昨年の本庶佑さん(生理医学賞)に続いて、今年は吉野彰さんがノーベル化学賞を受賞されます。バードウオッチャーとしては、「野鳥の研究でノーベル賞を受賞した人はいないのかな?」と気になります。
多くのバードウオッチャーも知りませんが、“鳥類学者のノーベル賞”と呼ばれる賞があります。1967年に国際鳥類保護会議(ICBP)が設けた「デラクール賞」。ノーベル賞のように毎年授与されるわけではありませんが、第4回(1977年)に山階鳥類研究所を創設した山階芳麿博士が受賞しています。
では、本当のノーベル賞を受賞した鳥類学者はいないのでしょうか?
実は、一人だけいます。1973年、オーストリアの動物学者コンラート・ローレンツが、カール・フォン・フリッシュ(ミツバチの研究者)とニコ・ティンバーゲン(イトヨの研究者)の3人で共同研究した「個体的および社会的行動様式の組織化と誘発に関する発見」でノーベル生理医学賞を受賞しています。
ハイイロガン(Public Domain)
ローレンツは鳥類学というよりも動物行動学が専門ですが、自宅でハイイロガンを飼い、鳥は卵からかえって最初に目にした相手を親と認識する「刷り込み」を提唱したことで知られています。
その著書『ソロモンの指輪』を読むと、興味深い鳥の習性や驚くべき事実が記されています。例えば、自宅で多くの鳥や動物を放し飼いにしていたので、奥さんは幼い娘がワタリガラスなどに襲われてケガしないように、鳥ではなく娘を檻に入れて育てたそうです。
ローレンツは上述の“鳥類学者のノーベル賞”デラクール賞も受賞しています。というよりも、この賞が創設された1967年(第1回)の受賞者がローレンツ。その6年後に本当のノーベル賞を受賞したわけです。いわば、ノーベル賞を2回受賞した動物学者です。
多くのバードウオッチャーも知りませんが、“鳥類学者のノーベル賞”と呼ばれる賞があります。1967年に国際鳥類保護会議(ICBP)が設けた「デラクール賞」。ノーベル賞のように毎年授与されるわけではありませんが、第4回(1977年)に山階鳥類研究所を創設した山階芳麿博士が受賞しています。
では、本当のノーベル賞を受賞した鳥類学者はいないのでしょうか?
実は、一人だけいます。1973年、オーストリアの動物学者コンラート・ローレンツが、カール・フォン・フリッシュ(ミツバチの研究者)とニコ・ティンバーゲン(イトヨの研究者)の3人で共同研究した「個体的および社会的行動様式の組織化と誘発に関する発見」でノーベル生理医学賞を受賞しています。
ハイイロガン(Public Domain)
ローレンツは鳥類学というよりも動物行動学が専門ですが、自宅でハイイロガンを飼い、鳥は卵からかえって最初に目にした相手を親と認識する「刷り込み」を提唱したことで知られています。
その著書『ソロモンの指輪』を読むと、興味深い鳥の習性や驚くべき事実が記されています。例えば、自宅で多くの鳥や動物を放し飼いにしていたので、奥さんは幼い娘がワタリガラスなどに襲われてケガしないように、鳥ではなく娘を檻に入れて育てたそうです。
ローレンツは上述の“鳥類学者のノーベル賞”デラクール賞も受賞しています。というよりも、この賞が創設された1967年(第1回)の受賞者がローレンツ。その6年後に本当のノーベル賞を受賞したわけです。いわば、ノーベル賞を2回受賞した動物学者です。