ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

おい、キューリ!

2008-01-14 07:50:05 | 回想する脳みそ
ここでいう「キューリ」とは小学校時代の友人のあだ名である。なぜ「キューリ」なのか。他の奴よりもちょっとだけ顔が長かったから。ただそれだけの理由でコイツは「キューリ」と命名された。今そんなことをしたらPTAが黙っていないだろう。でも当時は大らかな時代。きっと本人は不本意だったろうが、周囲の誰もがコイツのことを「キューリ、キューリ」と呼んでいた。もちろん親しみを込めてである。だから問題にすらならなかった。

ある教員から聞いた話によると、最近の小学校では名字(もしくは名前)で呼ばせているという。あだ名で呼び合うと保護者から即座に学校へクレームが来るからなのだそうだ。「なぜウチの子がこんなあだ名で呼ばれなくちゃならないのか! 一体学校は何をしてるんだ!」と。

なるほど、言われてみれば最近の子供たちはあだ名で呼び合うことはしていないかもしれないな。ワシの感覚からすると、なぜあだ名で呼び合わないんだろうと不思議に思っていた。小学生のクセに何か他人行儀な感じがしたからである。もっとフランクな関係になればいいのにと。

それと比べたらワシのガキの頃なんてあだ名は当たり前。いや、今から考えれば「こりゃマズイだろ」というようなあだ名で呼ばれている奴もいた。河童に似ているという理由で「カッパ」とか、目が大きいから「デメ」というのはまだフツーの類い。前述の「キューリ」もここに属する。

ひどいのになるとスポーツ刈りというヘア・スタイルをしているだけで「ハゲ」。実際にハゲてるわけじゃないのに。また鼻が詰まり気味の女の子には「ちくのう」。うーん、間違いなく傷ついていただろうな。

いや、さらにスゴイあだ名を思い出したぞ。

「くにゃにゃう」

何のことだかサッパリわからないと思う。由来はこうだ。ある時、この女子は教室で不覚にも「おもらし」をしてしまった。それも大きなほうである。

周囲には当然ニオイが漂い始める。本人は涙目なのだが、もうどうすることもできない。そのうち誰かが「くさい」と言い始めた。そこで終わればこの子のあだ名は、まあ「クサ子」で済んだだろう(そのあだ名でも相当ショックだろうが)。

ところがそのニオイがかなりキツかったらしく、連想はどんどん発展する。

くさい → 鼻が曲がる → 気が狂う → 頭が腐りそう → 腐っちゃう

子供の想像力とはナント恐ろしいのだろう。途方もない形へ向かってしまう。

しかしこれを命名した奴にもそれなりに良心の呵責があったのだ。あだ名を「腐っちゃう」とストレートに呼ぶのは忍びないと思ったようで、ちょっと可愛らしく、そして元の言葉のニュアンスを残して「くにゃにゃう」と命名。まあ、どんなに変形したところで本人は命名の由来を知っているのだから相当ショックだったとは思う。

いま、彼らはどうしていることやら…。ちなみに「キューリ」は現在、地元の会社で営業の責任者らしい。ふと思い立ってそいつの名前(もちろん本名)で検索してみたら偶然発見。扱っているのは精密機器。やっぱり野菜じゃなかったか。ウソウソ、ごめんよ、キューリ。
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