宇治市と大津市の境に岩間山という標高420mの山があります。毎年秋にタカの渡りが観察できる場所として全国に知られています。
私が初めて行ったのは17~18年前。先輩2人に連れられて調査のお手伝いをするためでした。その時は私たち3人だけでしたが、現在はその10倍の人が集まるようになりました。
(岩間山からは琵琶湖南部一帯が見下ろせます)
その理由は、約10年前この山で「タカを見たい!」という熱病が発生したからです。それまで土日に数人やって来る程度だったものが、今では平日でも5~6人集まります。中には8月下旬から10月末までほぼ毎日通う重症患者もいます。
「毎日毎日こんな所で鳥を見ていて、仕事や家庭は大丈夫?」と心配になりますが、夫婦ともども熱病に感染して、秋の岩間山だけでなく2人で年中タカを追いかけている例もあります。
(望遠鏡が並ぶ観察ポイント)
もっと気の毒なのは若い感染者。彼は学生時代にここで熱病に冒され、それが高じてタカの渡りを研究するために大学院へ進み、はるばる青森県の竜飛岬まで遠征してタカを観察しています。岩間山に来たばっかりに、人生を誤ったのではないでしょうか。
私の友人も、休日ごとに下の写真のような重い光学機器を担いで登る重症患者。というよりも、熱病のウィルスを撒き散らした感染源の一人です。
(20倍の望遠鏡を2本連結した双眼鏡。これで雌雄や成幼を識別します)
この病が恐ろしいのは、自覚症状がないこと。本人が気づかないまま症状がどんどん悪化し、次第に天気予報が雨でも行くようになります。1日に4200羽も飛んだ過去の栄光が忘れられず、朝から夕方までねばってゼロという悲惨な目にあっても、懲りずに登ります。
(最も多く観察できるタカ、サシバ)
最近はこの熱病が滋賀県や大阪府にも飛び火し、数年前から琵琶湖東岸の山や高槻市の山にも連日患者が集まるようになりました。
こういう重症患者のお陰で貴重なデータが蓄積できると思うと頭が下りますが、その一方で「かわいそうに…」という憐憫の情を禁じえません。
(大型のタカ、ハチクマ)
かく言う私はシーズンに2回訪れる程度。お陰さまでホーク熱に感染することなく、健全なバードウォッチャー生活を送っております。
あ~、でもツリー熱には冒されているかも…。
(タカの写真はホーク熱の重症患者にお借りしました)
私が初めて行ったのは17~18年前。先輩2人に連れられて調査のお手伝いをするためでした。その時は私たち3人だけでしたが、現在はその10倍の人が集まるようになりました。
(岩間山からは琵琶湖南部一帯が見下ろせます)
その理由は、約10年前この山で「タカを見たい!」という熱病が発生したからです。それまで土日に数人やって来る程度だったものが、今では平日でも5~6人集まります。中には8月下旬から10月末までほぼ毎日通う重症患者もいます。
「毎日毎日こんな所で鳥を見ていて、仕事や家庭は大丈夫?」と心配になりますが、夫婦ともども熱病に感染して、秋の岩間山だけでなく2人で年中タカを追いかけている例もあります。
(望遠鏡が並ぶ観察ポイント)
もっと気の毒なのは若い感染者。彼は学生時代にここで熱病に冒され、それが高じてタカの渡りを研究するために大学院へ進み、はるばる青森県の竜飛岬まで遠征してタカを観察しています。岩間山に来たばっかりに、人生を誤ったのではないでしょうか。
私の友人も、休日ごとに下の写真のような重い光学機器を担いで登る重症患者。というよりも、熱病のウィルスを撒き散らした感染源の一人です。
(20倍の望遠鏡を2本連結した双眼鏡。これで雌雄や成幼を識別します)
この病が恐ろしいのは、自覚症状がないこと。本人が気づかないまま症状がどんどん悪化し、次第に天気予報が雨でも行くようになります。1日に4200羽も飛んだ過去の栄光が忘れられず、朝から夕方までねばってゼロという悲惨な目にあっても、懲りずに登ります。
(最も多く観察できるタカ、サシバ)
最近はこの熱病が滋賀県や大阪府にも飛び火し、数年前から琵琶湖東岸の山や高槻市の山にも連日患者が集まるようになりました。
こういう重症患者のお陰で貴重なデータが蓄積できると思うと頭が下りますが、その一方で「かわいそうに…」という憐憫の情を禁じえません。
(大型のタカ、ハチクマ)
かく言う私はシーズンに2回訪れる程度。お陰さまでホーク熱に感染することなく、健全なバードウォッチャー生活を送っております。
あ~、でもツリー熱には冒されているかも…。
(タカの写真はホーク熱の重症患者にお借りしました)