ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

県の中小河川改修事業の嚆矢…遠野ダム

2024-07-16 06:58:12 | 岩手(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。今回は岩手県遠野市遠野町栃洞(とおのし とおのちょう とちぼら)を流れる北上川水系来内川(らいないがわ)に築造されている 遠野ダム を目指します。アクセスは遠野駅付近を走る県道238号(遠野住田線)を来内川沿いに南下していくと「←遠野ダム」の表示板があるので、そこの道を入っていくとすぐです。

左岸、ダム横に到着しました。こんなダムです。治水ダムのようですね。

遠野ダムの概要。高さ26.5m、長さ181.5mの重力式コンクリートダムだそうです。

左岸、ダム横には2つの石碑があり、ひとつは横長の石碑で次のように記されています(写真は撮り忘れました)。

「民話の古里遠野の母なる山、物見山、柳田國男をして遠野の城下はすなはち煙火の街なり。その●の●の日は馬千匹人千人の賑はしさなりと云わしめた南部駒はこの地によって育てられ幾多の馬産家によって名馬が生産された。採草の歴史は古く●●●●●●乾草はきと秣の改良は先人より引継がれ秣組合として上組中組下組にわかれ活用されて来た。昭和三十年二月二十一日遠野市と年間契約を結び利用者による自主的経営改善草地の高度利用をはかることを目的に物見山牧野農業協同組合設立発起人会が開催され総意によって設立することを決定した。昭和三十一年一月三十日設立登記完了。当時組合経費の賦課は一組合員年間百円牛馬一頭二百円であった。昭和三十二年八月二十日非出資組合を出資組合に改称。出資口数百四十四口。出資金総額五百七十六万円。出資金一人一口と●●●●。遠野市は田園都市を標榜し農業振興は農業後継者の育成●●●と県立遠野農業高等学校の新設運動が高まりその●●の一部をこの地に求めたので組合は交渉委員を●●接渉を●め昭和三十三年九月十七日農地法第九条の規定による農林省か市より買収。同年同月同日農地法第三十六条の規定によって遠野市遠野町三十二地割●五十番遠野市綾織町新里三十一地割一番の一牧野面積三百五十三万五千九百平方米を組合が取得した。その代金五百三十万円支払は五ヶ年の年賦償還●●つた。ここに物見山は当組合の所有地になり名実共にその歩みを進めたわけであります。この頃より馬にかわって農業の機械化が進みはじめたので組合の健全育成を考え昭和三十三年九月二十六日百四十五万千三百五平方米を伐採期間自昭和五十三年至昭和八十三年の三十一ヶ年間、分収割合を相互五割として岩手県水源林県行造林と契約を取り交わし造林を実施した。昭和四十二年三月二十日百万四百平方米を契約期間自昭和四十二年至昭和九十三年の五十一ヶ年間、分収割合を四対六として岩手県水源林県行造林と契約造林を実施した。昭和四十五年七月二日組合と組合員との利用権改定を確立し組合員三十五名は岩手県水源林県行造林と契約の上造林をし組合員●●名は個人造林を実施した。物見山と人馬の歴史を振り返へり●●取得の起因に想いをはせ、組合の進展とその経●●と●の先人の労苦に感謝の誠を捧げ永く伝えんとするものである。

     昭和四十九年四月吉日
       物見山牧野農業協同組合
       組合長 理事 新里善治」

※物見山(ものみやま)とは遠野ダムの西南西にある標高916mの山のこと。

まあ、要するにこれは物見山牧野農業協同組合設立の経緯を説明したもので、遠野ダムとは無関係の石碑なのでした。

そして、もうひとつの石碑には「締田山記念碑」と題されているんですが、これは大正六年十二月に建立されたもので転記はしませんが、どうやら牛馬の飼料となる秣(まぐさ)を作る田んぼをどのように確保したのかについての経緯が記されています。なので、これも遠野ダムとは関係がありません。


ダム築造の経緯がわからぬまま、とりあえずダム上を歩いてみることにします。

左岸の親柱のところには「昭和三十二年六月一日竣功」のプレートが嵌め込まれており、

1957年に築造された当初の名称は「遠野堰堤」だったようですね。

ダム上、中央から見た上流方向の様子。木ばっかり…。

一方、ダム下を覗き込みます。上のリンク先のデータによれば、遠野ダムの高さは26.5mで、長さは181.5m。

そして下流方向の景色。

対岸(右岸)に来ました。振り返るとこんな感じ。

それにしても、こんなプレートをわざわざ貼る必要があるんでしょうか。施設を傷つけるのがいけなのは当然のことだと思うんですけどねえ。それとも過去にそんなモラルのない輩がいたんでしょうか…。


上のリンク先の説明では当該ダムは中小河川改修事業として整備された岩手県補助ダムの第一号だそうで、ここから岩手県の土木事業躍進につながっていったそうな。
コメント