ミサワで焦るUFJの足を狙う人

2004-11-30 21:24:12 | 企業抗争
UFJ銀行の宿題がまた一つ世間を騒がせている。「ミサワホーム」であるが、個人的には少し気懸りである。何しろミサワホームに住んでいるからだ。

とは言え、所有権は一応私にあり(いつか問題になりそうな住宅金融公庫の抵当権が一部ついているが)、ミサワホームがなくなっても、ただちに大被害が及ぶわけではない。しかし、住宅メーカーは、それぞれ建材を自社工場で作っているので、アフターフォローとしての今後の修繕計画に大きな問題がおこるのは間違いない。それに地震被害のような場合、メーカーがついていないと個人で対応するのは大変だ。今回の新潟中越地震でもミサワホームは被害地の全住宅の調査を2週間で行っている。メーカーの発表を信じるなら、土地の変形による被害以外に半壊・全壊事例はないとのこと。まあ、壁構造なのだから、当たり前だが。小被害については順次、修繕が行われているはずだ。
以前10月05日付弊blog「大京再建に思うこと」で書いたのだが、このミサワホームの家を買ったのは3軒目である。別に家の数が増えているわけではなくその間に2軒を売っている。3軒以外にも、自宅が売れた場合に限り買換え購入するという(停止条件付という)売買契約を結んだことが数回あるから、この方面では、実証的な知見があると思っている。売買を同時期にするということは、大変な心労があるのだが、まあ、失われた心と体のエネルギーがたまるまでは結構時間がかかる。

3軒買った中で、2軒の購入先が経営危機に陥るということは、私に見る眼がないのか、逆にあるのかということだが、たぶん。「見る眼あり」の方ではないかなと思う。「大京とミサワ」。どちらも品質的には「中の上」を狙っている。だからかけるコストが違う。しかし、売る相手は財布のひもの固い普通の一般ユーザーである。こういう感じは、一日かけて住宅展示場を歩くとわかる。展示場にはあまり定価が書かれていないので、品質の高い住宅が人気だが、いざ坪単価を計算しはじめると、妥協の世界に入っていく。大京もミサワも販売数量では業界トップだが利益率では今一つというのは、品質を上げた分、価格で回収できず、廉価メーカーに足を引っぱられるという構造にあるからだろう。

とはいえ、ミサワは結構、期間利益を出している。経常利益で年間200億円程度である。損益計算書を紙の上の方から7割方見ただけでは優良会社である。

結局、この会社の問題は、過去債務に他ならない。過去に借金をして購入した不動産や、リゾート物件の資産価値下落による、資産評価損と借金の利子が凝り固まってしまったわけである。借金の総額は複雑でよくわからないが決算書だけで考えると、4000億円弱のように見える。借金をまったく持たない会社にする必要もなく、おそらく2000億円程度の棒引きが必要なのだろう。それと現在の利益からもたらされるキャッシュとのバランスである。つまり、箸にも棒にもかからないダイエーや、ミサワをはるかに超える借入金をつくった大京とは比べものにならないほど、おいしい会社である。第三者的にざっくり言えば、ポケットから2500億円払って会社を買う人がいれば、それで終わりのはずである。
さらに言えば、このまま貸付金の返済時期がくるたびに、UFJが再貸付を転がしていても、あまり危機的になるとも思えない。

しかし、ミサワ問題が、そう簡単に進まないのは、このドラマの登場人物の抱える様々な問題(欲望)なのだろう。そして先週末から、突然のように色々な動きが出てきた。

まず、主な登場人物は6社(グループ)だ。
1.UFJ銀行
2.トヨタ
3.産業再生機構
4.元社長三沢氏グループ
5.現ミサワ経営陣
6.一部株主(シティグループ)
といったところだ。

 UFJの事情は、東京三菱との合併比率が発表できない理由は、不良債権が確定しないからであり、「早く確定しなさい」と三菱にいわれているのあろう。もはや死に体になっているため、損切り額が多くなっても目をつぶって早く処理したいというのが本音だろう。東京三菱はNYSEに上場しているため、東京三菱ルールで資産評価を行い、合併比率を算定しなければならない。11月末までに決着をつけろっていわれているのではないか?
 次にトヨタであるが、今年トヨタホームを別会社に仕立てたばかりで、ミサワ+トヨタホームという統合効果を狙っているのだろう。トヨタホームといえば、どこの住宅展示場でも、価格が安い割りにそこそこという線を狙っているため、ミサワとの足し算で顧客層を拡大する狙いだろう。
 産業再生機構は、UFJとトヨタとの密約ができた段階で、自分の成功実績にとりこもうとしているだけであるが、トヨタに断られても何とかなると思っているふしがある。ただ、一方では「大型案件はUFJ崩ればかり(大京、ダイエー、ミサワ)になるのも公平性から問題」との批判を気にしている。

一方、トヨタ主導に反対しているのはオーナーでまだ大株主の三沢氏である。彼は、トヨタホームの本質がミサワの家作りの本質と異なっていることを見抜き(というか、素人でも見抜けるのだが)、トヨタの傘下に入らないように、現役の社員にアピールし、独自に海外資本による再生ファンドの設立を呼びかけている。

一方、シティグループ他の現有株主は、現経営体制を基本とした企業再生をめざしている。

このように、主な登場人物だけでも意見がわかれる。

現在は、UFJが、1年以内に返済期限がくる「短期貸付金の追加貸付はしない」と、現経営陣に圧力をかけ、トヨタと話をつけ産業再生機構に持ち込もうとしたところ、三沢氏が社外から圧力をかけ、それに気付いたトヨタが横を向きそうな状態に陥っているということだろう。

世の中、うまくいかないものだ、というのが感想だ。

個人的には、トヨタとミサワでは「うまくいかないだろう」と思うし、さらに大京やダイエーだって、まだ何も決まっていないのだから、この問題もダラダラと続いていくのではないかって思う。2年ほど前、ミサワも廉価住宅を作ってみたものの、あまり売れない反面、既存客からのクレームがあってやめてしまったはずだ。それほど、ハウスメーカーってポリシーが重要なので三沢氏の言い分もよくわかるが、過去の経営の失敗という責任を考えれば、復活は大いに問題だ。

やはり、問題がどこに向かうかわからず、心配なので、拙宅2階ベランダ床面の石質タイル数枚にできている小さなひびを見ると、建材があるうちに、全タイルを取替えてしまおうかと悩むのである。
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鋼材不足の原因は?

2004-11-29 21:25:32 | MBAの意見
01848bc1.jpg鋼材不足で日産が5日間、工場を停止するそうだ。トヨタも韓国からの鋼材輸入を検討しているらしい。造船所は受注をこなすだけの鋼材が手に入らず、また鋼材価格も高騰してしまい、見積もりが出せない状態にある。なぜ鋼材がなくなったのかというと、ほとんどの理由は中国経済のヒートアップにあるのだろうが、もう一つ、きわめて小さな理由を見つけた。新たな鋼材の需要は、元牛丼チェーン店吉野屋の店頭にあった。「鉄鍋」だ。

「鉄鍋御膳380円」は、要するに”すき焼き”だ。なんとか見つけた少量の牛肉を野菜と一緒にすき焼き風に煮込んで出している。基本4大メニューの一つだ。その他に「豚丼」「角煮きのこ丼」「カレー丼」だが、今度は「角煮きのこ丼」がなくなって、オーストラリア産牛肉を使った、「牛焼肉丼」が登場する。
弊8月20日ブログ「迷走する吉野家D&C」に触れたように、メニューは”右往左往”というか”出したり引いたり”というか、いつの間になくなった「マーボ丼」を食べに行くと、しょうがなく「カレー丼」で我慢したりする。カレーなら専門店の方がいいのだが・・・。しかし、すき焼きの容器としての鉄鍋まで作ってしまって、どうするのって言いたい。

しかし、本当に残念ながら「牛丼」だけがない。ヨシギューと、かつて略されていたのだが、最近はヨシブーと呼ばれているらしい。そして、あいかわらず、輸入再開だけを期待しながらの投げやり経営のように感じてしまう。従業員のレベルが「すき家」より低い。さらに、伝票とか食券とか使わないので、店頭はいつも混乱している。お客のほうが、店内のオーダーミスに気付き、色々注意したりする。参加型店舗かって。結局、現場的にはメニューの多様化が困難なチェーンである。

すべての投資を後へ延ばして、牛肉解禁を待つということになったのだろうか。そして、半期決算で、ついに連結ベースでゼンショー(すき家)に抜かれた。ゼンショーが既存店で昨年比100%をキープしたのに対し、吉野家は30%減だそうだ(10月は38%減)。米国産牛肉が輸入禁止になった当初から一貫して、解禁待ちの姿勢を続け、新メニュー開発で後手を踏みつづけている。

二度目の倒産ではシャレにならなくなるのだが、安部社長は1回目の倒産の時はカリスマ店長だったのだが、まさか「倒産なんて、たいしたことはない”七転び八起きだ”」などと考えているのではないだろうか?株主優待無料食事券を握り締めた株主のことを忘れているのではないだろうか?と心配になる。

ともあれ、新メニュー「牛焼肉丼」を先行販売の新橋店に食べに行く。定価は420円。豪州肉をたまねぎと一緒に焼いてから丼飯の上に乗せてある。驚くことにお客さまの9割が焼肉派である。結構、吉野家の新メニューは注目されていることがわかる。

いきなり、マニュアルの悪さがあるのは、丼をテーブルに置く時に、「辛味は使いますか?」と質問されるのだが、私も含めて誰も頼まない。初めての人は、味がわからないのだから、辛味が必要かどうか答えようもないし、辛味とはなんのことだかわからない。和芥子のようなものかと思っていたが、どうもコチジャンらしい。ほとんどの人が焼肉丼注文しているのだから、あらかじめテーブルに用意しておけばいいのにと思うのだが、食べながらつけるのは不衛生なのだろう。

味の件について、ここに記載すると、後で損害賠償の請求書がくるといけないので書かないが、個人的好みの問題から言うと甘味の出るたまねぎよりも、ネギとしし唐の方がいいような気がする。そして、コンビニの焼肉弁当に打ち勝っているかどうか明言できない。そして、もっとも言いたいのは、焼肉丼売出すなら、夏に入った6月からではなかったのかって思う。

もう一つ、吉野家の未来にある不安要素は、「米国産2歳未満の牛肉」輸入再開後、昔のままの牛丼が昔のまま売れるのかどうか、誰も確信をもっていないことである。

経営の常道は「逆風の時、ガンバレ」である。9・11やSARS被害を乗切ったHIS社は、弱小同業者が淘汰されたことにより、順風になった時に快走したわけだが、吉野家の未来はまったく不透明だ。ただし、大量に製作された、鉄製の鍋だけは、いずれ溶鉱炉の中で、高級車の原料用の薄板か、一隻200億円のLNGタンカーの一部に生まれ変わるのだろうが・・・
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本物の価値

2004-11-28 21:27:18 | The 城
b3d6b6ea.jpg11月21日に、姫路城に行ったのだが、どういう偶然か愛読ブログの「PURAMUざつがく」様の同日付けで「名古屋城の天守閣は焼失しなければ姫路城より上だ」という記載があったのだ。もちろん岡山方面から東京へ帰る途中に寄ろうと思ったのは即興なので、横浜の自宅へ帰宅してPCを開いて偶然の一致にびっくり。
予備知識はほとんどなかったので、今日、姫路城のことを書くことの多くは、後付け知識。

まず、駅からの大通りの正面に見える姫路城まで遠いような近いような?バスに乗ると100円だった。地方都市でバスに乗ると、近いところで100円くらいで、少し乗ると200円くらいになることが多い。福岡、千葉などがそうだった。横浜にはそういうのはなく容赦なく1停留所でも210円。東京都内も200円一律。100円には功罪あるのだろう。

そして、姫路城には多くの観光客がいて、話す言葉からアジア系の観光客も大勢きている。靖国問題には反対しているが、姫路城観光はいいのだろうか。もともとの築城の目的が、元祖征韓論の豊臣家の大阪城攻略用だからかな(考えすぎか)。以前、和歌山城に行った時は、急な坂道が続き、猛烈に疲労したのだが、それほどではなかった。天守閣を登る脚力だけは必要だが。

そして、確かに美しい城である。調べると、江戸時代当初に名城と呼ばれたのは、名古屋城と姫路城で江戸城と大阪城は別格だったらしいが、そのうち江戸城、大阪城、名古屋城の三つが名城と呼ばれることになった。名古屋城の方が姫路城より格上であったのだろう。もちろん現存する12城の中では姫路城は威容はトップだろう。

余裕時間の問題で、千姫が居住していたとされる西の丸を省略したのは、うかつだったのだが、さらに残念だったのは、千姫の大阪城脱出をはばもうとして、戦場で切り刻まれた侍女の刑部女をまつる社が天守閣最上階に存在することを後で知ったのだが、手元のリーフレットには築城以前の地主神である長壁神社がまつられているとされていて、調べようがない。たしかに小さな社と賽銭箱があったのだが・・・

全国のほとんどの都道府県におりたことはあるのだが、特に今まで城を狙っていたわけではないが、それでも観光地としていくつかを訪れたことはある。が、やはり鉄筋コンクリート造りでエレベーター付きのところよりも木造の「本物」がいい。実は、姫路城は一応本物だが、昭和三十年代後半に全面改修したようだ。全部分解して補修したそうで、二本の通し柱の内、一本は、根元の方を切り取って使っているそうだ。内部の階段が少し現代風なので、ここは直したのかなと感じた。

現存する12城のうち、行ったことがあるのは高知城だけなのだが、本当に感動する。観光地としての人気は桂浜の坂本竜馬記念館に負けるが、何しろ1603年製だから歴史のリアリティがある。階段もはしごのような形状で、観光用としては登る人と降りる人が交錯して不便だが、そういうところもいい。(極めて急傾斜のはしごだからスカートで行くと少し困る。困ってもはしごにつかまらないと落っこちてしまう。元某大学のエコノミストも手鏡は不要なのだが、うかうか上を向いていると、足をすべらして失脚してしまう。)
高知の人にも人気が無いし、観光客にも人気がないのだが、体力がある人には、うれしくなる城だ。
(話は、寄り道するが、坂本竜馬記念館に行くと、彼が地元高知県では、「幕末の英雄」という評価の他に、「脱藩者」というネガティブな評価を受けていることが感じられる。脱藩ルート図が掲示されていたりして、故郷を見捨てた男という批判の空気がうっすらと漂う。)

さて、調べたところ現存12城は以下のとおりだ。松本・丸岡・犬山・彦根・姫路・伊予松山・丸亀・備中松山・宇和島・松江・弘前・高知。
実は、以前住んでいた、千葉市には天守閣がある。確か昭和42年に完成したはずだ。最大の特徴は、それがオリジナルであって復元ではないことだ。もともと天守閣など存在しないのに当時の市長の宮内三郎氏が町の中心に自分の銅像と一緒に建ててしまった。何もないところに城を建てるわけだから石垣造りからはじめたので大工事となった。城の近くには千葉市御用達の地元石材店があるのだが、天守閣が完成した頃には、社長の自宅の内装も天守閣風になったらしい。

HPを見ると、千葉城(郷土博物館)の入場料はわずか60円だ。かたや姫路城は600円と10倍だ。ニセモノが格安な構造は、ルイヴィトンと同じだ。三位一体も原則的にはいいのだが、地方自治体任せにすることで、貴重な税金の使い道に、今ひとつ不安が残るのだ。  
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ルールはルール変更のために存在する

2004-11-27 21:29:42 | スポーツ
957e749d.jpg為替の世界では1ユーロ=1.35ドルに近づいているEUと米国の関係、我々日本人から双方の文化を眺めた場合、欧州と米国のどちらの文化の方が心地よいのだろうか。おそらく多くはEU型の文化の方が好みなのではないかな。もちろん、野球、映画とか例外は多いのだが。

モータースポーツを考えた場合、アメリカでは、主に楕円形のオーバルコースで行われるインディカーを始めとする各種レースがある。欧州ではF-1だ。日本人のメンタリティで較べれば、オーバルコースをぶんぶん飛ばすだけという米国式はとても人気を得ていないと思える。しかし、米国で参戦しているエンジンメーカーはトヨタ、ホンダ、シボレー(GM)の3社だがGMは撤退しそうだ。中でも圧倒的にトヨタが勝っている。しかし、F-1でのトヨタの超不振は、一体どういうことなのだろうか。エンジンの質の違いなのだろう。

また、どんなスポーツでも自分で疑似体験が可能な方が楽しい。箱根の坂道をドライブする楽しさは欧州の曲がりくねったサーキットに似ているが、アメリカのオーバルコースと日常的に似ているものはない。
ところでF-1で使われているエンジンの排気量はどれ位か知っているだろうか?。あの300KM/H近いスピードから5000CC位を推測されるかも知れないが、現在は3000CC以下である。排気量だけならタクシーみたいなものである。これも1950年台の4500CCから段階的に小さくなっている。80年代後半は1500CCのホンダターボエンジンが全盛になり、ホンダバッシングがおこり、ターボは禁止になった。また、もちろんクルマはエンジンだけではなく、タイヤやギアやその他のハイテク設計の結晶なのだが、ルール(レギュレーション)は年により大きく変化する。理由が明確な場合もあれば、前述のホンダターボの時のように表向きの理由と異なる小賢しい理由の場合もある。

さて、2004年を振り返ると、2003年と同様、M・シューマッハとフェラーリが大勝利の年であったが、ひたひたとホンダがポイントを稼ぎ、次シーズンに向け期待をふくらませたわけだ。一方でチーム数の減少も危機的な問題が残る状況だった。ピーク時の半分の7チームになるという噂があったが、何とか今のところ10チームのまま減らないようだ。そんな中で、2005年のレギュレーションの変更と2006年の変更予告が発表になった。内容を見ると、やはり第一は、なりふり構わずのコストダウンという観点。そして第二はシューマッハバッシングかと思える。

2005年度の変更の最大のポイントは、「タイヤ交換の禁止」である。もちろんパンクの場合は交換可能だが、挽回不能のペナルティがつき、完走だけが目標になる。タイヤメーカーへの負担は増えそうだが、これによりピットクルーの要員数は大幅に減らすことができる。同時に4本のタイヤを交換しなければならないため、クルーの必要人員はタイヤ交換で決まる。レース中に交換しないならゆっくり1本ずつ交換すればいい。また、細かな話だがエンジンの基数も2レースあたり1ドライバー1基となったり、テスト走行日数の減というようにコストカット方向の変更が大部分だ。

一方、さらに翌年の2006年の変更が予告されている。最大のポイントは、排気量の縮小化だ。2400CCのV8エンジンだ。さらに車体搭載のハイテク装置は90年代から次々に禁止になっているが、ついにセミオートマテックトランスミッションが禁止になりそうだ。簡単に言うとAT車からマニュアル車になるということである。この辺の事情は、公式の理由はともかくとして「シューマッハ、フェラーリいじめ」だろう。強すぎることにより人気がなくなるというのは、どのプロスポーツでもおこる話で、もっとエキサイトなレースを目指そうということだろう。このへんは欧州的な感じがある。ただ早く走ればいいというのではなく、レースの基本に戻ろうということだろうか。

しかし、本当に負担がかかるのはレーサーの方だろう。ヒール・アンド・トゥとかパワースライドとかのテクニックでタイヤを酷使すれば、タイヤは磨耗し、いずれグリップを失うし、燃料の補給もなしにしたいとなると、燃費を考え、むやみにアクセルは踏めないし、誰が勝つかわからないように拮抗したレースだと、他車をマークするにも戦略的に色々頭を使わなければならない。マニュアルになるとコーナーリングでハンドルから片手を離さなければならず、車体の安定性は低下する。もちろん期待を裏切ればボコボコに批判されるのは今と同じだ。

しかし、2006年にトヨタにチャンスがくるのかといえば、やっぱり「大味」では無理かなって思いたくなる。ルノーの大勝利でカルロスゴーンが高笑いするのだろうか?それとも日産・ルノーのジョイントチームになるのだろうか。

一方、経済的負担に耐えかね、次々に下位チームの存続が危機に陥るのは費用が高額になっているからだ。正確にはわからないが、1チームの費用は約200億円位と言われる。事情はそれぞれ違うが、エンジンメーカー(フェラーリ、ホンダとか・・)が約半分位負担し、スポンサーが残りを負担しているらしい。上位チームのヘルメットに小さなロゴを入れるだけで、1億円と言われる。基本的にF-1はモータースポーツであるが、同時に巨大な広告産業なのである。そして直接的にスポンサーに返ってくるものは何もない。計測不能な宣伝効果だけである。

プロ野球では、パリーグの恒常的赤字状態がついに爆発したわけだが、6チームの赤字を合わせるとF-1の1チーム分くらいだ。しかし、パリーグの場合は、もしかすると黒字になるかもしれないという「幻想」が手術を遅らせたわけだが、F-1のスポンサーの場合は、費用を埋めるものは、宣伝効果以外に何もないのは明白だ。


さて、2006年のレギュレーションの大変革の前に2005年シーズンがあるわけだが、「タイヤ交換なしルール」が、レースを面白くするのか、あるいは、「うさぎとかめ」の寓話のように、最初からノロノロ走ったマシンが「最後には勝つ」ようになってしまうのか予測がつかない。個人的には、「カメの子レース」だけはお断りだが・・・・・
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歩く、危険物体現れる

2004-11-27 21:28:42 | 市民A
ミスター「ぺ」がやってきて、あちこちで大混乱が起きている。ホテルニューオータニで外出しようとしたら1000人が群がり10人がけがをした。事故の時、学者がよく持ち出す「ハインリッヒの法則」によれば、軽傷を負った人の10倍くらいの人数がころんだはずだ。1000人のうち100人がころんで10人が軽傷か?重傷者がいなかったのが幸いだ重傷者の比率は軽傷者の30分の1位とされている。彼は来日に際して10億円の保険をかけていたらしいが、保険に入るべきは本人の方ではなかった。

聞けば聞くほど、面白い話が多いが、MR.ぺは、ニューオータニだけでなく、3ヶ所のホテルに予約をとり、どこに泊まるかは秘密にしていたらしいが、おばさまがたも3ヶ所のホテルに予約をとりグループで携帯電話で動静連絡をとりあいニューオータニをつきとめたらしい。ことわったホテルにキャンセル料を払ったかどうか気になる。来日の目的も14,000円(ウォンではない)位の写真集の発売記念だそうだ。

 これって、まさに「集団催眠」としかいえない。魅力の本質は「めがね」かなって、めがねでもかけてみようかな。

確か、トルコのサッカー選手も、一時「OO様」とか言われていたようだが、残念ながら忘れてしまった。

メガネのヨン様の魅力は、彼本人の魅力なのか、ドラマの中の虚構の世界の中にいる彼の魅力なのか、さだかにはわからないが、言い換えれば、本物か、本物ではないかということだろう。見究めは難しいが、私には、予想がつくのだが、これ以上書くとライブドア開発日誌のように抗議がきそうなのでやめる。

一方、BoAさんは、間違いなく本物だ。こちらは催眠術は不要だ。  
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「だからお店は面白い」のかな?

2004-11-26 21:31:23 | 書評
174ebf73.jpg「だからお店は面白い(たかはたけいこ・繊研新聞社・2004年3月・1600円)」は、なかなか面白い本である。分類すればマーケティングということになるのだろうが、学者やアドバイザーが書いた本ではなく、「アップルハウス」というブランド婦人服の経営者自体の日々の奮闘記だからである。また、過去の回顧録ではなく、現在進行形の記録でもある。だからこそ、マーケティングの公式から少しずれた位置の視点が新鮮である。例えば、「お客様は神様でありますが、しかし・・・」とか「ファッションの基本はトータルコーディネートでありますが、しかし・・・」とか「クレジットカードでの販売はうれしいが、しかし・・・」といった、公式から逸脱していく現実が、「そうか、なるほど」ということばかりなのである。

直営店と既存店のバッティング問題あり、店長の突然退職あり、棚卸の不整合あり、お客様からのクレームあり、多岐にわたった経営上の問題を「よくここまで書くな」ってほどリアルに書いている。もちろん、紙に書けない部分もあるだろうが。また、どんな商品を取扱う業種でも、結構同じような問題があることがわかる。本当に読むだけで、店長になって「たかはたオーナー」を手伝ってあげたくなる。

で、本を読んで、HPを眺めて、納得しただけでブログにしてしまうと、きわめてイージーなものになってしまうので、店舗を見に行くことにした。

HPで46店舗の場所をさがすと、私の通勤途中にあるのは、東急線溝ノ口駅前、ノクティ2号館の丸井の店内店舗である。(注1:もっとも遠い店は、オーナーご自慢のロンドン店。注2:溝ノ口周辺では、ミゾノクチと言わないで、ノクチと略す。だからビルもノクティと言う)

丸井4階は半分がインザルームという家具売り場である。ちょっと北欧風な家具だが、中の上の客層狙いだ。残り半分が婦人服だが、競争は厳しい。ブランド対抗戦のようなフロアになっている。なにしろ、ベネトンにマンゴ、GAPにニューヨーカーに23区、ポロジーンズ。20才台後半から40才台前半までを主ターゲットとしたブランド店が競い合う。アップルハウスの対抗は23区かもしれない。
しかし、これらのブランド、結構個性が強く、混ぜて着るようなものではない(GAPだけはベーシックだが)。そういう意味だと、アップルハウスのトルソーはトータルコーディネートになっているし、マンゴも同じような路線。ベネトンは、一品主義でやっている。結構、各店舗とも苦労している。

販売実績を上げるには、商品、店舗、店長、どれも重要なのだが、変革が難しいのは「商品力」なのかもしれない。店舗や店長は替えてしまえばいいのだが、商品の質の問題は簡単ではない。

店舗ごとの売上げ高は、秘密なのだろうが、アップルハウス溝ノ口店は苦戦しているのではないだろうか?店舗も小さいし、店内には店長一人しかいなかったので、気兼ねして撮影はしなかった。天然素材に自社独自の調合の染色で出す風合いに魅力はあるが、東急線の人は、もっと明るく、繊維の表に浮き出す派手な色が好きみたいだ。ベネトンとマンゴはまさにそういった路線だ。

しかし、会社は進化し、ファッションは変化する。ファッション業界は下手をすると、自分で販売した商品が、自分の翌年の売上げの阻害要因になることが多い(ユニクロのフリース現象)。ブランドの枠の中で変化が必要。ロンドンで日本の風を売るのも重要だが、日本にロンドンから風を吹き込むことも考えていけばいいのだろう。英国と日本は、レベルはどっこいであまり違和感はないだろう。

そして、オーナーとしての彼女に、もっとも重要なものは、ナンバー2選びかもしれない。一人でできることには限界もあるし、長期政権に問題があるのは経済界に数多くの類例がある。

しかしライターとしての彼女に、ナンバー2の育成は不要であることは論を待たないところだ。  
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スモーカーズ・パラダイスで

2004-11-25 21:32:54 | 市民A
999611a8.jpg先週の後半、西日本にある中小企業数社の用件で中国地方へ行ったが(事前にデータは収集していたので、実態を見てからレポートを作るといったこれからの仕事なのだが)、週末を利用して、帰りながら、観光地をあちこち見ながら帰ってきた。倉敷、岡山、伊部(いんべやき)、姫路(城)。
ブログ用のネタ・疑問・感想はいくつか持って帰ったが、それぞれ熟成期間が必要なので、徐々に書いてみるが、まずは、熟成不要な直接的な話。”新幹線喫煙車”。

21日(日曜)の午後3時過ぎに、姫路駅で東京行きの新幹線を予約しようとしたら、席がない。4時前の「のぞみ」には空席があるが、ただし「喫煙車」とのこと。禁煙車はさらに2時間待ちとのこと。困った。
以前、喫煙していたことがあるが、世の中が分煙方式になった後の「喫煙」スペースは悲惨だ。さらに最大の問題は、昨夜からアレルギー性鼻炎で、粘膜が腫れていること。しかし、2時間待ちはつらい。結局、「喫煙車両で予約しておいて、自由席禁煙車で空いている席を探す」という作戦を考えた。予約した「喫煙」車両は5号車だが、自由席は1-4号車なので2号車から乗って5号車に戻ることにした。

新幹線は東京に向かって16号車が先頭で、車両ごとに随分混み方が違う。2号車と3号車は既に満席。4号車はずいぶん空いていると思ったら「喫煙車」。つまり、この電車はガラガラの喫煙車と満席の禁煙車という組み合わせで東京へ向かうのである。まあ、自分で選んだのでしょうがない。

三人掛けの真ん中の席だったが、結局、通路側の人は一度も吸わなかった。私と同じ非喫煙者なのだろう。よく見ていると、喫煙者は喫煙車両の中の一部だということがわかる。JRだって、灰皿を調べれば、わかるだろう。それと、窓側の人はなんと三人が交替した。3人で4本だった。車内を観察すると、だいたい、駅に近づくと煙幕が上がり、吸っていた人は、煙だけ残して降りてゆく。乗ってきた人は煙の中で顔をしかめて自分の席につくが、案外すぐには吸わないようだ。結局、「喫煙車ではなく混煙車」のようになっている。もう少し禁煙エリアを多くした方がJRの収入増にもなるのかな?ならないのかな?

まあ、私の鼻炎は翌日には全快していたが、時刻表で調べると、新幹線の「喫煙=禁煙車両比率」は、路線別に違うことがわかる。まず、東海道・山陽新幹線だが、のぞみ16両のうちグリーン車で1/3、指定席で3/10、自由席で1/3が喫煙車両。約30%をイメージしていることがわかる。次に東北新幹線やまびこ16両で、グリーンで0/2、指定で2/8、自由で1/6で、20%をイメージしている。上越新幹線とき10両では、グリーンで0/1、指定で1/4、自由で1/5、これも20%だ。

やはり東海道・山陽新幹線は喫煙車比率が約10%分、高いことがわかる。


たばこの話のついでだが、ブータンは12月17日から、禁煙国家になるそうだ。しかし、あまり喫煙者を追い詰めるとよくないかもしれない。ニコチン切れによる犯罪増加とか、「ヤミたばこ」による暴力的組織の資金源となる可能性もあるからだ。

虎ノ門にそびえる日本たばこ産業の入る地上35階建て、高度170メートルのタバコビルを見ると、大納税者である巨大産業であることが感じられる。税額は約2兆円。国税と地方税が半分ずつだ。国税分の1兆円は国家税収の2%だ。タバコ依存症は、個人の問題だけではなく国家の方も同病かもしれない。

ところで、すでに時効の話だが、高校の頃、周りの大勢に吸い始めさせた加害者なのだが、二十才台の中頃で止めてしまった。最初から吸わなければ良かったかもしれないが、しかし、一度はスモーカーにならないと戦後日本の生んだ天才歌人、寺山修司の名歌はイメージができなかったかもしれない。

マッチ擦るつかのま海に霧深し身捨つるほどの祖国はありや

数十年ぶりに高校の頃の友人と会うと、言われた。「お前のせいで、タバコ始めて、補導されたり停学になって、数十年間経ってもやめられないというのに、先にやめるのはズルいぞ」って。

これに対する適切な回答がある。
「自己責任!」。
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人口問題の第二弾は、ちょっとシリアス

2004-11-24 21:34:39 | MBAの意見
人口問題を調べるのに便利な数字が総務庁統計局から発表されているが、その中で世界の男女人口比率をしらべていると、少し気になる数字が見えてきた。

普通、男女の数は同数と思われているが、結構違う。原因は二つある。一つ目は、男女の出生率が違うということだ。男の方が少し多い。二番目の原因は女性の方が長寿であるということだ。言い換えれば毎年の死亡率が男性の方が少し多いということだ。結果として、子供の頃は男が多いが、年をとって老年に達すると、女性の方が多くなる。

現在の日本の場合、男女の数が同数に均衡するのは49才である。若いときに女性にモテなかった男性も、毎年、学校の同窓会に出席を続けていると、50才になるとモテはじめる理屈になる。さらに80代になると、生き残った男は女性の1/2、90代では1/3になる。生きているだけで人気殺到のはずだ。もっとも、たがいに相手の顔の見分けがつけばの話だ。
またモテる男のまわりには女性が集まるという原則があるので「女性独り占め男」現象は何歳になっても変わらないのかもしれない。

ここから話はシリアスな方向に進む。

男女出生率を比較すると、人類は2つの国を除き、世界中ほとんど同じ比率であることがわかる。女性100.0に対し、男性105.0だ。最近の日本は104.9だ。人口大国インドも105.0だ。どの国でも105.0プラスマイナス0.2の中にある。ただし、二つの国を除いては。

一つ目の例外国は、米国である。男児比率は、104.5。200人に1人の割合で他国に対して男が少ない。誤差のような誤差ではないような数字だが、たぶん意味がある。完全な推測だが、国籍選択権を広く与えている国だが、親が国籍権を行使する際に、男性の場合、非米国籍を望む比率が少し高いのかなって思う(この推測には根拠はない)。

二つ目の例外国は、中国である。実は統計上、大きく男女比は違う。女性100に対し、男性比率は約120である。通常より15%男性比率が高い。実際は女性比率が低い!ということであろう。これは統計誤差というような範疇ではなく、何かのはっきりした原因があると考えられる。

原因の一つは、未登録の問題である。中国では「黒子」といわれる。一人っ子政策の影響で、男児が生まれなかった場合、女児を登録せずに次のこどもを望むということである。このケースの場合、実際の人口は、公表数よりも多いことになる。学校にも行けないし、パスポートも正規には手に入らない。

しかし、15%の差のすべてを「黒子」で説明できるのかどうかはわからないが、実際の人口がそれほど違っていると、あちこちに問題が起きそうなものなので、大きな差を説明するには、別の理由を考えざるを得ない。が、私にはこれ以上の想像はできない。後世の中国研究家が明らかにすることなのだろうと考えるが、案外、中国経済に押しまくられてしまうと、米国が追及を始めることになるのかもしれない。  
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人口ピラミッドと「人口の窓・仮説」

2004-11-23 21:35:18 | MBAの意見
400244aa.jpg最近、インドの人口ピラミッドを見たが、まさに富士山型である。しかし、ここ数年は、裾野が横広がりでなく縦長になっているように見えるが、それにしても極端な人口膨張型である。一体、インド社会が今後50年どうなるのかよくわからないが、世界経済に与える影響は大きいということだけはわかる。

一方、日本の人口ピラミッドを見ると、いわゆる狭義の団塊世代といわれる昭和22年から24年の3年間の出生数は、その少し後の世代の1.3倍の人口を持つ。大多数が経済の第一線である50代を終えるには、あと5年ほど必要である。また広義の団塊世代の範囲は諸説あるが、私は昭和21年から昭和26年生まれまでの6年間と考えるべきかと思う。
実際には昭和21年の夏以降出生数が急増している。その結果21年夏に生まれた人たちが一般的な定年である60才になる2006年夏以降、労働人口が減り始めると言われ、一説には「2006年ショック」とも言われる。またもう一つの「2006年ショック」とは、日本の総人口が減少に転じる年といわれることである。私見だが、1番目のショックの方はマクロ的にはショックになりえないと思う。2006年から2011年にかけて、団塊世代が一掃される頃には、フリーターと呼ばれる人たちが正規労働者としてほとんど吸収されるものと考えられるからだ。一方、2番目のショックの方は深刻だろうと思う。
また団塊世代発生の30年後の昭和40年台後半にも第二次ベビーブームの波がある(いわゆるキムタク世代である。工藤静香世代といってもいいはずだが、そうはいわない。たぶん工藤静香→おニャン子→ファン→大勢ぐちゃぐちゃ→第二団塊。というイメージがいやだからかな。まあキムタクだってSMAPは他の世代のグループより二人ぐらい多いような気もする。SMAPの「世界に一つだけの花」は親の世代の競争社会の反歌として存在するような気もするが、案外、親の世代が同窓会の二次会あたりで歌っていたという証言も聞く)。

そして、現在はその第二次ベビーブーマーから30年経ち、第三の波を作るべき時代であるが、数字上はまったくその兆候はない。もしかしたら、これでもブームが起きていて、5年後にはもっと子供が減少するのかも知れない。少子対策は今すぐ必要だということだ。

さて、ベビーブーマーは個々の人間に対してその出生に関してはなんら責任がないのは当然であるが、客観的に見ると、残念ながら多くの問題を残している。あらゆる段階で競争社会を作り、外部に対する競争よりも、内部に対するマキャベリズムを考えるようになり、多くの企業の成長阻害要因となっている。競争を勝抜き40才台に辿り着いた頃、バブル経済が崩壊し、以後あまり活躍の機会があったとは言えない。また、もともと高齢者の多い日本の経営者群の中で、今後10年近くはこれらのベビーブーマーが多く席を占めるものと考えられ、ジャックウェルチ、カルロスゴーンといった40歳台の役員の出現や活躍を妨げるものと考えられる。これについては、国連人口基金(UNFPA)の唱える「人口の窓・仮説」が参考になる。

人口の増大による貧困状態から脱出するプロセスとして、出生率の低下による購買力の増加と若年労働力が充実していく「ある数十年の期間」を「人口の窓が開いた状態」と呼び、経済成長が持続される期間としている。また、人口急増時期には教育設備が整わない状態であり、不十分な教育水準にとどまるのに対し、その後の時期は、タイムラグにより密度の高い教育が行われ、優秀な人材が輩出することになる。そうなると、社会や企業は団塊以降の年代に早めに移行しなければならないことになる。ピラミッドを見ると、第一次団塊世代の後の「人口の窓」は10年後には閉まってしまう。

日産のゴーン社長はルノーに戻るに際し、日本での後継者として、60才と50才の二人の候補者に絞っていると聞こえてくるが、たぶん若い方だろう。日産の団塊世代の方々の最後の仕事は、退職金でFUGAを買うことかもしれない。(余談だがTOYOTAのMARK-Xは、まさに退職金カーだと思う)

また、団塊世代は年金制度の問題の主因でもある。本来は、人口が1.3倍もいるのだから年金受給額も7掛けにしてもらい、選挙権も0.7票とかにしてもらいたいものだ。国家としての教育投資も最大規模の人口にあわせて用意しなければならず、人口減少時には負担増となる。

かといって、すべての問題を一気に解決しようとして、米国やシンガポールのように移民を推進するような政策に、国民的合意が得られるとは、残念ながら、まったく考えられないのが実態である。
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木村伊兵衛、文豪を撮る

2004-11-22 21:37:08 | 美術館・博物館・工芸品
866f7184.jpg写真は上から、永井荷風、横光利一、川端康成の写真だ。撮影後50年以上経っているので、作家本人と写真家・木村伊兵衛の権利は侵害していないと思う。今、東京竹橋の近代美術館で木村伊兵衛展が開かれている。12月19日まで。

木村伊兵衛は1901年生まれの20世紀人だ。ライカを持って、街や風俗、農村風景を多く写している、日本のプロカメラマンのはしりである。日本写真家協会初代会長だ。

展覧会の面白いところは、単に作品を見るに留まらず、作家のことをまるごと知る機会になるのだが、木村伊兵衛がカメラマン生活をはじめた30歳台の頃、応援していた人物がいたことがわかった。花王石鹸の宣伝部長、太田英茂氏だ。モノクロ写真であるが、洗濯石鹸で真っ白に洗われたシャツが物干し竿ではためいているコマーシャル写真などを何年も彼に任せている。所謂、旦那というかタニマチ的である。創業者でもない太田氏が支援を続けるというようなことは現代では考えられないが、宣伝部長が相当の力を持っていたとすると、やはり花王は凄い会社だ。洗濯作品は今見れば、あまり感動する作品ではない。コマーシャルそのものだから。

どういうわけか、その後ライオンで同様の写真を撮っているのだが、その間の事情は不明だ。展覧会も社会史的な視点の写真が中心だが、もう一つの顔である人物写真(ポートレート)が強烈だ。

よく、後輩の土門拳が「人物を紙に貼り付けるように写す」と言われるのに対し、木村伊兵衛は「金魚すくいのように写す」といわれる。表情が深く、声が聞こえてくるようだ。「芸術」より、「芸」に近いのだろう。現代に生きる篠山紀信は逆に土門拳型だ。

彼の写した作家は多いが、特にこの3人の写真が好きだ。作家の”軽み”が表に出ている。荷風1879年生まれ、利一1898年生まれ、康成1899年生まれ。れっきとした前々世紀の生まれだ。作家論の場ではないが、激動の20世紀前半をそれぞれの生き方をし、いずれ訪れたそれぞれの死を考えれば、撮影の時期は、三人にとって最も幸福な、つかのまの瞬間であったのかもしれない。

しかし横光は本当にいい男だ。彼が守ってやらなければ、川端の切れそうな神経の糸は数々の不思議な名作群を生み出さなかっただろう。

1947年横光利一没(49歳)、1959年永井荷風没(80歳)、1972年川端康成没(73歳)、1974年木村伊兵衛没(73歳)
OVER  
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1 ShotLog-4 スペイン・ロンダで

2004-11-21 21:39:14 | PHOTO
c53b83c6.jpg闘牛場の休みの日に、中に入れてもらいました。というか、スタンドから勝手に下りてみただけなのですが。
客席から闘牛を観戦した方は多くいらっしゃると思いますが、グラウンドを歩く経験はそれほどないと思います。雨の後で、ところどころに水溜りが残っていますが、目の粗い砂のような土です。固めのフェアウェーバンカー状。

マタドールは牛の突進をひらりとかわさなければいけませんが、足場が柔らかいので、簡単ではありません。コートの上の田臥勇太のようにはいきませんね。もちろん牛の方も動きは不確実に。リスクだらけの世界です。

グラウンドとスタンドを隔てるのは高さわずか1メートル強の板塀ですが、そこには、「PlayerとAudience」という絶対的に違う世界があります。要するに視点が違います。下からスタンドを見上げると、絶望感を感じます。塀の内側には「生と死」の世界。観客席にあるのは、単に「日向席と日陰席」。

Q:この残虐的競技は一体、いつまで続くのでしょうか。
A:お客様がいらっしゃるかぎりさ。  
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1 Shotlog-3 津軽海峡

2004-11-20 21:40:37 | PHOTO
0869fb58.jpg津軽海峡冬景色を函館側から眺める。

本州の人間が、北海道から津軽海峡をみると、やけに寂しい。
このまま、本州からどんどん流されていく島のように感じる。

そして、津軽海峡は国際海峡だ。

最近では、中国北部から米国に向けて大量の貨物がこの海峡を通って運ばれている。

古くは、ちょうど99.5年前の1905年5月末、日露戦争の時のバルチック艦隊が、壱岐、対馬の間を通らず、ここ津軽海峡を通り抜けていれば日本海海戦は起こらず、戦況には大きな影響があっただろう。しかし、本国を出て7ヶ月を経てウラジオストックを目前として、僅か2日間の余分の航海という心の余裕がなくなってしまったのだろう。  
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現代的な道聞き

2004-11-19 21:41:56 | 市民A
この半年ばかりで、二度、奇妙な道聞きをされた。
1回目は、夕方、横浜の自宅に帰宅途中に電気器具店のクルマからSOSだ。目的地の近くに行くと、進入禁止の柵があったり、迷路のようになった道や袋小路などで、修理に辿り着けないとのこと。

住所を見ると目的地は自宅のすぐそば。たしかになかなか難しく、消防自動車が迷って挫折した経歴がある場所だ。歩けば簡単だがクルマで行こうとすると難しい所があるが、そういう場所だ。既に深みにはまっていて、広い道に戻るのも大変だ。乗っている二人の店員に説明しても、なかなか要領を得ないのだが、そのうち、相手側から、「よろしければ、運転してくれないか?」とのこと。よほど急いでいるのだろう。異例だ。

よく、「知らない人のクルマに乗ってはいけない」と言うのは私でも知っているが、「運転してはいけない」というのは聞かない。若干、保険のことが頭をよぎったが、あまりあぶないところもないので、替わって運転したが、遠慮がちに頼んだのがわかるほど汚い車内だ。以前、営業していた時にクルマを使っていたが、いつもきれいにしていたのだが、こういう空き缶や紙くずだらけのクルマに乗ると、人間色々な奴がいるなって思う。お礼はなし。


次は、日曜の昼間、東京は千駄ヶ谷駅前をちょっと東京体育館の前に行ったところで、若いアメリカ人っぽい白人男女から。英語の道聞きは苦手だ。
歩いて渋谷に行きたい」っていうのだが。By Walk??とほほ(だじゃれ)だ。説明不能だ。見当がつかない。鳩森神社の前を通り、墓地の横を通って、さらにキラー通りを右往左往すると青山通りに出て、右に曲がってずっとずっと進んで青学の先のガソリンスタンドの三叉路を右の方に坂を下ると渋谷駅に着くが、35分くらいかかるかな。もっと近い道は、もっと複雑で、細く曲がりくねっているだろう。ニューヨークのような構造になっていないのだから東京を歩くには年季が必要だ。どう考えてもJRに乗るべきだが二人で300円くらい必要だ。カネがなさそうなのは見ただけでわかるが、いまどき日本人なら高校生の修学旅行でもバンバンTAXI使うのだが、この二人TAXI乗っても困るだろうなって思う。渋谷のどこに行くかが明確でないので、タクシードライバーも大弱りだろう。

どうしても歩きたいようだし、いくら説明しても絶対に覚えられないのはわかるので、およその方向を示して、5分歩いたら、また次の人に聞くようにって教えたのだが、親切だったのだろうか?
千駄ヶ谷のあたりは、ほとんどの道は、駅から先は細くなる。人間不思議なもので、知らない道が細くなると、えらく不安になる。そして、道を教わった人間を疑い始めて、深みにはまる。おそらく絶対に歩いて渋谷には着けなかっただろうと思うのだが、それでもいくら迷っても、何事も起きないのが東京だろう。治安の悪い場所はあのあたりにはほとんどない。  
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kakaku.comの新商品

2004-11-18 21:42:46 | マーケティング
a1242f6d.jpgBlogをやっている人なら「Kakaku.com」のことを説明するまでもないだろうが、ネット上で買いたい商品のネット販売価格などを複数業者を比較して調べることができ、さらに掲示板にはユーザーの意見が書いてあるので、実際に買わなくても買物の参考になるという機能がある。当初はパソコン周辺商品や家電製品、ゴルフクラブ、そのうち損害保険なんかが取り扱われているなあと思っているうちに昨年、東証マザーズに上場してしまった。

山口県の家電販売店からプラズマテレビを買ったときは、ずいぶん安いなと思ったのだが、きょうは、ビジネスモデルの話ではなく、取扱い商品の話。たまたまブックマークが自分のブログの上にあったため、クリックミスで、あやまって 価格.com の方へ行ってしまった。戻ろうと思ったその一瞬に、あやしい商品名が!
「葬儀」 NEW!葬儀費用比較&一括見積

おっと・・・ついに・・・

まだ、全国展開ではなく、エリアは東京と神奈川だけで東京で7社、神奈川で2社が登録されている。価格は会社によって随分違うが、どういうものだろうか。そのうち、この世界も価格競争が起こるのだろうか。生前予約制度もあるようだ。まあ、流れやシステムの勉強にはなると思う。これから先、どういうことになるのだろう。月に1回ずつサイトをのぞいて見るとビジネス研究としては面白いかもしれない。
気が弱いせいか、心のどこかに、じっくり落ち着いて読むことをこばむファクターが潜んでいて、内容を熟読できないのだが、毎月眺めていると慣れてくるのかもしれない。


仏事ついでに、1週間前に、急に数珠(じゅず)を求める必要があり、近くの港北阪急百貨店に行き、礼装専門店で見つけた。価格別に3通りあった。4200円、6300円、10500円。例の3種類用意して、真ん中を売る手法であることはわかったが、やはり真ん中価格を買うことになった。相対比較すべきデータがないからしかたない。

数珠の桐箱の中に能書きが書いてあって、本来の数珠は煩悩の数である108個の珠が必要だが、簡易型として54個とか27個のものがあり、その場合、数の少ない分、2倍とか4倍とか念じねばならないと書かれている。
あわてて数珠の珠を数えるとなんと25個だ。108を25で割ると、4.32だ。4.32倍念じなければならない。しかし、元々、力の限り念じている人はどうすればいいのだろう。そう、4.32倍の時間念じればいいわけだ。
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ワタナベ失脚をおそれる、もう一人のワタナベ

2004-11-17 21:45:51 | しょうぎ
349eea4f.jpg野球界には「松坂世代」という単語がある。松坂大輔と同年代の選手ということなのだが、同様に将棋会にも「羽生世代」ということばがある。野球の松坂と同様に、同世代でも先行して出世した選手と、こつこつ追いついた選手ではスター性が違う。マスコミ露出度が違うからだ。さて羽生世代とは、先行して一時、全タイトルを独占した羽生善治の他、名人経験者である森内俊之、佐藤康光、丸山忠久を頂点に竜王経験のある藤井猛、棋聖経験のある郷田、屋敷などだ。そろって34歳から35歳と並んでいる。年上の年代では今年42の谷川浩司が一人で奮闘しているが、他に活躍している棋士はいない。また年下をみても、この15年、彼らの後ろから追いかける足音はまったく聞こえなかった。

しかし、やっと次のタレントが現れてきた。「渡辺明」君だ。20歳。
昨年の王座戦でタイトル戦初登場。羽生王座と五番勝負をフルセットで戦い、最終局は「頭金」の最後の一手まで指して惜敗した。報道を読むと、最後に羽生が金を打ちつける手には怒りがこもって、駒音が対局室に響きわたったそうだ。小学生でも、もっと前に投了するとのこと。実は、その対局後、羽生は変調をきたし、名人と竜王という将棋界の大事な二大タイトルを次々に森内俊之に奪われてしまった。

あれから1年たち竜王戦七番勝負が始まった。その羽生からタイトルを奪った森内に挑戦することになったのだ。1局目はソウルでの対局で渡辺勝ち、2局目は斜里で森内勝ち、3局目は11月17、18両日に福岡で行われる。

話が下世話な方にいってしまうが、竜王戦は読売新聞がスポンサーで賞金が高い。渡辺君はトーナメント緒戦から数えて本戦1回戦まで11連勝していた。すでに1400万円くらい獲得しているはずだ。竜王を獲得するとあと3200万円が入ってくる。さらに来年の防衛戦に出場することが自動的に決まるので、かりに来年失冠したとしても2250万円が上乗せになる計算になる。今回負けても800万円を手にするが、勝ち負けの差は大きい。

この棋戦、名人戦を独占する毎日新聞に対抗して、より賞金の高いタイトルを読売が作ったわけだ。ナベツネが失脚することを密かに恐れているのは将棋指したちだ。

彼は、ちょっと前に結婚してこどもが生まれた(本当は逆だ)。将棋は重厚だが、そちらは速攻だった(速攻されたという説もあるのだが)。ミルク代にしては多すぎるか。

渡辺君がプロ四段になったのはちょうど中学を卒業する15歳の時だった。京王プラザでの披露パーティーには、将来のおこぼれを狙ってか、若手棋士や雑誌記者など大勢が集まったのだが、どうもその後数年、成績が伸びず、同門の松尾君(24)が新人王をとり、宮田君(23)が四段になった時は「渡辺以上」と言われ、パーティーでの記念撮影の時など、一人カヤの外になり、くやしそうな顔をしていた。その時から「プロは勝つしかない」と思ったのかもしれない。その後、どんどん勝ちまくりはじめた。この渡辺、松尾、宮田の3人は同じく所司六段の弟子で、よく一緒に研究会をしている。本当は、盤を囲んで研究する都合、4人いる方がいいのだが、欠員1名である。プロの養成所である奨励会三段で26歳の退会年齢に近づきつつ死闘中の同門の堀尾君(24)にチャンスがあるかどうか、それは彼自身にしか答えが出せない。そしてちょっとの運。5年後には派閥を作っているのだろう。

実は、彼らの師匠である所司六段とは長い付き合いで、広い意味では私も弟子といえないこともないが、友人というべきか。43歳であるが、日本にとどまらす中国上海やソウルで将棋の普及活動をしていて、しょっちゅう外国に出ている。中国将棋(シャンチー)ではノンチャイニーズの部ではいつも世界選手権の上位だ。また、上海の小学校ではどこでも日本将棋のクラブができ、日本のプロを目指している。ソウルでは、将棋を教えるコーチを40人ほど育成中である。

一つ気懸りなのは、最近のサッカーアジアカップ、尖閣諸島問題などで、日中関係が国家的な対立から暴動にまで発展したとき、中国に友人の多い彼が出発しないように成田で抑えこむ役目なのだろうと思っている。

私事だが、1年前の渡辺五段昇段記念大会ではなんとか6位に入賞している。今度は竜王位襲位パーティーに出席できるように貯金でもしておこうかな。
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