愛知県の県鳥はコノハズク。そして、愛知県警のマスコットはコノハズクをモチーフにした「コノハ警部」(下図)です。その理由は、ある出来事から、愛知県にある鳳来寺山がコノハズクの生息地として有名になったからのようです。
コノハズクは主に夜、「ブッキッポー、ブッキッポー」と鳴きます(下の動画は私が撮影したものではありません)。
昔の人はこの声を「仏法僧」と聞きなし、その声の主と思われる鳥をブッポウソウと名づけました。ところが、これがそもそもの間違いで、ブッポウソウは以下のように、コノハズクとは似ても似つかない鳥です(動画は私が撮影したもの)。
つまり、昔の人はコノハズクとブッポウソウを混同していたわけです。それが間違いであると判明したのは、今から82年前の1935(昭和10)年のこと。
当時、NHKは「生態放送」として野鳥など野生動物の鳴き声をラジオで生放送する番組を制作していました。昭和10年6月、名古屋局が担当したのが鳳来寺山のブッポウソウ。
放送を聞いた山梨県のある人物がその声を追い求め、神社の森で「仏法僧」と鳴く鳥を撃ったところ、落ちてきたのは小さなフクロウでした。また、別の聴取者から「放送の声につられて飼っている鳥が同じ声で鳴きだした」という連絡があり、鳥類学者・黒田長禮(ながみち)が自宅で預かったところ、2日目に「仏法僧」と鳴いたので声の主がコノハズクであることが確認されました。
これを受けて、日本鳥学会は「仏法僧」と鳴くのはブッポウソウではなくコノハズクであると認定しました。これ以降、「姿のブッポウソウ」「声のブッポウソウ」と呼び分けるようになりました。
NHKのこの放送は反響が大きく、鳳来寺山がコノハズクの生息する山として全国に知られるようになり、地元の町興しもあって観光客が増えました。こうした経緯から愛知県はコノハズクをシンボルに採用したのです。
間違いは正されたのですが、疑問が一つ残ります。昔の人はなぜ「仏法僧」の声の主を間違えたのでしょう?
鳥類学者の中村浩志さんは、著書『甦れ、ブッポウソウ』の中で、両種が同じような環境に生息するため、夜行性のコノハズクの声を聞いた人が、日中に飛び回る鳥の姿を見てブッポウソウと名づけたのではないかと推測しています。
コノハズクは主に夜、「ブッキッポー、ブッキッポー」と鳴きます(下の動画は私が撮影したものではありません)。
昔の人はこの声を「仏法僧」と聞きなし、その声の主と思われる鳥をブッポウソウと名づけました。ところが、これがそもそもの間違いで、ブッポウソウは以下のように、コノハズクとは似ても似つかない鳥です(動画は私が撮影したもの)。
つまり、昔の人はコノハズクとブッポウソウを混同していたわけです。それが間違いであると判明したのは、今から82年前の1935(昭和10)年のこと。
当時、NHKは「生態放送」として野鳥など野生動物の鳴き声をラジオで生放送する番組を制作していました。昭和10年6月、名古屋局が担当したのが鳳来寺山のブッポウソウ。
放送を聞いた山梨県のある人物がその声を追い求め、神社の森で「仏法僧」と鳴く鳥を撃ったところ、落ちてきたのは小さなフクロウでした。また、別の聴取者から「放送の声につられて飼っている鳥が同じ声で鳴きだした」という連絡があり、鳥類学者・黒田長禮(ながみち)が自宅で預かったところ、2日目に「仏法僧」と鳴いたので声の主がコノハズクであることが確認されました。
これを受けて、日本鳥学会は「仏法僧」と鳴くのはブッポウソウではなくコノハズクであると認定しました。これ以降、「姿のブッポウソウ」「声のブッポウソウ」と呼び分けるようになりました。
NHKのこの放送は反響が大きく、鳳来寺山がコノハズクの生息する山として全国に知られるようになり、地元の町興しもあって観光客が増えました。こうした経緯から愛知県はコノハズクをシンボルに採用したのです。
間違いは正されたのですが、疑問が一つ残ります。昔の人はなぜ「仏法僧」の声の主を間違えたのでしょう?
鳥類学者の中村浩志さんは、著書『甦れ、ブッポウソウ』の中で、両種が同じような環境に生息するため、夜行性のコノハズクの声を聞いた人が、日中に飛び回る鳥の姿を見てブッポウソウと名づけたのではないかと推測しています。