恋におちたシェークスピア(1998年 映画)

2014-12-23 00:00:42 | 映画・演劇・Video
原題は『Shakespeare in Love』。アカデミー賞を1ダース近く獲得した名作で、観るのは3回目。2回目に観た時との間隔が少し離れていたこともあるのかもしれないが、今回見た時に、前回の勘違いとかあったことがわかる。まあ、映画ってメインテーマ以外にも監督のこだわりみたいなのもあるのだが、観客は気が付かないものだ。だから、何度も見ていると面白くなることがある。ゴルフ場の会員になるようなものかもしれない。

shakespeare


で、この映画の背後には、もちろん「ロメオとジュリエット」があるのだが、この大悲劇を元にして喜劇にしているわけだから脚本家の腕はすごい。当然ながらシャークスピア(ジョセフ・ファインズ)が主人公だと思っていると、実はジュリエットを演じるヴァイオラ(グウィネス・パルトロー)のための映画のようになっていく。ある意味、喜劇的人生を演じるシェークスピアと悲劇的人生に向かうヴァイオラ、そしてエリザベス1世が、いい味を出している。

映画の最後の方(唐突なこの映画のストーリーをまとめるあたり)で、女王がヴァイオラに対して、シェークスピアと別れてアメリカ大陸に行くように命令するわけだが、そこの意味が少し引っかかっていたのだが、今回見ていて感じたのは、女王はヴァイオラに嫉妬したのだろうと気が付いた。だから宮殿にくるように誘ったり、次に喜劇『十二夜』を書くように言ったのだろう。

そして、実は、まだ劇中で起きる殺人事件について、しっくりいかない点もあるのだが、そのうちわかるかもしれないなあ、と根拠なく思ったりする。

それと、エリザベス1世だが、映画の中ではコケにされているのだが、実際の人物は英国史上もっとも重要な人物の一人である。スコットランドとの統合に大きな貢献を残し、その頃スペインの圧力で崩壊しそうだったり、宗教問題で迷走中だった英国が、いまだに王国を続けているのは彼女の功績が大だ。時代的にも日本で言えば徳川家康みたいな実績があるわけだ。

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ところで、Shakespeareというスペルも間違いやすい。古典的英語だ。彼の書いたセリフは単に詩としても美しすぎるのだが、残念なことに翻訳すると、その美しさの大部分が失われる。Shakespeareの原文を探しに、在住している県の最大洋書店(丸善)にいったが、幸い見つけることはできず、代わりにもっと手ごろな本を買う。後で開いてみると、CD付きだった。いつ、この本を読むのか、自分でも想像できない。