樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

20年ぶりの再会

2018年01月25日 | 野鳥
近くの干拓地で行うお正月恒例の探鳥会で珍しくコチョウゲンボウが出現したので、それを目的に久しぶりにカメラを担いで出かけました。現地に着いてすぐにそれらしい鳥を発見しましたが、チョウゲンボウでした。
畑で作業をしていた農家の方が「こっちに入った方が近くで撮れるよ」と柵を開けてくれたので、ご好意に甘えました。以下の動画の後半部分がその映像。



結局、コチョウゲンボウは発見できなかったので、越冬中のアオアシシギを探しに小川へ向かいました。4羽いるはずですが、私が確認したのは2羽。以前もご紹介しましたが、ここでは数年前から越冬しています。



久しぶりに農耕地に出向いたもう一つの目的はコミミズク。ここはコミミズクやケリが生息する地として「京都の自然200選」に選ばれています。
私自身の記録には「1996年4月6日3羽」とあり、それ以降も何度か観察しましたが、数が減少したり、夕方暗くならないと現れないので、ここ20年ほどは出向きませんでした。今回、久しぶりにポイントに立ち寄ってみました。
しばらく待っていると、期待どおりコミミズクが飛んできて、目の前の草むらに着地しました。



コミミズク自体は3年前に淀川でじっくり観察しているのですが、地元のコミミズクは約20年ぶり。向こうはそのときの個体ではないでしょうが、私は久しぶりに旧友に再会したような気分になって興奮しました(笑)。
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ガンカモ調査で異変

2018年01月18日 | 野鳥
今年も4地点のガンカモ調査を担当しました。まず1月7日は淀競馬場の池。昨年は飼われていたコブハクチョウが鳥インフルエンザに感染したためすべて殺処分されました。


池の周囲は消毒用の石灰で真っ白(昨年撮影)

「今年は給餌もないので、おこぼれを期待するカモも激減しただろう」と思いながらカウントしたところ、予想に反して昨年の2.3倍の505羽。しかも、昨年は記録されていないマガモやヨシガモ、ハシビロガモもいます。さらに、ミコアイサも1羽。
毎年、朝7時前に行くと開場前の正門に数十人の観客が並んでいますが、今年は人数が多い。後で分かったことですが、キタサンブラックの引退式が行われたようです。
同じ日の午後は、近くの池で調査。「ガンカモ調査を見学したい」という女性会員を連れて、ゆっくり観察しながらカウントしました。12月の探鳥会で確認したミコアイサが3羽います。頭が茶色なので、以前なら「雌」と即断できましたが、氏原さんの『日本のカモ識別図鑑』が発行されて以降は、単純には雌雄を判別できなくなりました。淀の個体も雌タイプでした。
昨年の調査では京都府下で確認されたミコアイサはわずか2羽。今年の集計はまだですが、私は淀とこの池ですでに4羽観察したことになります。下の動画は別の場所で撮ったミコアイサの雌(確認済)。



1月13日は京都府北部の阿蘇海(天橋立の内海)と日置(丹後半島の東海岸)の調査。私の故郷ですが、この時期はほとんど毎日雪か雨で、昨年は2回延期させられ、今年も1月8日の予定が雨で13日に延期。しかも午後は雨かみぞれという予報でしたが、再延期しても晴れるかどうか分からないので強行しました。
調査結果は、阿蘇海が昨年より600羽も少ない1,720羽、日置も220羽少ない280羽。スコープを左右に振りながら海面を観察するので、昨年は同行メンバー2人が船酔い症状に見舞われましたが、今年は数が少ないためかそういう症状もなかったようです。
数が減った反面、昨年も一昨年も記録されなかったオカヨシガモを6羽確認しました。淀競馬場では倍増した一方、丹後では激減。そして、いずれでも従来記録されていない種類が出現。私が担当した調査地点に限ってですが、ちょっとした異変でした。
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ヤマブキとチドリ

2018年01月11日 | 野鳥
江戸城を建てた武将・太田道灌(どうかん)が、山里で雨に降られたので農家で蓑(みの)を借りようとしたところ、娘が黙ってヤマブキの花を差し出した。その時は意味が理解できず怒って帰ったものの、後になって「七重八重 花は咲けども 山吹の実の(蓑)一つだに なきぞ悲しき」という古い歌に託し、蓑がないほど貧しいことを伝えたことが分かった。という話はよく知られています。


八重咲きのヤマブキは栽培品種なので実が成らない

道灌は自分の無教養を恥じ、以後は和歌の勉強に励んだそうで、その後日談が残っています。
主君とともに山が迫った海岸沿いの道にさしかかり、山沿いの道を通ると敵の襲撃を受けるかもしれず、海辺を通ると潮が満ちていれば流されるという状況に追い込まれます。夜で潮の干満が見えないところ、道灌が海辺を偵察してすぐに戻り「潮は引いています」と告げます。
「なぜ分かる?」と問う主君に、「遠くなり 近くなるみの 浜千鳥 鳴く音(ね)に潮の 満ち干(ひ)をぞ知る」という古歌を紹介して、「千鳥の声が遠かったので、潮は引いています」と告げた。という話です。ヤマブキでの失敗をチドリで挽回したわけです。
この浜千鳥がどんなチドリなのかが気になりますが、海岸にいるのならシロチドリかも知れません。



話としてはよくできていて面白いのですが、チドリやシギは夜行性ではないので、夜に鳴き声が聞こえることはないはず。ヤマブキの件も冷静に考えると、武士に「蓑を貸してほしい」と問われて、娘が黙ってヤマブキの花を差し出すというのも不自然です。
和歌の研究者が都合よく創作した作り話ではないでしょうか。
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アカゲラはシラカバが好き?

2018年01月04日 | 木と鳥・動物
明けましておめでとうございます。本年も当ブログをよろしくご愛読ください。

さて、年末にキツツキが好む営巣木や採餌木について調べていたら、いろいろ興味深いことが分かってきました。
札幌市の森で1995年から15年間、301例のアカゲラの巣を観察して行われた調査研究によると、23種の落葉広葉樹と2種の針葉樹で営巣したそうです。そのうち最も多いのはシラカバで23.9%。次がエゾヤマザクラ(オオヤマザクラ)の20.6%。この2種で半分近くを占めています。
この研究論文を読んで、2年前の信州ツアーのペンションで、テラスにあるシラカバにアカゲラがやって来るのを眺めながら朝食をいただいたことを思い出しました。下はそのときの映像。



ただ、この研究者によると、アカゲラはシラカバが好きというよりも、辺材(外側)部分が硬く、巣のたて穴となる心材(中心)部分が柔らかい木を選んで営巣するとのこと。カバノキやサクラはそういう材質であるということでしょう。
一方、関東で行われた別の調査研究によると、コゲラはコナラ、エゴノキ、スダジイ、サクラなどに穴を開けて巣を造るのですが、いずれも枯れ木か枯れ枝とのこと。小型キツツキであるためつつく力が弱く、軟らかい木を選択していると報告しています。
下の動画はコゲラの巣づくりですが、樹種が思い出せません。樹皮から判断すると、前述の4種ではないようです。生木か枯れ木かも確認しなかったのですが、多分、枯れ木だったのでしょう。



鳥との関連で樹木を調べていると、いろいろなことが分かって面白いです。
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