ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

活字中毒

2009-11-04 05:31:32 | 回想する脳みそ
もう30年ほど前の話になりますが、ワシの知り合いに「活字中毒」の人がいました。この人は文字通り「本の虫」で、いつも何らかの書物を読んでいたのを覚えています。もっとも、彼の専攻は哲学。それもウィトゲンシュタイン(1889-1951)の言語哲学なんていう難しいものを研究していたので、たたでさえ浮世離れしていました。

驚きなのはこの人の夢の見方です。普通、夢といえば映像で出てくるじゃないですか。でも、この人の場合は違うのです。なんと夢の中に本が出てきて、それを読むことでストーリーを理解するのだとか。つまり我々が通常見る夢を彼は映像でなく文字を追うことで体験するのだそうです。

こんな人は後にも先にも知りません。ちなみにこの人は大学を出てからしばらく消息不明でした。伝え聞いた話によると、その後庭師になったのだとか。

庭師? こりゃまた意外な職業にと思うでしょう。でもウィトゲンシュタインの生涯を知っていれば全然意外じゃありません。なぜならウィトゲンシュタインも壮年期に庭師をしていたことがあったからです。ということは、この人、かなりウィトゲンシュタインに影響されていたのかもしれませんね。

いや、ウィトゲンシュタインの名言のひとつに

「語り得ないことについて、人は沈黙せねばならない」

というものがあります。だから彼の影響なのか断定してはいけないのかも(意味が違うか…)。

ともかく、ウィトゲンシュタインはその後イギリスのケンブリッジ大学で教えるようになるのですが、他方この人は今どうしているんでしょうか。ちょっと気になるところです。
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