樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

シギ・チドリ観察の準備

2024年07月25日 | 野鳥
猛暑の中、近くの干拓地に出かけました。シギ・チドリの渡りがもうすぐ始まるので、鳥が集まる休耕田の位置を確認するのが主な目的です。
ここ10年ほど毎年休耕田になっているポイントに行くと、コチドリの家族が4羽チョロチョロと採餌していました。色の薄いのは幼鳥です。



コチドリは一応夏鳥で、この干拓地では繁殖もしています。一部は越冬するようで、地域によっては留鳥ということになります。別の休耕田にも数羽の群れがいました。
しばらく前までは、あちこちから「ギョギョシ、ギョギョシ」というオオヨシキリの声が聞こえていましたが、繁殖も完了したようで、この日は声も姿も確認できませんでした。以下は5月に撮影したオオヨシキリ。



この干拓地では水田が減ってネギ畑が増えましたが、トウモロコシ畑も増えています。オオヨシキリはそのトウモロコシ畑でも繁殖するようで、穂の上に止まって鳴いている個体を何度か目撃しました。
休耕田は年々少なくなる傾向ですが、今年は昨年並みかな? 8月中旬にはまた暑い中、シギ・チドリを探して干拓地をうろつきます。
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ヤマガラの幼鳥でダイエット

2024年07月18日 | 野鳥
1年ほど前から散歩コースを宇治川付近の公園に変えていたのですが、医者から「もっと歩いて体重を減らしなさい」と指導を受けたので、以前の大吉山コースに戻しました。小さいながら一応山なので、登りは息が切れます。
久しぶりに展望台へ登ると、ヤマガラの幼鳥が5~6羽、元気に飛び回っていました。もともと人に対する警戒心がほとんどない鳥である上に幼鳥なので、すぐ近くまで寄ってきます。
散歩にやってくる近所の方も、ヒマワリの種を給餌したり、手に種をのせてヤマガラが止まるのを楽しみにしています。



鳥を見始めた35年前、生態をよく知らないまま、夏でもマウンテンバイクで山の中を走り回って鳥を探していました。今思えば、繁殖期が終わった夏は鳥がほとんど現れないので、無駄な行動をしていたわけです。それでも、ヤマガラだけはチョロチョロ飛び回って愛想よく姿を見せてくれたので、私にとってはありがたい鳥でした。何かのパスワードをyamagaraにしたり、ハンドルネームをヤマガラにしていたこともありました。
ちょっとしんどいですが、可愛い幼鳥が楽しみでほぼ毎日大吉山に登っています。体操やストレッチの量も少し増やしたせいか、体重が2kgほど減りました。ヤマガラの幼鳥でダイエットできれば、一石二鳥かな?
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イソヒヨドリ騒動

2024年07月11日 | 野鳥
日本野鳥の会京都支部へのメールでの問い合わせには私が対応しているのですが、最近イソヒヨドリの案件が続きました。
まず、一般の方から「台所の換気口にイソヒヨドリらしき鳥が巣を作りましたが、このままで大丈夫でしょうか?」という質問があり、「そのまま見守ってください」と返事しました。
その次は京都新聞の記者から、「京都市内の住宅地で最近見かける青い鳥について話をきかせてほしい」という連絡がありました。電話でイソヒヨドリの生態やわが家で4年連続繁殖したことを伝えたところ、数日後にネット版に「京都市で「青い鳥」が増えている 30年前は海沿いにいたのに、最近は民家に営巣も」という記事が掲載されました。
私は有料会員ではないので本文は読めなかったのですが、その記事を読んだ東京の某テレビ局のディレクターから「京都の青い鳥を取材したいので同行してほしい」という依頼がありました。「わざわざ京都まで来なくてもイソヒヨドリは東京でも撮影できますよ」と伝えたものの、なぜか「京都のイソヒヨドリを撮りたい」とのこと。しょうがないので、自宅付近なら撮れそうなので宇治まで来てもらうことにしましたが、なぜか翌日キャンセル。結局振り回されただけで終わりました。
以下は昨年、わが家の2階から撮影したイソヒヨドリ。



その後、京都新聞のネット記事が紙版にも掲載されたようですが、私は購読していないので、ある会員が記事のスクラップを送ってくれました。私が説明したことが書かれていて、名前も出ていました。
さらに、NHK京都放送局からも問い合わせがありました。「京いちにち」という夕方の番組に「声聴く」というコーナーがあり、そこに視聴者から鳥の声が入った動画が投稿されので、その正体を突き止めるので取材に同行してほしいとのこと。その動画を送ってもらって確認すると、声の主はイソヒヨドリでした。
ただ、私は難聴気味で取材には対応できないので、支部長に行ってもらうことにしました。明日取材で、放送は来週17日の予定。
こういう問い合わせが増えるということは、イソヒヨドリが住宅地に生息域を広げ、その青い色と美しいさえずりで一般の方々の目や耳に止まることが多くなったということでしょう。来年もこういう問い合わせが増えるのかな~?
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パレスチナのバードウォッチャー

2024年07月04日 | 野鳥
戦闘が続いているパレスチナ~イスラエル一帯は、地中海と山脈に挟まれたボトルネックになっていて、ヨーロッパや中央アジア~アフリカの間を行き来する渡り鳥が集中します。特にシュバシコウ(ヨーロッパのコウノトリ)の渡りが有名ですが、イスラエルの空軍機にとってはバードストライクが頻発する危険なエリアでもあります。


シュバシコウ(嘴が朱色のコウノトリ、日本のコウノトリは嘴が黒)(pixabay)

今回の戦争が野鳥やバードウォッチャーにどのような影響を及ぼしているのか気になって、ネットでいろいろ調べました。驚くべきことに、激しい戦闘が続くガザ地区でも野鳥を観察し続けているバードウォッチャーがいます。
ある双子の姉妹は、イスラエルの避難命令によって北部の自宅を離れることを余儀なくされ、観察道具を持って出ることを許されなかったにもかかわらず、何とか入手して野鳥観察を続け、ヤツガシラやハチクイの写真をインスタグラムに投稿。避難生活の数カ月間に目撃した渡り鳥と留鳥合わせて39種をリストアップしています。
そして、「鳥や野生動物を観察することで、戦争の恐怖、避難、ガザでの悲劇から解放され、大きな慰めを得ることができました」というメッセージを発信。「上空を飛ぶ鳥たちを見たとき、戦争が終われば私たちも鳥たちと同じように北の故郷に戻れるといいなと思いました」とも書いています。


ヤツガシラ(pixabay)

パレスチナにも国鳥がいます。和名はキタキフサタイヨウチョウですが、英名はPalestine Sunbird(パレスチナのタイヨウチョウ)。アラビア半島の紅海、アフリカ中央部のサバンナ、川沿いのブッシュ、岩地の谷などに生息し、主に花の蜜を吸い、クモや昆虫類も食べるそうです。


Palestine Sunbird(pixabay)

それにしても、激しい戦火の中で野鳥観察を心の支えにしている仲間がいることを知って、逆に勇気づけられました。
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