プリンセス トヨトミ(映画 2011年)

2014-12-01 00:00:55 | 映画・演劇・Video
toyotomi原作とは、登場人物の性別が異なっていたり、少し違う部分があるのだが、基本的に400年前の大阪夏の陣で滅亡した豊臣家に生き延びた末裔(国松)がいて、そのトヨトミ家の王女を守る地下組織がOJO。別名、大阪国。イスラム国みたいだ。そして大阪城の研究組織としての名目で国家予算から毎年5億円を着服している。総理大臣は中井貴一。

一方、OJOの秘密に肉薄するのは堤真一以下(含む綾瀬はるか)の会計検査院職員。

そして、基本的には、中井、堤以外は全部端役といっていいだろう。二人は全面的に対立し、大阪は無人化し、マヒしてしまう。無人の道頓堀で輝き続けるのは、先代のグリコの看板だけだ。

で、本当は単なる娯楽映画なのだが、妙に考えさせられるところがある。「父と子の関係」「地下組織なのに国会議事堂をつくってしまうこと」「豊臣家を守るという大義の割に毎年5億円の資金にこだわること」そして、「トヨトミ家の末裔を守り続けるという意志は、天皇制をなんとしても守ろうという人たちにつながっている点」などだ。

個人的には、秀頼のこどもの国松は遺伝的には秀吉の孫ではないと思われること。秘密の地下道の行き先である大阪城の抜け穴だが、今の大阪城は、元の大阪城の場所とか構造とかよく調べないで作ったため、別の場所にあったはず、という点などが気にかかるわけだ。

ところで、安倍内閣の短命大臣にされかかった菊池桃子さんがほんのちょっとだけ出演。国松の母親(つまり秀頼の愛人)役で、大阪夏の陣の落人として国松を逃がすのだが、スクリーンに登場してすぐに一言二言で斬られてしまう。かわいそうなことに最後の方で、再びそのシーンがフラッシュバックする。死ぬ役で二回も登場というのは、めったにないだろう。