調べてみると、シャボン玉を吹きながら売り文句を唱え、子どもたちにムクロジの実で作った石鹸液とストローを売る「サボン玉売り」が江戸時代から明治にかけてあったようです。
その売り文句が、江戸では「玉屋~、玉屋~」、大阪や京都では「ふき玉やサボン玉、吹けば五色の玉が出る~」。キャッチフレーズとしては関西の方が優れていますね。
三都とも夏の風物詩で、特にお祭りの日はよく売れたそうです。このシャボン玉売りは日本舞踊の「玉屋」という作品にも残っているとか。
わが家ではムクロジの洗剤が却下されたので、シャボン玉を作ってみました。
ムクロジが子どものおもちゃに使われたのはシャボン玉だけではありません。種は羽根つきの羽根に使われました。下の写真はたまたま現在、宇治市歴史資料館で開催されている「子どもたちの近代誌」の展示品。
今ではほとんど見られなくなりましたが、昔はお正月になると「カチーン、カチーン」という羽根つきの音が聞こえてきました。ムクロジの種は硬いので、この羽根のほか数珠にも使われます。お寺の境内にムクロジの樹が多いのはそのせいかも知れません。
下の写真は、あるイベントで展示されていたムクロジの種。葉っぱと実も並んでいます。
ちなみに、羽子板の方の材はキリ。子どもが手に持っても軽いからでしょう。現在は遊びよりも装飾用として豪華な羽子板が作られています。
埼玉県の春日部市がその主な産地らしいですが、ここはもともと桐箪笥の産地であったことから、端材を利用して羽子板を作ったようです。