散歩しながら街路樹や庭木を観察したり、森に出かけてツリーウォッチングしていると、時々コブのある樹に出会います。「樹には何故コブができるのだろう?」と疑問になって、手元にある樹木医の本を紐解いてみました。
コブの原因にもいろいろあって、一つはホルモンの異常。ある菌が樹体内に侵入するとホルモンが異常生長して、その部分が膨れるというもの。樹木にもホルモンがあるんですね、知らなかった。
もう一つは病気。ある細菌が侵入すると正常な細胞がガン化して増殖し、その部分だけ膨らむというもの。人間のガンと同じく、あちこちに転移するそうです。
私のフィールド栃の森でも、所々にコブのある樹があります。しかも、コブのある樹木がある範囲に集中している場所がいくつかありました。多分、最初に病気に冒された1本から感染して周囲に広がったのでしょう。
コブだらけのブナ
また、全くコブのない個体もあれば、上の写真のようにコブだらけの個体もあります。ガンがあちこちに転移したのでしょう。そして、私が観察した限りでは、コブがあるのはブナとミズナラに限られていました。
先日、大阪のある通りで、コブのあるシラカシが3本続いて植えられている街路樹を発見。多分、植木業者のバックヤードで感染が広がって、次々に病気になったシラカシがまとめてここに運ばれて植えられたのでしょう。
シラカシのコブ
庭木ならクレームの対象になるかも知れませんが、街路樹としてはコブがあろうがなかろうが商品価値としては変わらないというか、誰も気にしないということでしょう。
ブナもミズナラもシラカシもブナ科の樹木。以前お伝えしたように、この仲間はナラ枯れにもやられていますが、ガンに冒されやすいのかも知れません。