ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

忘れられた存在?…佐山頭首工

2022-01-19 07:02:30 | 滋賀(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。えー、今回は滋賀県甲賀市土山町前野(こうかしつちやまちょうまえの)にある淀川水系の佐山頭首工を訪れます。アクセスは国道1号の「前野」交差点を県道24号(甲賀土山線)を南下し、野洲川(やすがわ)手前の道を右折。そして瀧樹神社(たきじんじゃ)方面へ行き、その先に当該の頭首工が見えてきます。

ところで、この頭首工の名称ですが、なぜ佐山なのでしょうか。周囲にそれらしき地名は見当たりません。気になったので調べてみました。どうやら野洲川のこのあたりの左岸側は以前「佐山村」だったことと関係がありそう。佐山村は1889年4月1日の町村制の施行により隠岐村、神保村、小佐治村、岩室村、和野村、嶬峨村(ぎがむら)がまとまって佐山村となります。そして1955年4月1日に佐山村は大原村、油日村(あぶらひむら)と合併して甲賀町になったため、この日をもって佐山村の名称は廃止となったそうな。

で、この頭首工は1966年に着工し、翌67年に完成するわけですが(参考)、その名称はおそらくかつてこの付近が佐山村だったことにちなんで命名されたものと思われます。そんなことは現場にはどこにも説明はありませんけどね。

そんなこんなで到着しました。野洲川の右岸から見ると頭首工はこんな感じ。



どうやら左岸のほうに取水口があるようです。



これが真横から見た佐山頭首工の姿。



すぐ近くには四畳半ほどの建物。詰所か何かでしょうか。



その壁には水利使用標識が貼られています。



では、左岸に向かって頭首工の上を歩いてみることに。中央から上流側を見るとこんな感じ。野洲川を横切っている橋のところは県道24号(甲賀土山線)です。



一方、下流側はこんな景色です。言うまでもありませんが、野洲川の水量が多い時はここも川になるんです。



そこから右岸を見るとこんな感じ。



左岸側の設備に目を向けます。この日の流量は少ないながらも澄んだ水が流れていました。以前訪れた「野洲川ダム」、そして「青土ダム」の圧巻の洪水吐から流れてきた水がここに至るわけです。そう考えると感慨深いものがありますね。



通常、水の流れは左岸側のようで、その中央寄りには魚道があるんですが、この時は全く機能していませんでした。



左岸側から勢い良く流れ出る水。見ているだけで清々しい気分になります。



おそらくこの裏側あたりに取水口があって、そこから分水して左岸側の農地へ流れてゆくのではないでしょうか。いずれにしても現地にはそうした説明のための案内板が全くないので残念でなりません。この頭首工とて野洲川農業水利事業計画の一旦を担っているのですから下流にある石部頭首工、水口頭首工同様に丁寧な案内板があってもいいんじゃないかと思うんですけどね。それとも、もう用済み?

そりゃないぜ、セニョール!
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