樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

今年初めて

2016年12月29日 | 野鳥
2016年もあと3日。年末なので1年を振り返って、10大ニュースというわけではないのですが、今年初めて体験したことをご報告します。
まず、今年初めて見た鳥。すでにご紹介しましたが、宇治川での調査の際にオオムシクイに出会いました。ただ、亜種が種に昇格したためにライフリストが増えただけで、あまり感激はありませんでした。
千葉県幕張で行われた野鳥の会全国総会の帰りに、谷津干潟で遭遇したハジロコチドリも今年初めて見た鳥。他のチドリとよく似ているので大きな感激はないものの、かわいい鳥だったのでもう一度動画を掲載します。



9月のタカの渡りシーズンには、他の調査員と一緒にコグンカンドリを目撃しました。京都府では2度目の記録となる珍しい鳥です。
でも、動画で撮れる状況ではなく、スコープで10秒ほど見た程度。もう少しじっくり観察できれば「見た~」という実感が湧くのでしょうが…。
というわけで、今年初めて見た鳥が3種で、ライフリストが約320種になりました。「約」と書いたのは、記憶や記録が曖昧なためです。
「今年初めての鳥」といえば、ウズラの着ぐるみ。先日ご紹介したとおり、環境イベントで初めて着ぐるみを被りました。なかなか面白い体験でした。
そして昨日、今年初めて家を補修しました。この家を建てて19年、外壁の継ぎ目の防水シールが劣化していたので、業者さんに依頼して修理していただきました。本格的な補修は今回が初めて。これからあちこち不具合が出てくるのでしょうね。



今年1年、当ブログを閲覧いただき、ありがとうございました。来年もよろしくお付き合いください。では、みなさま、良いお年を…。
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糞から生まれた枝

2016年12月22日 | 木と文化
ヨーロッパではクリスマスの頃に、ヤドリギの枝を赤いリボンで結んだものを廊下や天上に吊り下げ、そこで出会った女性にはキスをしてもいいという風習があるそうです。東京ディズニーランドでもカップル向けの装飾に導入されているとか。
クリスマスソングにもヤドリギ(mistletoe)がよく登場します。例えば、マライヤ・キャリーの「恋人たちのクリスマス」は以下のとおり。
I won't ask for much this Christmas(今年のクリスマスは高いものをねだったりしないわ)
I won't even wish for snow(雪だって降らなくていい)
I'm just gonna keep on waiting(私はずっと待ち続けるわ)
Underneath the mistletoe(ヤドリギの下で)

さらに、いつも当ブログにコメントをくださるguitarbirdさんは、ヤドリギが登場するクリスマスソングを6曲も紹介されています。ヤドリギは欧米ではクリスマスの恋人たちには欠かせないアイテムになっているわけです。
日本人はそういうロマンチックなイメージは持っていないでしょう。特にバードウオッチャーは、「ヤドリギの実はレンジャクが大好きで、食べた後、粘っこい糞をする」というロマンチックとは言えない知識を持っています。


真ん中に白く垂れているのがヒレンジャクの糞

実は、ヤドリギの英名mistletoeもロマンチックではないようで、語源を調べると「糞」を意味するmistelと、「枝」を意味するtanが結合して生まれた単語で、mistletoeは「糞から生まれた枝」という意味。
多分、アングロサクソン民族はヤドリギとレンジャクの生態を知っていて、「糞から生まれた枝」と名付けたのでしょう。
クリスマスの風習のロマンチズムと、語源のリアリズム…。ギャップがありますね~。
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吉兆くん

2016年12月15日 | 樹木
週末、京都市伏見区で「京都環境フェスティバル2016」が開催され、日本野鳥の会京都支部も例年どおり出展しました。今回は私の提案で、着ぐるみを採用しました。
伏見区深草支所にウズラの「吉兆くん」というゆるキャラがいて、着ぐるみを無料で貸してくれるというので、会場での客寄せにと思ったのです。
「夕されば 野辺の秋風 身にしみて うずら鳴くなり 深草の里」という藤原俊成の歌にちなみ、その声を「吉兆 吉兆」と聞きなしたことから生まれたという由緒正しい(?)キャラクターです。
問題は、誰がかぶるか。最初、10代の会員に頼みましたが断られました。別の若い会員が了承してくれたのですが、言い出しっぺとして私も交代でかぶりました。



胴体はソフトな布素材ですが、頭部分の素材は発泡スチロール。断熱効果で暑く、動き回ると汗が出ます。また、視界が狭い上に、目の部分のガラスが蒸れて曇るので、周囲がよく見えません。しかも、外の音が遮断されるのでほとんど聞こえません。会場は賑やかなのに、聞こえるのは自分の息づかいだけ。着ぐるみの中で一人孤独感を味わっていました。



でも、子供たちは大喜び。優しくなでなでしてくれる子、抱きつく子、クチバシから手を突っ込んでくる子…。あらためてゆるキャラの人気を実感しました。
もう一つうれしかったのは、女性にもてたこと。女子高生や若いレディー、中高年の女性が「カワイ~」と言いながらすり寄ってきて、握手したり、なでなでしてくれたり、写真を撮ったりしてくれるのです。
かぶったのは1回30分程度でしたが、その間アイドル気分が味わえました。「来年もまたやろう!」と固く決意しました(笑)。
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ナスカの鳥

2016年12月08日 | 野鳥
今年の夏から野鳥の会(京都支部)の会報の編集を担当することになったので、特集や記事になるテーマをいろいろ探しています。長年このブログを続けてきたおかげで、ネタはたくさん蓄積できているのですが、同じテーマを再度掘り下げると新しい知見が得られます。
例えば、「鳥の考古学」。これまでにも「初めて描かれた鳥」や「鳥と考古学」と題してご紹介しましたが、改めていろいろ調べるうちにナスカの地上絵が入手できました。
これまで航空写真はあるものの著作権で保護されているので勝手には使えませんでした。しかし、Google Earthでナスカの地上絵が入手できるうえに、個人使用や公益使用ならOKとのこと。
それで入手したのが以下のハチドリ。くちばしの先から尾羽まで96mあるそうです。



ナスカの地上絵は紀元前200年~紀元後500年に描かれたとされています。世界最古の鳥の絵は1万5000年前に描かれたフランスのラスコー洞窟にあるそうですが、私たちの目に触れるものとしてはナスカの地上絵が最も古いでしょう。
下の絵はコンドルで、大きさは135m。



このほかにも、ナスカにはペリカン(サギとかフラミンゴともいう)、オウム、フクロウ(宇宙人ともいう)が描かれていて、鳥は5種類。
犬や猿、クモも描かれています。なぜ、どのようにしてこんな巨大な絵を描いたのかを想像するのは楽しいですが、バードウオッチャーとしては、絵のモチーフが本当にハチドリやコンドルなのかという識別の楽しさもあります。
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天上の木

2016年12月01日 | 樹木
京都府は現在「森の京都」というキャンペーンを展開しています。京都府中部の自然を観光や産業の振興につなげようという試みのようです。
その取り組みの一つとして「天上の木 10選」が選定されました。府のホームページには、次のように書いてあります。
亀岡市、南丹市、京丹波町、福知山市、綾部市、京都市右京区京北の6市町からなる「森の京都」エリアにおいて、単なる木にはない魅力を持ち、勇気や癒し、感動を与えてくれる(中略)「天上の木 10選」を決定しました。
その中に、私がよく訪れる栃の森のトチノキの巨木が入っていました。府のサイトの写真を見ると、樹形がよく似ているので間違いないと思います。下の写真は先月訪れたときのもの。写っているのは同行のメンバー。



京都府のサイトには「この森には、西日本屈指の広大な原生林が残されていますが、その中でもこのトチは独特のオーラがあります。どっしりとした幹、見上げるとてっぺんが見えないくらいの樹高など、見る者を引きつける魅力たっぷりのトチノキです。見ていると心が落ち着き、自然の雄大さを感じさせられます」と紹介されています。
そのほかにも、当ブログで以前紹介した木が2本選ばれていました。一つは、京丹波町の「七色の木」。
周囲7.4m、樹高11mのカツラの巨木に、スギ、ケヤキ、フジ、カヤ、イロハモミジ、イタヤカエデの6種類の樹木が共生し、合計7種類なので「七色の木」。9年前の画像をCD-Rから引っ張り出してきました。




もう一つは亀岡市の国分寺跡にあるイチョウの巨木。気根が垂れ下がっているので、「乳銀杏」と呼ばれています。



このブログを始めて10年以上になりますが、「あちこちよくツリーウオッチングに出かけたものだな~」と自分ながら感心しています(笑)。
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