バードウォッチングには「宝探し」に似た楽しみがあって、「この時期に、ここに行けば、こんな鳥が見られるだろう」と予測し、実際に現地でその鳥を探し当てた時は感激します。目当ての鳥に出会えずガッカリすることもしょっちゅうですが、そんな時でも予想外の鳥が見られることがあるので止められません。
ところが水鳥、特にカモ類は、冬の池や川に行けば群れがいて、森の鳥のように視界を遮るものもないので探すのは簡単。「宝探し」の面白味がないので、ベテランになるとわざわざカモを見に行かなくなります。
近くの池のカモ
でも私は、鳥歴20年の一応ベテランですが、今でも時々ダックウォッチングに出かけます。カモを見ていると何故か心が落ち着くからです。
車を持っていた頃は琵琶湖へ行ってカモを見るのを楽しみにしていましたし、現在もバイクで近くの池に出かけて、暖かい陽射しを背中に浴びながら、プカプカ浮いているカモをのんびり眺めています。
この池では今年も80羽ほどのカモが越冬しました。種類は多い順に、キンクロハジロ、ホシハジロ、マガモ、コガモ、ハシビロガモ、ヨシガモ。
今年は一眼レフを持参して撮影したので、その面々をご紹介します。まずはキンクロハジロ。目つきは悪いけど、お下げ髪(冠羽)が可愛いでしょ?
次はホシハジロの動画。目の赤、頭の赤茶色、胴体の白と黒の細かい縞模様…、色もデザインもおしゃれでしょ?
続いてハシビロガモ。水面に浮いている水草をヘラのような嘴ですくって、細かい歯で漉し取って食べています。ちょっと変なヤツでしょ? 地味な方はメスです。
<!-- ハシビロガモ -->
賭け事で「鴨にする」とか「鴨がネギを背負ってやってくる」と言います。カモは動きが愚鈍で、簡単に捕獲できるからでしょう。そう言えば、私も子どもの頃よく「ドンくさい」(標準語で「のろま」)と言われましたし、ギャンブルも下手で、若い頃は麻雀でよく鴨にされました。
鳥歴20年の今でもカモを見ると心が落ち着くのは、愚鈍なカモに自分を投影しているからですね、きっと。ということは、Duck Watchingは私にとってはSelf Watchingか?