日展の不思議

2014-12-04 00:00:41 | 美術館・博物館・工芸品
国立新美術館で日展が開かれていて、別の展覧会を観たついでに、初めて日展の会場へ入る。4時以降なら、はじからはじまで全部観ても300円。

日本画、洋画、工芸、彫刻、書の5部門だが、書道については、審査員の不正行為が表沙汰になり、よく考えるとその他の部門でも同じようなものではないかという話になり、色々な対策は出たものの、どうも変わっていないらしい。各分野には色々な派閥があって、派閥ごとの枠があるという構造は変わらないらしい。

で、結局は権威のない日展ということになっているらしい。古くは帝展に入賞するかしないかで画家という肩書に箔がついたそうで、帝展に入賞するためにはなんでもするという芥川賞みたいな話をよく読む。

そして、何しろ作品数が多過ぎる。洋画や日本画は1000点を超えているのではないだろうか。一見して、すばらしい作品で個性的といいたいが、多くの絵画は、どこかで見たことがあるという感じがある。多くは印象派の前後の西洋画の影響のようだが、スタジオジブリの影響ではないかと思えなくもない。そしてほぼすべての絵画がコントラストが弱く、これがクールジャパンなのだろうと感じる。

で、選考過程はともかく、日本は画家だらけの国だ、と言い切れるのだろう。日展に出る前に展覧会は無数にある。人口当たりの画家比率は日本が最大じゃないのかな。

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そして、びっくりしたのが「彫刻」の部屋。展示室中に立像が並ぶ。一部屋じゃない。何人いるのだろうか。

係員も大勢いるのだが、どうも日展側の人らしい。有名先生が現れると、その先生に群がる係員が現れる。

そして、日本画と洋画の部門の違いとかどうなのだろう。日本画といっても「竹に鶯」などの定番は見当たらず、ほぼ洋画と同じ。絵具の差なのだろうか。なんだかわからないことが、どんどん増えてしまうわけだ。