樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

ロビンフッドの弓

2008年01月30日 | 木の材
何を勘違いしたのか、大学に入学したときアーチェリー部に入りました。でも、3日目に「体育会系のクラブなので学生服を着用するように」と言われてすぐに辞めました。
現在のアーチェリーはグラスファイバーやカーボンファイバーですが、昔の弓は木製。竹製の和弓も、竹と竹の間に木(ハゼノキ)をサンドイッチしています。

       
          (マユミの実。材が弓に使われたのでこの名前)

弓に使われた木はいろいろあって、よく知られているマユミは名前のとおり。また、「梓弓」が「引く・張る」の枕詞になっているくらいですから、アズサ(ミズメ)もよく使われたようです。
古代の遺跡からはイヌガヤ、ユズリハなどいろんな樹種の弓が出土しています。いずれもしなりがよくて反発力が強い木だそうです。

          
        (イチイの巨木。広島県の比婆山で撮影)

北海道にたくさん生育するからでしょうが、アイヌの弓はイチイ製。ヨーロッパでも弓にイチイを使いました。アルプスの山中で氷づけになった5000年前の人間が発見されましたが、その男が持っていたのもイチイの弓。
特に、イギリス軍のイチイの長弓は現在のミサイル級の威力があったそうで、「もしイギリスにイチイが生育していなかったら、百年戦争でフランスに負けていただろう」と言われています。
イギリスで弓の名手として知られる義賊ロビンフッドも、多分イチイの弓を使ったはずです。
アーチェリー部は3日で辞めましたが、左腕を前に伸ばしたまま肘の関節を内側に回す基本動作は今でもできます。
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流れ橋

2008年01月28日 | 木造建築
うちから10kmほど離れた所に日本最大級の「流れ橋」があります。
「流れ橋」というのは、川が増水した際、橋板が浮き上がって流される仕組みになっている木造の橋。本当に流れたら後で困るので、橋板はワイヤーで繋がれていて、水が収まったら引き寄せて修復します。

       
         (木津川に架かる流れ橋。この日は水が少なかった)

この橋の長さは356m、幅は3m。水圧を受けないよう欄干が省いてあるので端っこは危ないですが、眺めがよく、開放感があって、渡ると気持ちがいいです。
意外にもこの橋は京都府の府道になっていて、歩行者だけでなく自転車やバイクも通行できます。また、時代劇の撮影によく使われ、大名行列などのシーンによく登場します。

       
               (橋板の木材はスギのようです)

1953年の架橋以来、これまでに台風や集中豪雨で16回流され、そのたびに修復しているそうです。水に浮く木製ならではの知恵ですね。
木製ではありませんが、似たような橋に沈下橋というのがあります。以前、高知県に鳥見ツアーに行ったとき、四万十川の沈下橋を車で渡ったことがありますが、欄干がないのでおそるおそるでした。
ちなみに、日本最大&世界最大の木造の橋は静岡県島田市の大井川にかかる蓬莱橋。全長897mでギネスブックにも登録されているそうですが、去年の台風4号の際に一部が流出して現在は通行が制限されているようです。流れ橋にすれば修復も早いのに…。
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木の上の街

2008年01月25日 | 木造建築
イタリアのベネチア(ベニス)はゴンドラで知られる観光都市ですが、最近は海水の浸水で注目されています。この街が、実は木の杭の上に築かれていることを最近知りました。
6世紀、イタリア本土を追われた人々がこのあたりの干潟にたくさんの木の杭を打ち込んで基礎を造り、その上に街を建設したそうです。その数は膨大なもので、一説には1億5000万本。「ベネチアをひっくり返したら森になる」とも言われています。にわかには信じがたい話ですが、テレビ番組「世界ふしぎ発見!」でも取り上げられたようです。
その杭に使われたのは主にカラマツ。日本では落葉する唯一の針葉樹として知られています。

       
      (某研究林に植えてあるカラマツの黄葉。自生地は東北~信州)

カラマツはこうした基礎杭としての用途が多く、日本でも昔は鉱山の坑道や港湾工事によく使われました。また、尾瀬国立公園の木道もカラマツ製です。以前はブナやナラも使っていましたが、酸性土壌のために4~5年でボロボロになるので、現在は10年くらいもつカラマツに統一されているそうです。
ヤニが多いので普通の建築物や家具には使われませんが、逆に土木用途ではそのヤニが耐水性を発揮するのでしょう。しかし、いくら耐水性があるとは言え、1500年も干潟の中に埋め込まれたカラマツは腐ったり、強度が劣化しないのでしょうか。

       
            (カラマツ林の林床は落葉でふかふか)

その疑問に答える遺跡が日本にあります。宮城県で2万年前の土中からカラマツが発掘されたことがあり、その木は現在でも使えるような状態だったそうです。発掘跡は仙台市の「地底の森ミュージアム」として保存されています。
冒頭に「海水の浸水」と書きましたが、原因は地球温暖化ではなく地盤沈下。カラマツの強度劣化というよりも、地盤そのものが沈んでいるらしいです。
水門で街を守る「モーゼ計画」が提案されましたが、ベネチア市民に拒絶されて立ち往生しています。どうなるんでしょう、気になります。
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カラタチの邸宅

2008年01月23日 | 木と歌
カラタチという樹があります。中国から渡来した柑橘類なので唐橘(からたちばな)、さらに略してカラタチと呼ばれるようになったらしいです。
この名前を聞いて、島倉千代子の「からたち日記」を思い出す人は私とほぼ同世代でしょう。
   ♪~こころで好きと叫んでも 口では言えず ただあの人と
      小さな傘をかたむけた あゝ あの日は雨 雨の小径に白い仄かな 
      からたち からたち からたちの花

       
        (カラタチの生垣。撮影中もトゲが頭にからんで痛かった)

私よりもう少し上の世代は、北原白秋の「からたちの花」を思い出されるでしょう。
   ♪~からたちの花が咲いたよ 白い白い花が咲いたよ
      からたちのトゲは痛いよ いい針のトゲだよ
白秋も書いているように、この樹には鋭いトゲがあって、昔は獣を防ぐために畑の周囲に植えたり、防犯のために人家の生垣にしたそうです。
そのカラタチの中国名は、枳殻(きこく)。この名前を冠した「枳殻邸」という名勝が京都駅の近くにあります。正式名称は「渉成園(しょうせいえん)」ですが、生垣にカラタチを植えたので別名「枳殻邸(きこくてい)」。

       
         (枳殻邸は敷地1万600坪の池泉式回遊庭園)

私は京都市内から車で帰る時、この「枳殻邸」の前を抜け道にするのですが、先日初めて電車と徒歩で行ってきました。車では気づきませんが、確かに周囲の一部にカラタチが植えてあります。
この「枳殻邸」は広い庭園に茶室や書院など珍しい建物が10棟ほど点在していて、観光客も少なく、ゆっくりと見学できます。京都の穴場スポットとしてお勧めします。
カラタチは生垣以外にも柑橘類の台木として利用されるようで、ミカンの実りが早く、病気にもならないそうです。
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駅のアート

2008年01月21日 | 木と作家
「松下電器」も「National」もなくなって「Panasonic」に統一されるそうですが、そのお膝元の門真市から大阪空港までモノレールが走っています。この沿線の駅では「大阪モノレール美術館」と称して、大阪府主催の国際コンクールで入賞した彫刻作品を展示しています。

       

仕事先のある万博記念公園駅には5つの作品があって、そのうち2つが木の作品。上の写真は韓国のチェ・ソクホという作家の「幸福の門」。どっしりと木の重みが伝わってきます。
案内パネルの素材欄には「杉・松」と書いてありますが、スギは韓国には自生しないので別の針葉樹材でしょう。マツは韓国では最も一般的な有用材で、建築や生活用具などにも多用されています。

             

次は、チェコのアントニーン・スティブーレックという作家の「使者」。この曲線はコリヤナギという木の枝で表現されています。若い人はご存知ないでしょうが、日本ではこの木で柳行李(やなぎごうり)という現在のスーツケースを編みました。だから、本来はコウリヤナギですが、コリヤナギが正式名になっています。

             

千里中央駅にも木の作品が飾ってあります。イタリアのゼンナーロという作家の「立ち上がる構造」。樹種は表示してありませんが集成材です。
このほか金属や土の作品も展示してあります。私が実際に見た中では、「幸福の門」がいちばん伝わってくるものがありました。
こうしたさまざまなアートを駅という身近な場所に置くことはいいことです。たとえ、ほとんどの人が見ていなくても、そういう環境をつくることが大切だと思います。今度は途中下車して、他の作品も見て来よう。
「大阪モノレール美術館」のウェブサイトはこちら
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マリンバと馬頭琴

2008年01月18日 | 木と楽器
京都では毎月21日に東寺の「弘法さん」、25日に北野天満宮の「天神さん」の市が立ちます。それに習って、宇治でも去年の秋から万福寺で毎月8日に「布袋さん」が開かれるようになりました。先日、妻とその友人の3人でブラッと覗いてきました。
市そのものは小規模でしたが、このお寺が煎茶道の拠点になっている関係で、先生にお茶を入れていただいたり、金堂の前で行われたコンサートを聴いてきました。

       

以前ご紹介しましたが、この金堂はチーク材が使われていて、木材業界では有名な建築物です。その前で、第1部はマリンバと電気ピアノのデュオ、第2部ではモンゴルの馬頭琴とホーミー(同時に2つの声を出す歌唱法)のコンサートが行われました。
みなさんも小学生の頃に木琴を演奏したことがあると思いますが、マリンバも木琴の一種。NHKの「きょうの料理」で流れる曲がマリンバです。

       

マリンバに使われているのは、南米のホンジュラス産のローズウッド。コンサートが終った後に演奏者に尋ねたら、「現在は輸出禁止になっているので、国内の在庫分しか新しいマリンバは作れない」とおっしゃっていました。
ヤマハのホームページによると、木材が入手困難なため、現在はFRP製のマリンバも開発されているとか。ちなみに、私たちが子供のころに演奏した木琴はカツラかホオノキ製。

       
       (楽器も音楽もモンゴル製ですが演奏者は日本人)

馬頭琴とホーミーはテレビで観たことはありますが、生で聴くのは初めて。ゆったりとした音の流れが心地よく、日本の伝統音楽に近い世界でした。
共鳴箱や棹、名前の由来になっている馬の頭の彫刻などは木製で、2本の弦も弓の弦も馬の尻尾の毛。後で調べたら、木材は内モンゴルではマツ、外モンゴルではシラカバを使うようです。
この日の演奏者は、表にヤギの皮を張ったものを使っていましたが、最近は表にも木を使ってバイオリンのようなf孔をつけたものが多いそうです。

       
           (馬頭琴のヘッドには名前のとおり馬の彫刻が)

最後にマリンバ、電気ピアノ、馬頭琴が即興でセッションをしてくれました。南米産の木の楽器とモンゴル産の木の楽器が、東南アジア産の木の建築物の前で音楽を奏でる。「インターナショナルやな~」と思いながら聴いていました。
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オシドリ夫婦

2008年01月16日 | 野鳥
仲のいい夫婦のことを「オシドリ夫婦」と言います。ところが、バードウォッチャーの間では周知のことですが、実はオシドリは夫婦仲がいいわけではありません。子育てが終ればペアを解消しますから、むしろ夫婦仲の悪い鳥です。
ここまでは私も知っていましたが、「じゃあ、なぜオシドリ夫婦と言うようになったのか?」が以前から疑問でした。「繁殖中はいつもペアでいるから」と説明されますが、繁殖中はほとんどの鳥がペアで活動しますから答えにはなりません。
先日、木の本を読んでいて、ようやくその疑問が解けました。

       
       (カラフルな方が夫、地味な方が妻。一見仲良さそうでしょう?)

由来は中国の故事。ある夫婦の妻を暴君が奪ったために夫が自殺します。それを知った妻も、「夫と同じ墓に葬って欲しい」という遺書を残して後を追いました。怒った暴君は、同じ墓ではなく、少し離れた向かい合わせの墓に葬りました。
すると2つの墓からミズメの木が生え、大木に育ち、幹がからみ合い、樹上に1つがいのオシドリが巣を作るようになりました。人々はそのオシドリを死んだ夫婦の生まれ変わりと噂した、という話です。

             
              (ミズメ、別名アズサの葉)

なるほど。しかし、オシドリの疑問は解けましたが、今度は木にひっかかりました。著者は「ミズメの木」と書いていますが、ミズメは日本固有種で中国には分布しません。
本自体は非常に面白い内容でしたが、樹木の専門家ではないようで、おそらく原文の「梓」をアズサだと思い、図鑑で正式名称ミズメを特定したのでしょう。しかし、以前どこかに書きましたが、「梓」という漢字は中国ではキササゲを意味します。
ミズメはカバノキ科、キササゲはマメ科、全く別の樹。夫婦の墓から芽生えたのはキササゲだったのです。

       
         (トウキササゲの葉。中国では用途の広い優良材)

「オシドリ夫婦」の由来は、木と鳥がからんだ私にぴったりの話でした。ところで、うちの夫婦仲はどうなんだろ~?
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道路を曲げた樹

2008年01月14日 | 伝説の樹
京都では昨日「全国女子駅伝」が行われ、47チームの選手が碁盤の目のような通りを走り抜けました。
京都市の中心部は道がほぼ正確に東西南北に走っていますが、何ヶ所かは曲がったり膨らんだりしています。その一つに伝説の樹がからんでいる場所があります。
西大路通りと八条通りが交差するあたりに「若一(にゃくいち)神社」があります。この周辺は平安時代に平清盛が「西八条第」という大邸宅を造営したところで、その鎮守社として1165年に建てられたそうです。その傍らに、清盛が自ら植えたというクスノキが今も残っています。

       
             (少し西側に膨らんだ西大路通り)

昔は京都にも路面電車が走っていて、この西大路通りも電車道でした。昭和9年、軌道を敷設するためにこのクスノキを移植しようとしたところ、工事関係者が次々と事故や不幸に遭ったため、結局断念して電車を迂回させることにしたそうです。
西八条第は平家が都を落ちる際に焼かれましたが、このクスノキは燃えなかったそうで、それが事実なら樹齢は800年~900年ということになります。

            
            (清盛が手植えしたと伝わるクスノキ)

西大路八条よりもさらに大きく曲がっているのは、東本願寺の前の烏丸通り。ここにはイチョウがたくさん植えてあって、晩秋には美しい黄金色に染まりますが、樹木が理由ではなく、お参りする人々の安全のためにお寺が用地を買収して公園にしたので市電が迂回したとか。その代わり、別の用地と莫大な寄付金を京都市に提供したそうです。

       
      (東本願寺前の烏丸通りは公園のために東側に大きくカーブ)

駅伝は地元・京都が大会新記録で4連覇しました。何故か京都は駅伝が強いのですが、9人のランナーのうち2人の中学生を除いてほとんどが立命館宇治高校の在学生かOG。年末の全国高校駅伝で優勝した強豪校です。うちの近くにあって、よく陸上部の選手が近辺を走っています。
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木のオーケストラ-②

2008年01月11日 | 木と楽器
宇治市には「宇治シティーフィルハーモニー」という管弦楽団があります。プロ、音楽の先生、京都芸大の卒業生など宇治在住のメンバーが集まったアマチュアの楽団です。
昨年の年末、久しぶりにその定期演奏会に行ってきました。前売りなら500円でクラシックが聴けるありがたいコンサートです。やっぱり、生の音楽はいいですね。

       

全80人の団員のうち57人が弦楽器と木管楽器。オーケストラの7割は木の楽器ということです。
バイオリンやビオラ、チェロなど弦楽器に使われている木はドイツトウヒ。以前、ピアノの記事でもご紹介しましたが、楽器にはなくてはならない大切な木です。
名器と呼ばれるストラディバリウスに匹敵するバイオリンを製作するために、ロシアが独自の音響測定法で研究したことがあります。その結果、220年前の建築物を壊して得たトウヒを使ったら、よく似た振動特性が得られたそうです。トウヒなどの針葉樹は200年くらいまでは時間経過とともに木部の結晶性が高まり、振動特性が良くなるらしいです。

            
      (ドイツトウヒ。クリスマスツリーも元はこの樹でしたが今はモミ)

専門的なことはよく分かりませんが、オーケストラのピッチはA音が440ヘルツと決まっているのに、ボストン交響楽団は443ヘルツ、フィラデルフィア交響楽団は444ヘルツと、古いバイオリンをたくさん持っている楽団ほどピッチが高くなっているとか。

       
           (ピアノの先生の家にあった古いチェロ)

ドイツトウヒが使われているのは表板だけで、裏板や側板、ネックはカエデ。以前ご紹介したギターと同じで、表は針葉樹、裏は広葉樹という組み合わせです。また、指板や顎あてにはコクタン、糸巻にもコクタンやツゲなどの硬い木が、弓にはペルナンブコというブラジル産の木が使われています。
ピアノの記事に「木のオーケストラ」というタイトルをつけましたが、バイオリンも同じで、いろんな木が響き合ってあの美しい音を出しているんですね。
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絵馬

2008年01月09日 | 木と宗教
お正月らしく、絵馬の話を。
もともとは本物の馬を神様に奉納していたものの、負担が大きいので、絵に書いて奉納するようになったのが絵馬の始まりだそうです。
現在は馬の絵は少なく、それぞれの神社に縁のある絵柄を描いた絵馬が多いようですが、昨年訪れた奈良文化財研究所には本来の絵馬が展示してありました。形も現在のような屋根型ではなく四角形。当時は槍鉋(やりがんな)で削ったので、表面には凹凸があります。

       
       (平城京跡から発掘された絵馬のレプリカ。約30cm×20cm)

面白い形の絵馬もあります。京都市のほぼ中央に、御金(みかね)神社という小さな神社があります。某新興宗教の分派らしいですが、金色の鳥居と金運の願い事で知る人ぞ知るスポットになっています。
ここの絵馬は、ご神木がイチョウということもあってイチョウの形。上部に裂け目を入れて、イチョウの葉をリアルにかたどっています。

           
             (御金神社の絵馬はイチョウの形)

平城京で発掘された絵馬の材は多分ヒノキですが、現在の絵馬はほとんどがスプルース。アメリカやカナダから輸入したマツ科トウヒ属の木材です。比較的白いので絵柄が印刷しやすく、願い事の文字も書きやすいからでしょう。
私の散歩コースにある神社にもいろんな絵馬が奉納されています。人の絵馬を見るのはタブーかも知れませんが、先日感動的な絵馬に出会いました。お宮参りの絵馬でしょう、「健康で賢く育ちますように 私の子に生まれてきてくれて 感謝します ありがとう」と細い字で書いてありました。
私は男のくせに涙腺がゆるいのですが、赤ちゃんを授かったお母さんの喜びが伝わってきて涙が出てきました。今も書きながらもウルウルしています。
みなさんは今年の絵馬に何を書きました?
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