児島虎次郎記念館へ

2014-12-14 00:00:32 | 美術館・博物館・工芸品
倉敷の大原美術館には、エル・グレコやゴーギャン、モネ、マチスなどの世界の名画を集めた本館の他にも、分館、工芸・東洋館などがあり、さらに児島虎次郎館(およびオリエント館)がある。

児島虎次郎館は、場所も離れていて(アイビースクエア内)、さらに本館内に展示されている彼の作品が、やや二流的な感じを与えるため、いつもパスしていた。どちらかというと、画家と言うよりも大原美術館の欧州地区買い出し人と認識していた。

先日、同じく美術館の付帯施設である「有隣荘」が期間限定で公開された時に、ついでに児島虎次郎館にも足を延ばしてみると、

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かなりの量の作品が展示されている。もしかしたら、彼はお金に困っていなかったので、絵画をあまり売らなかったのではないかと、感じた。梅原とかフジタとかと比べても遜色ないような完成度の高い作品が並んでいた。

確かに、彼が画家としてフランスを中心に活動していた時期(1910年代から20年代)は、「美」「光」を求めた印象派のブームが去り、荒々しいタッチのルオーとか数多くの画家が絵画的実験を行っていた時代なので、児島虎次郎のような色々な流儀の折衷型のような画家は身の置き所がなかったのかもしれない。

といっても、絵画は能書きで見るものでもなく、ピカソなんか、何度も主義を変えて書き続けたのだから、単に作品と直接対峙すればいいのだろう。

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そして、コレクターとしての眼の真贋が問われるのが、骨董とか出土品。絵画の選択より難しいだろう。100年前か1000年前か4000年前か。オリエントといっても西はエジプトがあって、シリア・イラクのメソポタミアがあり、イランがある。児島虎次郎はエジプトとイラン(つまり、相当古いもの)を得意としていた。

オリエント館には、紀元前2000年などの出土品が平然と並んでいる。(大原美術館の東洋館の二階にも、古代中国で祭礼の時に生贄にされる人間の話が、甲骨文字で何かの動物の骨に刻まれていて、平然と陳列されている)