言葉の救はれ・時代と文學

言葉は道具であるなら、もつとそれを使ひこなせるやうに、こちらを磨く必要がある。日常生活の言葉遣ひを吟味し、言葉に学ばう。

『日本が闘ったスターリン・ルーズベルトの革命戦争』を推す

2024年06月09日 10時21分26秒 | 評論・評伝
 

 版元の高木書房の斎藤信二さんから送られた書籍である。著者は、国際近現代研究家の細谷清氏である。知つて見ると、社会工学者の故目良浩一氏と共に「歴史の真実を求める世界連合会」を設立された方であつた。
 現代の戦争は、弾薬と戦闘によるものであるよりも前に、歴史観によつて行はれてゐる。現今のウクライナ戦争も、きな臭い台湾へのシナの戦略も、朝鮮半島の南北の対立も、いづれも歴史観闘争が水面下では繰り広げられてゐる。
 その暗渠は、日米戦争にもつながつてゐる。著者は「なぜ、どの様に、戦争は起きたのだろう」といふことを調べていくうちに、さう確信を得るやうになつた。米国が傍受解読した電報はルーズベルトによつて内容の変更が許可され、スターリンに渡ることも許してゐたのではないか。ルーズベルトの陰謀と、スターリンの野望に、当時の日本政府は無知であり過ぎた。
 さういふ怒りも著者の根底にはあるだらう。昭和99年。来年は100年である。この時期にさうした真実を明らかにし、二度と同じ過ちを繰り返したくない。さういふ覚悟が伝はつて来る。
 
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