樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

裏山のハヤブサ

2024年04月25日 | 野鳥
わが家の裏山に断崖絶壁があり、そこで毎年ハヤブサが繁殖しています。いつでも行ける場所ですが、フォトグラファーが何人もカメラを構えて並んでいるので、最近は遠慮して訪れていませんでした。
被写体が100mほど離れているので、古いカメラで撮影した映像はハヤブサが小さく、イマイチ迫力不足でした。新しいカメラの60倍ズームならアップで撮影できるだろうと期待して、フォトグラファーが少ないであろう平日の天気が良くない日を選んで行ってきました。
先客は3人、うち2人はご夫婦。このポイントに通っておられるようで、3人とも長期戦に備えてイスを持ち込んでいます。私は久しぶりで、巣穴も以前とは変わっていて、探すのに少し苦労しました。



60倍ズームの威力は期待通り。ご覧のように画面いっぱいにハヤブサを捉えて、迫力があります。ただ、この日は黄砂が飛んでいたので、少しモヤっとしています。
写っているのは雌のようです。ずーっと松の枝に止まっていたり、どこかへ飛んで餌を捕らえてきて食べたりしているので、まだ産卵していないかもしれません。
じっくり観察も撮影もできて満足したので、3人に「お先です」と挨拶して30分ほどで引き上げました。近いうちに、黄砂のない日を選んで再訪し、くっきりした映像を撮ろうと思います。
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冬鳥・夏鳥・旅鳥

2024年04月18日 | 野鳥
京都府南部に、桂川と宇治川と木津川が合流して淀川になるところがあり、「三川合流」という探鳥地になっています。そのうちの木津川と宇治川に挟まれた堤防は桜の名所ですが、もう花見シーズンも終って人も少ないだろうと、昨日鳥見に出かけました。
堤防にはツグミがいました。冬鳥なのでもうすぐ北へ帰りますが、田園地帯では連休頃まで残っています。



上の動画にも入っていますが、ウグイス以外に聞き覚えのある声が耳に入ってきました。「あれ? キビタキ?」とあたりを探すと、花弁が散ったソメイヨシノの枝に黄色い鳥がいました。
キビタキは夏鳥。冬鳥のツグミと同居しているのです。



この場所に来たのは理由があります。4日ほど前、妻と一緒におにぎり持参で近所の公園へ散歩に出かけた際、コムクドリを発見。近所で見るのは初めてなので嬉しかったのですが、双眼鏡を持っていなかったのでじっくり観察できず、「久しぶりにコムクドリを見たい」という欲求が湧いてきて、そのポイントである三川合流にやって来たのでした。
コムクドリは花が散った後の桜に集ってきます。多分、桜の新葉に虫がたくさん付くので、それを狙って来るのだと思います。
片道1.4kmの桜並木を往復してコムクドリを探しましたが、じっくりは観察できず、撮影もできなかったものの、5~6羽が行ったり来たりしているのは確認できました。
今回撮影できなかったので、2013年4月23日に同じ場所で撮影したコムクドリをご覧ください。



コムクドリは関西では旅鳥。越冬地の東南アジアと繁殖地の北日本を往復する途中、春と秋の2回関西を通過します。
この日、旅鳥を見に来たつもりが、冬鳥(ツグミ)にも夏鳥(キビタキ)にも出会えて、何か得した気分になりました。
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花見より鳥見

2024年04月11日 | 野鳥
土日は恒例の「宇治川さくらまつり」が開催されました。いつも開花時期とずれるのですが、ことしはピッタリ一致。大勢の人々で賑わいました。



土曜日に出向くと、会場の上空を10羽ほどの鳥が飛んだり、周辺の樹木に20羽ほどの群れが止まっています。最初はムクドリかなと思いましたが、飛び方が違う。双眼鏡を持っていなかったので、止まっている木に近づいてよく見ると連雀のようです。
日曜日、双眼鏡とカメラを持って出かけると、まだいました。しかも、キレンジャクが多い。関西ではヒレンジャクが多く、キレンジャクは少ないので、結構珍しい。前々回の記事「春を呼ぶ鳥」でヒレンジャクの群れを紹介しましたが、あのときの群れとは違うようです。



「さくらまつり」のイベントで太鼓が鳴ったり、子供がはしゃぐ声が聞こえたり、スマホで桜を撮影する人や家族連れで賑わう中、一人双眼鏡をぶら下げた変なオジサンが、カメラを上向きに構えて何かを撮影しているという違和感のある姿をさらしていました。
バードウォッチャーにとっては「花見より鳥見」です。
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念願の赤い鳥

2024年04月04日 | 野鳥
2年前からベニマシコを探して近辺のポイントへ何度も出かけていますが、ことごとく空振り。昨年と今年にプチ遠征した平城宮跡でも、一瞬チラッと見ただけでした。
冬鳥とはいえ暖かい日の方が出現率が高いようなので、ラストチャンスと思って、一昨日近くの池へ出かけました。いつも数人いるカワセミ狙いのフォトグラファーもいないので、気兼ねなく一人でじっくり待つこと1時間。出た~! 長らくご無沙汰していた赤い鳥。右上にいるのは雌です。



2年前から数えると、このポイントでは10回以上空振りしています。それほど珍しい鳥ではないのですが、藪の中に隠れていることが多く、なかなか目立つ場所に出て来ない、いわばシャイな鳥。
1時間待っている間に、いろいろな鳥が現れて楽しませてくれました。遠くにある枯れ木に頭の黒い小鳥が止まったので、以前からこの池にいるオオジュリンの夏羽かと思ってカメラを覗くと、ノビタキの夏羽。



関西では旅鳥で、春と秋に通過しますが、ここで見るのは初めてで、意表を突かれました。
念願の赤い鳥と思いもよらぬ旅鳥に出会え、ココロが満タンになりました。
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