樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

樽と桶はどう違う?

2006年08月10日 | 木と飲食
昨日、葛飾北斎の樽の絵を取り上げたので、樽つながりの話です。
酒樽とか醤油樽とは言いますが、酒桶とか醤油桶とは言いません。樽と桶は別物で、どう違うのかと言うと、板目の材を使うのが樽、柾目の材を使うのが桶。

      
       (酒樽にはスギの板目の材が使われています。)

酒や醤油、味噌など液体が染み出したり蒸発すると困るものは、板目の材で作った樽に入れます。逆に、液体を貯蔵するのが目的でない場合は、湿気を吸収して蒸れにくい柾目の材で作った桶に入れます。寿司桶などがそうです。桶という言葉は使いませんが、昔のおひつもそうですね。
「じゃあ、お湯をはる風呂は、なんで桶なの?」と言うと、お湯は液体ですが、貯蔵が目的ではないのと、肌触りがいいので柾目の桶なんだそうです。

      
        (わが家の寿司桶も柾目。材は多分サワラ。)

材料は、寿司桶やおひつはサワラ、日本酒の樽はスギ、ウィスキーの樽はオーク(=ナラ)。サントリーは今でもウィスキーの樽を内製していて、北米産のホワイトオークやスペイン産のコモンオークのほか、日本産のミズナラ(ジャパニーズオーク)も使うそうです。面白いことに、樽を締める帯鉄は20~30年で腐って切れてしまうのに、樽の木材は100年くらいもつそうです。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする