まさに「木の皮」といったところだ。江戸時代末期の大飢饉時代を生き延びた(あるいは息絶えた)日本貧民史を思い出そう。

neko


そして、普通はカエルの置物が定番らしいが、猫とする。今度、漱石の「猫」を読もうと思っているので。カエルは「帰る」に通じ、デフレ国日本では、「おカネが返ってくる」とか「家を出た近親者Xが帰る」とか、そういうことが重要だ。「安倶楽牧場に投資した一億円が戻りますように」とか願いをかける人には最適。私も、一時、投資していたが、何年か前に法人の自己資金比率急減に対応し、サヨナラした。

soap


そして、石鹸。八個入りパックを二つ。計16個入りなので、職場のお土産用に。適当に複数人数で分配されるものと思っていたら、一人のものとなる。何か危険な製品だったのだろうか。あるいは、あまりに不味かったバナナロールのせいか。

帰りのシンガポール航空の機内食は、日本食を選ぶが、日本そばのツユがついてこなくて、それを説明するのに長い時間がかかった。結構、外国人達はつゆナシでソバを旨そうに食っていたのが、オドロキ。

おわり

バリ島で駆け足(5)

2011-08-25 00:00:18 | たび
食べ物について言えば、何食も同じ味を食べ続けるのは、日本人の私にはツライ。どこの国に行っても1週間が限界だ。だいたい会社に勤めていて、数百円の昼食の選択だって、毎日11時半ごろから、あれこれ悩み始める。

で、インドネシアの食事の基本は、米である。何しろ、1年に3回も収穫がある。うらやましい限りである。というか、3回も米を作らないと、農家がやっていけないと考えれば、つらい限りということさえ言える。日本農業だって、農家が二回米と麦を作れば、食料自給問題なんて雲散霧消する、というか遊休地で耕作を始めれば、いいだけだが、穀物価格が下落するのでやらないだけだ。

nasigoren


それで、朝からナシゴレンにする。簡単に言うとチャーハンの上に目玉焼きが乗っている。なぜ、上乗せにするのか。横に置いてもいいじゃないかと思うが、日本の丼物だって、外国人から見れば、同種の疑問があるのだろう。きょうの最後に説明するが、インドネシアの米の堅さとほんのわずかな粘りが、この形を決める。粘っこいと食べにくいし、タイ米みたいにバサバサだと、目玉焼きの重さで壊滅する。

migoren


次の日の朝には、さすがにミーゴレンにする。ミーはヌードル。米粉のそばであるが、ビーフンよりも焼きそばに近い。目玉焼きが乗るのはナシゴレンと同様。そして、島内どこでもフルーツと言えばマンゴーとスイカとパイナップル。日本と比べると、個体ごとの「当たり外れ」が大きい。

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それから、クタ海岸で沈む夕陽を鑑賞しながら食べるのが海鮮バーベキュー。ただし、焼いたものを運んでくる。自分で鉄板焼きをすることはない。というのも、砂浜にテーブルを並べただけの「海の家方式」が多い。

まず、海老。背開きにしているタレはニンニク醤油といった味だが、かなりの甘口醤油を使っているようだ。

ika


次にイカ。肉厚でなかなかいい。刺身には向かないだろう。付け合わせに生野菜がつくが、外の食堂の生野菜は食わない方がいい。何しろ水が危ない。「バリ腹」っていうそうだ。歯を磨くのもミネラルウォーターを使うのだが、これが結構難しい。コンタクトを入れる前に生水で手を洗っていたら、目に相当沁みたので、かなりの量の物質が含まれている感じだ。

sakana


そして、一見豪華が白身魚。鯛の仲間のように思える。食べると鯛の味だが、身離れが悪いので、残骸の山となる。クーシンサイのニンニク醤油炒めは、結構うまい。二枚貝も焼いてみたが、ハマグリだと思う。

mix


地元の舞踊を見ながら、バリ島の料理を1ディッシュにまとめたものも食べてみた。サティ(ヤキトリ)や春巻きなど。ご飯に小魚の佃煮風がトッピングされているが、この店の隣のフィッシュスパをすぐに思い出す。

curri


で、欧米系外国人の多い地区へ行って、レストランに。カレーを食べる。要はカレーが好きだからだ。フィッシュカレー。まったく辛くない。日本のインド料理店の方が、辛さにはこだわっている。でも、まあまあである。米は日本のレベルではイマイチだが、不味くはないし、口に合わないわけでもない。

mac


最後に郊外に車を走らせた結果、マクドナルドに入る。チキンを頼むと、ご飯がついてきた。驚くことに、箸がない。現地の人は、指でつまんで食べている。恥ずかしいので2階席で指めししていると、日本人客が現地ガイドと入ってきて、私の方を見て、「現地の人は手で食べるのですね」とヒソヒソと話している。

でも、指がベトベトすることはない。日本人だって、粋がって高級寿司屋では手でニギリを食べているではないだろうか。コンビニのおにぎりだって手で食べている。それらだって指使いには年季が必要だ。

つづく

バリ島で駆け足(4)

2011-08-24 00:00:44 | たび
バリというと、海。マリンスポーツということになるのだが、残念ながら日本にいるときに目標の減量値に到達しなかったため、海パン購入を断念。もっぱら、海辺人間に徹する。

まず、クタビーチ。インド洋に面している。合わせて、南半球。シンガポールは北半球に属する。実際、海はそう透明でもない。また、ここの夕陽は有名だが、実際は海に沈まないで雲に沈むことが多いそうだ。

プラーベートビーチのあるホテルに泊まればいいのだが、空港の近くのバンガロウ風のホテルに泊まったので、海辺の外来者である。海岸のレストランで夕食を取りながら夕陽の鑑賞ということにする。



そして、海面を真っ赤に染めた豪華なサンセットが訪れる。カクテルを透かしてみたが、カクテルが濁っていた。海のごちそうはバーベキューだが、なんとなく「海の家」の感じだ。レストランのテーブル、椅子は砂浜に置かれている。、



そして、やはり海面すれすれに広がる灰色の雲の中に太陽は消えてしまったのだ。




日が代り、今度は島の東側の海辺。近くに島が見えるが、遠くにも島が見える。方向からいうと、ロンボク島ということになる。




このバリ島とロンボク島の間をロンボク海峡といって、実に水深が深いらしい。そして何気なく見えるこのロンボク海峡


マラッカ・シンガポール海峡の代替。

いわゆるシーレーンという概念で言うと、中東原油は、マラッカ・シンガポール海峡を通過している。仮に、なんらかの都合(海賊、中国海軍)で航行不能になった時は、このロンボク海峡を経由することになっている。そうなるとインドネシアとの関係はかなり重要なものになる。

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海辺の磯では、猫が餌を探している。なにしろ、猫、犬は放し飼いが多い。出会った野生動物は、犬、猫、ネズミ、コウモリ、ヤモリ、キツツキ等。

コウモリは空を飛びながら声を出している。驚いたことにヤモリも声を出す。聞いたことのないような虫の声も聞こえるが、どんな虫が鳴いているのか正体を見破る気にはなれない。知らぬが花。

つづく

バリ島で駆け足(3)

2011-08-23 00:00:59 | たび
断崖絶壁で有名なウルワツ寺院へ。例のように曲りくねった舗装道路を大渋滞の中で進む。現代過去未来が混在する街並。高台の崖の上に上ると、寺院があり、野生の猿の群れの中を注意深く上がると寺院になる。貸し切りタクシー(白タクだが)のドライバーは、家に不幸があったので寺院には入れないと言うが真偽不明。

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石段を上がったり降りたりすると、眺望が開け、そこは東尋坊と同じだった。かなり怖い。猿は結構遊んでいるが、海に落ちたりしないのだろうか。心配してもしょうがないが。

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東尋坊の場合は、自殺者用に「待て!」とか「いのちの電話番号」とか色々看板が出ていて風景が大無しだが、ここにはそういう物はない。もっとも、訪れるのは外国人ばかりだから、わざわざここまできてジャンプする奴はいないだろう。

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寺院から東尋坊の反対側の崖伝いに歩くと、寺院そのものが崖の上に立っていることがわかる。よくバリ島の観光写真になっている場所。観光写真と同じアングルで写すと逆光気味である。観光写真は、かなりの早朝に撮影しているのだろうと、カメラマンに同情。

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日本だと、由緒正しい寺院は、参拝客が増加して、それなりの収入で、由緒正しい建物を建て直し、宝物については別途宝物館を立てて有料拝観料にするのだが、こちらにはそういう概念はないようだ。形ある物はそのまま朽ち果てるということか。バリヒンズーのことはよくわからない。もっとも日本の寺院は石造りじゃなく木造なので、本当に朽ち果ててしまうから建て直すのは致し方ないかもしれない。

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で、疲れた足を癒しに、「FOOT SPA」に行く。噂に聞く、魚に足の角質を食わせる方式だ。最初に足を洗ってから、水槽に両足を入れると、小魚が群がってくる。最初は気持ち悪いが、徐々に慣れてくる。早い話がピラニアだ。魚は全長3センチくらいだが、中には5センチがいて、これが過激だ。強烈に噛むので痛いわけだ。体が大きいから歯も丈夫になり、より大量に人の皮を食うようになり、さらに体が大きくなる。資本主義的というか、政界の首領というか・・

ある程度大きくなると、たぶん除去されて、「くぎ煮」とか佃煮にされるのかな?と思うが、決して確かめることができないだろうから気にしないことにする。

冬の間に毎日尿素入りクリームを踵に塗っていたのだが、ツルツルになっていた。効果があり過ぎだ。

つづく

バリ島で駆け足(2)

2011-08-22 00:00:07 | たび
バリ島の名産を言えば、コーヒーかもしれない。島の中央には高原があり、段々畑でコメの三期作が行われる一方、コーヒー豆が栽培される。

実は、コーヒーの木について誤解していたりして・・

コーヒー工場を見学にいったわけだ。

tree


まず、コーヒーの木を撮影しようとしたら、係の人に笑われる。横に生えている巨木を写そうとしてしまった。もっと小さな木だった。なんとなく、日本でも生垣にでもなりそうなサイズである。よくみると緑色の実がなっている。茶色とか赤い実がなるのかと思っていた。

neko


そして、猫が金網の檻の中にいた。嫌な予感がする。

案の定、ジャコウネコだった。最高級コーヒーと言われるコピ・ルアックの製造工程の中で最も重要な役割を果たす生物である。

ジャコウネコは大変な美食家で、野生では山中に棲んでいて、美味となった果実しか食べないわけだ。その中でも好物がコーヒーの実ということだそうだ。コーヒーの木の中でも美味の豆だけを選んで食べる。そして、タネの周りの果肉を腸内で消化した残りを糞として排泄するのだが、その中に、選ばれたタネが残るわけだ。しかも美食家の腸内の消火液が若干しみこんでいる。

ただし、本物の野生のジャコウネコによるものと、飼育されたジャコウネコでは、舌が違うそうだ。舌が違うとどんな豆でも食べてしまいそうだが大丈夫だろうか。

自宅で飼って、豆を食べさせようかと一瞬、頭をよぎるが、餌代を払えそうもない。

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糞と一緒に取り出した乾燥した豆を手にとって匂いを嗅ぐが、なんとなくそれっぽく臭い。手にも匂いが付いたような気がする。

factory


工場の室内に入ると、豆をローストしている匂いが漂う。バリコーヒーにはメスとオスがあり、オスは3%しかないそうで、ピーナッツみたいに二つに割れるのがメスで、オスは一つ粒だそうだ。スターバックス(米国)にも、この一つ粒が出荷されているそうだ。

taste


そして、恐怖の試飲が待っていたわけだ。いくつかの種類のコーヒーを試飲して、その場でコーヒーをお土産として買うわけだ。だから見学料が無料なのだろう。そして、何番目かに登場したのが、ジャコウネコのわけだ。やはりそういう匂いである。もっともそのコーヒー(コピ・ルアック)だが、大変に高価であるため、「高いから」といって買わずにパスすることが可能なわけだ。

つづく

バリ島で駆け足(1)

2011-08-21 00:00:55 | たび
バリ島に行っていた。インドネシアの小島の1つだが、国内随一の観光地である。地理的にオーストラリアからの観光客が多く、日本人にも人気があり、さらに欧州方面からシンガポール乗り継ぎの観光客が多い。米国からはあまり来ない。彼らにはカリブ海があるからだろう。

インドネシアは人口の9割がイスラム教だが、バリ島では9割がヒンズー教である。もともと紀元0年あたりにインドネシアはヒンズー教化したのだが、その後、イスラム教徒が増えてきて、残ったヒンズー教徒たちがバリ島に逃げ込んだということだそうだ。

だから、イスラム教徒との問題が長く続いていて、この10年間に2度も爆弾テロが起きている。島内のある場所でタクシーを降りた際、運転手から「ジャワ島人はドロボーだからバッグには注意するように」と日本語でアドバイスを受けたが、あいにく、ジャワ島人とバリ島人を見分ける方法を知らない。肌の色といってもバリ島人のもっとも色の薄い人と、私の肌色がほぼ同じこと位しかわからない。

taxi


そして、島内の移動にはタクシーを利用するのだが、交通状況は大変なことになっている。自動車、バイク、自転車の大群が有史以来の曲がり道をそのまま舗装した道路を走るのだが、片側二車線のどこかに隙間があると、すかさず三台並走となる。さらに車の両側にはバイクが走り、車間距離は時速20キロでも80キロでも1メートルである。私が1日運転したら、葬式10件と100万円の修理費が必要だろう。

日本では、混雑時間帯というのは朝夕と決まっているのだが、バリでは早朝から深夜までずっと大混雑である。理由は、通勤。基本的に仕事は人により勤務時間が異なる時間給。3時間位働いたら、次の職場に向かう。そこも時間による歩合給なので、さらに三つめの職場に走る。それでバイクが走りまわるわけだ。

musium


そして、島の政治の中心であるデンパサール市の中央にあるバリ博物館に行ったのだが、実は展示品は多くない。もっとも日本同様に木と布の文化で、遺構が腐敗して残らないこともある。また、島の風物や祭礼で使われる衣装や仮面などが並ぶのだが、後で冷静に考えてみると、その一見原始的な風俗だが、実は現代でも民間で使われているわけだ。日本の能面とは異なる。だから、博物館というのは、民族の失われた過去の記憶を呼び戻すための建物だと考えれば、バリで博物館に行くということ自体がナンセンスだったかもしれない。

chozo


街には太古、過去、現在、近未来が混じり合い、経済成長が爆発している島の、今後の方向はまったく想像できない。

men


そして、民族ダンス。島の中央部のウブド地区では、野外での本格的ダンスショーがたくさん行われているが、考えれば、それはやはりショーである。

dance


それならばと、観光地のレストランで、中国人団体客と席を並べ、お手軽なショータイムを楽しむことで、お茶を濁してしまった。

つづく

職団戦、人集め

2011-08-20 00:00:22 | しょうぎ
まだ、赤道ボケしているので、あまり将棋そのものの話題はないが、いつの間に秋の職団戦メンバーを考える時期になっていた。

実際に開催日時が発表になっているわけでもないが、さる4月10日に予定されていた春の大会が震災の影響で中止になる際に発表になった、『次回11月20日に延期』ということばを信じるしかない。現役サラリーマンにとっては、3ヶ月前となると、ある程度の予定を立て始める時期なので、少なくても日時ぐらい公表してもいいと思うのだが、もう決め打ちしてメンバーを決め始めている。

基本的には強い者順で選ぶべきだが、参加か不参加かわからない人は後回しということになる。直前になって、不参加表明されて、欠員で団体戦に出場すれば士気が上がらないし、かといって、どこかの発電所みたいに公園のベンチで寝ている人を連れていくわけにもいかない。


さて、8月6日の出題作の解答。

c12


▲2一歩成 △同玉 ▲2三竜 △2二金 ▲3三桂 △3一玉 ▲4二銀 △同玉 ▲2二竜 △3二角 ▲4一金 △5二玉 ▲3二竜 △6一玉 ▲5一金 △同玉 ▲4一桂成 △6一玉 ▲5一成桂 △同玉 ▲3三角 △6一玉 ▲4一竜 △6二玉 ▲5一角成 △7一玉 ▲6二馬まで27手詰

動く将棋盤は、こちら

握詰、落選作。終盤で、7二金を取って盤上から竜と馬を消す方向で考えたが、余詰めや余詰めもどきを解消できず時間切れ。


さて、今週の問題

0820


大変めずらしく実戦型。最終手はきっちりしないが、一応、最終手と手数をコメント欄に記していただければ、正誤判断。比較的簡単。むしろ初手かな?

ゴーヤ1つにオクラ1つ

2011-08-19 00:00:23 | 市民A
しばらく、出国していて、帰ってきたら、政局はまたも「大連立」の話。どうどうめぐりで、何も進んでいない。

事件と言えば、大阪で人間缶詰が見つかったようだ。まったく不思議な国だ。

しかも赤道近くの国より遥かに暑い。冷房も効いてないし、どこも真っ暗だ。戦後直後の日本は暗くて暑くても、人々の心には輝ける未来があったが、現代日本には未来を想像しても輝くものはあまり見えない。しかし、あと20年経つと人口のお荷物が減少して明るい未来があるらしいので、これから生まれるこどもには「こども手当」がなくても、バラ色の未来が保証されているのかもしれない。


okura


さて、ゴーヤの実が成長していた。もうダメだと思ったら、いつの間にうまくいくようになった、というようなことだろうか。

ただし、大きくなったのは、この一個だけ。花はいくつか咲いているので、今後、なんとかなるのだろうか。昨年のゴーヤは白ゴーヤが巨木になり、緑ゴーヤがサブだったのだが、今年は緑ゴーヤだけが成長し、白ゴーヤはその100分の1サイズ。う~ん。


okura


そして、もう一つ諦めていたオクラ。2本植えていたのだが、こちらもたった一つの実が大きくなっていた。出国前は、アリが群がっていたのだが、アリにもめげず成長したのだが、表面がつるつるしていて、ちょっと「違うかな?」という感じだ。一人っ子政策のこどもということかな。他に花が咲いているようには見えないので、二人目のこどもには恵まれそうもない。

「ほんまに」10年後の本屋

2011-08-18 00:00:52 | 書評
神戸の海文堂書店で何冊か買った雑誌の中の一冊が、「ほんまに Vol.11」。

海文堂の出版なので、ずいぶんと堅い。高校野球のピッチャーみたいに、ストレートとカーブしかないような感じ。今回の目玉は、非カリスマ書店員座談会として「10年後も本屋でメシが食えるのか」という特集。

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神戸の大型書店として登場したのがジュンク堂の店員3名。だいたい座談会は6名で行うのに、司会者の海文堂店員1の他は小型書店2名とジュンク堂。実際、電子書籍の問題を論ずる前に、大型書店と小型書店との格差があるわけだ。

だから、問題は電子書籍VS紙媒体と、アマゾンVS大型書店VS小型書店という二つあるわけだ。

それと出版の側の問題として、洪水のようにたくさん本が出版される一方、売れる本が少ないのと、かといって「本屋大賞」という良質なセレクションが、あっという間に商業主義にまみれてしまったり、結局、全国規模の賞になってしまえば、地方の本屋さんの仕掛けなんか受賞できるわけない、ということになってしまうそうだ。

大型書店になれば、店員だって他のコーナーのことなんかわからなくなるし、顧客だって、アマゾン風に、目的の書棚に直行して、あっと言う間に1冊を買って帰る人が増えているそうだ。

で、電子書籍のことだが、紙媒体だけの作家、紙と電子書籍の同時発売する作家、電子媒体だけを売る作家とわかれるだろうということである。(個人的には、人気作家が、出版社を介せずに直接自分で電子書籍を格安で販売を始めた場合、一気に電子書籍が進むのではないかと思っている。

個人的には、首都圏に住んでいると、通勤電車の中が節電で暗くなってしまい、紙媒体の本では照度不足で読めないということになっているので、もっと革新的な機種が登場したなら一気に電子化が拡大するのではないかと思うのである。


ところで、本誌で紹介されている「戦後」の思想-カントからハーバーマスへ(細見和之著)だが、ちょっと読んでみたいような気もするが、簡単過ぎるような気もする。大型書店でしか売ってないだろうから、手にとってみようかと思うのである。

街角で見かけたリアルなゴルフボール

2011-08-17 00:00:55 | 市民A
街角でゴルフボールを見つける。といってもゴルフ場ではないので、地面に転がっているわけではないのだが、ある意味転がっているともいえるわけだ。

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何しろ、巨大で、かつ回転している。

そして、かなりリアルである。ディンプルの形なんか本物そっくりだ。(いつも使っているのと違うブランドなので正確じゃないが)

ビルの上階にあるゴルフ練習場の看板らしい。確かに目立つのだが、なんかヤケクソ気味の看板のように思える。


そういえば、ゴルフボールのテレビCMで有名女子ゴルファーが巨大ボールを持ちあげているシーンがあったように思うのだが、もしかしたら廃物利用かもしれない。いや、リユースというのだったかな。

選挙の時なんか、候補者の顔をぐるぐる回るような造作を作ればいいかもしれない。裏の顔が見えるかもしれない。