アマンジャクの伝承
高御位山の磐座(いわくら)の続きです。
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昔、大己貴命(オオナムチノミコト)と少彦名命(スクナヒコナノミコト)の二神が、一夜のうちに石の宝殿をつくりあげようと相談されました。
さっそく、汗を流し、巨岩を切り抜いて細工をはじめられ、石屑が、辺り一面に飛び散り、どうにも始末が負えなくなりました。
そこへ、へそ曲がりのアマンジャク(天邪鬼・アマノジャク)がやってきました。
アマンジャクは、ずいぶんつむじ曲がりですが、親切なところもありました。
二神のそばに来て、「その石屑は、このアマンジャク様が捨てて参りましょうか・・・」といいました。
二神は喜んで「それでは、南の海に投げ込んでくれ・・・」と頼みました。
アマンジャクは、大きな袋に石屑をいっぱい詰め込んで、スタスタと出て行きました。
へそ曲がりのアマンジャクのことです、南へ行かず反対に北の方へ急ぎました。
「へ、へ、へ・・・これを、海にすてては俺様の名がすたる。高御位山のてっぺんへすてるのさ・・・」と独り言を言いながら道を急ぎました。
そうしているうちに、さすがのアマンジャクも背の石屑の重さが、だんだんこたえてきました。
息が切れ、疲れてしまいました。
あまりのしんどさに、一息ついて、水を見つけては喉を潤しました。
しばらく行くと、また息が切れて水を飲みました。
七回休息し、石屑を山頂へ
一里の道を行くのに七回も休んで水を飲みました。
七回目に、今の成井(なるい・現:加古川市志方町西志方)」(高御位山の麓の村)の井戸の水で、喉を潤しました。
この水は何とも言えない美味しい水で、今までの疲れもいっぺんにふきとんで、再び元気が出てきました。
そして、一気に高御位山の頂上まで、重い石屑を担ぎあげたということです。(no3402)
*挿絵:アマンジャク(天邪鬼)(インターネットHPより)
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