樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

府立植物園と京都御苑

2023年02月23日 | 野鳥
1月末の京都御苑探鳥会をピンチヒッターで担当したのに続いて2月12日にも担当するので、前日に下見に行きました。ほとんど同じ時期なので下見をする必要はないのですが、やはり鳥の状況を確認しておかないと、みなさんを案内する際に不安なので。
どうせ京都市内に出るならと、午前中に府立植物園を、午後に京都御苑を訪れました。植物園は今季初めて。目当ては、ルリビタキの雄成鳥とトラツグミ。その青い小鳥が一瞬見えた場所でしばらく粘っていると、ルリビタキではなくトラツグミが現れました。ところが、入園者が近づいてきたので地面から飛び立ち、私がいる場所の樹上に止まりました。



ということは、トラツグミは入園者は警戒したものの私は警戒しなかったということ? そう思うと嬉しかった。冬季に鳥を見に行くときは、背景に溶け込むように茶色のコートと緑色のニットキャップを着用しますが、その効果が表れたのでしょうか。
午後の京都御苑は鳥が少なく、参加者に見てもらいたい鳥が現れませんでした。いつもの場所にいるジョウビタキの雌だけが、今回も愛想を振りまいてくれました。



本番当日、予想通り、いつも見られるイカルやアトリの大群も、1月末の探鳥会に出現したミヤマホオジロもいません。でも、最後にトラツグミとアカハラが登場し、参加者全員がじっくり見て喜んでおられたので、胸をなでおろしました。
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受託探鳥会

2023年02月16日 | 野鳥
野鳥の会の探鳥会ではなく、外部の団体から依頼されて探鳥会を実施することがあります。ここ数年はコロナで中止するケースが多かったのですが、先日久しぶりにある施設の受託探鳥会を担当しました。以下の動画は、その下見の際に撮影したものです。
まず、河川敷でジョウビタキの雌が愛想を振りまいてくれました。この鳥はあまり人を恐れず、次々と止まる位置を変えて道案内してくれます。ヒタキ類は目や挙動が可愛いので、ついつい引き込まれます。



川を覗くと、小さな中州でイカルが水浴びしていました。そのまま歩いて行くと、地上に鳥の大群が…。私を警戒して一旦は飛び上がって樹上に退避しましたが、しばらく止まって待っていると、再び地面に降りて餌を食べ始めました。思った通り、イカルの大群です。



何を食べていたのだろうとその場所で確認すると、あたり一面にエノキの枯れ葉や種子の殻が散乱していました。イカルは果実よりも、ペンチのような太い嘴で種子を割って食べるので、エノキの種を食べていたようです。この河畔林にはエノキが多いので、イカルにとっては大切なレストランなのでしょう。
さらに歩いていくと、大きな鳥が木に止まったので、双眼鏡で確認するとノスリ。ここでは毎年1~2羽が越冬しますが、樹上の姿を至近距離で見るのは初めてです。



本番では、4人の子供を含めて参加者は12名。支部の双眼鏡を貸し出し、その使い方を説明してから探鳥会を始めました。川に浮かぶカモ類をはじめ、ミサゴ、ノスリに加えて想定外のチョウゲンボウとハヤブサが登場し、みなさん満足していただけたようです。
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冬の貴婦人を探しに

2023年02月09日 | 野鳥
先週、「久しぶりにタゲリでも見に行こう」と少し離れたところにある農耕地に出向きました。最近は数が減っている上に、生息場所を変えたという情報があるので、「ひょっとすると会えないかもしれない」と思いながら。
この農耕地には溜池が3つあって、その1つにヨシガモが11羽いました。普段は水に浮かんでいることが多いですが、水が抜かれた底地をヒョコヒョコ歩いていました。陸地を歩くヨシガモは珍しい。



3つ目の溜池にはタシギがいました。最初は1羽でしたが、時間が経つとともに数が増え、結局6
羽。それぞれ無心に餌を食べています。



この探鳥地にはノスリがいるはずなので、溜池の南エリアを歩いて探すと、予想通り電線に止まっていました。その後、電波塔へ移動したので、ゆっくり近づいてカメラを回しました。



目当てのタゲリが見つからないので、「やっぱり場所を変えたのかな」と諦めかけたとき、西の方から3羽が飛来し、いつもの田んぼに舞い降りました。「冬の貴婦人」という別名どおり、メタリックカラーの豪華な体色で、挙動もゆったりしています。



そのほか、溜池ではコチドリやタヒバリ、藪ではカシラダカ、田んぼの電柱ではチョウゲンボウなどが見られて、存分に楽しめました。
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雪の御苑で鳥探し

2023年02月02日 | 野鳥
1月末の京都御苑探鳥会を急きょ私が担当することになったので、先週、雪がよく降った次の日に下見に行きました。苑内はまだあちこちに雪が残り、大きなツララも下がっています。





雪の上には餌がないので、地上採餌型の鳥は困っているだろうなと思いきや、シロハラはいつもどおり元気に餌を捕っていました。草の実や小さな虫を探して食べているようです。



1月2日の京都御苑新春探鳥会に副担当として参加した際にミヤマホオジロが現れたので、そのポイントでしばらく待っていると、期待通り現れました。ホオジロ類は植物食なので、雪のない道に落ちた小さな木や草の実を食べているようです。雪はやんでいますが、葉っぱに残った雪が時々落ちてきます。



ビンズイも雪のない草むらで小さな虫や草の実を探して食べています。この鳥も典型的な地上採餌型ですが、全面雪に覆われたときはどうしていたのでしょう。



地中のミミズを引っ張り出して食べるトラツグミはどうしているのかな?と思って探しましたが、結局発見できませんでした。その代わり、同じツグミ類のアカハラが登場。ここでアカハラを見るのは初めてなので、小さな驚きでした。



本番の探鳥会ではミヤマホオジロやアカハラは出現しなかったものの、アオゲラをじっくり見ることができました。特に初心者の会員は大喜び。そんな参加者の笑顔を見ると、下見や準備の苦労は忘れます。

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