上原ひろみ、岡山に

2014-12-19 00:00:05 | 音楽(クラシック音楽他)
hiromiu上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト、「ALIVE」JAPAN TOUR 2014 が全20公演の日本ツアーの18番目に、岡山市民会館にやってきた。実数はよくわからないがFBなどで推測すると、『伊豆の踊子』の旅芸人みたいに、いつも世界のどこかに出没してLIVEしているような感じだ(今年の演奏北限はデンマークで、南限はアルゼンチンだったそうだ)。

本当は、東京フォーラムで3連続公演があって、そちらの方がよかったのだが、早々と席が売り切れ。そうなると、地方都市のいいところで、売り切れまでに時間差があって、数か月前に予約購入したのだけど、問題は12月の中旬ということで忘年会シーズン。とりあえず、当日の出張仕事を入れておいて、直前キャンセルという荒業を実行。

で、なんとか会場に辿りつくと、昭和後期の香りが漂うホールで、こんなところでいいのだろうかと思うのだが、年配の観客も多い。よく考えると、地方都市ってこういうものだよね。若い人は少なく、さらに薄給生活。

そして、席は「S」席なのに、二階の奥の端の方だった。といっても渋谷のNHKホールのように天体望遠鏡が必要ということではない。演奏が始まって気付いたのだけど、ちょうどピアノの鍵盤の延長線上で「上から目線で見える」位置になっていて、横顔(右側)と右手と左手が同時に見えるという、かなり運のいいシートだったわけだ。

それで。気付いたのが、右手と左手の指の形の差。指は大ざっぱにいって、丸く保つ式と指をのばして使う式に分かれるが、彼女は、右手は指伸ばし式で、左手は丸く保つ式のように見えた。

そして、演奏している3人のうち、上原さんだけはエネルギもりもり型なのだが、残る二人の男性にはお疲れ感が漂うと言えないでもない。前日は埼玉の川口で、岡山の翌日は福岡。そして大阪が最終となる。毎日食べているご当地ラーメンの結果が、エネルギになる人と、体脂肪になる人がいるということなのだろうか。

コンサートの前半は、多くの時間が鍵盤の右端の方で音階が高速回転していくので、高音疲れで、だんだん疲労感が脳や心臓に貯まっていくのが自覚できる。これって、「JAZZ」というより「祭り」だ。祭太鼓なんだ!

休憩時間の後は、鍵盤の中央付近でのプレーになるので、聴く方に余裕が出てくる感じで、「そういえば、日本的な主題がある、と感じてくる。日本人が2000年以上前から抱いている感性「さびしさや孤独感とやるせなさ」など。

そして、ちょっと新しい弾き方を披露している。JAZZでも祭りでもない宇宙音楽みたいな世界。成功かどうかはよくわからない。

そして、3時間近い熱演は終演。ピアノでも弾いてみたいなと、指の屈伸運動をしながら席を立ったものの、外に出れば小雪の舞う世界。齢のせいか指先冷却化作用により神経がこわばってしまい、あわててポケットの中のホカロンをさがす。