先週、大阪府立高校の入試で英語の出題にミスがあったというニュースが流れました。受験生以外は誰もミスの内容に気を留めなかったでしょうが、私には興味深いものでした。
「イチョウの木」という意味で「ginkgo trees」とすべきところを「gingko trees」と書いてしまった、つまりkとgが入れ替ったスペルミスです。
この前期入試は4万7000人が受験したそうで、教育委員会はこの問題を全員正解の扱いにするとのことです。
西本願寺の ginkgo tree
私がこのニュースに気を留めたのは、そもそもイチョウの学名(ginkgo)がスペルミスだからです。
イチョウは中国原産ですが、江戸時代に来日したドイツの博物学者ケンペルが日本で発見して命名しました。当時の日本では「銀杏」を「ギンキョウ」とも呼んでいたようで、ケンペルは「ginkyo」と書いたのですが、誤植で「ginkgo」と印刷されてしまいました。yがgに入れ替ったのです。
リンネがイチョウの学名を登録する際にミススペルのまま記述したので、現在も間違ったまま使われているわけです。
ginkyoであれば、試験問題を作成した人も「銀杏」からの類推で間違えなかったでしょうが、ginkgoという妙なスペルであるゆえに混乱したのでしょう。罪作りな学名です。
Ginkgo leaves
話はここで終わりません。大阪府教育委員会が「どちらのスペルも実際に使われている」と言い訳しているので、「そんなはずはないだろう」と思いましたが、念のためにミススペルの「gingko」で検索すると、意外にもいくつかのサイトがヒットしました。
そのうちの一つはワープロのブランド名になっていて、ロゴにはイチョウの葉があしらってあります。そのサイトは こちらhttps://gingkoapp.com(ULRもgingkoです)。
英語圏では一般の人たちもスペルミスに気づかずに使っているのです。300年前の誤植が現在でもあちこちに混乱を引き起こしているんですね。
「イチョウの木」という意味で「ginkgo trees」とすべきところを「gingko trees」と書いてしまった、つまりkとgが入れ替ったスペルミスです。
この前期入試は4万7000人が受験したそうで、教育委員会はこの問題を全員正解の扱いにするとのことです。
西本願寺の ginkgo tree
私がこのニュースに気を留めたのは、そもそもイチョウの学名(ginkgo)がスペルミスだからです。
イチョウは中国原産ですが、江戸時代に来日したドイツの博物学者ケンペルが日本で発見して命名しました。当時の日本では「銀杏」を「ギンキョウ」とも呼んでいたようで、ケンペルは「ginkyo」と書いたのですが、誤植で「ginkgo」と印刷されてしまいました。yがgに入れ替ったのです。
リンネがイチョウの学名を登録する際にミススペルのまま記述したので、現在も間違ったまま使われているわけです。
ginkyoであれば、試験問題を作成した人も「銀杏」からの類推で間違えなかったでしょうが、ginkgoという妙なスペルであるゆえに混乱したのでしょう。罪作りな学名です。
Ginkgo leaves
話はここで終わりません。大阪府教育委員会が「どちらのスペルも実際に使われている」と言い訳しているので、「そんなはずはないだろう」と思いましたが、念のためにミススペルの「gingko」で検索すると、意外にもいくつかのサイトがヒットしました。
そのうちの一つはワープロのブランド名になっていて、ロゴにはイチョウの葉があしらってあります。そのサイトは こちらhttps://gingkoapp.com(ULRもgingkoです)。
英語圏では一般の人たちもスペルミスに気づかずに使っているのです。300年前の誤植が現在でもあちこちに混乱を引き起こしているんですね。